救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

なぜ鳩山政権は「厳格な法執行」を方針から外したのか(2010/05/31)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.05.31)


22.05.27連続集会2

前回の、「6/10国民大行進への家族の思い」に続いて行われた質疑応答を掲載
します。重要な論点として、なぜ鳩山政権は「厳格な法執行」を方針から外した
のかについての仮説が出されました。

◆「厳格な法執行」がなされていなかった

問 朝鮮総連の件で、中井大臣に厳重な申し入れをしてほしい。

西岡 朝鮮総連については、まず、違法行為を厳しく取り締まること。もう一つ
は破防法を適用して団体の解散命令を出すことです。この2段階があると言われ
ます。

安倍政権の時に作った、「拉致問題に対する日本政府の方針」があります。6
項目ありますが、その一つに、「現行法規を厳格に適用する」とわざわざ書いて
あります。法治国家ですから法律を適用するのは当り前なので、これはおかしな
ことですが、いままでちゃんと適用していなかったということなのです。日本は
民主国家、法治国家ですから、誰かにだけ法律を適用してはいけないのです。な
ぜ「厳格に」と書いてあるかというと、あまりにもおかしいことがあったからで
す。脱税の問題です。

◆総連と国税庁との5項目合意?脱税で送金

1976年に、朝鮮総連が国税庁と5項目の合意を結んだと自分たちのパンフレッ
トに堂々と書いています。鴻池議員が国会でそのことを取り上げたところ、その
日の朝に国税庁が来て、「やらないでください」と言った。その直前に全国の税
務署に国税庁が通知を出して、「おかしなことは今までもなかった。今後もしな
いように」と。なぜ通知を出さなければいけないのか。ちゃんと適用しているな
ら必要ないのです。実態を聞くと、朝鮮総連系のパチンコ屋とか地上げ屋とかサ
ラ金などの書類を、税理士資格のない総連の商工会に持っていくと、商工会が書
類を作ってくれるのです。そして商工会がハンコを押す。代理で持っていくと別
扱いになって結果として税金が安くなるということがあったのです。

それをやっていたのが拉致にも関係した張龍雲です。田中実さん拉致について
も証言しました。北朝鮮の地下組織の洛東江というのがあり、1996年12月に『文
芸春秋』で様々な活動を暴露しました。その人が洛東江で何をしていたかという
と、税務署に乗り込んで机を叩いて大喧嘩をして税金を負けさせる担当だったの
です。負けさせた分を洛東江に寄付させて、韓国の地下運動に送っていたのです。
韓国でテロなどをやっていた組織にお金を送っていた、と書いています。私は1
回会いました。その後、総連と喧嘩したり本を書いたりするのですが、ある時、
「今ある反総連運動をやっているのです」と言うのです。「何ですか」と聞いた
ら、「私が昔面倒をみていた総連系のパチンコ屋などに、総連に世話になるな、
私に世話になりなさい。私が同じくらい安くしてあげるから総連に献金するのを
やめなさい」という運動をしているとのことでした。それを応援していいのかど
うか迷ったのですが、総連にお金を払わないというのはいいことですが、日本に
税金を払わないというのはどうかと思いました。

もう一つは朝銀信用組合に対する公的資金導入です。朝銀信用組合が破綻しま
したが、企業融資を守るためということで公的資金がどんどん導入され、合計1
兆4千億円になりました。善意の預金者を保護するということはありうるわけで
すが、意図的に、返ってこないと思われるところにまで融資をして、焦げ付いて
しまい破綻しました。破綻すると預金者保護ということで公的資金が導入された
のです。

これは『AERA』などが報じたことですが、何百万円とか何千万円という単位で
総連の信用組合からお金を借りている人がいるのです。行ってみたら6畳一間で
裸電球だけというところ。「借りてません」と言う。どうなるかというとその人
が破産するわけです。しかも、その融資を使ったとは思えないのです。どこに行っ
たのか。その分が補填されて、朝銀信用組合にお金がくる。

そういうことをやっていた時に、「厳格な法執行」となり、脱税については、
京都と北海道と兵庫で朝鮮総連の商工会が税理士法違反で捕まっています。税理
士の資格がないのに書類を作った。京都は野中(広務)さんの地元のすぐ近くで
す。朝鮮総連への不正融資については1兆4千億円の内、628億円を返還要求して
います。そして破産したペーパーカンパニーとなっていますが、実態は朝鮮総連
が借りたものとして裁判をしました。取引上の名義は違うが、実態は朝鮮総連だ
ということです。そして一審で勝ちました。勝った後、総連の財産を差し押さえ
て返せとなるわけです。全国の総連の中で、今担保に入っていないのは中央本部
だけです。だから中央本部を差し押さえると言ったら、公安調査庁の元長官が出
てきて、名義を変えるという話になったわけです。

ところが裁判所は、中央本部の所有者は朝鮮総連ではなく株式会社のものだか
ら差し押さえることはできない、などと言って未だに差し押さえることができな
いのですが、一審は政府が勝ちました。二審になり、最高裁まで行けば、日本政
府が総連を相手に民事訴訟を起こして総連の財産を全部差し押さえるということ
を今やっています。ここまでは安倍政権の時です。

◆鳩山政権は「厳格な法執行」を引き継がず

心配なのは、この「厳格な法執行」が鳩山政権に引き継がれていないことです。
6項目の方針を廃止してしまった。そして新たな方針を政府は出していない。で
は「厳格な法執行」をやめるのかどうか。今年3月の総連と商工会の納税はどう
だったのか。取締りが緩んだのかどうか。裁判所は、「示談にしなさい」と言っ
ています。民事裁判はお金を払えなければ示談になるわけです。日本政府は示談
にしないと言って、中央本部を没収しようとしているのですが、鳩山政権はそれ
を続けるのか。「厳格な法執行」を続けるのか。

攻めの方法としては破防法がありますが、破防法はかなりハードルが高いもの
です。オウムにもかけられなかったのですから。監視の対象にはなっていますが、
解散命令を出すのはハードルが高いのです。それよりも、日本人と同じようにき
ちんと法律を守らせることです。それがこの4年くらいでやっとできるようになっ
たのですが、それが戻っているかもしれない。そういうことについて厳しく監視
していかなければなりません。中井大臣が、6項目方針をやめてしまったことに
ついては大変不安を覚えています。しかし、中井さん自身は総連に対して厳しい
ことを言っていますから、ご質問の通り、中井さんに会う度に、こういうことに
ついて問題提起をしています。しかし、中井さんでない人があの席(拉致担当大
臣・国家公安委員長)に座ったらもっとひどいことになるかもしれません。

総連からすれば、中井さんでない人、拉致議連系でない人があの席にいること
がいいわけです。そういう微妙な、脱税の問題、朝銀の不正融資の問題をきちん
と政府が、安倍政権のような形できちんと貫けるかどうかが焦点です。その意味
では石井一さんとか、小沢一郎さんなど旧田中派、あるいは金丸派系の人たちが
いた時は「厳格な法執行」ができなかったのです。その人たちは今与党になって
しまったということは、総連にとっては思う壺です。石井さんが総連の大会に参
加したという話でしたが、あの人は親朝派の代表みたいな人ですから、厳しく監
視しないと元に戻ってしまうかもしれない。

◆仮説 「厳格な法執行」外しは外部の圧力によるものか

そして、なぜ6項目方針を政府が外したのか。もしかしたら、「厳格な法執行」
がターゲットにされて他の物も一緒に外されたかもしれないな、と民主党の首脳
部の人が言っていました。材料がないので断定的なことは言えませんが、仮説と
しては、中井さんが言っていたことと6項目とはほとんど同じなのに、なぜ意地
になって新たな方針は作らないと言っているのかよく分からなかったのですが、
今のことと石井さんが総連の大会に行ったことを総合して考えると、ある仮説が
成り立つかもしれないな、と思っています。それが正しいかどうかは、警察がこ
れまでやっていた正しい法執行にまた圧力がかかるのかどうかです。「示談にし
ろ」というような圧力がかかるのかどうか。それを見守らなくてはならないと思っ
ています。


◆「核が進展しても拉致が進展しない限り支援なし」岡田外相は明確に答えず

問 今国会では出さないかもしれませんが人権侵害救済法と外国人参政権が成立
した場合の影響は。救う会として意思表示はしないのか。今後座り込みはやらな
いのか。

西岡 人権侵害救済法については自民党政権の時、救う会で声明を出したことが
あります(平成17年3月14日メールニュース参照)。救う会だけで出しました。
今はまだ話だけで、日程に上がってきていません。上がってきたら、条文を見な
ければなりませんが、前と同じようなものであれば、またやらなければならない
と思います。政治的なことについて家族会と一緒にやるのはどうかと考えていま
す。外国人参政権は、朝鮮総連は反対ですので、救出運動にマイナスだとして、
直接反対運動の理屈を立てるのには無理があると思っています。個人的には反対
です。90年代から反対の文書をたくさん書いています。

座り込みも視野に入っていますが、当面は国際社会の対北支援がなくなってく
る方向ですので、タイミングを見ています。自民党政権では、日本政府は拉致が
進展しない限り核が進展しても対北支援に加わらないと決めていました。しかし、
岡田外務大臣は、「これを守るか」と聞かれてはっきりしたことを言っていない。
6者協議が再開して、拉致が一向に進展しないまま、日本がエネルギー支援に参
加する可能性はあったのです。今6者協議事態が、「天安」の事件で飛んでしま
いましたので、当面はないと思います。もしもそういうことがあったら座り込み
をする。今まで政府がやっていたことを悪くするようなこと、拉致問題について
決めていたことを冒すようなことがあった時には、そういう行動をしたいと思っ
ています。

先ほど言った朝鮮総連の裁判を示談ですまそうというようなことが起きれば、
「厳格な法執行」を崩したということでやりたい。何か世の中にアピールできる
ような時にやらないと、ニュースというのは毎回やっているようなことではダメ
ですから、みんなか納得できることでやりたいと思います。前回座り込みをした
のは、偽の遺骨まで出されているのに政府は制裁をしないので、制裁すべきとし
て座り込みをしました。2005年です。前回のデモは2004年です。その時も、制裁
を訴えました。今回は、「もう我慢ができない。全然動いていない。動いていな
いこと自体が家族の苦しみなのだ」です。動きがないということが、先ほど増元
さんたちが言ったことで、苦しみが続いているということです。膠着状態という
のは何も動いていないということではなく、苦しみが続いているということなの
です。被害が倍加していること、膠着状態というのは悪化しているということで
す。家族はそういうことを思うのだということを真正面から訴えたいのです。平
日に、国会議員がいて、政府が動いている時に歩きたいということです。

◆本当に怒っている人に集まってもらいたい?大行進

問 国民大行進の動員や服装などは。もっと盛り上げたいが。

問 盛り上げるための新聞広告は。

西岡 私たちには、どこかの組合のようなかたまりで来てくれるような動員力は
ありません。一人ひとりの市民の人たちが、被害者家族と気持ちを同じにして、
働いている人たちは休暇をとったりして来なければならないのでなかなか難しい
のですが、千人を目標にしています。大丈夫だという意味ではなく、目標です。
服装は自由ですが、団体のユニフォーム、特に戦闘服のようなものを来ている人
が来るというのはよくないと思っています。雨がふるかもしれないので、濡れて
も大丈夫なものを首にかけてもらう準備をしています。青い色で、制裁と被害者
を返せというスローガンが書いてあります。棹などは国会前には持ち込めません。
我々は合法的にやろうと思っていますので、その通りにします。国会の近くになっ
たら拡声器も使いません。

新聞広告はお金がかかります。何か訴えたいことがあった時にやりたいと思っ
ています。政府が譲歩しようとする時とか。デモに来てくださいということでお
金を使うより、例えば鳩山政権が変なことをしようとするような場面になった時
に、我々の言いたいことを伝える手段としてとっておきたいと思います。日比谷
公会堂での大集会でも、大行進をやると伝えました。後は是非口コミで、本当に
怒っている人に集まってもらいたい。それが千人集まれば相当の力になると考え
ています。また、事前に記事になるようなことを考えています。

以上

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■鳩山首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 鳩山由紀夫殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/12/23
国際セミナー報告5
2024/12/20
国際セミナー報告4
2024/12/20
国際セミナー報告3
2024/12/18
国際セミナー報告2
2024/12/16
国際セミナー報告1

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■