救う会全国協議会

〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
TEL:03-3946-5780 FAX:03-3946-5784 info@sukuukai.jp

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

大きな意義があった金賢姫さん来日?連続集会2(2010/08/05)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.08.05-4)

◆国情院まで加担「金賢姫偽物キャンペーン」、直後日本人拉致を認めた金正日

次に、意義について申し上げますが、先ほどの話と一致しますが、「死んだ」
と言っている人たちを、「生きている」と言わせるためには、彼らが生きている
人を「死んだ」と言わざるを得ない動機を解明しなければならないということで
す。そういう点で、今回の金賢姫さんの来日は大変意味があったと思います。

私は、『金賢姫からの手紙』(2009草思社刊、1500円税別)という本を、趙甲
済さんと一緒に書いて出したのですが、その時調べて色々なことが分かりました。

金賢姫さんが韓国で迫害されて、外部からの連絡が全くできなくなってしまっ
たことと、金正日が拉致を認めたことは、実は一緒の時期だったのです。2001年
の秋から韓国の中で、左翼運動家たちが「金賢姫は偽物だ」というキャンペーン
を張ります。

大韓機遺族会の中にも左翼の人が入り込んでいて、「北朝鮮がやったのではな
い」という人が、今遺族会の会長です。それまで、金賢姫さんは謝罪もしている
し、印税を渡していることで、遺族会も「それでいいですよ」ということだった。
しかしその後、遺族会で、「大韓機事件はでっち上げだ」という人に会長が代わっ
た。「金賢姫は偽物だ」という立場の人たちは、金賢姫を連れてきて、「お前は
偽物だろう。本当のことを言え」という糾弾をすると言って、金賢姫を探すよう
になったのです。

そのキャンペーンにテレビ局が乗ります。MBCという民放で一番大きなところ
が、特別番組で「金賢姫の疑惑」というのをやり、「本物でない可能性が高い」
ということをやりました。中身は、日本で1988年頃、週刊ポスト等が書いて、ジャー
ナリストの惠谷治さんが完全に論破したことばかりです。

そういう古い話を持ち出して、「彼女が手記に書いているホテルの何号室は行っ
てみたら部屋がない」というような細かい話です。記憶違いというのはあるんで
す。そして彼女はこう言っています。「国情院までもが自分が偽物だというキャ
ンペーンに加担していた」と。

国情院が彼女に、「テレビ番組に出なさい。出てあなたが本物かどうか言いな
さい」と。しかし、番組に出ても、でっち上げというキャンペーンのための番組
ですから、自分は一人孤立するだけだからと拒否したのです。拒否したら、自宅
に深夜、しかも、「夫が国情院から呼び出されてソウルに行っている時に、テレ
ビ局が自分の家にまで来て、ピンポンと押した」と。「どうして私の自宅の住所
が分かるのか。当局しか知らないのに。『出演しなさい』と言われて拒否したか
ら当局がもらしたのではないか」と彼女は疑ったのです。

そこで、「ここにいたら住所が漏れる。でっち上げだと言っている側に住所を
もらして私たちはつるし上げられるかもしれない。もしかしたら、北朝鮮にもこ
この住所が分かるかもしれない。すると北朝鮮のテロリストが来るかもしれない」、
そう思って夜逃げしたんです。

知り合いの所等を転々と廻って、外部との連絡を一切断ちます。そういう状況
を作っておいて、2002年9月に、「田口八重子さんを拉致しました」と認めたの
です。そうでなければ、彼女のところに日本のマスコミがみんな集中して、「あ
なたが証言したおかげで田口さんが帰ってきましたね」と。そして飯塚さんがソ
ウルにいて、「ありがとうございました」ということになっていたんです。

それができないような状況を半年前くらいに作って、「田口八重子さんは拉致
したけれども李恩恵ではない。田口さんは原さんと結婚して幸せに暮らしたけど
もたまたま交通事故で死んだ」というストーリーを出してきたのです。

私は、2002年9月の段階から、「拉致を認めると譲歩をしてきたのに、生きて
いる人を『死んだ』と言わざるをえなかったのは、金正日の責任にかかわること
は認められないからだ」と言いました。大韓機爆破事件は、金賢姫さんが何回も
証言している通り、金正日の直筆のサインがある命令書があったのです。金正日
が、「お前たちは日本人に化けて115人殺してこい」と言ったということです。
そして日本のパスポートが準備されていて、爆弾も準備されていました。

日本人に化けるというコースを彼女が受けたということを知っていなかったら、
そんな命令を彼女に出せる筈がないのです。自分が現地化教育をしたから、現地
化教育をした工作員を一人選んだわけです。めぐみさんもその現地化教育の教師
だった。そのことが分かる人は、「死んだ」と言われたのです。

少なくとも、田口さんを日本に取戻すためには、北朝鮮に大韓機事件を認めさ
せなければだめなんです。今回久しぶりにワイドショーに呼ばれましたが、76年
の金正日の拉致指令を言うためには3分くらい必要なんですが、1分くらいしかも
らえなかったので、「大韓機事件はでっち上げだと北朝鮮は言っている。そのこ
とをくつがえすことができるんだ」と。

◆金賢姫はテロとの戦いの最前線にいる

今回、めぐみさんについて、「動物が好きだった」という話がありました。金
賢姫が偽物だったら、めぐみさんが動物が好きだったかどうかという言葉を言え
る筈がないのです。北朝鮮でめぐみさんに会ったから、お母さんが、「ああそう
だった」と思うことが出てくるわけです。

そういう意味で、今回自民党の総裁が、「テロとの戦いに反する」とおっしゃっ
たのですが、彼女はテロとの戦いの最前線にいるんです。北朝鮮は、「彼女はテ
ロリストではない」と言っています。人殺しではないと言っているんですが、金
賢姫さんは、「私は人殺しです」、「私はテロリストです」と命がけで言ってい
るんです。北朝鮮のテロを暴く最前線にいるんです。

北朝鮮が未だにテロを認めていないということを彼女が証言しているから、警
備が厳しくなっているんです。警備が厳しいのはテロと戦っているからなのに、
その人を呼んだら、「テロとの戦いで恥ずかしい思いがする」というのは、事の
本質が全く分かっていないということです。

中井大臣にもそのことを言ってほしかったと思います。「大韓機事件を北朝鮮
が認めていない間は、八重子さんやめぐみさんは帰って来られないから、だから
家族と親しく交わってもらいたかった。親しく交わっている映像が出れば、彼女
が偽物だということは自然になくなる」と。

耕一郎さんが、『お母さんみたいだ』と思ったわけですが、もしも偽物だった
ら日本中がだまされているわけです。飯塚さんが覚えていらっしゃる八重子さん
と、金賢姫さんが会った八重子さんの像が一致する。そんなことは当り前のこと
だからという気がするのです。しかし、そこに、北朝鮮の嘘を暴くという意味で、
大きな意義があります。

拉致問題は、北朝鮮の嘘との戦いです。嘘を暴かなければ帰って来られないと
いう意識があれば、今回のことをもっと活かすことができた筈なんです。そうい
う点では残念でした。

しかし、今回のことで、より深い闇が暴かれてきたと思います。76年に金正日
が拉致指令をしたことは間違いないということがより確実になりました。そして
77、78年に、世界中で拉致があった。東南アジアで、もっとやられているかもし
れない。ルーマニアのドイナさんも78年に拉致された。レバノンの4人も78年。
タイのアノーチャさんも78年。そして今回、金賢姫の先生として明らかになった
マカオの孔令●さん(ホン・レンイン、●は「貝貝」の下に「言」)も78年です。
東南アジア人の男性が少なくとも6人いるかもしれない。めぐみさんの夫だった
韓国人・金英男さんも78年です。

日本だけではなく、76年の金正日の拉致指令の後、世界中で教官拉致を行い、
日本人化、東南アジア人化、ヨーロッパ人化教育が行われました。ジェンキンス
さんも言っているのですが、「自分の子どもたちが北のスパイにさせられるのじゃ
ないか」と。ヨーロッパ人と北朝鮮人を結婚させると、子どもは混血になります。
それを洗脳してスパイにするという計画があったという話もあります。

世界中の人を利用して北のスパイにする、スパイ教育に利用するということが
明らかになった。金正日の責任は重大ですね。だからそれを隠そうとしている。
日朝だけの問題ではなくなる。フランス人拉致被害者等も明らかになっていない。

◆北の秘密を暴けば、秘密を守る価値がなくなり、被害者を返す可能性が

しかし、めぐみさんたちを取戻すためには、その秘密をすべて暴かないとだめ
だ。30年前にあなたたちがやったことを隠そうとしても分かってきましたよ、と。
世界中に謝罪して返さないと、大変なことになりますよ、と。そういうことをこ
ちらが言えるかどうか。

秘密は暴露されてしまえば秘密ではなくなるわけです。いくらめぐみさんたち
を返さないことでその秘密を守ろうとしても、それ以外の証拠から秘密を暴いて
しまえば、守る価値がなくなるわけです。しかし、闇はまだまだ深いという感じ
がしますね。もしかしたら、子どもがさらわれているとか。

しかし、先ほど早紀江さんがおっしゃったように、薄皮がはがれるように一枚
一枚暴かれてきた。2002年の段階では、世界的な拉致のことは本当にわかりませ
んでした。1997年には、拉致があるということを認めさせることでした。しかし、
ここまでは来ることができました。

先ほど、「これを生かして次につなげてほしい」と言われましたが、救う会と
して、この夏の間に集中して、「拉致の全貌と解決」プロジェクトで、76年の金
正日の拉致指令に関する資料等を全部入れた報告書を出したいと思っています。
誰が読んでも分かりやすいようにして、できれば英語、韓国語などにも翻訳して、
嘘の後ろにある彼らが隠したい秘密を暴いてしまうことをしようと思っています。

そして、我々にいい情報は、金正日の健康がかなり悪いということです。金正
日政権の間に、過去の金正日の責任を認めさせる譲歩を、彼らから引き出すとい
うのは大変なことで、強い圧力なしにはできないわけですが、ポスト金正日政権
になった場合は、金正日の30年前の罪を認めることはたやすくなります。もちろ
ん誰かによっても違いますが。ですから、我々としては、金正日に対しても、ポ
スト金正日に対しても、「日本は全員帰ってくるまで絶対あきらめない。拉致被
害者を全員取戻すまでは制裁は強化されるし、支援は絶対いかない」という姿勢
を取り続けるしないと思います。

一方で、金正日の責任を隠そうとしても、もうばれているよ、ということを後
継候補になる人を含めて、どれだけ発信できるかと思っています。

しかし、後継政権が安定的にできるかどうかはなかなか難しい。混乱が起きた
時に、まだ金正日が生きていた場合、自分の責任を逃れるために、被害者を抹殺
する命令を出す可能性はゼロではない。

あくまで今生きていて、日本の助けを待っている人たちが、被害を加えられて
しまうことが絶対ないように。これは自民党政権時代からずっと政府に言ってい
ることですが、北朝鮮急変事態の時に、どう被害者を救出するかについて、同盟
国であるアメリカ、そして韓国、また中国も含めてきちんと水面下で準備をして
おいてほしいということは、今後も言い続けたいと思います。

一方で、金正日政権にも、ポスト金正日政権にも隠すことの意味はなくなりま
したよ、30年前のテロはみんな認めてしまいなさい、そうすれば制裁は緩むし、
日本から人道支援が行く可能性があるというメッセージを出し続けることが大切
で、そのためには今回の金賢姫の訪日は大変意味があったと思っています。

増元照明
資料に書いてなかったことで、松木薫さんのことですが、北朝鮮から松木さん
はずっと独身だと言われていましたが、それについて金賢姫さんに、「ずっとそ
うなんでしょうか」と聞いたら、「いや、北朝鮮では必ず、ある年令に達したら
党から結婚するように仕向けられますから、おそらく結婚している筈です」とい
うことでした。

もう一つ、金賢姫さんの印象ですが、「普通のおばさん」です。「おばさん」
と言っては失礼ですが、「美しい普通の人」です。その人が、115人も爆破して
殺すテロリストにならざるを得なかった体制のことを考えなければいけないとい
うことを。日本人が感じたほうがいいと思います。金賢姫さんに会った、衆参の
拉致特の委員長にそのことが理解できるかどうか。そういうことを踏まえながら
交渉しなければならないし、対峙しなければあらない。今回会った人はそれを認
識していただきたい。本当に「普通の人」です。その人がテロリストにさせられ
たということです。あの体制がどれだけむごい体制かを認識すべきだと思います。

以上



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 菅 直人殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
  
■ サイト内検索 ■


■ メールニュース ■
2024/12/23
国際セミナー報告5
2024/12/20
国際セミナー報告4
2024/12/20
国際セミナー報告3
2024/12/18
国際セミナー報告2
2024/12/16
国際セミナー報告1

■過去のメールニュース■

  ■ 2024年
  ■ 2023年
  ■ 2022年
  ■ 2021年
  ■ 2020年
  ■ 2019年
  ■ 2018年
  ■ 2017年
  ■ 2016年
  ■ 2015年
  ■ 2014年
  ■ 2013年
  ■ 2012年
  ■ 2011年
  ■ 2010年
  ■ 2009年
  ■ 2008年
  ■ 2007年
  ■ 2006年
  ■ 2005年
  ■ 2004年
  ■ 2003年
  ■ 2002年
  ■ 2001年
  ■ 2000年
  ■ 1999年
■あなたにも出来る救出運動■
あなたにもできること

 ■ 映画「めぐみ」 ■ 

映画「めぐみ」

■ 書 籍 ■