救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米下院共和党スタッフのハルピン氏と懇談?家族会・救う会(2008/08/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2008.08.08)

本日、家族会・救う会では、来日した米下院共和党の外交委員会アジア小委員
会の専門スタッフで、イリアナ・ロス・レイティネン議員補佐官のデニス・ハル
ピン氏と懇談した。参加者は、家族会から増元照明事務局長、救う会から西岡 
力会長代行、平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務局次長。懇談概要は以下の通り。

■米下院共和党スタッフのハルピン氏と懇談?家族会・救う会
ハルピン ロス・レイティネン議員は幼児期の亡命キューバ人で、キューバの共
産党政権と戦ってきた。また人権問題を重視し、北朝鮮と第一に議論すべきは人
権問題と言っている。日本を同盟国として重視し、拉致問題に関心を持っている。
女の子の母親でもあり、また人間として、拉致被害者と家族の苦しい気持ちに共
感し、私の訪日に際し、今日のミーティングが一番大事だと言っていた。

増元 米朝が接近すると、北朝鮮は拉致被害者が邪魔になり、被害者の身に危険
が及ぶことに配慮してほしい。このことをライス国務長官もヒル国務次官補も理
解していないのではないかと、シーファー大使に伝えたことがある。米政府は、
拉致問題の解決には色々な方法があると言っているが、殺されたあと解決しても
意味がない。北朝鮮をテロ支援国指定から解除する手続きをはじめたことで、日
本国民は米国への不信を強めていると思う。幸いに解除を延期する動きが出てい
るので、9月の議会で、是非この問題を取り上げてほしい。

西岡 7月16日に、米国政府が解除の手続きに動いたので、家族会・救う会・
拉致議連から、上院下院の全議員に再考を求める手紙を送った。指定解除の問題
で、6か月間テロ行為を行っていないことが前提になっているが、ライス、ヒル
氏はアメリカ人被害者がいないから国内法上問題がないと述べた。しかし、米国
が1988年に北朝鮮をテロ支援国に指定した理由は、大韓航空機爆破事件であり、
この事件で米国人の被害者はいない。2003年1月、当時のアーミテージ国務副長
官は、上院外交委員会の公聴会で、指定理由に拉致問題が入っていると明言し、
同じことを同年2月に訪米した私たちの前でも話された。日本人が失望している
のは、アメリカが国益を優先したからではなく、担当者が議会で述べたことをく
つがえし、北朝鮮に有利な法解釈をしたからだ。アメリカがテロリストの側に回
り、極論すればアメリカがテロ支援国になってしまったように見えることに失望
したのだ。すべての拉致被害者が帰ってくるまで、指定解除をしないよう協力を
お願いしたい。

ハルピン (規定の45日が経過した)8月11日には、おそらく解除されない
だろう。北朝鮮の朴外相は、報道によると、シンガポールで、「北朝鮮は核保有
国として敬意を受けたい」と発言した。同じことを北朝鮮は4月に訪朝したプリ
チャード元朝鮮半島和平担当特使にも話している。私が元特使に会って確認した。
北朝鮮はそのとき元特使に、「(核保有国として黙認されている)イスラエルと
同じステイタスがほしい、韓国と同じ友好国としての扱いを受けたい」と述べて
いるという。さらに、シンガポールで朴外相は、やはり報道によると、核検証の
対象として朝鮮半島全域を主張した。韓国にある米軍基地も査察するということ
で、受け入れられることではない。また、ブッシュ大統領の韓国での演説を見て
も、指定解除にはならないだろう。

下院外交委員会では共和党が少数野党になったため、ロス・レイティネン議員
が提出した法案は進展しなかったが、民主党のシャーマン議員から、休会直前に、
別の法案が提出された。それには人権に関わる事項は含まれないが、北朝鮮が保
有する核兵器問題、濃縮ウラン問題、シリアへの核拡散を指定解除の条件とする
ものだった。人権は明示されていないが、この法案が通れば結果として人権問題
にも役立つと考え、賛成者集めに協力した。

ヒル次官補は、議会で証言し、「人権問題が最優先」と述べた。朝鮮戦争時の
米兵遺骨問題もある。北朝鮮は誠意ある回答をしていない。よど号ハイジャック
犯を今日もかくまっている。横田夫妻の孫、キム・ヘギョンさんの父親は北朝鮮
の工作員ということだったが、韓国人被害者であることが判明した以上、北朝鮮
にとどまる理由はない。北朝鮮に拉致された金東植氏のイリノイ州に済む夫人は、
夫は死亡していると聞いており遺骨の返還を求めている。日本人拉致被害者問題
でも北朝鮮は誠意を示していない。生存者の帰国が重要だ。

増元 日本人拉致被害者はすべて生存していると考えており、安全な帰国を求め
ている。それにはアメリカの圧力が欠かせない。今後もご協力をお願いしたい。

西岡 2002年に帰国した5人の拉致被害者が未だに我々やマスコミにほとん
ど語らない理由は、「残っている拉致被害者に危険が及ぶから」と彼らが語って
いる。つまり生きているということだ。

ハルピン よく分かった。同盟国に必要とされることを支援したい。



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