救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「横田めぐみさんと有本恵子さんは生きていない」田原総一朗氏がまた問題発言(2009/05/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2009.05.11)

平成21年5月11日午前、家族会・救う会では、飯塚繁雄代表、藤野義昭会長名
で、田原総一朗氏及びテレビ朝日社長君和田正夫氏宛に抗議文をファックスにて
送付し、午後、東京・友愛会館で怒りの記者会見を行った。

家族会から有本明弘副代表、横田滋前代表、増元照明事務局長が、救う会から
西岡力会長代行、平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務局次長が参加した。
抗議文の全文と田原氏発言(関連部分テープ起こし)及び会見の概要は以下の通り。

■「横田めぐみさんと有本恵子さんは生きていない」田原総一朗氏がまた問題発


◆抗議文(田原総一朗氏宛)

貴殿は4月25日に放映された番組「朝まで生テレビ」のなかで、「横田めぐみ
さんと有本恵子さんは生きているという前提で」行う現在の日本政府の交渉をま
ともでないと誹謗し、「外務省も生きてないことは分かっているが、生きていな
いという交渉をするとこてんぱんにやられる。田中均が爆発物を投げ込まれた」
と話して、横田めぐみさん、有本恵子さんの死亡を既成事実のように扱った。そ
の上で、娘の生存を信じていのちがけで救出運動に取り組んでいる横田・有本両
ご夫妻をはじめとする家族会・救う会が、過激な行動で異論を封じているかのよ
うに述べた。貴殿の言動からは同胞である拉致被害者を助け出すという意思が全
く感じられない。

貴殿は雑誌「世界」昨年7月号で「北朝鮮側が“死亡した”と発表した8人を
“生きている”と主張している日本側に無理があるのではないか。(略)私は、
いつまでも頑迷にフィクションの部分にこだわって圧力一辺倒をつづけるのでは
なく、現実的な交渉をすすめるべきだと思う」と書いている。そこで貴殿が挙げ
た「根拠」は、北朝鮮の宋日昊大使と6時間話して聞いたことだけである。

政府は、「死亡したとされる8名について、死亡を証明する客観的な証拠が全
く提示されていない」としている。貴殿は北朝鮮から確実な死亡の根拠を示され
たのか。もしそうなら、なぜ家族にそれを公開しないのか。確実な根拠も示さず
被害者死亡説を公共の電波を使ってまき散らしたとすれば、著しい人命軽視であ
り、家族と多くの国民の気持ちを踏みにじるものだ。

ここに強く抗議する。

◆抗議文(テレビ朝日社長 君和田正夫氏宛)

貴局が4月25日に放映した番組「朝まで生テレビ」のなかで、司会者を務めた
田原総一朗氏が「横田めぐみさん、有本恵子さんは生きていない」と具体的根拠
を何も示さないまま話した。また、生存を信じて救出運動を進めている家族会・
救う会などを、言論を封殺する暴力集団であるかのように扱う表現もあった。

政府は「死亡したとされる8名について、死亡を証明する客観的な証拠が全く
提示されていない」としている。貴局は田原氏から確実な死亡の根拠を示された
のか。もしそうなら、なぜ家族にそれを公開しないのか。確実な根拠もないまま、
田原氏が被害者死亡説を公共の電波を使ってまき散らしたのを放置しているとす
れば、著しい人命軽視であり、家族と多くの国民の気持ちを踏みにじるものだ。

ここに強く抗議する。

◆「朝まで生テレビ」田原総一朗氏発言部分(21.04.25)

これを言うのをよそうと思っていたが、あえて言うと、ブッシュ大統領がテロ
支援国家指定を解除した。私はこの時、私は外務省のナンバーツーだかナンバー
スリーに、「日本は拉致問題があるのに、こんなテロ支援国家の指定を解除をす
るとは日本に対する裏切りではないか」と言ったの。名前言うと悪いから名前は
言いませんが、その人は、「実はそうではない」と。「アメリカは日本にあきれ
返ったのだ」と。「あきれ返ったって何だ」と言ったら、2007年1月にベルリン
でヒルと金桂冠が会って、ここからアメリカは圧力から対話に変わったんですよ。
マカオの銀行の話もあるし、それからこういうことをやった、と。あきれ返った
とは何だというと、要するに、「ベルリンの2007年1月のこの対話から日本に対
して1年間時間をくれた」と。「拉致問題をきちんと交渉しろ」と。「ところが
日本はついに交渉ができなかった」と。「だからアメリカはあきれてテロ支援国
家指定を解除した」と、こう言っています。

なんでできなかったかははっきりしている。つまり、まともに交渉するという
ことは、日本は、山本さん(同席の議員)なんかは典型だけど、横田めぐみさん
と有本恵子さんは生きている前提でやってるわけだ。ところが北朝鮮は繰り返し、
「生きてない」と言っているわけ。外務省も生きていないことは分かっているわ
け。そこで生きてないという交渉をやると、山本さんたちにこてんぱんにやられ
る。田中均が爆発物を投げこまれたじゃない。僕は福田さんにも言ったんです。
「あなた命がけでやれ」と。やんなかった。

(「田中均さんにすごく批判的だったのは、彼の外交姿勢というよりは、北朝鮮
人脈をかなり個人的なものにしたからなんです」に対し)

(強い言葉で田原氏)全く違う。全く誤解です。彼は外務省の上の方には全部報
告をしてます。小泉さんにも全部報告してる。

(「それはちょっと信じられない。北米局長や政務次官に聞きましたがみんな知
らないと言っていました」に対し)

北米局長は知らないかもしれないよ。田中均が秘密外交するわけないんです。

(「あの外交が失敗だとすれば、「何人生存、何人死亡」と出てきた時、ああい
う結果が出てくる可能性もあったわけだ。その時の日本世論のこれだけ激しいリ
アクションについて全く判断が甘かったのは大きな失敗でしょう」に対し)

それはだから、小泉さんを初め、あれは成功と思ったのに日本の反応は失敗だ
と。それが怖いから、それ以降の総理大臣は何もできないんです。

(「最初に読み違えるからそういうことになるんです」に対し)

生きてる被害者が帰ってきた、家族まで帰ってきた。これは、ある種の成功で
すよ。それを山本さんたちが失敗だ、失敗だというから。(略)

(偽遺骨問題について)さらに、北朝鮮は本物だと言った骨が、日本の3か所で
調べて、2か所で分からない。帝京大学だけが偽者だと言った。

しかし、「ネイチャー」という雑誌に、「自分は全く自信がない」と言った。
その後彼は、警察に囲まれて、一切取材に応じない。私は日本政府に、「今、ア
メリカが高熱で焼いたやつを鑑定できる。現に、9.11で、あの崩れたビルで、
焼けただれた人たちの骨は全部分かったのだから。アメリカでやれ」と言った。
外務省にも言った。「そんなこと田原さんやったら大変ですよ」と言った。怖い
んだよ。

◆記者会見概要
有本 たまたま4月末の「朝まで生テレビ」を見ました。中ごろ、「横田めぐみ
さん、有本恵子さんという名前が田原さんから出ましたので、聞いていましたら
「亡くなった」と言っていました。それを聞いて一気に目が覚めました。これは
大変なことを言われていると思いました。抗議をしなければならないし、抗議の
ためにはビデオが必要だと思い、知り合いの何人かに連絡し、やっと手に入りま
した。それを持って、(5月6日の国民大集会の前に行われた)家族会総会でみ
なさんに見てもらいました。皆、びっくりし、怒り心頭でした。拉致対策本部で
も独自に入手して、みなさんが見ていると承知しています。

横田 初めてその話を聞いた時は、田原さんがそう言ったのかと思いましたが、
北朝鮮がそう言ったということらしい。その意味では、「外務省も生きていない
ことは分かっている」というところが事実であれば、もっと問題だと思います。
それを言えば国民から批判される、と言っていますが、死亡の証拠は何もないん
です。客観的証拠がない限りは、生存を前提に行動するのが当然のことです。死
んでいるのに交渉を引き延ばすためにやっているのであれば、とんでもないこと
です。家族としては真相を知りたい。もし本当に死亡しているのであれば受け入
れるしかないのですが。政府には外務省も入っていますが、死んでるのが分かっ
ているのに生きているとして交渉しているのであれば大変なことです。従って、
外務省が抗議するべき問題です。

増元 横田さんが言われたように田原氏は、微妙、曖昧な言い方で責任を逃れよ
うとされていますが、ビデオを見る限り、一般の方が受ける印象は、「死亡説」
を(日本)政府も肯定しているということになります。あのような発言では、誤
解を受けることになりますので、大変問題だと思います。影響力のある方だけに、
軽率な発言は控えていただきたいですし、外務省も何らかの見解を出していただ
きたいと思います。このままでは、田原氏の伝聞による「死亡説」が流され、定
着することにもなりかねないと思います。救出運動を妨げかねない発言だと思い
ます。田原氏が(死亡の)根拠を示せるのなら、示していただきたい。示せない
のであれば、伝聞にすぎないことを説明してほしいと思います。

西岡 大変腹立たしく思っています。私たちは、(小泉訪朝の)2002年の9
月以降、「横田めぐみさんたちは生きている」という運動をしてきました。政府
は北朝鮮に対し、「確実な証拠を出しなさい」と言ってきましたが、北朝鮮はこ
の間、死亡の確実な証拠を出せなかったわけです。田原氏は番組の中で「ネーチャー」
を引用していますが、「ネーチャー」の議論は、確実な証拠の議論とは全く関係
ないことで、「鑑定不能になる可能性がある」ということで、横田めぐみさんの
骨であるということではありません。めぐみさんの骨が出てこない限り、死亡の
証拠にはならないのです。

自国民が拉致され、救出する政府の立場として、死亡の証拠がない以上、生存
を前提にして交渉するのは当たり前のことで、その立場に立っているから交渉が
うまくいかないという議論が日本の中で出てくるということは、被害者を見殺し
にする大変危険な主張であり、そのことを公共の電波を使って言うということは、
彼は確信犯だと思います。岩波の月刊誌(「世界」)にもそういうことを書いて
いますし、週刊誌でも見ました。活字媒体は活字で批判することもありえますが、
テレビは許可を貰って電波を使っています。また、彼は司会者の立場で偏った、
人命を軽視する発言をしています。私は、言論で批判をしましたし、また昨年、
彼が司会をする番組に出演を依頼されましたが、死んでいるという人が司会をす
る番組は公正ではないとして出演を拒否しました。

もともと彼の番組は偏っていて、98年に、拉致はあるのかないのかを議論す
る番組に出たことがありましたが、私以外は、拉致はないという人ばかりでした。
02年に、金正日が拉致を認めた後、もう一度呼ばれましたが、関係者は、「あ
の番組を見ました。反省しています」と言っていました。2000年の金大中の
訪朝の後、南北関係と拉致問題で議論をするからと出演依頼を受けましたが、そ
の後連絡があり、「今回は西岡先生の出演はやめることにしました」とのことで
した。理由を聞いたら、「朝鮮総連が西岡との同席を嫌がったから」ということ
でした。当時、朝鮮総連は「拉致はない」と言っていました。「拉致はない」と
いう立場の人が、「拉致はあるという立場の人と同席できない」と言ったために、
一度依頼をしながら出演を断ったのがあの番組です。テレビ朝日の関係者は、
「田原氏とも相談の結果、出演を取り消した」と言っていました。あの番組は、
拉致問題について、一貫して被害者を助けようとする姿勢がないということ、ま
た司会者が田原氏であったということで、余計に腹が立っています。今回のこと
は、命に関わることですので「死亡の確実な証拠がない限り、生存を前提に交渉
する」という今の政府の姿勢がなぜ悪いのか明確に示してほしいと思います。

示し方の一つは、死亡の明確な根拠を出すことです。死亡の証明責任は北朝鮮
側にあります。今、死亡か生存かを争っているのではなく、死亡が証明されてい
ないことを争っているのです。二つ目は、死亡が証明されていない時、生存を前
提に交渉するのがおかしいと言うのであれば、大変ひどいことだと思いますが、
それが正しいという論理を出してほしいと思います。被害者を見捨てるというこ
とですが、国民を見捨てるという交渉をしろというのか、田原氏そしてテレビ朝
日に聞きたいと思います。

【質疑応答】
問 テレビ朝日からの応答は。

答 5月6日の国民大集会で有本さんがこの件に言及したので、テレビ朝日も承
知していると思いますが、これまで応答はありません。

問 BPO(放送倫理・番組向上機構)に提起することを考えるか。

答 それも考えている。

■コメント
会見でも言ったことだが、拉致した後返したケース、拉致したまま抑留し続け
ているケース、拉致して死亡させてしまったケースでは、死亡させてしまったケー
スが一番厳しい制裁の対象にならねばならない。国家による拉致犯罪と監禁罪に
加え、国家による殺人罪が加わるからだ。にも関わらず、田原氏はなぜ死亡説を
繰り返すのか。しかも、公共の電波を使って、このような人の命を軽んじる発言
を行うことは、許されないことだ。(平田隆太郎)


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