救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

米対北「テロ国家再指定・外交不承認法案」を提出―拉致解決は必須条件(2011/04/12)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2010.04.12)

 米国の下院外交委員長が北朝鮮をテロ支援国に再指定する法案を外交委員会に
提出した。法案は、日本人拉致問題も必須条件と明記している。家族会・救う会
・拉致議連の数次の訪米による働きかけの成果と言えよう。訳・解説は島田洋一
副会長。


■ロスレーティネン米下院外交委員長が対北「テロ国家再指定・外交不承認法案」
を提出―拉致解決は必須条件

 アメリカ連邦議会下院のイリアナ・ロスレーティネン外交委員長が、4月1日付
で「2011年北朝鮮制裁および外交的不承認法案」を下院外交委員会に提出した。

 まず事実認識として重要な点を列挙している。拉致問題も含まれている。その
部分のみ訳出しておく。

・北朝鮮は、アメリカの同盟国である日本と韓国の民間人を拉致した問題につい
て、人道的かつ誠実に取り組むことを拒み続けている。拉致被害者は、フランス、
レバノン、ルーマニア、タイなどの諸国にも及んでいる。

・脱北者の証言によれば、アメリカの永住権保持者であり、米国民の夫および父
でもあるキム・ドンシク牧師が、北朝鮮工作員によって2000年1月に中朝国境地
帯で拉致され、拷問ののち殺害された。その遺体は現在北朝鮮内の軍事施設に置
かれている。

・議会はその権限において、2004年北朝鮮人権法で、「米国による人道以外の援
助は、北朝鮮の人権状況、拉致被害者の解放および情報開示、離散家族の再結合、
労働収容所システムの改革、政治的意思表示の非犯罪化などに関する実質的進展
を条件とする」と明確に見解を示している。そのいずれもが実現していない。

 なお同法案は、事実認識として、上記の他に、北朝鮮とイラン、シリア、中国、
リビアとの核・ミサイル開発における協力関係に言及している。

 続いて同法案は、米政府によるテロ支援国指定解除(2008年10月11日)の後も、
北は国際テロと見なすべき行為あるいはきわめて挑発的な行為を続けているとし
て、黄長●(●=火へんに華)暗殺団の南派、天安艦撃沈事件などを挙げている。

 そして、大統領は、次の諸点が実現したと議会に確証しない限り現存の対北制
裁をゆるめてはならないとして、拉致問題にも触れている。その部分のみ訳出し
ておく。

・米国の永住権保持者キム・ドンシク牧師の遺骨を米国民である未亡人、家族、
教会メンバーのもとに返還し、シカゴにおいてキリスト教の様式に則った埋葬が
行われうるようにすること。

・日本政府により認定された拉致被害者および韓国政府により認定された拉致被
害者を解放すること。

・北で生存していると見られる600人に上る韓国人捕虜およびその他の朝鮮戦争
中の捕虜で、本人の意思に反し、1953年7月の休戦協定に違反して拘束されてい
るいかなる人々も解放すること。

 なおその他、北の強制収容所に国際赤十字の代表を無制約かつ定期的に訪問さ
せること等も挙げている。

 その上で同法案は、この法の施行と同時に国務長官は北朝鮮をテロ支援国家に
再指定すべきこと、上記諸点すべてを大統領が確証しない限り、北に米国大使館、
領事館、連絡事務所などを設ける予算は認め難いこと、等を規定している。

 共和党が下院で多数を占める中、同等有力議員でかつ外交委員長の要職にある
ロスレーティネン議員自ら提出した本法案が、少なくとも下院を通過する可能性
は高い。

 拉致問題が明記されたのは、家族会・救う会・拉致議連が数次の訪米において、
ロスレーティネン議員を含む米議会の有力者・関係者らと踏み込んだ意見交換を
重ねてきた成果と言えよう。

 もっとも、同法案は「日本政府により認定された拉致被害者」の解放のみを掲
げており、これでは寺越事件や特定失踪者のケースは枠外とされかねない。

 米下院はかつて、拉致非難決議で、13才の少年被害者として寺越武志さんに触
れたことがある。今回、法案というより高次の公的文書において、日本政府の認
定に依拠したのは、米議会の立場としては、やむを得ないことではあろう。

 問題は日本政府の姿勢であり、まずは寺越事件を速やかに拉致認定するよう強
く求めたい。

以上

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