北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!国際セミナー報告4(2014/03/10)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.03.10)
■北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!国際セミナー報告4
◆人権理事会で強い決議がでれば舞台がニューヨークに
土井香苗 そうですね。まず安保理が動かなくてはいけないという西岡さんたち
のアプローチが全く正しくて、我々もできればそうしたかったし、またそう望ん
でいるのですが、西岡さんたちは核を利用するようなアプローチをとられたんで
すが、私たちは人権団体ということで、なかなか核についてはものが言えない立
場なので、まあ正規ルート、迂回ルートなんですが、人権のみにフォーカスして
います。
しかし、北朝鮮の人権問題というのは、カービー報告書はナチスドイツなどを
想起させる書き方をしたんですが、それほどまでにひどい、100年に1回、2
回、3回くらししかないような信じられないほどの非人道行為を行っていますの
で、これ1本でもやれるのではないかと感じています。
皆様がこれまで地固めをしてくださっているおかげで、飯塚さんたちと私もジュ
ネーブに行くつもりですが、人権理事会で強い決議がでれば舞台がニューヨーク
に移る、安保理に向けていくことができる筈です。
私は1か月くらい前まではカービー報告書が非常に強いものだったので楽観視
していたのですが、先ほど申し上げた通り、残念ながらジュネーブからニューヨー
クに行くことを促すための第1ステップは日本がドラフトを書きますので強いも
のでなければいけないものです。
しかし、残念ながら今私が持っている情報ではこれが弱いものだということで
すので、これから頑張らなければならないと思います。
また、先ほど西岡さんがおっしゃった通り、安保理が人権問題を正面から審議
することを求めたい、そしてそれが決議になることを求めたいわけですが、これ
には中国などの大きな反発が予想されます。そのため、中国が反発できないよう
に国際世論を盛り上げていくことがじゅうようです。
そして、それはジュネーブの人権理事会でどういう決議ができるかによって安
保理に上がっていきます。私たちも安保理への働きかけを始めていますが、これ
はいい雰囲気です。しかしもし、ジュネーブで弱い決議になったら、ニューヨー
クでの論議が非常に厳しくなりますので、今の勢いを持続させてほしいと思いま
す。
今のままではまだ安保理で審議までいく感じはしていない。今は、非公式レベ
ルの会合が開かれるのではないかということです。まずはジュネーブで最高に強
いものがでれば、ニューヨークでは一番下の緩いものから始まります。これが始
まらないともうしようがありません。
いい雰囲気は感じていますが、まだこれから本当の審議、そして決議にいかな
ければならないわけです。4月にオバマさんが日米会談を行いますが、是非人権
決議の内容を今ジュネーブで弱いものを強いものに変えて、安倍首相がアバマ大
統領に強いモラルの力で、ニューヨークが本番なのでアメリカも頑張ってほしい
と伝えることが一番すばらしいシナリオです。それに向けてみなさんの力をお貸
しいただきたいと思います。
櫻井よしこ ありがとうございました。追加質問ですが、国連の安保理に働きか
けて少しずつ雰囲気が盛り上がっているとおっしゃいました。少しずつというこ
とは、すごく盛り上がっているわけではないということですが、その阻害要因と
は何でしょうか。
土井香苗 今はカービー報告書が出た段階で、非常にいいものだったのでいい雰
囲気が出ています。私も先週ニューヨークのある国の代表部に行って会いました
が、やはりジュネーブの決議待ちなんです。ジュネーブの決議によって自分たち
も動くということです。
このルートは非常に厳しいものだということはニューヨークの外交官たちが一
番よく知っていますので、最大限のプッシュをジュネーブに対ししてもらえると
いうことがルートを強くすると感じているんだと思います。
櫻井よしこ ありがとうございました。ここに首相補佐官である衛藤晟一先生が
来ておられます。拉致問題では首相の片腕として関わってこられました。今まで
の議論の中で、カービー報告書という100点満点の報告書が出ました。これほ
どきちんとした形で北朝鮮の人権侵害を認めているものはありません。
そこで私たちはこれを何とか現実の政治の中で形にしていきたいと思っている
わけですが、ジュネーブでの報告書が、国連の安全保障理事会できちんと正式な
形で審議されて、北朝鮮に対する制裁にならなければいけないわけですが、まだ
そこまでいっていない。
そこにはいくつかの理由があるんでしょう。その一つが、国連に対しカービー
報告書を持っていく第1ドラフトを書かなければならない。書くポジションにい
るのが日本ですが、このドラフトの内容が弱いというか不十分と指摘されていま
す。
国連の会議では、土井さんの話では非公式に取り上げるところまではいってい
るが、正式な審議になるかどうか分からないという微妙なところにあると指摘さ
れました。全般の傾向として、安倍内閣の時に必ず拉致問題を解決するとおっしゃっ
てくださった。私たち国民は本当に強い思いでそれを見ているわけですが、衛藤
さんのお立場で、今のディスカッションをお聞きになって、どのようなことが言
えるでしょうか。突然の指名で申し訳ないんですが。
◆今が千載一遇のチャンス
衛藤晟一(内閣総理大臣補佐官、参議院議員)
総理も「安倍内閣の時に解決する」と言っておられましし、古屋大臣もそうで
す。具体的に行動するということですから、国をあげて頑張るということです。
あまり言うとまた大変なことになりますから(笑)。しかし、総理も大臣も言っ
ておられますからその線で動くと確信をしています。
今、千載一遇のチャンスです。周りの中国の状況、韓国の状況、アメリカの状
況を見ても最大のチャンスですから、このチャンスを活かさない手はないと思い
ます(拍手)。
櫻井よしこ ありがとうございました。松原仁さん、議連の幹事長として、すば
らしい報告書が出た今の状況で、どうやって具体的にジュネーブからニューヨー
クにこれを持っていくか。ニューヨークが戦いの場ですが、ドラフトの中身も含
めて私たちはどう働きかければいいでしょうか。
◆議連が様々なミッションを作って様々な議員外交を
松原仁 従来から、議連と救う会、家族会で何回もニューヨーク、ワシントンを
訪問した経緯があります。我々は常に拉致という問題を、様々な文書に入れるべ
く努力をしてきました。その努力が、こういう強いトーンのものになろうとして
いるわけですが、さらに強いものとして出るかどうかです。
衛藤さんがここで、意思表明を明確になさったわけですが、私は立場、党は違っ
ても、拉致問題の解決については一緒であるべきという点で非常に共鳴しました。
桜井さんからの質問ですが、野党を含む議員外交というのは、例年行っている
その繰り返し、積み重ねが大事なことだと思います。こういう機会に、平沼会長
もあれますが、様々なミッションを作って様々な議員外交を展開するということ
が一番現実的だと思います。
そうした中で、安倍さん、古屋さんを含めて、与党だけでなく野党も含めた議
連を作って活動しているわけですから、様々なものを全部使ってあらゆる可能性
を模索していく。
一方において圧力をがっちりかけながら、現実の交渉というのは、極めてデリ
ケートで、また秘密裏に行う面があると思います。そこは古屋さんが所管の大臣
ですから、事務方の三谷さんなどそこに座っておられる方々は、10年間頑張っ
てきたといいながら無駄飯を食ってきたわけではないのですから、全力で頑張っ
てもらいたいと強く要請しておきます。以上です。
櫻井よしこ 土井さんが追加でお話しされます。
◆中国が安保理で拒否しても国連総会で裁判できる
土井香苗 この報告書は非常にクリエイティブな提案をしています。つまり公的
な責任の追及、刑事裁判にかけることで、つまり懲役刑で、言葉は悪いんですが、
脅すということです。
現実には刑事裁判にかけることはしにくい。テクニカルな話ばかりで恐縮です
が、安保理の決議が要り、中国の拒否権が予想されるということがあり困難な戦
いを強いられることがありますし、現実的な実効性はどうかと西岡さんがおっしゃっ
ておられますし、そういう懸念があるわけです。
それはカービー委員長もご存じで、今まで国際社会がほぼ全く考えていなかっ
たオプションを示してくださいました。カービー委員長は国連のシステムをよく
ご存じの国際法の権威ですので、彼が提起してくれたことは、皆さんの中でも初
めてお知りになる方がいらっしゃるかもしれません。
実は、国際的な裁判の法廷、国際法廷は、安保理が拒否権を持っているところ
だけでなく、総会でも作れますよということを、脚注を駆使しながらよくよく読
むとそういうことを提示してくれています。これは私にとっても、目を見開かさ
れることでした。
確かに法的には可能性があるんです。例えば(クメール・ルージュ政権の虐殺
責任を問う)カンボジア特別法廷の例があります。仮に国連で法的制裁がうまく
いかなくても、これは何としてもやるという決意で臨まなくてはいけないのです
が、実際にできた例がありますので、これは有効なプレッシャーになると思いま
す。
中国が安保理で拒否しても、我々はやるという強い決意を持って我々国際社会
は中国と交渉していかなければならないと思います。
櫻井よしこ 土井さん今のご指摘ありがとうございました。私たちは国連を考え
る時、5大国が拒否権を持っていて、大事なものになればなるほど動かないとい
う、ある種の苦しい現実を見せつけられて、最初からあきらめるところがなきに
しもあらずですが、安保理常任理事会で拒否されても、総会に持ち込むことがで
きることを示唆してくださったことは、大変な勇気のみなもとになるんじゃない
かと思います。みなさんどうでしょうか(拍手)。
土井さんは中国という言葉をおっしゃいましたが、私も中国の国名を口に出し
ました。本当にアジアのことに関して、私たちの前に立ちふさがっているのは中
国だと思います。
同じ人権を守るということに関して、同じように前に向かって進んでくれるの
であれば、体制が違っても私たちはお互いに受け入れることができると思います
が、体制が違う、価値観も違う、国際法の解釈も違う、そして自己の利益だけを
追求するという、21世紀の最大のトラブルメーカーだと私は思っています。
その中国のため、私たちの国民が国に帰ることもできない、あの北朝鮮に捕わ
れ続けている。北朝鮮一人の力ではとっくの昔に全く別の道が開けていると思う
んですが、あの金正恩体制のもとで、未だに拉致について譲ろうとしない。色々
な形で中国がテコ入れをしてもちこたえている。そして私たちは実際にすさまじ
い害を受けているわけです。
日本人だけでなく、タイ人だって、中国人自身だって、悲劇を受けているわけ
ですから、何とか中国に対して、「あなた方のやっていることは間違いなんです
よ」ということを突きつけることですね。
西岡さんもう少し詳しくお話をお願いします。
(5につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■北朝鮮は世界の拉致被害者をすぐに返せ!国際セミナー報告4
◆人権理事会で強い決議がでれば舞台がニューヨークに
土井香苗 そうですね。まず安保理が動かなくてはいけないという西岡さんたち
のアプローチが全く正しくて、我々もできればそうしたかったし、またそう望ん
でいるのですが、西岡さんたちは核を利用するようなアプローチをとられたんで
すが、私たちは人権団体ということで、なかなか核についてはものが言えない立
場なので、まあ正規ルート、迂回ルートなんですが、人権のみにフォーカスして
います。
しかし、北朝鮮の人権問題というのは、カービー報告書はナチスドイツなどを
想起させる書き方をしたんですが、それほどまでにひどい、100年に1回、2
回、3回くらししかないような信じられないほどの非人道行為を行っていますの
で、これ1本でもやれるのではないかと感じています。
皆様がこれまで地固めをしてくださっているおかげで、飯塚さんたちと私もジュ
ネーブに行くつもりですが、人権理事会で強い決議がでれば舞台がニューヨーク
に移る、安保理に向けていくことができる筈です。
私は1か月くらい前まではカービー報告書が非常に強いものだったので楽観視
していたのですが、先ほど申し上げた通り、残念ながらジュネーブからニューヨー
クに行くことを促すための第1ステップは日本がドラフトを書きますので強いも
のでなければいけないものです。
しかし、残念ながら今私が持っている情報ではこれが弱いものだということで
すので、これから頑張らなければならないと思います。
また、先ほど西岡さんがおっしゃった通り、安保理が人権問題を正面から審議
することを求めたい、そしてそれが決議になることを求めたいわけですが、これ
には中国などの大きな反発が予想されます。そのため、中国が反発できないよう
に国際世論を盛り上げていくことがじゅうようです。
そして、それはジュネーブの人権理事会でどういう決議ができるかによって安
保理に上がっていきます。私たちも安保理への働きかけを始めていますが、これ
はいい雰囲気です。しかしもし、ジュネーブで弱い決議になったら、ニューヨー
クでの論議が非常に厳しくなりますので、今の勢いを持続させてほしいと思いま
す。
今のままではまだ安保理で審議までいく感じはしていない。今は、非公式レベ
ルの会合が開かれるのではないかということです。まずはジュネーブで最高に強
いものがでれば、ニューヨークでは一番下の緩いものから始まります。これが始
まらないともうしようがありません。
いい雰囲気は感じていますが、まだこれから本当の審議、そして決議にいかな
ければならないわけです。4月にオバマさんが日米会談を行いますが、是非人権
決議の内容を今ジュネーブで弱いものを強いものに変えて、安倍首相がアバマ大
統領に強いモラルの力で、ニューヨークが本番なのでアメリカも頑張ってほしい
と伝えることが一番すばらしいシナリオです。それに向けてみなさんの力をお貸
しいただきたいと思います。
櫻井よしこ ありがとうございました。追加質問ですが、国連の安保理に働きか
けて少しずつ雰囲気が盛り上がっているとおっしゃいました。少しずつというこ
とは、すごく盛り上がっているわけではないということですが、その阻害要因と
は何でしょうか。
土井香苗 今はカービー報告書が出た段階で、非常にいいものだったのでいい雰
囲気が出ています。私も先週ニューヨークのある国の代表部に行って会いました
が、やはりジュネーブの決議待ちなんです。ジュネーブの決議によって自分たち
も動くということです。
このルートは非常に厳しいものだということはニューヨークの外交官たちが一
番よく知っていますので、最大限のプッシュをジュネーブに対ししてもらえると
いうことがルートを強くすると感じているんだと思います。
櫻井よしこ ありがとうございました。ここに首相補佐官である衛藤晟一先生が
来ておられます。拉致問題では首相の片腕として関わってこられました。今まで
の議論の中で、カービー報告書という100点満点の報告書が出ました。これほ
どきちんとした形で北朝鮮の人権侵害を認めているものはありません。
そこで私たちはこれを何とか現実の政治の中で形にしていきたいと思っている
わけですが、ジュネーブでの報告書が、国連の安全保障理事会できちんと正式な
形で審議されて、北朝鮮に対する制裁にならなければいけないわけですが、まだ
そこまでいっていない。
そこにはいくつかの理由があるんでしょう。その一つが、国連に対しカービー
報告書を持っていく第1ドラフトを書かなければならない。書くポジションにい
るのが日本ですが、このドラフトの内容が弱いというか不十分と指摘されていま
す。
国連の会議では、土井さんの話では非公式に取り上げるところまではいってい
るが、正式な審議になるかどうか分からないという微妙なところにあると指摘さ
れました。全般の傾向として、安倍内閣の時に必ず拉致問題を解決するとおっしゃっ
てくださった。私たち国民は本当に強い思いでそれを見ているわけですが、衛藤
さんのお立場で、今のディスカッションをお聞きになって、どのようなことが言
えるでしょうか。突然の指名で申し訳ないんですが。
◆今が千載一遇のチャンス
衛藤晟一(内閣総理大臣補佐官、参議院議員)
総理も「安倍内閣の時に解決する」と言っておられましし、古屋大臣もそうで
す。具体的に行動するということですから、国をあげて頑張るということです。
あまり言うとまた大変なことになりますから(笑)。しかし、総理も大臣も言っ
ておられますからその線で動くと確信をしています。
今、千載一遇のチャンスです。周りの中国の状況、韓国の状況、アメリカの状
況を見ても最大のチャンスですから、このチャンスを活かさない手はないと思い
ます(拍手)。
櫻井よしこ ありがとうございました。松原仁さん、議連の幹事長として、すば
らしい報告書が出た今の状況で、どうやって具体的にジュネーブからニューヨー
クにこれを持っていくか。ニューヨークが戦いの場ですが、ドラフトの中身も含
めて私たちはどう働きかければいいでしょうか。
◆議連が様々なミッションを作って様々な議員外交を
松原仁 従来から、議連と救う会、家族会で何回もニューヨーク、ワシントンを
訪問した経緯があります。我々は常に拉致という問題を、様々な文書に入れるべ
く努力をしてきました。その努力が、こういう強いトーンのものになろうとして
いるわけですが、さらに強いものとして出るかどうかです。
衛藤さんがここで、意思表明を明確になさったわけですが、私は立場、党は違っ
ても、拉致問題の解決については一緒であるべきという点で非常に共鳴しました。
桜井さんからの質問ですが、野党を含む議員外交というのは、例年行っている
その繰り返し、積み重ねが大事なことだと思います。こういう機会に、平沼会長
もあれますが、様々なミッションを作って様々な議員外交を展開するということ
が一番現実的だと思います。
そうした中で、安倍さん、古屋さんを含めて、与党だけでなく野党も含めた議
連を作って活動しているわけですから、様々なものを全部使ってあらゆる可能性
を模索していく。
一方において圧力をがっちりかけながら、現実の交渉というのは、極めてデリ
ケートで、また秘密裏に行う面があると思います。そこは古屋さんが所管の大臣
ですから、事務方の三谷さんなどそこに座っておられる方々は、10年間頑張っ
てきたといいながら無駄飯を食ってきたわけではないのですから、全力で頑張っ
てもらいたいと強く要請しておきます。以上です。
櫻井よしこ 土井さんが追加でお話しされます。
◆中国が安保理で拒否しても国連総会で裁判できる
土井香苗 この報告書は非常にクリエイティブな提案をしています。つまり公的
な責任の追及、刑事裁判にかけることで、つまり懲役刑で、言葉は悪いんですが、
脅すということです。
現実には刑事裁判にかけることはしにくい。テクニカルな話ばかりで恐縮です
が、安保理の決議が要り、中国の拒否権が予想されるということがあり困難な戦
いを強いられることがありますし、現実的な実効性はどうかと西岡さんがおっしゃっ
ておられますし、そういう懸念があるわけです。
それはカービー委員長もご存じで、今まで国際社会がほぼ全く考えていなかっ
たオプションを示してくださいました。カービー委員長は国連のシステムをよく
ご存じの国際法の権威ですので、彼が提起してくれたことは、皆さんの中でも初
めてお知りになる方がいらっしゃるかもしれません。
実は、国際的な裁判の法廷、国際法廷は、安保理が拒否権を持っているところ
だけでなく、総会でも作れますよということを、脚注を駆使しながらよくよく読
むとそういうことを提示してくれています。これは私にとっても、目を見開かさ
れることでした。
確かに法的には可能性があるんです。例えば(クメール・ルージュ政権の虐殺
責任を問う)カンボジア特別法廷の例があります。仮に国連で法的制裁がうまく
いかなくても、これは何としてもやるという決意で臨まなくてはいけないのです
が、実際にできた例がありますので、これは有効なプレッシャーになると思いま
す。
中国が安保理で拒否しても、我々はやるという強い決意を持って我々国際社会
は中国と交渉していかなければならないと思います。
櫻井よしこ 土井さん今のご指摘ありがとうございました。私たちは国連を考え
る時、5大国が拒否権を持っていて、大事なものになればなるほど動かないとい
う、ある種の苦しい現実を見せつけられて、最初からあきらめるところがなきに
しもあらずですが、安保理常任理事会で拒否されても、総会に持ち込むことがで
きることを示唆してくださったことは、大変な勇気のみなもとになるんじゃない
かと思います。みなさんどうでしょうか(拍手)。
土井さんは中国という言葉をおっしゃいましたが、私も中国の国名を口に出し
ました。本当にアジアのことに関して、私たちの前に立ちふさがっているのは中
国だと思います。
同じ人権を守るということに関して、同じように前に向かって進んでくれるの
であれば、体制が違っても私たちはお互いに受け入れることができると思います
が、体制が違う、価値観も違う、国際法の解釈も違う、そして自己の利益だけを
追求するという、21世紀の最大のトラブルメーカーだと私は思っています。
その中国のため、私たちの国民が国に帰ることもできない、あの北朝鮮に捕わ
れ続けている。北朝鮮一人の力ではとっくの昔に全く別の道が開けていると思う
んですが、あの金正恩体制のもとで、未だに拉致について譲ろうとしない。色々
な形で中国がテコ入れをしてもちこたえている。そして私たちは実際にすさまじ
い害を受けているわけです。
日本人だけでなく、タイ人だって、中国人自身だって、悲劇を受けているわけ
ですから、何とか中国に対して、「あなた方のやっていることは間違いなんです
よ」ということを突きつけることですね。
西岡さんもう少し詳しくお話をお願いします。
(5につづく)
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