救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

緊急国民集会記録1(2010/06/22)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.06.22-3)

家族会・救う会・拉致議連は、6月10日、東京・日比谷野外音楽堂で緊急国民
集会を開催した。以下はその記録である。なお、参加者は、緊急国民集会終了後、
日比谷公会堂から、外務省前、首相官邸前、衆議院議員面会所などを大行進と請
願行進を行った。この間、家族会代表5名が菅直人・内閣総理大臣に面会し、緊
急国民集会で採択した要請文を手渡し、短時間懇談した。

大行進・面会などは、メールニュース「制裁措置を強める?菅総理?緊急国民
集会・大行進」(2010/06/10)をご参照ください。

西岡力(救う会会長、司会)

多くの拉致被害者が、北朝鮮の地で自由を奪われ、救出を待っています。とこ
ろが北朝鮮の金正日政権は、今も「拉致は解決済み」と開き直り、それどころか、
韓国の軍艦に魚雷攻撃を仕掛けて多くの将兵を殺害する蛮行を繰り返しています。
「政府、国会、そして国民の皆さんに私たちが訴えている姿を見せたい。今の状
況を憂いていることを分かってほしい」という家族会の方々の切実な願いを受け、
本日、私たちは、「すべての被害者をすぐに返せ!、今こそテロ国家北朝鮮に全
面制裁を!緊急国民集会・大行進」を行います。

主催者を代表して、家族会代表、飯塚繁雄さんにご挨拶をいただきます。

飯塚繁雄代表 

この問題に深いご理解をいただき本当にありがとうございます。今の現状や政
治情勢を含めて考えると、拉致問題はなかなかクローズアップされない状況にあ
ります。私たちは、そういう中でも絶対あきらめないという気持ちで、北にいて
待っている家族のために、一日でも早く解決すべく、今後も要請をしていきます。

政権が代わりましたが、菅総理大臣におかれましても、我々の訴えをきちんと
受け止めていただき、具体的な措置をとられるように、本日要請文を渡しに行き
ます。怒りを込めた大行進も含めて国民の世論を盛り上げ、また北朝鮮への大き
な圧力をかけるよう今日は展開していきたいと思っていますので、これまで培っ
てきた一つの思いや考えを今日は、皆様と共に行動に表していきたいと思います。

今日は暑いですが、身体に気をつけながら、我々と一緒に大きな声で、怒りの
声をあげていきたいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

西岡 続いて、同じく主催者代表として、拉致議連会長の平沼赳夫先生よりご挨拶をいただきます。

平沼赳夫会長

皆様方こんにちは。鳩山内閣に代わって菅内閣が誕生いたしました。拉致の問
題を考えた時に、こういう人事で本当にいいのかと私は心配しています。それは、
明確な犯人であった辛光洙を、こともあろうに現職の国会議員が、釈放しろとい
う文書に署名をした。それが今、総理大臣をやっている。本当に、拉致の問題に
力になってくれるのか。心配をしています。

しかし、どんな考え方であれ、日本人であれば協力をしていかなければならな
いわけで、総理大臣として全力を尽くして行動してもらうように、努力をしてい
かねばならないと思っています。

今は亡き中川昭一代議士が、昨年10月3日、56歳でこの世を去りました。彼が
経済産業大臣になる時に、私の所に日参をして、「拉致議連の会長を引き受けて
くれ」という頼みがありました。私は中川昭一代議士と大変親しくしていました
ので、お引き受けしたわけです。そしてずいぶん月日が経ちました。皆様方ご承
知のように、拉致問題はなかなか解決することができない。

私は政治家として一つの重要なことに気がつきました。この国の安全と平和を、
自らの力でこの国は担保できているのだろうか。まさに人任せで、安全と平和を
よその国に依存している。交渉ごとに関しては、足元を見られてしまうわけで、
やはり独立国であれば、軍国主義になる必要はありませんが、この国の安全と平
和をしっかりと日本の手で守っていく。こういう基本姿勢がないとなかなか解決
ができない。そういう意味でも、署名をした内閣総理大臣に、こういう問題を突
きつけていかなければならないと思っているわけであります。

皆様方の力強いご協力を心からお願いし、私も全力で頑張っていくことをお誓
いし、挨拶に代えさせていただきます。

西岡 今、辛光洙の名前が出ましたが、89年に日本の多くの国会議員が、辛光洙
を含む在日韓国人良心囚だと言って、韓国の刑務所にいる北朝鮮のスパイを釈放
しろという署名をしました。辛光洙は、原敕晁さんの拉致の犯人であるだけでは
なく、地村さん夫妻拉致の犯人であり、横田めぐみさん拉致の犯人でもあったの
です。

曽我さんが、辛光洙から直接、「俺はめぐみを拉致したんだ」と聞いているん
です。しかし辛光洙は、2000年に北に帰るまでそのことをしゃべらなかった。だ
から彼は今北朝鮮で英雄なんです。決定的な証言ができる人が韓国にいたのに、
それを活用することができなかったのは大変残念でなりません。

続きまして、拉致議連幹事長、自民党拉致問題特命委員会委員長の古屋圭司先
生にお願いします。

古屋圭司委員長

皆さんこんにちは。去る4月25日、今年も隣の日比谷公会堂で大集会がありま
した時も挨拶をさせていただきました。あの時はまだ鳩山政権でした。「友愛」
という名のもとに、外国人の地方参政権や、あるいは親子別姓法案を推進しよう
としたり、さらには普天間問題でこれだけ混乱をさせてしまった。あの口蹄疫問
題でも危機管理の欠如をさらけ出してしまった。本当に残念です。拉致問題につ
いては基本方針すら決まっていない。こういう話をさせていただきました。

菅さんが総理大臣に就任しました。会長からも話があったように、辛光洙の釈
放の署名をした。これは信じられない不名誉な話です。一国の総理大臣としては
許されない行為です。だからこそ私は逆に申し上げたい。これだけ不名誉なこと
をやった以上は、名誉を挽回するために、是非この拉致問題についてまなじりを
決して取り組んでいくべきだと思っています。

去る5月21日、自由民主党として前内閣官房長官に17項目に及ぶ要望書をつき
つけました。本人にも会いました。我々は今、世界がしっかり連携をして、ヒト、
モノ、カネの制裁を徹底してこそ拉致解決に向けた糸口が開かれていく、是非こ
れはお願いしたい、と。残念ながら当時の鳩山政権は、その基本方針や対応方針
すらはっきりしていない。中井大臣が個人的に一生懸命頑張っているに過ぎない
のです。

その時、平野長官は、「いい提言をいただいた。早速検討します」ということ
でした。次の週には安全保障会議が開かれ、北朝鮮に問題があったとして制裁強
化に向けて動き出したのですが、残念ながら政権が代わって、振り出しにもどっ
たのではないかと私たちは危惧しています。

先ほど申しましたように、それほど不名誉な実績を作り上げてしまった菅総理
ですから、この点は我々の要望を聞いてほしい。そして私たちはいよいよ参議院
選挙を迎えます。我々はその参議院選挙でもはっきりと謳わせていただきました。
「拉致被害者の全員の帰国」、そして「拉致実行犯の引き渡し」。この方針はしっ
かり堅持すべし。その上で、「拉致問題が解決に向けて進展をしない限り、一切
の経済支援は断固として行わない」。

福田総理の時に、再調査を行うという約束が交わされたが、政権の不安定さを
理由に反故にされた。再調査を約束させる。それまでは国家の威信をかけて全員
の被害者の帰国を、国際連携も駆使しながら、求めていくべきであると、我々は
公約の中にはっきりと謳わせていただきました。これは当り前のことです。

拉致は国家によるテロですからこれを容認するわけにはいきません。皆さんと
ともにこの拉致問題の解決に向けて政府の背中を押そうではありませんか。

西岡 続いて、拉致議連の役員で、公明党拉致問題対策委員長の竹内譲先生、お
願いいたします。

竹内譲委員長

まず公明党としてご報告申し上げたいことは、本国会で北朝鮮船舶に対する貨
物検査法をようやく成立させたことです。この法案は、私たちが自民党と一緒に、
北朝鮮の核実験に対する制裁を決定した国連決議1874号を受けて、国会に提出し
ていたものですが、政権交代後、鳩山内閣が独自の政府案を提出したために、意
見の対立から成立が遅れていたものです。

実は、この法案は、衆議院の国土交通委員会に付託されていました。ところが
この国土交通委員会はご承知の通り、前原大臣が八ッ場(やんば)ダム問題、ま
た日本航空問題、箇所付け問題、さらに高速道路の新料金問題など様々なことを
されるものですから、話題満載、難問山積、法案渋滞という状態に陥っていまし
た。

私は、国土交通委員会の理事で、その中で唯一の拉致議連の議員ですので、大
変責任を感じていました。そのため、今回は何としてもこの北朝鮮船舶に対する
貨物検査法を成立させねばならないという思いで頑張ってきました。結果、なん
とか法案審議に合意ができ、衆参両院で会期末までに成立しましたので、ほっと
しています。

4月の大集会の時にお約束したことをともかくも前進させることができたと思っ
ています。もちろんこの政府案がベストの法律であるとは思っておりません。し
かしながらこれ以上自公と民主党で対立を続けて、廃案や継続審議になるよりは、
ともかく北朝鮮に対する制裁を実行することが大事であると考え、今回成立させ
た次第です。

さて、菅新政権ですが、新政権としても、北朝鮮による拉致、核・ミサイル問
題を外交上の最優先課題として取り上げ、所信表明においても、この問題解決の
ための決意を鮮明にしていただきたいと思います。しかし、誠に残念なことに、
申し上げにくいことですが、前の鳩山内閣では決意はされたものの、普天間問題
に忙殺され、また米国のオバマ大統領や中国の胡錦濤国家主席との首脳会談の席
でも、拉致問題に関する発言はほとんどありませんでした。菅総理を初め岡田外
相があらゆる機会をとらえて拉致、核・ミサイルの解決のために発言し、行動し
てもらいたい。

今再び、拉致問題解決のチャンスがめぐってきているように思われます。北朝
鮮経済は極めて深刻です。韓国の哨戒艦爆破事件によって世界からさらなる非難
や制裁を受ける可能性もあります。さらに過日の金正日の訪中においても中国か
らは思うような支援が得られなかったようです。まさに圧力が効果を発揮し、交
渉が有利になる時が近づいております。

政府の大胆な決意と行動を期待するとともに、公明党としても日米韓の連携を
はかり中国との交渉など独自のルートにより、拉致問題解決のために一層の努力
をしていきます。以上でご挨拶とさせていただきます。

西岡 拉致被害者の、そして国会議員の自国民を救うという声を、邪魔するスピー
カーの声があります(外から街宣車の大きな音が聞こえる)。誰なのかと強く思
いますが、私たちはそれにも負けないで、日差しにも負けないで、今日の集会を
最後までやり抜こうではありませんか。続いて、前拉致議連幹事長西村眞悟先生
にお願いいたします。

西村眞悟・前拉致議連幹事長

皆様ご苦労様です。国会の場を離れる機会をいただき、その機会に私が何をやっ
たかをご報告して、皆様とともに拉致被害者救出に当たりたいと思っています。

拉致被害者救出に携わって一番気になる国がイスラエルです。イスラエルはあ
れほどの敵対国に囲まれながらユダヤ人を拉致するという周辺諸国は一つもあり
ません。気になっていましたのでその謎を探りに行きました。向こうの将軍から、
「日本政府は拉致被害者救出に何をやったか。行動を説明してくれ」と言われた
時に、一番困りました。そして彼らは言いました。「我々が知ったのは、4人の
シリアの将軍たちが前線に視察に来るという情報をキャッチして、彼らを生け捕
りにして、イスラエルの全捕虜と交換することを計画し、それを実行して4人の
シリアの将軍を捕まえた。

このことを聞いて私は、金正男という者が成田に不法入国した時に、「返して!、
返して!」という大騒ぎをして北京に送り返してしまった日本政府のあの措置を、
痛恨の思いを持って思い出したのです。イスラエルは、全ユダヤ人を守るために
は、断固として一人のユダヤ人を守るという原則を貫いています。なぜなら、一
人のユダヤ人を守れないならば、再び全ユダヤ人が強制収容所に送られることに
なると思っているからです。

4月20日が建国記念日、その前日の晩は戦没者追悼記念日でした。ここにおい
てイスラエルの国会議長はこのように言いました。いまガザ地区に捉えられてい
るたった一人のユダヤ人兵士の名を挙げ、「彼の救出にわがイスラエルは全力を
尽くす」と宣言しました。

我が国は、8月15日、全国戦没者追悼式において、内閣総理大臣が、北朝鮮に
拉致された日本国民の名を挙げて、「彼らの救出に我々は全力を尽くす」と宣言
するその日は想像もできないではありませんか。しかし、イスラエルは現実にそ
れをやっている。これを見習わなければならないと心に刻んで帰ってきて皆さん
にご報告する次第です。

8月15日、戦没者追悼式に感謝を捧げ、総理大臣、衆議院議長、参議院議長が
「拉致被害者の救出に全力をあげる」と英霊に誓えるような日本を回復しようで
はありませんか。ともに頑張ってデモ行進をしましょう。

西岡 ここで順番を変えさせていただきます。というのは今日ここで要請文を採
択したいと思っています。デモ行進をして、首相官邸前に着いた時に代表者が官
邸にその要請文を提出したいとお願いをしていたところ、菅直人拉致問題対策本
部長・新総理の方から、「自分が受け取る」というお話がありました。日程が合
わず、「3時に官邸に来てほしい」ということです。この集会が終わる時間が3時
なので、家族会の5人の代表者が決議文を持っていきます。そのため、まず決議
文の採択をさせていただきます。

それでは、菅直人総理大臣宛の要請文を、拉致議連の事務局長代理、高木毅先
生(自民党)にお願いします。
(要請文採択、全文既報6/10メールニュース)

西岡 要請文が私達の名前で採択されました。この要請文を持って菅総理に会い
に行ってくださる5人のうち、既に飯塚さんは挨拶されましたので、あとの4人の
方に官邸に行くにあたっての決意を述べていただき、送り出したいと思います。

横田 滋 横田めぐみさん父、家族会前代表

この度、緊急国民集会・大行進を計画しましたところ、平日で心配したのです
が、これだけ大勢の方々にお集まりいただき心強く思っています。拉致問題は、
自民党だから、民主党だからということではなく、国政の最重要課題として取り
組んでいかなければならない問題です。国会の場では与党、野党の意見の違いが
出てきます。例えば自民党が拉致救出のために何かする時、民主党が反対すると
か、民主党政権ができて救出のために何かしようと思った時、自民党が反対した
というようなことは一度もありません。

普通の政策は、実行しようとすると、反対があって難しいところがありますが、
拉致問題の場合は政府が本気でやろうと思えば、どちらが与党かは関係なく、野
党から反対が出ることはありませんので、早く安定政権を作って、一日も早く解
決してくださるようお願いいたします。

それには皆様方のご支持が最大の力となりますので、今日お出での方は特に熱
心な方ばかりと思いますが、救出のために、是非助けなければという気持ちを持
ち続けてくださいますようお願いいたします。

横田早紀江 横田めぐみさん母

皆様こんにちは。本当に長い間、活動13年に入るこの支援活動で、私たちを支
えてくださり、めぐみを初めたくさんの拉致被害者を助けるために、私たちを支
えて、今日まで見守ってくださったことに心から感謝いたします。

色々と政局が変わり、運動を始めていらい9代目の総理大臣を迎え、私たちは
日差しの中を歩きながら、本当に何度こうして歩いてきたのだろうか、またあち
らに捕らわれている人たちは、闇の中に閉ざされたまま、どうなっているのか、
苦しい状況の中でうめいているのかもしれない、山に倒れているかもしれない。
早く助けて!と毎日絶叫しているかもしれない、泣いているかもしれない。

そのような大切な日本の国民の命を33年もなぜ助けることができないのか。私
はこの活動を通して、本当に人間の心がどうなってしまっているんだろうと思う
ようになりました。私たちは、色々とお話にありますように、過去、特攻隊で亡
くなった若い15歳、16歳で国のために命を捧げた子どもたち、そしてそのような
人たちの背後があって、私たちは今日こうした平安と安穏の中に過ごさせていた
だいているということを忘れてはならないことだと思います。

そのようなことを、また私たちの子どもたちが、違った形で犠牲者となって、
今、平和のために一生懸命うめいているのです。

日本国中が、国会議員であれ、外務省であれ、警察官であれ、公安であれ、国
民であれ、すべてが父親であり母親であります。母親、父親があって若者が育っ
ていくんです。そのような若者を、本当に大切なこの国のために大切に残して、
この国が毅然とした、そして本当に魂のすわった温かいものに育っていくための
大事な若者たちなんです。

その者が、なんで苦しい思いをして30何年間も見えないところで泣き叫んでい
るのでしょうか。たくさん助けていただいた支援者の多くの方々が、「もう天に
召されてしまいました」。多くの方々のお顔、お言葉を思い出すと本当に悲しい
と思います。どうか皆様心を一つにして、日本中が怒って取り返してください。
お願いいたします。

(つづく)

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■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 菅 直人殿

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