拉致問題の解決なしに経済支援を禁止?米議会が北朝鮮人権法案可決(2004/10/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2004.10.15-3)
■拉致問題の解決なしに経済支援を禁止?米議会が北朝鮮人権法案可決
米国では、9月28日、「2004年北朝鮮人権法案」を上院で全会一致で可
決、10月4日、下院での再審議本会義でも全会一致で可決し、あとは大統領の
署名を待つばかりとなっている。
法案は、北朝鮮の人権状況が改善されなければ、米政府は人道援助を除く支援
をしてはならないというもの。また、「北朝鮮政府は過去において韓国人・日本
人を拉致し、その人たちの消息が未だに不明である」と法律に明記した上で、
「北朝鮮政府によって拉致された日本人や韓国人の真相解明」も支援禁止の理由
に含め、「このような拉致被害者がその家族と共に完全な自由を回復して祖国に
帰還できるようにしなければならない」としている。また、北朝鮮難民の受入れ
や、人権問題を北朝鮮と話し合う「特使」の新設を定めている。さらに、北朝鮮
の人権、民主主義、法治主義、市場経済の促進をはかるNGO、民間に対し今後
4年間で補助金200万ドル(約2億2千万円)、北朝鮮国内に向けたラジオ放
送強化のために4年間で200万ドルの支出を決めた。
外国の議会で、全会一致で、「日本人拉致問題の解決なくして支援を禁ずる」
ことが法律に明記されたというのに、当事国日本は、「人道支援」というにはあ
まりに大量の食糧を送っている。こんなことでいいのだろうかという、情けない
状況である。小泉首相こそ、「拉致被害者を返せ。返さなければすべての経済交
流を禁止する」と言うべきではないか。
◆北朝鮮はこんな国と法律で規定
さらに、人権法は、第3部「認定」で、「北朝鮮の政府は独裁政権であり、金
正日絶対支配の下、多くの重大な人権侵害が犯され続けてきた」とする等、北朝
鮮について下記のように明記している。
これは北朝鮮は犯罪国家・テロ国家であると宣言したのも同然である。そのよ
うな犯罪国家の政権と普通の国と同じような「対話」外交で全被害者を取り戻せ
る筈がない。普通の国に対する「対話」外交ではなく。「圧力」を前提にした
「要求」しかないと米国は与野党一致して法律に明記したことになる。当事国日
本も同様の認識を表明すべきであろう。
また、「認定」は、中国が脱北者を強制送還していることに関し、また支援者
を勾留、投獄していることに関し、「1951年国連の難民の地位に関する条約」
および「1967年国連の難民の地位に関する定義書」の義務を遵守していない
として強く非難している。第3部「認定」の全文以下の通り。
第3部「認定」
議会は以下のように認定した。
(1)国務省によると、北朝鮮の政府は独裁政権であり、金正日絶対支配の下、
多くの重大な人権侵害が犯され続けてきた。
(2)北朝鮮政府は、あらゆる情報、表現の自由、学術活動、および北朝鮮内の
報道を規制し、かつ海外報道への言論・アクセスの自由を厳しく制限して
いる。
(3)北朝鮮政府は、金日成と金正日への個人崇拝に仕向けさせるべく、体系的、
政治的、イデオロギー的に住民を洗脳し、その規模がほぼ国家全域に及ぶ。
(4)北朝鮮政府は、住民を各カテゴリーに分け、将軍様への忠誠心によって、
食糧、雇用、教育、住居、医療などを分配する。
(5)国務省によると、北朝鮮は厳罰主義に基づいて、“革命”反対者、脱北者、
脱出を試みる者、異議を唱える者、外国の放送を聞く者、“反動的”な書
状を書く者、および“反動的”な印刷物を所有している者の処刑と財産没
収を規定している。
(6)北朝鮮政府は、政治犯、体制反対者、強制送還された者、地下活動家、そ
の他の時々のミーティングに参加した労働者、学生、生徒を処刑する。
(7)北朝鮮政府は、約20万人の政治犯を収容し、その収容所で国家保安部が、
強制労働、殴打、拷問、および処刑の手段で被収容者を管理する。そのため、
多くの被収容者が病気、飢餓、および死刑などで死に至った。
(8)米議会に提供された、北朝鮮の収容所生存者の証言によると、被収容者は
海外輸出製品を生産する奴隷労働力としてだけでなく、軍事練習の標的、
化学および生物兵器の実験体としても使われた。
(9)目撃者の証言を含む米議会に提供された信用できる報告によると、北朝鮮政
府高官は収容所での出産を禁止し、堕胎を強制する。嬰児を処分することも
収容所では普通の行為となっている。
(10)国務省によると、「北朝鮮には宗教の自由が存在しない」。そして世界自由
宗教の米委員会によると、北朝鮮は公私にわたる信仰活動を厳しく制限し、
その処罰として逮捕、投獄、拷問、処刑の報告もある。
(11)北朝鮮政府による農業の集中化および配分制度の失策によって、約200万人
の人たちが1990年はじめから飢餓のため死んだと見積もられている。
(12)2002年の国連・EU調査によると、約10分の1の割合で北朝鮮の子供た
ちが栄養失調に遭っている。
(13)1995年以来、米国は主に世界食糧計画(WFP)を通じて、北朝鮮の人たちに
200万トンの食糧援助をしてきた。
(14)米国の食糧援助は間違いなく北朝鮮の多くの人たちを救ってきた。これらの援
助物資の供給過程に関して若干の透明性が認められるが、北朝鮮政府は、WF
Pの援助供給過程における適切な監視を拒否し続けている。同時に、無作為な
訪問の実施や通訳者の使用、および北朝鮮国内の視察をも拒否している。
(15)飢餓、迫害の恐れ、自由や様々な機会の制限が数十万の人たちを北朝鮮から主
に中国に脱出させた。
(16)中国に逃げ込んだ北朝鮮の女性と女子児童は、誘拐、取引、性的搾取の危険に
さらされている。その多くは花嫁または内縁の妻として売られるか、売春婦と
して働くことを強制されている。
(17)中国と北朝鮮政府は、中国国内に潜んでいる脱北者に攻撃的なキャンペーンを
実施し、北朝鮮に強制送還するように取り締まる。送還されれば、そこには拷問、
投獄および処刑などが彼らを待ち受けている。
(18)「1951年国連の難民の地位に関する条約」および「1967年国連の難民の
地位に関する定義書」の遵守に中国が義務を負っているにもかかわらず、中国
領土内に潜んでいる北朝鮮の人たちを単なる“出稼ぎ労働者”と呼んで、迫害
を受けることの危険性を無視して彼らを北朝鮮に強制送還した。
(19)中国政府は、1951年の条約と1967年の定義書を履行する義務を負ってい
るにもかかわらず、北朝鮮の人たちの保護の求めを拒否し、かつその拒否が否か
どうかを調査することもなく彼らを強制送還した。
(20)中国に保護を求めて逃げた北朝鮮の人たちは中国にいる間、投獄、拷問を常時受
ける。本国に送還された後に殺害された場合もある。
(21)中国政府は北朝鮮難民を助ける外国人支援者が中国の法律あるいは国際法を遵守
しなかったとの理由で彼らを勾留し、罪を問い、投獄する。
(22)2000年1月に、中国内で活動している北朝鮮工作員が北朝鮮難民の支援者で米
国永住の在留資格を持つ牧師キム・ドンを誘拐したが、その消息が未だに不明であ
る。
(23)1994年から2003年までの間、韓国は3800人の北朝鮮難民を受け入れ定
住させてきた。この数は実際の脱北者数と比較すると少ないが、北朝鮮難民を合法
的に受け入れた国のどこよりもはるかに多い数である。
(24)北朝鮮難民の受け入れ・定住は自然と第一に韓国政府の責任になるが、米国は北朝
鮮難民に対する国際的な関心を呼び起こすリーダーシップを発揮し、人道上憂慮す
べきこの問題の国際的な解決を構築していかなければならない。
(25)我々市民の権利侵害に関しては、北朝鮮政府は過去において韓国人・日本人を拉致し、
その人たちの消息が未だに不明である。
以上
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救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
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■拉致問題の解決なしに経済支援を禁止?米議会が北朝鮮人権法案可決
米国では、9月28日、「2004年北朝鮮人権法案」を上院で全会一致で可
決、10月4日、下院での再審議本会義でも全会一致で可決し、あとは大統領の
署名を待つばかりとなっている。
法案は、北朝鮮の人権状況が改善されなければ、米政府は人道援助を除く支援
をしてはならないというもの。また、「北朝鮮政府は過去において韓国人・日本
人を拉致し、その人たちの消息が未だに不明である」と法律に明記した上で、
「北朝鮮政府によって拉致された日本人や韓国人の真相解明」も支援禁止の理由
に含め、「このような拉致被害者がその家族と共に完全な自由を回復して祖国に
帰還できるようにしなければならない」としている。また、北朝鮮難民の受入れ
や、人権問題を北朝鮮と話し合う「特使」の新設を定めている。さらに、北朝鮮
の人権、民主主義、法治主義、市場経済の促進をはかるNGO、民間に対し今後
4年間で補助金200万ドル(約2億2千万円)、北朝鮮国内に向けたラジオ放
送強化のために4年間で200万ドルの支出を決めた。
外国の議会で、全会一致で、「日本人拉致問題の解決なくして支援を禁ずる」
ことが法律に明記されたというのに、当事国日本は、「人道支援」というにはあ
まりに大量の食糧を送っている。こんなことでいいのだろうかという、情けない
状況である。小泉首相こそ、「拉致被害者を返せ。返さなければすべての経済交
流を禁止する」と言うべきではないか。
◆北朝鮮はこんな国と法律で規定
さらに、人権法は、第3部「認定」で、「北朝鮮の政府は独裁政権であり、金
正日絶対支配の下、多くの重大な人権侵害が犯され続けてきた」とする等、北朝
鮮について下記のように明記している。
これは北朝鮮は犯罪国家・テロ国家であると宣言したのも同然である。そのよ
うな犯罪国家の政権と普通の国と同じような「対話」外交で全被害者を取り戻せ
る筈がない。普通の国に対する「対話」外交ではなく。「圧力」を前提にした
「要求」しかないと米国は与野党一致して法律に明記したことになる。当事国日
本も同様の認識を表明すべきであろう。
また、「認定」は、中国が脱北者を強制送還していることに関し、また支援者
を勾留、投獄していることに関し、「1951年国連の難民の地位に関する条約」
および「1967年国連の難民の地位に関する定義書」の義務を遵守していない
として強く非難している。第3部「認定」の全文以下の通り。
第3部「認定」
議会は以下のように認定した。
(1)国務省によると、北朝鮮の政府は独裁政権であり、金正日絶対支配の下、
多くの重大な人権侵害が犯され続けてきた。
(2)北朝鮮政府は、あらゆる情報、表現の自由、学術活動、および北朝鮮内の
報道を規制し、かつ海外報道への言論・アクセスの自由を厳しく制限して
いる。
(3)北朝鮮政府は、金日成と金正日への個人崇拝に仕向けさせるべく、体系的、
政治的、イデオロギー的に住民を洗脳し、その規模がほぼ国家全域に及ぶ。
(4)北朝鮮政府は、住民を各カテゴリーに分け、将軍様への忠誠心によって、
食糧、雇用、教育、住居、医療などを分配する。
(5)国務省によると、北朝鮮は厳罰主義に基づいて、“革命”反対者、脱北者、
脱出を試みる者、異議を唱える者、外国の放送を聞く者、“反動的”な書
状を書く者、および“反動的”な印刷物を所有している者の処刑と財産没
収を規定している。
(6)北朝鮮政府は、政治犯、体制反対者、強制送還された者、地下活動家、そ
の他の時々のミーティングに参加した労働者、学生、生徒を処刑する。
(7)北朝鮮政府は、約20万人の政治犯を収容し、その収容所で国家保安部が、
強制労働、殴打、拷問、および処刑の手段で被収容者を管理する。そのため、
多くの被収容者が病気、飢餓、および死刑などで死に至った。
(8)米議会に提供された、北朝鮮の収容所生存者の証言によると、被収容者は
海外輸出製品を生産する奴隷労働力としてだけでなく、軍事練習の標的、
化学および生物兵器の実験体としても使われた。
(9)目撃者の証言を含む米議会に提供された信用できる報告によると、北朝鮮政
府高官は収容所での出産を禁止し、堕胎を強制する。嬰児を処分することも
収容所では普通の行為となっている。
(10)国務省によると、「北朝鮮には宗教の自由が存在しない」。そして世界自由
宗教の米委員会によると、北朝鮮は公私にわたる信仰活動を厳しく制限し、
その処罰として逮捕、投獄、拷問、処刑の報告もある。
(11)北朝鮮政府による農業の集中化および配分制度の失策によって、約200万人
の人たちが1990年はじめから飢餓のため死んだと見積もられている。
(12)2002年の国連・EU調査によると、約10分の1の割合で北朝鮮の子供た
ちが栄養失調に遭っている。
(13)1995年以来、米国は主に世界食糧計画(WFP)を通じて、北朝鮮の人たちに
200万トンの食糧援助をしてきた。
(14)米国の食糧援助は間違いなく北朝鮮の多くの人たちを救ってきた。これらの援
助物資の供給過程に関して若干の透明性が認められるが、北朝鮮政府は、WF
Pの援助供給過程における適切な監視を拒否し続けている。同時に、無作為な
訪問の実施や通訳者の使用、および北朝鮮国内の視察をも拒否している。
(15)飢餓、迫害の恐れ、自由や様々な機会の制限が数十万の人たちを北朝鮮から主
に中国に脱出させた。
(16)中国に逃げ込んだ北朝鮮の女性と女子児童は、誘拐、取引、性的搾取の危険に
さらされている。その多くは花嫁または内縁の妻として売られるか、売春婦と
して働くことを強制されている。
(17)中国と北朝鮮政府は、中国国内に潜んでいる脱北者に攻撃的なキャンペーンを
実施し、北朝鮮に強制送還するように取り締まる。送還されれば、そこには拷問、
投獄および処刑などが彼らを待ち受けている。
(18)「1951年国連の難民の地位に関する条約」および「1967年国連の難民の
地位に関する定義書」の遵守に中国が義務を負っているにもかかわらず、中国
領土内に潜んでいる北朝鮮の人たちを単なる“出稼ぎ労働者”と呼んで、迫害
を受けることの危険性を無視して彼らを北朝鮮に強制送還した。
(19)中国政府は、1951年の条約と1967年の定義書を履行する義務を負ってい
るにもかかわらず、北朝鮮の人たちの保護の求めを拒否し、かつその拒否が否か
どうかを調査することもなく彼らを強制送還した。
(20)中国に保護を求めて逃げた北朝鮮の人たちは中国にいる間、投獄、拷問を常時受
ける。本国に送還された後に殺害された場合もある。
(21)中国政府は北朝鮮難民を助ける外国人支援者が中国の法律あるいは国際法を遵守
しなかったとの理由で彼らを勾留し、罪を問い、投獄する。
(22)2000年1月に、中国内で活動している北朝鮮工作員が北朝鮮難民の支援者で米
国永住の在留資格を持つ牧師キム・ドンを誘拐したが、その消息が未だに不明であ
る。
(23)1994年から2003年までの間、韓国は3800人の北朝鮮難民を受け入れ定
住させてきた。この数は実際の脱北者数と比較すると少ないが、北朝鮮難民を合法
的に受け入れた国のどこよりもはるかに多い数である。
(24)北朝鮮難民の受け入れ・定住は自然と第一に韓国政府の責任になるが、米国は北朝
鮮難民に対する国際的な関心を呼び起こすリーダーシップを発揮し、人道上憂慮す
べきこの問題の国際的な解決を構築していかなければならない。
(25)我々市民の権利侵害に関しては、北朝鮮政府は過去において韓国人・日本人を拉致し、
その人たちの消息が未だに不明である。
以上
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担当:平田隆太郎(事務局長info@sukuukai.jp)
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カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
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