救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田夫妻が参議院で証言(2005/06/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.06.15)

 平成17年6月10日、横田滋・早紀江家族会代表夫妻が、参議院拉致特別委
員会に参考人として招かれ証言した。以下は横田夫妻の冒頭発言である。

■横田夫妻が参議院で証言

 横田滋さん
 ただいまご紹介いただきました、昭和52年11月15日、新潟市で北朝鮮の
工作員に拉致された横田めぐみの父、横田滋でございます。そして、現在は北朝
鮮による拉致被害者家族連絡会の代表を務めております。

 金正日が、2002年9月17日、拉致を認め、謝罪してから既に2年9か月
近くが経過しているのにもかかわらず、死亡されたと言われている人につきまし
ては安否が確認されない状態が続いております。被害者家族の高齢化が進み、家
族と再会できないまま亡くなられた方が多数おられ、被害者の所在を一日も早く
確認すべきだと思っております。

 第三回日朝実務者協議でめぐみのものとして提供された遺骨は、帝京大学がD
NA鑑定した結果、12月8日、別人のものということが判明いたしました。我
々は、この鑑定結果を伺いまして非常に安堵をしたしました。北朝鮮側は、この
遺骨は第三者の手を経ずに直接薮中団長に提供されたもので、本人のものに間違
いないということで持ってきたわけなんですが、しかしこれが幸いにも別人のも
のだとの鑑定ができたからよかったものの、そうでなければ、「これはもう夫が
持ってきたもので間違いないものだ。しかし、科学的には鑑定できなかったもの
である」。そして、同時に提供されました写真を示して、「こんな不安そうな顔
をしている中学生をわが国が立派な大人に育てて、車も使えるような身分にもなっ
たんだけれども、本人が体が弱くて入院して自殺したんだ。もうこれ以上のもの
を出せないから納得してほしい」というようなことが言われれば、私たちだけで
なくて、政府としてもそれを反論する材料というのが全くなくて、結局それで納
得されてしまう恐れもあったわけですが、しかし、別人のものと鑑定した結果、
我々としましてはめぐみが生存している可能性が強いということを確信いたしま
した。国家間の交渉で、おそらく1200度で焼けばDNA鑑定はできないだろ
うと見越して別人の骨を持ち出すということは、もう我々親だけでなくて日本政
府全体をばかにしたものだと思っております。

 この12月の8日に別人のものと分かった時に、我々家族会、救う会は経済制
裁の発動をお願いしたいというような声明を発表いたしました。そして、翌9日
に拉致議連の総会が開かれまして、その席でも経済制裁をするしかない、という
ことが決議されております。また、私はその翌日の10日の自民党の拉致対策委
員会、それからまた同じ日に開かれました衆議院の拉致特別委員会にも傍聴に参
りましたが、いずれも制裁をすべきだ、という意見が決議されております。

 しかし、小泉総理は、対話の窓口が閉ざされるということを理由に慎重な姿勢
を崩しておりません。

 そして、この段階ではめぐみのものだけだったわけですが、しかし、その後持
ち帰った資料の精査をして、24日の日に家族に対しても説明がありましたし、
同日、細田官房長官が、「北朝鮮側が迅速かつ誠意ある対応をしない場合、日本
政府として厳しい対応を取らざるをえない」という立場を、制裁の予告ともとれ
る談話を発表いたしました。それから、日本政府は北朝鮮側に対して抗議をし、
そして鑑定の説明はいつでも説明をするというふうに言っておりますが、北朝鮮
側はそれを拒否して、鑑定は捏造であるとか遺骨を返せとかって言うだけで、現
在は全く電話をかけても出てこないというような状態だというふうに説明を受け
ております。

 もう6か月経ちましてもまだ何の説明もないということは、迅速かつ誠意ある
対応、態度を取っているとはとても考えられません。それで4月に開かれました
国民大集会でも制裁ということを決議しておりますし、家族会、救う会は、ちょ
うど官房長官談話から半年になります6月24日から26日まで3日間、官邸周
辺で静かに座込みをするということを計画しています。

 それで、政府に対するお願いでございますが、やはり、もし北朝鮮側に何か異
変が起きた場合、被害者がどこにいるかといった情報が必要になっておりますの
で、ぜひ情報収集に努めていだだければと思います。情報収集というのは人脈づ
くり等ですぐにはできないとおっしゃっていましたんですが、しかし小泉総理の
訪朝からはもう2年以上も経っておりますし、やはり一日も早く収集していただ
きたいと思いますし、それと、現在も拉致の専門幹事会といって各省庁の局長ク
ラスの方が集まって横の連絡をとっていただいていますが、しかし、それぞれが
情報をもっているというようなことだと思いますし、それからそういった方は通
常はそれぞれの省庁の仕事をなさっておりますので、拉致のことだけをやってい
るというところは、部署はございませんので、一日も早くこの専門幹事会を拉致
の対策本部というような形で常時拉致問題について対応がとれるようなシステム
を作っていただければと思っております。

 一日も早い解決を家族は望んでおります。以上でございます。

横田早紀江さん
 私は、横田めぐみの母でございます。

 めぐみが行方不明になって20年という長い間、どうしてめぐみがいなくなっ
たのか分からない長い長い苦悩の日々を過ごしてまいりました。そして、考えた
こともない北朝鮮の工作員によって拉致されて、平壌にめぐみさんがいます、と
いう情報が入ったのが20年たってからのことでした。

 そうしてこんなに長い間、このような大変なことが分からなかったんだろうと、
私たちは、それでもめぐみが生きていたんだという喜びで、すぐにでももう会え
るという思いで大変喜びましたけれども、今日のように、もう9年目に入る救出
活動の中で、まだこれからも、24日座込みをしなければならない。このような
状況がどうしていつまでも続いていくのかということが不思議でなりません。

 私たちは、増元さんのお父様がおっしゃった言葉、「私は日本を信じる。だか
らお前も日本を信じろ」と増元照明さんに病の中からおっしゃった言葉が忘れら
れないんです。これは本当に国民全部が思わなければならない言葉だと思います。

 そして、めぐみたちはまだ元気であちらにいるはずです。そして、あの国がい
かに凶暴であり、人の命を何とも思っていないような国であるかということはも
う世界中が分っています。ブッシュさんが、「悪の枢軸」と言われる通り、本当
に人の命など何とも思っていない国にたくさんの日本の何の罪もない若者たちが
29年間も監視をされ、そして向こうの思ったように動かなければ強制収容所な
り、それこそ銃殺刑にされるかもしれないような状況の中で、一刻一刻を助けを
待っているんです。まだおぼれたままでいるんです。

 おぼれた人がいれば、私たちはすぐにでも手を差し伸べるのではないでしょう
か。ほかの色んな用事をまずおいて、飛び込んで助けるのが人の心ではないんで
しょうか。どうしてこんなにたくさんの立派な日本のお父様、お母様がこの国い
らっしゃるのに、そして外交官や政治家、首相、色んな方が、その役職の中にあっ
て、一つひとつの大事な時にチャンスをしっかりとらえて外交をしてくださり、
また日朝実務者協議の時でもやはりそうですし、首脳会談の時でも、ははり小泉
さんがお一人の人として、父親として言うべきことを言い、しっかりと子どもた
ちを返しなさいと、許せないとはっきり言葉にして金正日に迫って怒ってほしかっ
たと私は思っています。

 そして、骨が帰ってきた時も、このようなことがうそであったら、自分の子ど
もが隣のおじさんに連れていかれて、そのような形で現わされたらそのお父さん
はどうするでしょうか。そのうちの窓をけ破り、ドアをけ破ってでもそのお父さ
んに食って掛かって、首筋をつかまえてものすごい勢いで怒るのが本当ではない
んでしょうか。命は同じです。見えるところにあっても見えないところにあって
も、救いを求めている、一人の大切な命が今もわめいて、叫んで、早く来てくだ
さいと助けを求めているんです。

 お米を支援した時、また金正男がこちらに不法入国した時、またジュネーブに
私たちが強制的失踪者調査会に伺ってお話をさせていただいた時、出された書面
はたった一枚でありました。11行に簡単に書いてあっただけでした。北朝鮮か
らは何枚もの日本を誹謗する書面が届いておりました。

 このような大事な時、一つひとつのチャンスを一人ひとりのそれに関わってい
る方々が本当に命がけで、自分の子どもだったらという思いで、助けを求めてい
る者を救わなければという思いで必死に働いてくだされば、こんなに長い間助け
ることができなかったということはなかったと私は思っています。

 私たちは、本当にもう心身疲れ果てておりますけれども、子どもたちが助けを
求めている間はどんなことがあっても倒れることができません。そして、小泉さ
んにしっかりと怒っていただきたい。経済制裁発動をいたしますとはっきりと言っ
ていただきたい。日本の国民総意での怒りを私が負って怒っているんです、と北
朝鮮に態度を示していただきたいと私は思っているんです。そのような毅然とし
た姿勢がなければ外国の諸国は何と思うでしょうか。一人二人の命であっても必
死になるアメリカ、こんなにたくさんの人がまだ嘆いていても動かない、真剣さ
が感じられない、そのような国を世界はどう見るでしょうか。

 私たちは普通の主婦でしかありませんでしたけれども、このことを通して、本
当にめぐみたちのこの苦しみを通してたくさんのことを学ばせていただくことが
できました。必ず、この拉致問題がかわいそうなことだけで終わってしまったと
いうことがないように、今からでも遅くはないんです、一人ひとりが力を合わせ
て、心を込めて、日本のことを思って頑張れば必ず成功に導かれると私は信じて
います。国際的なお力も借りながら、一つひとつのチャンスをどんな時でも大事
に扱って動いていただけることをお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。

★座込みについて
 横田ご夫妻が述べられた座り込みは下記の通り家族会、救う会で行なっていま
す。25日、26日は集会も予定しています。

 24日(金) 座込み10時?15時 (官邸近く、地下鉄国会議事堂駅・永
田町駅すぐ)
 25日(土) 座込み13時?17時 集会18時?19時(星陵会館、現地
から徒歩5分)
 26日(日) 座込み13時?17時 集会18時?19時(星陵会館、現地
から徒歩5分)

 ※小泉首相宛、はがき・メールを!(〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内
閣総理大臣 小泉純一郎殿、首相官邸のホームページ=
http://www.kantei.go.jp/の右下の「ご意見募集」欄を利用)


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