「北核・ミサイルの資金源を断て」(2013/02/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2013.02.20)
下記は、本日、2月20日付の『産経新聞』の「正論」欄に掲載された西岡力
救う会会長(東京基督教大学教授)の論文です。参考情報として送付します。
<参考情報>
■「北核・ミサイルの資金源を断て」
北朝鮮が3回目の核実験を強行した。日本政府は12日当日中に、再入国不許
可の対象に5人の朝鮮総連副議長を追加する制裁を科した。本欄などで北朝鮮が
拉致問題で誠実な対応をしないことを理由に5人の再入国不許可を繰り返し求め
てきた者として、遅きに失した観はあるものの歓迎したい。
≪総連副議長5人は資金運び屋≫
彼らは、再入国が許されていない許宗万議長らに代わり頻繁に訪朝し、北朝鮮
工作機関幹部からの指令で日本からの資金の運搬役を務めてきた。金正日氏が死
亡した一昨年12月から金日成生誕百周年行事があった昨年4月までに届け出額
で3億7760万円が北朝鮮に運ばれ、体制維持や核・ミサイル開発に使われた
とみられる。
韓国の検察によれば、5人の1人、●眞求副議長は、拉致やテロを行ってきた
北朝鮮工作機関225局(旧対外連絡部)の日本での責任者で、核実験前日の1
1日にも北朝鮮に出国している。こんな人物を行き来させてはならない。
●=褒の保を非に
2011年に韓国で摘発された北朝鮮の党の地下組織「旺載山」の幹部が訪日
して●氏と接触していたことも分かっている。その前身組織に加担し、1993
年8月に石川県から半潜水艇で北朝鮮に渡り金日成氏と面談し、「南朝鮮で革命
を起こすために地域指導部を組織しろ」と指示を受けたと自白したソウル大教授
は、裴氏から指導を受け、金日成氏との面談にも裴氏が同席していたという。
≪科学技術者も再入国不許可に≫
日本による制裁の余地はまだある。かねて主張してきたように、訪朝し北朝鮮
の核・ミサイル開発を支援している在日本朝鮮人科学技術協会(科協)所属の核
・ミサイル技術者に再入国不許可の対象を広げることが、その1つだ。
例えば、ミサイル・エンジン専門家の金剛原動機合弁会社副社長の徐判道氏は
昨年、3回訪朝している。関係者によると、彼が訪朝する度にミサイルが発射さ
れ、ミサイル基地で点検作業に立ち会っている疑いがあるという。2006、0
9年のミサイル実験の前にも徐氏の訪朝が確認されている。
北朝鮮は在朝日本人に出国の自由を与えていない。日本は人権を尊重する自由
民主主義国だから同じような措置を取ってはならないとはいえ、誰に再入国許可
を出すかは主権国家固有の権限である。北朝鮮の核・ミサイル開発の資金と技術
の持ち出しを放置してきたことは反省されるべきだろう。
北朝鮮の世襲独裁政権が3代も維持できているのはひとつには、朝鮮総連が送
金し続けた秘密資金があったればこそだ。内閣調査室の1993年の調査では、
90年代初めには、年間1800億?2000億円相当が送られていた。
原資は朝鮮総連の不法活動だった。第1の手法が組織的脱税だ。総連系商工人
の税務書類を総連が代行して作成し、税務署と談判して税金を大幅にまけさせて
いたとの証言は多い。彼らは自ら、76年に税務署との間で5項目の合意をして
いると豪語していた。パチンコ・マネーが北朝鮮に送られた背景にも、組織的脱
税があった。
第2は朝銀信用組合を使った不正融資だった。朝鮮学校などを含む総連所有の
不動産を担保に、朝銀が総連系個人やペーパー会社に多額の融資を行う。借り手
は端から返すつもりがなく、その資金が総連経由で北朝鮮に送られる。当然、融
資は焦げ付いて、朝銀は全国で次々に破綻した。その度に、「善意の預金者保護」
の建前の下で公的資金が投入され、対北送金でできた穴を埋めていく。その総額
は1兆4千億円にも上った。
≪39号室の資金を枯渇させよ≫
これらの不法送金は、第1次安倍晋三政権が「厳格な法執行」を掲げて行った
事実上の対北制裁措置で、大幅に減少した。第2次安倍政権は1月の拉致問題対
策本部会合で、「厳格な法執行」の継続を決めた。正しい方針である。
日本からの不法送金や、武器輸出、麻薬やドル偽造などで得られた外貨は、金
正日氏個人の資金として朝鮮労働党39号室などが、スイスなどの銀行の秘密口
座で極秘に管理していた。米金融制裁が効いたのは、世界の銀行が米国からの制
裁を恐れて39号室の秘密資金の取り扱いを敬遠したからだ。
北朝鮮に石油や食糧を支援する中国も外貨は渡していない。むしろ韓国が、開
城工業団地を中心とする南北交易で北朝鮮に外貨を落としている。李明博政権5
年間の南北交易額は90億9600万ドル、年平均で18億1920万ドル。こ
れは北朝鮮財政の約4割に当たる。韓国統一省は「北朝鮮は南北交易では黒字構
造で、中朝貿易では慢性的な赤字構造であるので、南北交易で稼いだ外貨が中朝
貿易の増大を支えている」としている。
北朝鮮はイランなどとは違い、海外に売るべき資源を持っていない。彼らを追
い込むには、39号室資金を枯渇させればよいのだ。安倍政権は、総連への厳し
い法執行を続けるとともに、米国に金融制裁の再発動を、韓国には開城工業団地
の閉鎖を求め、北朝鮮の外貨源を断つ国際包囲網の構築を目指し積極的に動いて
いくべきだ。(にしおか つとむ)
以上
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
下記は、本日、2月20日付の『産経新聞』の「正論」欄に掲載された西岡力
救う会会長(東京基督教大学教授)の論文です。参考情報として送付します。
<参考情報>
■「北核・ミサイルの資金源を断て」
北朝鮮が3回目の核実験を強行した。日本政府は12日当日中に、再入国不許
可の対象に5人の朝鮮総連副議長を追加する制裁を科した。本欄などで北朝鮮が
拉致問題で誠実な対応をしないことを理由に5人の再入国不許可を繰り返し求め
てきた者として、遅きに失した観はあるものの歓迎したい。
≪総連副議長5人は資金運び屋≫
彼らは、再入国が許されていない許宗万議長らに代わり頻繁に訪朝し、北朝鮮
工作機関幹部からの指令で日本からの資金の運搬役を務めてきた。金正日氏が死
亡した一昨年12月から金日成生誕百周年行事があった昨年4月までに届け出額
で3億7760万円が北朝鮮に運ばれ、体制維持や核・ミサイル開発に使われた
とみられる。
韓国の検察によれば、5人の1人、●眞求副議長は、拉致やテロを行ってきた
北朝鮮工作機関225局(旧対外連絡部)の日本での責任者で、核実験前日の1
1日にも北朝鮮に出国している。こんな人物を行き来させてはならない。
●=褒の保を非に
2011年に韓国で摘発された北朝鮮の党の地下組織「旺載山」の幹部が訪日
して●氏と接触していたことも分かっている。その前身組織に加担し、1993
年8月に石川県から半潜水艇で北朝鮮に渡り金日成氏と面談し、「南朝鮮で革命
を起こすために地域指導部を組織しろ」と指示を受けたと自白したソウル大教授
は、裴氏から指導を受け、金日成氏との面談にも裴氏が同席していたという。
≪科学技術者も再入国不許可に≫
日本による制裁の余地はまだある。かねて主張してきたように、訪朝し北朝鮮
の核・ミサイル開発を支援している在日本朝鮮人科学技術協会(科協)所属の核
・ミサイル技術者に再入国不許可の対象を広げることが、その1つだ。
例えば、ミサイル・エンジン専門家の金剛原動機合弁会社副社長の徐判道氏は
昨年、3回訪朝している。関係者によると、彼が訪朝する度にミサイルが発射さ
れ、ミサイル基地で点検作業に立ち会っている疑いがあるという。2006、0
9年のミサイル実験の前にも徐氏の訪朝が確認されている。
北朝鮮は在朝日本人に出国の自由を与えていない。日本は人権を尊重する自由
民主主義国だから同じような措置を取ってはならないとはいえ、誰に再入国許可
を出すかは主権国家固有の権限である。北朝鮮の核・ミサイル開発の資金と技術
の持ち出しを放置してきたことは反省されるべきだろう。
北朝鮮の世襲独裁政権が3代も維持できているのはひとつには、朝鮮総連が送
金し続けた秘密資金があったればこそだ。内閣調査室の1993年の調査では、
90年代初めには、年間1800億?2000億円相当が送られていた。
原資は朝鮮総連の不法活動だった。第1の手法が組織的脱税だ。総連系商工人
の税務書類を総連が代行して作成し、税務署と談判して税金を大幅にまけさせて
いたとの証言は多い。彼らは自ら、76年に税務署との間で5項目の合意をして
いると豪語していた。パチンコ・マネーが北朝鮮に送られた背景にも、組織的脱
税があった。
第2は朝銀信用組合を使った不正融資だった。朝鮮学校などを含む総連所有の
不動産を担保に、朝銀が総連系個人やペーパー会社に多額の融資を行う。借り手
は端から返すつもりがなく、その資金が総連経由で北朝鮮に送られる。当然、融
資は焦げ付いて、朝銀は全国で次々に破綻した。その度に、「善意の預金者保護」
の建前の下で公的資金が投入され、対北送金でできた穴を埋めていく。その総額
は1兆4千億円にも上った。
≪39号室の資金を枯渇させよ≫
これらの不法送金は、第1次安倍晋三政権が「厳格な法執行」を掲げて行った
事実上の対北制裁措置で、大幅に減少した。第2次安倍政権は1月の拉致問題対
策本部会合で、「厳格な法執行」の継続を決めた。正しい方針である。
日本からの不法送金や、武器輸出、麻薬やドル偽造などで得られた外貨は、金
正日氏個人の資金として朝鮮労働党39号室などが、スイスなどの銀行の秘密口
座で極秘に管理していた。米金融制裁が効いたのは、世界の銀行が米国からの制
裁を恐れて39号室の秘密資金の取り扱いを敬遠したからだ。
北朝鮮に石油や食糧を支援する中国も外貨は渡していない。むしろ韓国が、開
城工業団地を中心とする南北交易で北朝鮮に外貨を落としている。李明博政権5
年間の南北交易額は90億9600万ドル、年平均で18億1920万ドル。こ
れは北朝鮮財政の約4割に当たる。韓国統一省は「北朝鮮は南北交易では黒字構
造で、中朝貿易では慢性的な赤字構造であるので、南北交易で稼いだ外貨が中朝
貿易の増大を支えている」としている。
北朝鮮はイランなどとは違い、海外に売るべき資源を持っていない。彼らを追
い込むには、39号室資金を枯渇させればよいのだ。安倍政権は、総連への厳し
い法執行を続けるとともに、米国に金融制裁の再発動を、韓国には開城工業団地
の閉鎖を求め、北朝鮮の外貨源を断つ国際包囲網の構築を目指し積極的に動いて
いくべきだ。(にしおか つとむ)
以上
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆