救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

緊急国民集会で政府交渉団に毅然とした交渉を要請(2004/11/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2004.11.08-2)

■緊急国民集会で政府交渉団に毅然とした交渉を要請


 第3回日朝実務者協議を控え、家族会、救う会、議連では11月8日、18時半から東
京・永田町の星稜会館で「もう我慢の限界だ! 拉致被害者全員の救出を!緊急国民集会」
を開催し、政府交渉団を激励するとともに毅然とした交渉を要請し、北朝鮮に拉致被害者
全員の変換を求めた。参加者約450人で定員400人の会場が満席となった。

緊急集会は、西岡 力・救う会常任副会長が司会となって開会を告げ、まず横田 滋・家
族会代表が主催団体の代表として挨拶、3度目となる実務者協議で拉致被害者全員を取り
戻してほしいと訴えた。続いて平沼赳夫・拉致議連会長が主催団体の代表として挨拶し、
議連として、経済制裁作業部会、支援法案作業部会を設置し、制裁の段階的な方法につき
各党と協議して提言すると述べた。

続いて、「北朝鮮による拉致・人権問題にとりくむ法律化の会」からのメッセージが披露
され、また中川昭一経済産業大臣(前拉致議連会長)からもメッセージが届き、披露され
た(いずれも下記参照)。

拉致議連からは、西村眞悟幹事長が現在の取組を紹介し、「普通の国になるためにも拉致
問題の解決が必要」と訴えた。続いて、水野賢一・議連経済制裁作業部会座長、松原 仁
・議連支援法案作業部会座長から今後の取組みと決意表明がなされた。そして、古屋圭司
事務局長が、議連参加者13名が紹介された。

続いて、家族会から、参加20人を代表して、飯塚繁雄さん、浜本雄幸さん、平野フミ子
さん、斉藤文代さん、寺越昭男さん、横田拓也さんが政府交渉団が毅然とした交渉で全員
を取り返してほしい、北朝鮮はこの家族の声をしっかり受け止めるべきだと訴えた。横田
拓也さんは、横田家としての外務省への要請(別記参照)について語り、「過去の情報」
に徒に時間をかけることなく「現在の情報」をとってきてほしい等と訴えた。また、曽我
ひとみさんからのメッセージ(下記参照)横田早紀江さんが代読した。ひとみさんは、ミ
ヨシさんの思い出を語り早く入院中の父に会わせたいと訴えた。

荒木和博・調査会代表は、100名を越す拉致被害者がいることは明白だ。国家の意思と
して返せと要求すべきだ、と訴えた。また、最近、北朝鮮からもたらされた写真が同位置
人物にほぼ間違いないと鑑定された藤田進の弟、藤田隆司さんと、加瀬テル子さんの義理
のいとこ仲條富夫さんが救出を訴えた。

閉会の挨拶として、佐藤勝巳・救う会会長が、「世論は制裁すべきと言っている、総理の
決断が必要」と訴えた。最後に、全員でシュプレヒコールを行って解散した。


【「法律家の会」からのメッセージ】
11・8 緊急集会にお集まりのみなさまに、『北朝鮮による拉致・人権問題にとりくむ
法律家の会』を代表して、心からの連帯のご挨拶を申し上げます。

昨年3月に結成された「法律家の会」は、この間、特定失踪者問題調査会と連携し、北朝
鮮による拉致の可能性の高い失踪者33名のうち、藤田進さん古川了子さん、加藤久美子
さんらを含む31名について、2度にわたる全国一斉刑事告発を行い、また日本弁護士連
合会人権擁護委員会に対して、人権救済申し立てを行うなどの活動を行ってきました。

会は、引き続き加瀬テル子さんら残る2名の失踪者についても刑事告発手続きを行います。
また法律家の会は、これまで3度にわたりシンポジウムを開催し、20万人もの北朝鮮国
民を不法に幽閉し続けている強制収容所に焦点をあて、これに象徴される北朝鮮の人権を
圧殺する独裁体制を告発してきました。

講演した姜哲煥(カンチョルファン)氏は言っています。「北朝鮮では拉致は日常である。
自分の祖父も、ある日職場に向かう途中に突然拉致されて行った。

理由も告げられず、裁判も行われず、多数の国民が収容所に入れられ、飢えに苦しみ殺さ
れている。日本人拉致の根っこに、こうした北朝鮮の人権を圧殺した政権の実態がある。
日本の人々が、そのことに是非目を向けて、ともに戦って欲しい」

過日アメリカ議会を通過し、成立した「北朝鮮人権法」も強制収容所の解体を視野に入れ
た政策を盛り込んでいますし、国連の人権委員会も繰り返し、その実態を厳しく告発し、
改善を求めているところです。
私たちは、100名を越すとも言われる拉致被害者、横田めぐみさんら拉致された全ての
同胞を一国も早く救出するという、国家・国民としての責任の履行を迫られています。

明日からの日朝実務者協議が、金正日政権の不誠実な対応をいささかも許さず、日本人拉
致という最悪の人権侵害に対して、断固として日本国と日本国民の意思を伝える場となり、
具体的な成果を挙げられるよう厳しく求めたいと思います。

私たち法律家の会は、拉致問題の全面解決まで、ささやかではありますが皆さまとともに
全力を尽くすことをお誓いして、連帯のご挨拶といたします。

平成16年11月8日
北朝鮮による拉致・人権問題にとりくむ法律家の会
事務局長 弁護士 斎藤健兒


【中川昭一経済産業大臣からのメッセージ】
本日「もう我慢の限界だ!拉致被害者全員の救出を!緊急国民集会」主催者である、家族
会、救う会、拉致議連の皆様、そして集会にご出席の皆様に心からの挨拶をお送り致します。

私は本日、公務のため本集会に出席できないことをお許しください。しかし、心は皆様方
と一つであります。

私は、一人の政治家として拉致問題の全面的な解決を目指しておりますが、現在は、貿易
管理の担当大臣でもあります。本日の昼、大臣室に家族会、救う会の皆様にお越し頂きま
した。私は、その席でも申し上げましたが、家族の皆様の我慢の限界は既に超えており、
対話と圧力という方針の下、経済制裁発動を視野に入れていくべきと考えております。

明日から日朝実務者協議が始まりますが、すべての未帰還者を取り戻すまで、最後まで皆様
方とともに闘い続けて行くことをお誓いいたします。

平成16年11月8日
経済産業大臣 中川昭一


【横田家からの要請文】

平成16年11月8日
外務大臣    町村 信孝 様

横田めぐみ本人の「現在の安否確認」を求めます

平素は北朝鮮による日本人拉致問題に対しまして格別のご高配とご理解を賜り、厚く御礼
申し上げます。
来る11月9日から第三回日朝実務者協議が平壌にて開催されます。5月22日の第二回
日朝首脳会談から半年が経過し、未帰還者の再調査について白紙に戻して進めると金正日
が発言してから、何ら具体的解決のための進展がございません。先の第二回実務者協議に
おいても実質ゼロ回答という結果に終わり、私達家族並びに日本国民は落胆と怒りの境地
を超えているのです。町村外務大臣におかれましては、今般の実務者協議の結果が誠実な
回答が示されず具体的な進展が無い場合、伝家の宝刀を抜くことも示さなければならない
とこれまでに発言されています。私達家族は横田めぐみが北朝鮮に拉致されてから27年
間苦悩の中にいます。どうか一刻も早く日本政府の力によって救出して頂きますよう宜し
くお願い申し上げます。
 尚、今般の日朝実務者協議にあたりまして、改めて下記に日本政府に対する要望を記す
と共に、私達家族の基本姿勢を述べさせて頂きます。どうぞご高覧頂きますようお願い申
し上げます。


1.「過去の情報」や提示される物証の是非に時間を割くのではなく、「現在の事実」す
なわち現在の横田めぐみ本人との面会と救出のために毅然とした交渉をして頂きますよう
宜しくお願い申し上げます。

2.キム・チョルジュ氏との面会をされる場合には、本人が本物であるかどうかの確認を
するための科学的検証(写真撮影・血液採取)をして頂きますようお願い申し上げます。
また、異母兄弟とされるキム・ヘギョンさんの弟についても北朝鮮から提示された情報の
真意を確認するために併せて科学的検証の実施をお願い申し上げます。

3.拉致を実行しそして拉致被害者を隠匿し続けているのは北朝鮮である以上、再調査な
ど全く必要ではなく速やかに手元にある事実を日本側に提示する義務と責任が北朝鮮政府
にはあるはずです。従って横田家としては、仮に今般の協議において再調査のため又はそ
の他の目的のために訪朝を促されたとしてもそれに従う意志が無いことを予めお伝え申し
上げます。  以上
横田  滋  横田早紀江  横田 拓也  横田 哲也

【曽我ひとみさんからのメッセージ】
みな様、こんにちは。今日の集会で、直接みな様方の前でお話することができない事を心
より深くお詫びいたします。

 私事ですが、やっと念願叶って夫の問題も解決の目途がたちました。帰国してから2年
余り、全国のみな様には、温かく心のこもった励ましやご助言を数多くいただき、どんな
にか心の支えとなったことでしょうか。心より感謝しております。本当にありがとうござ
いました。
 ただ、いま少し公の場に出ることは、今置かれている状況を考えますと、差し控えさせ
ていただきたいと思います。このような書面で失礼することをどうかお許し下さい。

 そこで、今日の集会に際しまして、私の母の事を少しお話したいと思います。
 私の母は、働き者でとてもやさしい人でした。愛情深く私たち姉妹をとてもかわいがっ
てくれました。私の家は好きな物を好きなだけ食べられるような生活ではありませんでし
た。そんな中で私が小さい頃、遠足の日が一番好きでした。遠足や運動会のような特別の
日はお弁当を作ってくれるからです。そのお弁当には私の好きな物を入れてくれるからで
す。だから遠足や運動会の前の日は、雨が降らないようにと一緒にてるてる坊主を作って
くれました。そして当日は私の大好きな卵焼きやウインナーを入れておいしいお弁当を作
ってくれました。私にとってはとても豪華なお弁当でした。1年に数回しかないお弁当の
味は、今でも忘れられません。こういった事はどこの家庭でもあることです。でも、こん
なささやかで平凡な出来事が今の私にはありません。だからこそ今の私にはとても大切な
思い出であり、宝物です。できることならもう一度母の卵焼きを食べたい。

 母は、一日中力仕事をして家に帰り、食事の支度をして、夜中の12時頃まで内職のザ
ルを編み、家計を支えてきました。そんな大変な生活の中、一度も愚痴をこぼしたことは
ありませんでした。苦労を苦労と思わず一生懸命働いている母、人前では決して涙を見せ
ない母でしたが、時折一人静かに泣いている姿を見たことがありました。そんな母の姿を
見て、幼いながらに私も一緒に泣きました。やりたい事も出来ず、ただ一日中働きずめだ
った母。そんな母に、今度は私が大きくなったら楽をさせてあげたかった。ゆっくりと休
ませてあげたかった。でも、今、母はいません。「ごめんなさい、お母さん」

 今、私の父は病院のベッドで母の帰りを夢に見ながら、祈るように一日一日を過ごして
います。「今日は夢に母ちゃんが出て、元気だった」と嬉しそうに、でも淋しそうな顔を
見ていると、やりきれない気持ちになります。そして、あの夜、一緒に買い物にさえ出て
いなかったら…と何度も自分を責めました。いつかきっと帰ってきて、みんなで一緒に暮
らすことができると信じている父。今年、父も母も73才になります。もう決して若くは
ありません。もう時間がないのです。そんな父の姿を見て、また母の事を思うたび一日も
早く帰って来てほしいと願わずにはいられません。

 今、母はどこでどうしているのだろう。「お母さん、寒くはないですか? お腹はすい
ていないですか? 病に倒れてはいないでしょうか?」母の事を思うと涙が止まりません。
 どうか、みな様方の温かく大きな力をお貸し下さい。一日一日、今か今かと助けを待ち
ながら北の地に生きている日本人の方々を救ってあげて下さい。助けを待っている人たち
を思うと胸が痛みます。
 この人たちを救えるのは、国民のみな様一人一人の熱き思いです。声を大にして、安否
不明者並びに特定失踪者の方々が一日も早く日本に帰れるように、お力をお貸し下さい。

 これまでのみな様方から受けた数々のご支援を思いますと、私も微力ながら拉致被害者
救出のお手伝いをしていきたいと思います。
 今日は本当にありがとうございました。明日からの日朝協議で良い結果が出ることを心
より祈っております。

平成16年11月8日
曽 我 ひとみ



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救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

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