救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝合意「再調査」?こんな問題が起きないか緊急国民集会報告3(2014/06/26)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.06.26-2)

櫻井よしこ

 これからパネルディスカッションに入りたいと思います。その前に会場に何人
かの国会議員がお出でですのでご紹介させていただきます。

 拉致問題に当初からひじょうに深く関わってきた松原仁さんです(拍手)。参
議院議員の井上義行さんです(拍手)。財政金融委員長の塚田一郎さんです(拍
手)。宜しくお願いいたします。皆さん方にはフロアーから随時ご発言をいただ
くかもしれません。

 さて、平沼さん、それから西岡さん、荒木さん。今、それぞれのお立場で考え
る問題点を伺いましたが、日本国政府、安倍内閣としては、古屋大臣がおっしゃっ
たように、「今回は絶対にだまされない」、「北朝鮮の嘘は許さない」、「ちょっ
とばかり譲歩して、日本からたくさん物やお金を取るのは許さない」という決意
表明をしてくださったわけです。

 同時に、私たちから見ると、この合意文書を読んでも非常にあいまいな所があ
る。このようなあいまいな所を故意に残したんだろうと思います。また残さざる
をえなかったんだろうと思います。

 安倍総理は20年来拉致問題に関わり、自分の政治生命に関わることだとお考
えになっているお立場から考えて、また踏み切るからには絶対に成功しなければ
ならないという政治的決意から考えて、なぜこの時期にこのような合意に踏み込
んだのかということを改めて考えたいと思います。北朝鮮の都合もありましょう
が、こちら側の意図ということも含めてご意見をお願いします。どなたからでも
結構です。

◆日本の経済力が最後の頼みの綱

平沼赳夫

 北朝鮮の現状は、中国との関係がおかしくなった。気息奄々たる状況の中で、
日本の経済力が最後の頼みの綱ということだと思います。安倍政権側としては、
もう公言しているように、「自分たちの任期中のこの問題を解決する」という固
い決意がありますから、それが結びついて急遽こういう形になったと思っていま
す。

櫻井よしこ

 ありがとうございます。北朝鮮と中国の関係と言えば、中国の援助なしには北
朝鮮の政権がここまで生き延びることはできなかったのは確かです。中国は今、
明らかに油、その他の物の支援を止めている。

 そして金正恩も中国に対して反発していて、四面楚歌の中で物がとれそうな可
能性があるのは日本だと考えたことは十分あり得ると思います。

 西岡さんや荒木さんにいく前に、松原仁さんは長く北朝鮮問題、拉致問題に本
当に心血を注いで当たってこられましたが、民主党議員ですので今回のことには
直接携わっていませんが、この時期にどうして再調査合意になったかについてご
意見をお願いできますか。

◆制裁の一部解除等を検討するオールジャパンの組織を

松原 仁(元拉致問題担当大臣)

 一つは今櫻井さんがおっしゃったように、北朝鮮は、「対話と圧力」と言いま
すが、圧力がなければ対話をしてこない国です。ですから、先般もブッシュさん
の「悪の枢軸」という発言があって、それに恐れを抱いていたということは、帰
還した拉致被害者の話からも伝わっているところです。従って、そのブッシュの
圧力に対して、日本に近づいてきたというのが一つの事実だと思います。

 今回は、張成沢処刑ということがあって、中国が北に対して極めて怒っている。
北朝鮮はかねてから、中国が自らを属国扱いすることへの怒りがあった。こうい
う中で、中国との緊張があるということは北朝鮮にとって、ブッシュの「悪の枢
軸」と同じくらいの危機感を持ち、圧力を感じ、対話をするというか材料を出そ
うということになっていると思います。

 私は一つだけ、先ほどの話から敷衍して言いたいことは、先般平沼先生もご一
緒でしたが、総理官邸で(与野党連絡協議会が)あった時に申し上げたのですが、
「オールジャパン」ということで古屋さんも、安倍さんも言っている。私は、拉
致問題の解決というのは極めて困難度が高いというのは荒木さんのおっしゃる通
りだと思います。

 しかし、「一定の解決」という方向性を打ち出さなければ、北側もタマを投げ
てこれないというのも、交渉していた立場からすれば、一つの事実だと思います。
その時に、何を持ってこれを評価し、だめだと言うか、一定の評価をするか。こ
れは本来官邸でやるわけですが、しかしそれを安倍総理周辺だけでやるのは私は、
国民、拉致関係者の信頼、信任は得られないと思います。

 従って、今日ここにおられる櫻井さん、西岡さん、平沼先生、荒木さん、それ
から家族会、救う会、調査会、そして拉致に寄り添ってこられた櫻井さんのよう
なジャーナリスト、こういった方々が20人くらい集まる拉致問題に関するきち
んとしたボード(委員会)を官邸で作っていただきたいと思います。もちろんそ
れはあると言われていますが、一堂に会することも大事で、その人たちが北側の
対応に対して評価をし、これを一定の解決として認め、人道支援の一部を解除す
るとか、制裁の一部を解除するとか、その判断を政府だけでするのではなく、ボー
ドでやらなければ、我々は本当の意味での解決に向かってのアクセスはできない
と思っています(拍手)。

◆朝鮮総連を再建せよとの金正恩指令

西岡 力

 私は一つの情報を入手しました。今年の1月に金正恩が、「朝鮮総連がこのま
まいったら崩壊する。偉大な首領様(金日成)が作り、将軍様(金正日)が育て
た朝鮮総連を再建せよ。そのために日本に接近せよ」という指令を出したという
複数の北朝鮮につながる筋からの情報を得ました。

 朝鮮総連がなぜそれほど大切なのか。実は90年代の初め、最盛期には年間1
800億円から2000億円という膨大な金と物が朝鮮総連から北に行っていた
んです。これは内閣調査室の調べです。

 しかし、第1次安倍政権以降、厳格な法執行という不法行為に対する取り締ま
り、警察、税務署が徹底的に動いて、そして貿易を止め、船を止めたことによっ
てお金がいかなくなった。

 その結果、北朝鮮の経済は二重経済、統治と核・ミサイル開発を支える秘密資
金、あるいは統治資金の枯渇まで出てきたという状況です。つまり、日本が彼ら
の痛いところを突いたということです。

 そういう観点でこの合意文書を見ると、日本側のやることの第5に、「在日朝
鮮人の地位に関する問題については、日朝平壌宣言にのっとって、誠実に協議す
ることとした」と突然書いてあるんです。

 「在日朝鮮人の地位」はもう解決済みです。民団も総連も全く同じ特別永住権
が与えられています。それなのになぜここに出てくるのか。過去に金がたくさん
きた。それをもう一度送れるように圧力を弱めろというメッセージではないか。
「朝鮮総連中央本部の問題はこの第5項目に含まれている」と宋日昊は言ってい
ます。中央本部の問題だけではなくて、厳格な法執行全体を緩めようとしている
のではないか。

 つまり、それだけ制裁が効いているということですが、それをブッシュ政権の
末期のように無駄遣いしてはならない。被害者全員を取り戻すまで絶対に実質的
な制裁を緩めることをしてはならない。

 しかし、困ってきたから北が乗ってきたということだと思います。では安倍政
権がなぜ乗ったのか。そこは分かりません。北朝鮮が全員返すという兆候はない
のに賭けに出たということですが、北はこれで終わりにさせようとしている。
「最終的」と書いています。

 検証して、これは違うと言った時、もう1回機会が出てくるのかどうか。もう
少し困らせてからでもよかったんではないか、という気持ちもありますが、安倍
さんのところに最終的にどういう情報があるのか我々は分からないので、家族会
・救う会としては、懸念事項はあるけれども、安倍さんが決断した以上、一定の
勝算はあるのではないかと思うので、「慎重に事態を見守りたい」という声明を
出しました。まさに緊迫して、緊張しているということです。

平沼 西岡先生にお聞きしたいのですが、最近最高裁から変な判決が出て、朝鮮
総連から1億円が入れば、「マルナカ」という会社が落札者に決まっているんで
すが、権利の譲渡は延期するということです。この問題をどう思いますか。

西岡 私は北朝鮮側からこういう話を聞きました。日本側からは聞いていないの
で、北朝鮮側が意図的に流している情報化もしれませんが、3月の局長級会談が
始まる前に、既に外務省と北朝鮮が交渉をしていて、その中で日本側は北朝鮮に
対して、「司法に介入することはできないが、例えば10億円くらい高くして転
売させることは可能です」という例を例示したそうです。

 そして、これも北側からの情報ですが、「外務省はマルナカホールディングス
と接触をしている」というふうに北朝鮮は理解している、と聞きました。もちろ
ん謀略情報かもしれません。しかしそういうことも表に出して、彼らが狙ってい
るのはそこだとすると、簡単に城を明け渡してはならないということです。

 そもそも、1兆4千億円の公的資金が長銀信用組合に入って、その中の債権が
2千億円。それを調べて見たら6百億円は実は朝鮮総連中央本部が借りていた金
だったと裁判所も認めたんです。それで差し押さえされるんです。6百億円払え
ばいいんです。1年に1800億円から2000億円を北に送っていた朝鮮総連
がなぜ払えないのか。それを払わないで居座るということ自体がおかしなことな
のに、それを簡単に取引に使ってはならない。日本は借金したら返すという国で
す。

(4につづく)


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