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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田めぐみさん拉致について新証言(2004/12/17)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2004.12.17-1)


 横田めぐみさん拉致の実行犯は、「無線機を目撃されたので拉致した」と証言
していたとの安明進氏の証言は周知のことである。この証言によりめぐみさんは
「遭遇拉致」と考えられてきたが、同氏の新たな証言により、実行犯は「制服で
なくセーターを着ていたので子供だとは分からなかった」とも偽証し、拉致後め
ぐみさんが若過ぎたことが分かり自己弁護していたことが分かった。しかし、
「セーターを着ていた」との偽証は、実際は「待ち伏せ拉致」だったことを示し
ている。このことは今回の曽我ひとみさんの証言と一致する。また、2年前に北
朝鮮側が提供しためぐみさんの拉致状況報告では、「実行犯は命令なく恣意的に
行動した」とあり、安明進氏の旧証言を利用し、めぐみさん拉致の前年1976
年に金正日が出した拉致命令を隠滅する意図があったと思われる。以下は、新証
言を直接聞いた西岡力・救う会常任副会長の解説である。


■横田めぐみさん拉致について新証言

西岡 力・救う会常任副会長

救う会は安明進氏から横田めぐみさん拉致の状況に関する新しい証言を入手し
た。これによりまた一つ金正日政権のウソが暴露された。

金正日政権は横田めぐみさん拉致について「1977年11月15日、新潟市
内で工作員が学校から帰宅途中の本人に会った。工作員は身辺の露出の危険性を
感じ、露出を防ぐ為に同女を拉致した。(略)本件の実行犯は命令なく恣意的に
行動したものであり、職務停止処分を受けている(下線部分=引用者)」(20
02年9月28日から10月1日政府調査団報告)

これは1976年金正日が「工作員の現地化教育のため教官を拉致せよ」と命
令したことを隠し、金正日の責任を回避する為についているウソの一つだ。めぐ
みさんを拉致した丁教官は、処分など受けていないことが判明している。救う会
の調べでは、丁教官は「工作員としての偽名:丁順権、1954年生まれ、清津
連絡所工作員、工作員養成学校11期生、1988年再教育の為同期生60名と
ともに金正日政治軍事大学(当時は「労働党直属政治学校」)に再入学、安明進
氏らの生活指導担当教官をしながら工作員教育を受けた」という事実が分かって
いる。

ただし、安明進氏は著書『北朝鮮拉致工作員』(徳間書店1998年3月)の
中で、無線機を使っているところをめぐみさんに目撃されたので拉致した、とい
う丁順権の話をそのまま書いている。この部分を金正日政権が利用し、上記の日
本への説明を造作したと考えられる。安氏も1998年8月現場を検証して、
「このような人目につく場所で工作員は絶対に無線機を使うことはない」と証言
していた。また、11月15日の午後6時は真っ暗であってたとえ工作員が無線
機を使ってもめぐみさんに目撃されることはないという事実も、関係者によって
すでに指摘されていた。

したがって、安氏らに対してなされた丁順権の説明自身がなんらかの意図から
事実ではない部分があるのではないかと救う会はこれまで考えてきた。

今回、めぐみさんが「待ち伏せされて拉致された」と語っていたという報道が
あった。その報道が正しいとすると上記の矛盾が解ける。救う会はソウルの安明
進氏に直接会って見解を聞いたところ、次のような新しい証言を入手した。

「丁教官が1988年私たち学生に対してめぐみさん拉致の状況を説明したと
き、無線機目撃だけでなくもう一つの話をしていた。それは『彼女は征服でなく
セーターを着ていたので子供だとは分らなかった』という話だ。」

しかし、当日めぐみさんは中学の制服を着て下校したのであって「セーターを
着ていた」という丁順権の話はウソである。

なぜウソをついたのかについて安氏は、「丁は1976年の金正日指令で日本
人教官を拉致する目的をもって新潟に侵入し、通りかかっためぐみさんを拉致し
たが、13歳の少女で教官として使うには少し若過ぎることが分かり、弁解をす
る必要があったので、セーターのウソと無線機目撃のウソをついていたと考えら
れる。工作員であっても13歳の少女を拉致してしまったことに対してはかわい
そうなことをしたという気持ちを持ったはずで、そのことからも、自分は13歳
の少女だと分からず、また目撃されたためしかたなく拉致したのだという形でウ
ソをついたのではないか。実際は待ち伏せしていたところ、通りかかっためぐみ
さんを拉致したのが真相と思う」と救う会に語った。

 救う会も安氏の見解が妥当ではないかと考えている。
以上

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