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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

ボルトン前国連大使との面談?訪米報告3(2007/05/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2007.05.08)

 訪米団は、4月26日正午よりジョン・ボルトン前国連大使と面会した。以下
は、島田洋一副会長報告。

■ボルトン前国連大使との面談?訪米報告3
場所:シンクタンク・AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティテュー
ト)の会議室。ボルトン氏は現在AEIの上級研究員(Senior Fellow)を務めて
いる。同氏と親しいチャック・ダウンズ氏(元・国防総省専門官。『北朝鮮の交
渉戦略』著者)も同席した。

(ボルトン氏から歓迎の言葉があり、増元照明・家族会事務局長、斉藤文代さん
が拉致問題をめぐる最新状況を説明、その後、質疑応答に入る)

問) 北朝鮮に対するこの数か月のアメリカ政府の動きには、正直、懸念を覚え
ざるを得ない。無原則な妥協に陥ってはいないか。

ボルトン 2月の六者合意は、米側内部に大きな分裂と意見対立をもたらした。
政権を去ったばかりで静かにしていたかったが、これは声を上げざるをえないと
思った。彼ら(クリストファー・ヒル氏ら)は大きな間違いを犯した。北朝鮮が
2月合意を守ることはありえないと思う。

 私は大統領を非難したことはない。国務省主導のやり方を強く批判しているの
だ。今では、皆さんの方が私より国務省に入って行きやすいだろうが(笑)、はっ
きり発言しなければならないと感じた。

 大統領がもし、あの合意がもつ意味、その及ぼす影響、北朝鮮が何を狙ってい
るか等、充分理解していたなら、決して同意を与えなかったと思う。今からでも
遅くはない。白紙に戻す機会はある。

 北朝鮮のテロ国家指定解除、米朝関係の正常化などを、拉致問題解決と無関係
に進めていくとも取れる項目が、いかに日本を難しい立場に立たせるかについて、
大統領が充分なブリーフィングを受けていたとは思えない。もし知らされていれ
ば、彼は強い苛立ちを覚えたに違いない。

 日本がいかに拉致問題を重視しているか、また核問題についてもいかに重視し
ているかについて、安倍首相が大統領に踏み込んだ話をしてくれることを願って
いる(注:同日、安倍首相一行がワシントンに到着)。首相訪米は絶好のタイミ
ングだと思う。

 私のこうした考えは共和党内で広く共有されている。例えば今朝、25人ほど
の共和党下院議員たちと会合をもったが、全員が、北が合意を守ることはありえ
ないとの意見だった。

問) ブッシュ政権は、イラクやイランの問題で忙しく、北朝鮮問題は後回しに
するしかないのが実情といった解説をする向きもあるが。

ボルトン それはまったく違うと思う。2月合意に至った理由は、アメリカ軍が
手一杯だからではなく、6年間機会を窺っていた国務省が、ついに主導権を握っ
たという点にある。しかし、まだ話が終わったわけではない。巻き返しの機会は
充分ある。

問) 金融制裁(法執行)は、北朝鮮にどの程度効果があったか。また、バンコ
・デルタ・アジア(BDA)をめぐる米側の譲歩(預金凍結解除)は、逆にどの程
度のマイナスとなるか。

ボルトン 金融制裁は、他のいかなる措置よりも大きな効果があった。BDA問
題のああした処理は、重大な誤りだった。ダメージの及ぶ範囲については分から
ない。イラン問題等への悪影響も避けがたいだろう。

 あの取引をめぐり、米政府内は割れていた。財務省は凍結解除に反対だった。
戦術的誤りを犯し、譲歩をしながら、なおかつ、北朝鮮は合意を守っていない。
話にならない状況だ。

問) 中国政府の意図についてどう思うか。

ボルトン 中国は北朝鮮を衛星国と見なしている。中国は分断された朝鮮半島を
好んでいる。北の核開発は否定的に捉えているが、北のレジーム・チェンジは望
んでいない。北の態度を改めさせるため、なすべきことをしていない。われわれ
は中国にプレッシャーを掛けねばならないが、逆にプレッシャーを緩和する方向
に動いてしまった。
 
今後どう対応すべきか。簡単なロジックの問題だと思う。第一に、この合意を白
紙化する。次いで、昨年10月の時点に戻って、経済制裁を課し、金融制裁を復
活させるということだ。

問) 金正日体制をつぶさない限り、拉致も核もミサイルも解決しないと思うが、
ブッシュ大統領は、北との話し合い解決が可能と考えているのか。

ボルトン ライス国務長官が大統領に対し、今のアプローチこそが国際的ルール
に適い、かつ大統領が重んじる原則にも適うと説いているようだ。

 個人的には、私は北が核兵器を放棄することはあり得ないと思っている。六者
協議を4年間続けてきて、この上どんな証拠が必要だというのか。2月合意の最
初のステップ、すなわち最も実行容易な措置すら守られないという事実がすべて
を物語っている。

 安倍首相は、この点を大いに首脳会談で論じてもらいたい。大統領は、国務省
が勧める話し合い努力は尽くした、と今や言い切ることができる。2月合意を捨
て、次に進むべき時だ。

チャック・ダウンズ 今年、2007年は、韓国と北朝鮮の「南北非核化宣言」
が発効して15年目に当たる。その間、何一つ進展といえるものはなかった。

問) 数か月中、早ければ6月にも、アメリカからボルトン、ダウンズ両氏、韓
国から趙甲済氏などの専門家を海外から招き、日本で北朝鮮問題の国際会議を開
きたいと思っている。パネリストとして参加してもらえるか。

ボルトン 喜んで参加する。日程調整の必要があるので、早めに候補日を教えて
欲しい。

ダウンズ 私も同じだ。

ボルトン われわれは拉致問題を決してうやむやにはさせない。テロ国家指定と
拉致問題を切り離すようなことは許さない。



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