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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮の策謀にはくみしない?「死亡」を前提に和田春樹氏が家族会訪朝を誘導(2008/10/31)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2008.10.30)

和田春樹氏らが訪朝し、10月30日の会見で、北朝鮮側の不誠実な主張を紹
介した。「横田夫妻は訪朝したほうがいいと自分たちは再三言ってきた。ところ
が横田夫妻はアメリカばかりに行って、北朝鮮を訪問しない。娘の魂を抱きとめ
ようとしないのは理解できない。ほかの被害者家族も訪問するなら受け入れる」
というものだ。

■北朝鮮の策謀にはくみしない?「死亡」を前提に和田春樹氏が家族会訪朝を誘導

◆何が、目的なのか?
増元照明(家族会事務局長)

和田春樹日朝国交促進国民協会事務局長が、10月18?22日の訪朝日程を終え、
外国特派員協会で、記者会見した模様だ。

そこで、和田事務局長曰く、「北朝鮮政府の対日外交の中心的実務者」の李炳
徳(イ・ビョンドク)氏が、横田夫妻の訪朝に関して次のように述べたと報告し
た。

「横田夫妻は訪朝したほうがいいと自分たちは再三言ってきた。ところが、横
田夫妻はアメリカばかりに行って、北朝鮮を訪問しない。娘の魂を抱きとめよう
としないのは理解できない。他の被害者家族も訪問するなら受け入れる」

まさに言語道断の話である。特に下線部分だが、これでは横田夫妻に「死んだ
めぐみさんの供養に来い!」といっているようなものだ。

横田夫妻は、生存している「めぐみさん」を救出しようと奔走している。その
二人に、「強制的に拉致した娘が死んでしまったから、供養に来い!」と言って
いるに等しい。ありえないことだが、万が一死亡したとしても、自分たちが日本
の主権を侵して連れ去っておきながら、家族に謝罪もせずに供養に来いなどとは、
鬼畜同様の尊大な言葉ではないか。

偽の遺骨を提示してきた北朝鮮が、横田夫妻に「めぐみさんの死」を押し付け、
救出運動を終わらせようとする策謀に、何故、被害者家族が同調しなければなら
ないのか。

私は、めぐみさんの生存を確信しているし、横田夫妻もそうだ。だからこそ、
姑息な北朝鮮の謀略に乗ることなく、真実の追究と被害者の救出を日本国民に訴
えている。

和田氏にしても、「対日外交の中心的実務者・李炳徳」と言っているが、上司
の宋日昊(ソン・イルホ)でさえ、北朝鮮での序列は低い。その部下がどう説明
すれば「中心的実務者」という過大評価が出来るのか?さも、「自分たちのカウ
ンターパートは、重要な地位の人間である」とアピールしたい北朝鮮好きの人た
ちの言葉である。

さらに、和田氏は金正日の健康不安説に関して平壌市内の様子を「市民の間で
話題にならない。心配しているふうでもない」と言って、重病説を否定しようと
しているが、選ばれた平壌市の市民でさえ、金正日の話題さえしてはいけないこ
とは常識である。ましてや、外国人の前で「金正日」の金の字もいってはならな
い。それをもって、健康不安説を一掃しようとするのは、北朝鮮政府の意図と合
致する。まさに北朝鮮のメッセンジャーを担っているあきれる行為ではないか。

断じていうが、北朝鮮の策謀にはくみしないというのが現在の家族会の方針で
ある。私が北朝鮮に行くことがあるとしても、それは生きている姉を迎えに行く
ときである。

◆李炳徳氏は真の国益を語っていない
平田隆太郎(救う会事務局長)

8月の日朝実務者協議の時、斎木局長と宋日昊代表が二人で協議した場面で、
残された北朝鮮側の参加者李炳徳氏(上記の北朝鮮外交官)から日本側の政府代
表を通して小生に、「今度会った時は徹底討論しましょう」とのメッセージが伝
えられた。

私が、95年から99年まで北朝鮮各地を訪問した際、毎回外務省の若手スタッ
フが同行したが、96年、98年に各1週間李炳徳氏が通訳を兼ねて同行してく
れたことがある。ベンツの中でも二人きりで毎日会話をしたし、食事の際は、も
う一組とともに4人で何度も語ったことがある。「敵ながら」好青年という印象
が残っている。

その李炳徳氏が、訪朝した和田春樹氏に、拉致被害者の「死亡」を前提に、家
族会の訪朝を促したことが、10月30日の和田氏らの会見で明らかになった。
いつもながらの北朝鮮の謀略で、横田夫妻をターゲットに、「娘の魂を抱きとめ
よ」と墓参を促したかのごとき発言をし、さらに「他の被害者家族も訪問するな
ら受け入れる」と、誘惑している。

北朝鮮の謀略については、家族会の方々は何度も経験しており、増元照明さん
の発言のように、改めて家族の怒りを呼び覚ました。米国からテロ支援国指定の
解除を勝ち取ったとして、北朝鮮は10月に入り、日本に対しては、「日本の6
者協議参加資格を剥奪すべき」等と、韓国に対しては、「北南関係の全面的な遮
断を含む重大な決断を下すしかない」等と、高飛車な恫喝を行い始めた。他方、
金正日重病説の拡散を恐れ、国内では厳しく内部引締めを開始した。こういう時
期に、姑息な手段で家族会を揺さぶろうとする狙いがあるものと思われる。

北朝鮮外務省は、「5人生存、8人死亡」で拉致問題は終結する、と金正日に
報告したにも関わらず、終結どころか北朝鮮への不信感は高まるばかりである。
この時期に、面子にかけても終結させたいという思いがあるのであろう。

しかし、約100人もの人の命に関わる拉致事件で家族があきらめる筈はなく、
国民も日本人被害者の生存を信じ、今や政府も世論も北朝鮮への制裁を当然と考
えるようになった。麻生首相は、北朝鮮の不誠実な対応を理由に追加制裁の検討
に言及した。今回の李炳徳氏の発言も、北朝鮮への追加制裁への根拠になるだろ
う。

商人が高くふっかければ、お客がねぎる。その繰り返しのあげくわずかな利益
を得て喜ぶのが北朝鮮外交の真髄のようである。いかにその技に巧みになっても、
北朝鮮は、結果的には信頼という大きな価値を失って、大きな損をしてきた。人
の善意を信じられない全体主義国家ではそんな外交しかできないのである。

李炳徳氏は、上司の宋日昊代表の指示通り発言したのであろうが、それでは真
の国益にはならない。北朝鮮が真の国益を追求するには、私が訪朝して言ったこ
とだが、くせ球はいい加減にやめて剛速球を投げてこいということだ。日本に対
しては、「過去の謝罪はいらない」、「賠償もいらない」である。そして特に、
「拉致被害者と家族はすべて返す」。これで日本は本気で協力に応じるだろう。
彼らが期待する以上のものも得られるだろう。しかし、金正日政権の北朝鮮には
できない。国際社会の圧力もあり、このままでは金正日政権は続かない。日本と
しては、可能なすべての追加制裁を加えるべき時だ。それでようやく拉致問題だ
けは解決するかもしれない。

李炳徳氏の子どもは、13歳で拉致された横田めぐみさんと同じくらいの歳に
なった筈だ。拉致被害者の親の立場が分からない筈はない。しかし、国益を語れ
ない国の外交官である。

李炳徳氏からのメッセージには、「救う会のホームページはすべて見ている」
というものもあった。北朝鮮を生まれ変わらせ、外交官が、真に国益を語れるよ
うになってほしいものである。

なお、和田春樹氏に言及するのも不快であるが、同氏は、「直接的な根拠、当
事者の供述、証拠品からして拉致事件として問題にしうるのは、辛光沫事件一件
のみ」(雑誌「世界」2001年1、2月号)と書き、北朝鮮の提灯持ちをした人で
ある。辛光沫は、原敕晁さんを拉致し、原さんのパスポートを取得し世界各地で
工作活動中、韓国で逮捕された。辛光沫はまた、地村保志・富貴江さん夫妻の拉
致にも行い、国際指名手配されている。さらに、帰国した被害者曽我ひとみさん
は「横田めぐみさん拉致をしたのは辛光洙工作員」と証言した。

和田氏は、1989年に、韓国大統領に対し、辛光沫らの釈放嘆願書に署名し
た一人でもある。金大中政権は辛光沫を恩赦で釈放し、辛光沫は2000年9月に北
朝鮮に戻った。その辛光沫が今年9月9日の建国60周年式典の際、国際配信さ
れた朝鮮中央放送のテレビニュースに写っていた。この日本への不誠実な挑発も
追加制裁の理由とすべきである。また、このような人物を北朝鮮が利用しても、
日本人は信用しないことを北朝鮮は知るべきである。


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