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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!国際セミナー報告3(2014/03/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.03.07)

◆ブッシュ大統領「悪の枢軸」と似たタイミングに

松原 仁 拉致議連幹事長

 今日はたくさんの国会議員が参加しています(紹介略)。

 私は国連の報告書は、極めて大きな意味を持っているものだと思います。日本
では、今日お集まりの方々を含む多くの方々がこの運動に協力してきました。北
朝鮮は従来からこれを無視したとは言いませんが、あまり対応してこなかった。
しかし、国連においてこのことが明解に評価され、日本の拉致解決の取り組みが
国際社会から、これは大変なことだという認識を共有してもらったわけです。私
はまず第1位に、国連の調査委員会の報告書は重いものがあると思っています。

 このことをさらにどういうふうに敷衍をしていくのかが重要なことだと思って
います。去る8月28日に、COIと議論をしましたが、山谷えり子さんが、今日
は予算委員会で質問をしていますので今来ておられませんが、拉致議連というの
は日本の衆参の中で最大規模の超党派の議連だということを言いました。

 この間、拉致議連は、多くの議員が最も関心を持って、日本に対する主権侵害
であり、日本人に対する人権侵害でもある拉致問題を扱ってきました。

 また政府認定だけではなく、多くの拉致の可能性を排除できない特定失踪者と
いう方々がおられる。今回の報告書でも、100名を超える人が間違いなく拉致
されていると記載されています。さらに、この報告書は特定失踪者の家族の声を
含めて記載されています。日本の政府認定をはるかに超えた部分で、国際社会が
拉致問題を認め、北朝鮮に対して解決を迫ることになっていると思います。

 カービー委員長も、早紀江さんの証言や安倍総理の拉致問題解決に向けた強い
思いに大きく心を動かされたと言っています。従ってこれからは、日本の拉致解
決の動きと、国際社会の拉致解決の動きを連動させながら私たちは心していかな
ければならないと思っています。

 しかし、相手は北朝鮮で、そういうことにきわめて無関心です。先ほど西岡さ
んからも話があったと思いますが、中国と北朝鮮の間に一定の齟齬が生じている
このタイミングは、かつてアメリカのブッシュ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」と
批判した時期に似ています。あの国は鞭がなければ解決しない国です。つまり、
彼らを正当な対話に引きずり出すには、アメとムチ、圧力と対話と私たちは言っ
てきましたが、この圧力がなければ彼らはそれに応えようとしない。

 今、かつてブッシュさんが「悪の枢軸」と言った時以上の中国との関係を考え
ると、北にとっては孤立感を深める状況です。さらにこの国連の最終報告書が調
査委員会から出た。私は拉致問題解決の大きなタイミング、10年前と同じよう
なある種の環境になっていると思います。

 ただ、最も重要なのは、制裁ももちろん大事ですが、世論の盛り上がりであり、
日本の多くの皆様が拉致問題解決のために立ち上がるということが、問題解決に
向かっての最大の圧力になると思います、

 その思いを世界と日本が持つということは、解決に向かっての最大の圧力です
から、今日お集まりのみなさんを含め、是非、この報告書が出たことを皮切りに
して、さらに1000万の署名ができましたが、もっと署名も集め、世論の圧力
を高めて北朝鮮から拉致問題解決に向けてさらなる譲歩を引き出すように頑張っ
ていきたいと思います。

 私も担当大臣をした経緯を含め、できることはぜひともしたいと思っています。
宜しくお願いいたします(拍手)。

櫻井よしこ

 松原さんがおっしゃるように、拉致問題では北朝鮮だけを見ているわけではな
く、中国がどのように反応するか、他の大国がどのように反応するかということ
を注意深く見ながら、圧力をかけていくのか、扉を開かせるのかということが非
常に大事なわけです。

 その意味では今、北朝鮮は揺れに揺れている。国民が飢え、国際社会から絶対
的に孤立している時に、スキー場を作ったり芝生を植えたりする指導者がいるわ
けですから、ある意味で拉致解決のチャンスが私たちの目の前にあると思います。

 そこで朝鮮半島問題に非常に詳しく、拉致問題に心血を注いでこられた救う会
会長の西岡力さんに、今何が起きているのか、私たちに何ができるのかお話をし
ていただきます。

◆戦いの舞台はニューヨークにある

西岡 力 救う会会長・東京基督教大学教授

 国連の調査委員会のことについては、土井さんたちを初めとする国際NGOが先
頭に立って活躍され、今まで来たことをありがたく思っていますし、まず敬意を
表したいと思います。

 今何が起きているのかですが、国連をめぐる戦いについては、家族会、救う会、
拉致議連は、当初から戦いの舞台はニューヨークにあると思っています。ジュネー
ブには人権理事会がありますが、国連の中で強制力を持っているのは安保理事会
だけです。

 そこで、2006年に北朝鮮がミサイル実験をし、核実験をして安保理事会で
北朝鮮非難決議が通った直後に飯塚代表、増元事務局長と私、島田副会長でニュー
ヨークを訪問しました。

 そして国連の常任理事会の全代表部を訪問して、次に北朝鮮に対し、国連安保
理事会が制裁をかける時には、拉致問題を含む人権問題も制裁の理由に入れてほ
しいという要請をしました。我々の目標はそこにありましたし、今もそこにあり
ます。

 実は、当時、2006年は日本にとって大変有利な状況で、日本が国連の安保
理事会の非常任理事国で、そして安倍政権でした。そして月1回ごとに代わる議
長ですが、北朝鮮が核実験をやった時、日本が安保理事会の議長でした。

 今人権理事会のドラフトの話がでましたが、安保理事会の制裁決議のドラフト
を日本が書くという状況でした。そこで、安保理決議1718号ですが、200
6年の10月14日に決議されていますが、その前文に当たるところで、「北朝
鮮が国際社会が有するその他の安全保障上、及び人道上の懸念が重要であること
を強調し」となっています。人道上の懸念という言葉が入ったんです。

 実は日本が作った第1ドラフトでは、「拉致問題を初めとする人道上の懸念」
となっていたんです。ところが拒否権を持っている中国が反対して、「拉致問題
を初めとする」という部分は落とされました。しかし当時、日本は議長でしたか
ら、大島大使が議長で、決議の後、議長ステートメントで「この人道上の懸念の
中には当然拉致問題も入っています」と議事録に残しました。

 これが2006年10月に安保理事会で、「人道上の問題」として拉致問題が
議論された最初です。その直後に私たちは国連を訪問して、「人道上の懸念」は
感謝するけども、拉致の深刻さを分かってほしいということをやりました。

 その時EUと日本が国連の人権理事会で、当時は人権委員会でしたが、人権決議
をし、それがニューヨークの国連第3委員会というところで人権決議がなされ、
それから総会に行った。

 その第3委員会に傍聴に行きました。日本の代表が拉致問題を含む人権問題を
話すと、途中で北朝鮮が、(ペンでテーブルをたたいて)トントントントンとや
るんです。「北朝鮮と言ったじゃないか。俺たちの国は北朝鮮ではない。朝鮮民
主主義人民共和国だ。言い直せ」と、途中で言うんです。

 そういう緊張した中で、しかし安保理事会が決議をすべきだと言ったんですが、
当時日本は孤立していました。そして安保理事会の非常任理事国でもなかった。
外に出てしまっていた。

 土井さんたちはジュネーブを通じてニューヨークへ行くというルートを考えら
れた。我々は最初から、核問題で安保理事会が制裁しているんだから拉致も入れ
よと言えるんじゃないかと思ったんですが、なかなかそれ以上うまくいかなかっ
た。

 特に、拒否権を持っている中国の壁が大きかった。しかし、国際的なNGOが北
朝鮮の人権問題一般という枠を設定して、そこに拉致も当然入っているとして人
権理事会で調査委員会を設置した。その調査委員会の結論は、書いてあること自
体は我々が知っていることで、北朝鮮の人権問題がひどいということはもう20
年前から言われていたことですが、そのことが具体的に書かれた結果の結論とし
て、「安保理事会は立ち上がりなさい」と書かれた。

 そこで我々は東京?ニューヨークに直行したんですが、土井さんたちはジュネー
ブからニューヨークに行こうとした。それが今、ニューヨークで結集している、
あるいはさせなければならない。

 私は、日本政府が人権理事会で書いている決議案のドラフトがどういうものか
知りませんので、土井さんの情報について何らかのコメントをする立場ではあり
ませんが、私たちは2月17日に、国連人権委員会の調査報告書が発表された時
に、今日の資料としてお配りしていますが、家族会・救う会で声明を出して、
「安保理事会の制裁を目標にしてほしい」と。

 今安保理事会は核・ミサイル問題で制裁をかけているわけですが、人権問題を
やっている立場からすると、もちろん核・ミサイルは重大な問題ですがまだ抑止
が効いています。しかし、人権問題、拉致問題は今目の前で人が死んでいる、こ
のまま放っていたら被害者が、30年、40年、50年帰れなくなる、死んでい
くかもしれないという、既に加害行為が起きている問題で、それを安保理事会が
なぜ放っておくのかということを考えていました。

 私たちは土井さんとちょっと意見が違うかもしれませんが、国際刑事裁判所は
なかなか実現されない。嫌がらせにはなるかもしれませんが。しかし、安保理事
会の制裁は既にやっている。やっていることの理由で、既に「人道上の懸念」と
いう言葉も既に入っている。

 この「人道上の懸念」という言葉は、北朝鮮が核実験をした過去3回の安保理
決議に全部入っています。この積み重ねの上に、国連の人権委員会の報告書が出
た。だから今度は拉致を含む人権問題だけを理由に、国連で人権問題を審議して、
安保理事会で決議を出してほしい。

 今チャンスがきたんです。北朝鮮は数日前、弾道ミサイルを発射しました。今
朝も何かミサイルを発射したそうです。「弾道ミサイルの実験をするな」と国連
安保理事会は3回も決議している。それに違反することを北朝鮮がやった。それ
だけでも安保理事会で北朝鮮問題が取り上げられるべきチャンスがきています。

 その時にこのジュネーブで決議が上がって、「安保理事会も取り上げろ」とい
うことが入ることは大変意味があると思います。ジュネーブの人権理事会は北朝
鮮もメンバーです。我々は飯塚さんに行っていただくんですが、もしかしたら飯
塚さんが発言している最中に、トントントントンとやってくるかもしれない。

 そういうところですが、戦いの前線に立っていただこうと。韓国からも金聖浩
先生のところの李美一理事長がジュネーブに行かれます。

 そこには中国もいます。今までアメリカや韓国で家族が訴えている時は、我々
のホームグラウンドで訴えていたわけです。しかし、実際に彼らに圧力をかける
ためには敵がいる場所にいかなければならない。

 そしてニューヨークは、拒否権を敵側のサポーターが持っているところで戦わ
なければならない。しかし、直接ニューヨークでやろうとしている我々と、日本
政府がこれまで国連を舞台にしてやってきたこととが結びついて、いよいよ勝負
の場がニューヨークになりそうになっているのではないか。

 そのことを安倍さんはよく分かっていると思います。斎木外務次官ももってい
るのではないかという信頼関係を今のところ持っています。

櫻井よしこ 土井さん、アプローチの違いはあるでしょうが、松原さん、西岡さ
んからお話がありましたこの国連の報告書をみんなが共有をして、さらにどうい
うことを考えたらよいでしょうか。

(4につづく)




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