北朝鮮の再調査結果、予想される問題点4(2014/09/04)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.09.04)
■北朝鮮の再調査結果、予想される問題点4
◆外務省だけで交渉するな
中山 外務省の場合は、相手の国と協議をし、合意をして国交正常化をはかって
いくのが自分たちの仕事だと思っていますので、合意ということを非常に重要に
考えている様子が見えます。私は、外務省だけでこの交渉をやることではないと
思っているんです。
例えば、自動車交渉を外務省だけでやるでしょうか。日米自動車交渉をやる時
は経産省も入るし、業界も入る。繊維交渉でも同じです。拉致問題についても、
外務省だけではなく、西岡先生を初めとする民間の方々は非常にたくさんの情報
を持っていますし、家族会もそうです。調査会もそうです。
そういう日本の中にある色々な知恵、知識を全部使って交渉に入ってもらいた
い。外務省だけでやると、いわゆる交渉事になってしまう。救出するということ
はそう簡単なことではありませんので、日本のすべての叡智、知識を使って対応
することが必要だと考えています。
◆「安倍総理が説得に来たらどうですか」と北朝鮮
西岡 最近入手した北朝鮮側からの情報も今の懸念と合致する部分があって、
「秘密をあまり知らない人を一人か二人準備している」という情報があります。
「それ以外に生存者として出してくるのは、拉致とは関係がない人が多いのでは
ないか。しかし、認定被害者がゼロというわけにはいかないので、そういう人を
準備している。しかし、その人たちは日本に行きたくないと言っている。安倍総
理が来て、説得したらどうですかということを北朝鮮側は言っている」という情
報があります。
それとここの表現が一致するのです。まさにジェンキンスさんと同じことです
ね。「説得すればいい」ということに乗って総理訪朝という彼らがほしいものを
渡してはならない。彼らは今、国際的に孤立しているわけで、金丸訪朝の時と同
じように、日本の大物の政治家に来てほしいわけです。
彼らがほしいものを先に渡してしまったら、人質は帰ってこないわけです。説
得にいくということに乗ってしまったらおしまいなんですが、そういう準備のた
めにこういう文書を作っているとすると、なかなか彼らも準備をしているなあと
思います。
◆人質は原状復帰という鉄則で
中山 人質の場合、必ず原状、もとの状態に戻すこと、原状復帰という鉄則があ
りますから、向こうで協議して、いいですというのでは、人質事件の解決に全く
ならないということをしっかり認識したいと思います。
日本で拉致をしたら、日本にもどす。その後、日本なんか絶対いたくないとか、
故郷に戻ったけど全く相手にされないとか、白い眼で見られたとか、悲しくなっ
てやっぱり北朝鮮に戻りたいという人がいれば、それは戻ればいいと思いますが、
いったんは原状に戻すということが大事です。その後長い時間をかけてご自身で
どうするかを決めればいい。
しかし、拉致された被害者の国、日本政府は必ずいったん日本に被害者を連れ
戻すことが仕事だということをしっかり認識してかからなければいけない件だと
考えています。
◆「権限がある委員会」は意図的リークか
西岡 次に7月1日に北朝鮮が説明してきた特別調査委員会に関することに進み
たいと思います。これも言ってみればフィクションなんです。特別調査委員会な
んかできなくても、拉致被害者に関する名簿は金正恩氏の手元にあるわけです。
どこかで安倍総理がおっしゃっていたと思いますが、「北朝鮮は金正日が一度
口に出したことを否定するということは彼らにとって大変負担になる。だからも
う1回調査をして、前回の調査で金正日が間違ったのではなく、前回の調査が間
違っていたと言うことだけは認めてやってもいい」と。「そこは戦術的に譲歩し
てもいい。しかしそれ以上の意味は再調査委員会にはないんだ」ということです
が、人質を取り戻すことを前提に考えればそうなります。
しかし、北朝鮮の特別調査委員会の説明がなされた時に、一斉に報道されたの
は、「国防委員会から権限が付与されたから大変いい委員会ができた」とか、
「国家安全保衛部が、秘密警察が入っているから今回は今までとは違うだろう」
とか、そういう解説があふれていました。意図的にそういう解説を誰かが流して
いるのではないか。
特に今回の交渉では、局長級会談がなされる前に、秘密交渉がたくさんなされ
たんですが、秘密交渉をやっているというリークがたくさんあって、その秘密交
渉の相手は国家安全保衛部の幹部で、金正恩の側近だという報道がどんどん出た
んです。
秘密交渉というのは秘密交渉なんですから、マスコミに出たら秘密交渉ではな
いのに、誰がもらしているのか最初よく分からなかったんですが、どうもこの委
員会がいい委員会だと思わせたい人たちが流しているのではないか。
この委員会が権限のあるいい委員会だとみんなの頭の中に入ってしまうと、こ
の委員会が出す結論をみんなが信じてましょう、となる。北朝鮮が誠実にこんな
いい委員会を作って調査をしたんだ、と。だから人道的な立場で人道支援をする
べきではないでしょうかとか、そういう議論をしたい人たちが流しているのでは
ないかと強く疑っています。
これは建前で、あなたたちが全員返すために委員会を作ったと言いたいのなら
それは認めてあげますよということだけですから。生きている人を本当に全員返
す決断をしているのかどうか、ということと何の関係もないにも関わらず、「権
限がある」というリークがされているのは大変不可解だし、ある意図を感じるん
ですね。
◆調査委員会に拉致をした党の機関は一つも入っていない
中山 すばらしい委員会だと言いながら、私は北朝鮮情勢のプロではありません
が、西岡先生から見ればこれは……。
西岡 「説明概要」の冒頭、「北朝鮮の最高指導機関である国防委員会」を見た
時、北朝鮮の憲法を呼んでいるのかと思いました。憲法11条には、「朝鮮民主
主義人民共和国のすべての活動は、朝鮮労働党の指導の下に行われる」と書いて
あるわけです。
国防委員会は国家機関です。国家の上に党があるんです。拉致をしたのは党な
んです。党の作戦部に武装工作員みたいな人がいて、それに党の調査部の辛光洙
のような人が来て4人で拉致をしたと明らかになっているのはそういうことです。
そして統一戦線部、連絡部とこの4つの部署が拉致をし、拉致被害者を主として
管理しているわけです。
色々な機関の名前がここに書いてありますが、党の機関は一つも入っていない。
これが権威があるということ自体もうフィクションなんですが、そしてもう一つ
心配なのは、拉致被害者の分科会に保健省が入っていることです。
これまで病院の死亡診断書などについて、日本側はどうおかしいと公開してい
ますから、先ほど中山先生がおっしゃったように、「元山で海水浴をしたという
けどおかしい」と言ったら、「実は海水浴じゃなく、海で散歩していたらそこで
心臓まひになった」とする元山の病院の診断書がありましたというようなことを
出してくるかもしれない。
(その日は)台風が来ていたということを日本は書いていますから、「台風が
来ているから部屋に入ったら心臓まひになった」とか。こちらはどうおかしいか
全部書いていますので、それを10年かかって分析して、今度は反論されないよ
うな準備をしている可能性もあると思います。偽の遺骨の準備さえしていた人た
ちですから。
だからこれは危険だなと思わなくてはいけないわけです。なぜマスコミが集団
催眠にかかったように「秘密警察が入っているからいい委員会だ」と言い始めた
のか、私は本当に不思議でならなかったし、ある意図を感じました。
その意図と、人質を解放しようというのか、外交交渉として交渉を続けようと
しているのかという二つの路線の違いが関係している可能性があると憂慮してい
ます。
中山 今、西岡先生がおっしゃった中で、本当にこの合意事項をみた時に、背筋
がぞっとするような印象を受けました。この形でいくと、何をされるか分からな
い。その恐ろしさがありましたので、西岡先生からもすぐに、「身の安全を確保」
ということを強く要求しましょうということで、すぐに安倍総理にも「身の安全
を確保してください」ということをお願いしました。
◆いつ死んだまで分かる日本の鑑定技術
西岡 ここで何回か言いましたが、一番憂慮されるのは生きている人に危害を加
えて、死亡の証拠を出してくることさえ彼らはやりかねないということです。そ
れはただの論理的な想定ではなく、私のところに入ってきている情報では、数年
前から北朝鮮の工作機関は、日本のDNA鑑定技術について大変大規模で緻密な調
査をしているということです。
前回1200度で焼いた骨から、彼らはDNAが出ないと想定したのに、帝京大
学で鑑定したらDNAが出たということを踏まえて、どのくらいの技術があるのか
を徹底的に分析している。
私はずっと、科学的な見地に基づいて、日本の技術では、この骨がだれの骨か
だけではなくて、死亡の時期も一定程度分かるんだということを、彼らが200
2年に死亡通知をした直後から色々なところで言っているんです。
例えば、94年に死んだと発表している人の本物の骨が来たとしても、それが
2000年以降に亡くなった骨であれば虐殺ですよね。関係はよくなりません。
人道支援なんか永久にできなくなりますよということを金正恩氏に知ってもら
わなければならないのですが、私が入手した大変緊張する情報によると、ヨーロッ
パのある国で、ある温度で焼くと、最高の技術を使えば、その骨が誰の骨かはわ
かるが死亡の時期は分からないという温度帯があるということで実験をしたとい
う情報を入手しています。
それでこれはどこかに書いたので申し上げますが、古屋大臣にそのことを申し
上げて緊張していますと言ったら、「日本の技術は世界最高なんだ」と。これは
色々なところで言ってもらった方がいいと思うんですが、帝京大学の吉井教授は、
今警視庁の科捜研の副所長です。
10年間、科捜研でこのことばかり研究してきた。そして今公務員ですから、
学会発表などはしないんです。ヨーロッパのどこかの病院で実験したということ
で、日本の技術が分かったと思ってもらっては困る。あなたたちは一度失敗した
でしょう。公開していない技術があるんですよ、と。
そしてもしも、あなたたちが発表した時期よりも後に死亡の時期が出てきたら、
取り返しのつかないことになりますよ、と。
私は民間人ですから、国連の安保理事会で軍事制裁を求めるべきだ、そして日
本も自衛権の発動を含めて、今生きている民間人を殺すというそんな非人道的な
ことは絶対に許してはならないと思います。
しかし、国際社会は今、北朝鮮が「人道に対する罪」を現在進行形で犯してい
ると言っています。それほどのことをしている相手なんです。
国交を承認した後に話し合いで合意を積み上げていく交渉と、自国民を15%
殺し今も多数の自国民を収容所で拷問し殺し続け、自分たちだけはぜいたくな暮
らしをしながらプロレス興業を楽しんでいるようですが、人民は飢えています。
そういう人を相手にし、しかしその人が今人質をとっているから彼と友好をす
るということではなくて、交渉をしているんだということ。そこの根本的な姿勢
を間違うと危ないと強く思います。
中山 人質を解放させるということは、交渉という単語にもよりますが、値段の
交渉とは違いますので、このあたりの値段ならいいでしょうということではあり
ませんし、人の命がかかっているということを担当者はしっかり念頭に置いて交
渉に当たらないといけないということで、日本でこの問題に直接かかわっている
人たちと一緒に動かないと交渉はできないだろうと思っています。
外務省だけでは無理な話だと思っていますので、政府・国全体で北朝鮮にぶつ
かるんだという意識改革をまず政府の中で行う必要があるだろうと思います。
(5につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■北朝鮮の再調査結果、予想される問題点4
◆外務省だけで交渉するな
中山 外務省の場合は、相手の国と協議をし、合意をして国交正常化をはかって
いくのが自分たちの仕事だと思っていますので、合意ということを非常に重要に
考えている様子が見えます。私は、外務省だけでこの交渉をやることではないと
思っているんです。
例えば、自動車交渉を外務省だけでやるでしょうか。日米自動車交渉をやる時
は経産省も入るし、業界も入る。繊維交渉でも同じです。拉致問題についても、
外務省だけではなく、西岡先生を初めとする民間の方々は非常にたくさんの情報
を持っていますし、家族会もそうです。調査会もそうです。
そういう日本の中にある色々な知恵、知識を全部使って交渉に入ってもらいた
い。外務省だけでやると、いわゆる交渉事になってしまう。救出するということ
はそう簡単なことではありませんので、日本のすべての叡智、知識を使って対応
することが必要だと考えています。
◆「安倍総理が説得に来たらどうですか」と北朝鮮
西岡 最近入手した北朝鮮側からの情報も今の懸念と合致する部分があって、
「秘密をあまり知らない人を一人か二人準備している」という情報があります。
「それ以外に生存者として出してくるのは、拉致とは関係がない人が多いのでは
ないか。しかし、認定被害者がゼロというわけにはいかないので、そういう人を
準備している。しかし、その人たちは日本に行きたくないと言っている。安倍総
理が来て、説得したらどうですかということを北朝鮮側は言っている」という情
報があります。
それとここの表現が一致するのです。まさにジェンキンスさんと同じことです
ね。「説得すればいい」ということに乗って総理訪朝という彼らがほしいものを
渡してはならない。彼らは今、国際的に孤立しているわけで、金丸訪朝の時と同
じように、日本の大物の政治家に来てほしいわけです。
彼らがほしいものを先に渡してしまったら、人質は帰ってこないわけです。説
得にいくということに乗ってしまったらおしまいなんですが、そういう準備のた
めにこういう文書を作っているとすると、なかなか彼らも準備をしているなあと
思います。
◆人質は原状復帰という鉄則で
中山 人質の場合、必ず原状、もとの状態に戻すこと、原状復帰という鉄則があ
りますから、向こうで協議して、いいですというのでは、人質事件の解決に全く
ならないということをしっかり認識したいと思います。
日本で拉致をしたら、日本にもどす。その後、日本なんか絶対いたくないとか、
故郷に戻ったけど全く相手にされないとか、白い眼で見られたとか、悲しくなっ
てやっぱり北朝鮮に戻りたいという人がいれば、それは戻ればいいと思いますが、
いったんは原状に戻すということが大事です。その後長い時間をかけてご自身で
どうするかを決めればいい。
しかし、拉致された被害者の国、日本政府は必ずいったん日本に被害者を連れ
戻すことが仕事だということをしっかり認識してかからなければいけない件だと
考えています。
◆「権限がある委員会」は意図的リークか
西岡 次に7月1日に北朝鮮が説明してきた特別調査委員会に関することに進み
たいと思います。これも言ってみればフィクションなんです。特別調査委員会な
んかできなくても、拉致被害者に関する名簿は金正恩氏の手元にあるわけです。
どこかで安倍総理がおっしゃっていたと思いますが、「北朝鮮は金正日が一度
口に出したことを否定するということは彼らにとって大変負担になる。だからも
う1回調査をして、前回の調査で金正日が間違ったのではなく、前回の調査が間
違っていたと言うことだけは認めてやってもいい」と。「そこは戦術的に譲歩し
てもいい。しかしそれ以上の意味は再調査委員会にはないんだ」ということです
が、人質を取り戻すことを前提に考えればそうなります。
しかし、北朝鮮の特別調査委員会の説明がなされた時に、一斉に報道されたの
は、「国防委員会から権限が付与されたから大変いい委員会ができた」とか、
「国家安全保衛部が、秘密警察が入っているから今回は今までとは違うだろう」
とか、そういう解説があふれていました。意図的にそういう解説を誰かが流して
いるのではないか。
特に今回の交渉では、局長級会談がなされる前に、秘密交渉がたくさんなされ
たんですが、秘密交渉をやっているというリークがたくさんあって、その秘密交
渉の相手は国家安全保衛部の幹部で、金正恩の側近だという報道がどんどん出た
んです。
秘密交渉というのは秘密交渉なんですから、マスコミに出たら秘密交渉ではな
いのに、誰がもらしているのか最初よく分からなかったんですが、どうもこの委
員会がいい委員会だと思わせたい人たちが流しているのではないか。
この委員会が権限のあるいい委員会だとみんなの頭の中に入ってしまうと、こ
の委員会が出す結論をみんなが信じてましょう、となる。北朝鮮が誠実にこんな
いい委員会を作って調査をしたんだ、と。だから人道的な立場で人道支援をする
べきではないでしょうかとか、そういう議論をしたい人たちが流しているのでは
ないかと強く疑っています。
これは建前で、あなたたちが全員返すために委員会を作ったと言いたいのなら
それは認めてあげますよということだけですから。生きている人を本当に全員返
す決断をしているのかどうか、ということと何の関係もないにも関わらず、「権
限がある」というリークがされているのは大変不可解だし、ある意図を感じるん
ですね。
◆調査委員会に拉致をした党の機関は一つも入っていない
中山 すばらしい委員会だと言いながら、私は北朝鮮情勢のプロではありません
が、西岡先生から見ればこれは……。
西岡 「説明概要」の冒頭、「北朝鮮の最高指導機関である国防委員会」を見た
時、北朝鮮の憲法を呼んでいるのかと思いました。憲法11条には、「朝鮮民主
主義人民共和国のすべての活動は、朝鮮労働党の指導の下に行われる」と書いて
あるわけです。
国防委員会は国家機関です。国家の上に党があるんです。拉致をしたのは党な
んです。党の作戦部に武装工作員みたいな人がいて、それに党の調査部の辛光洙
のような人が来て4人で拉致をしたと明らかになっているのはそういうことです。
そして統一戦線部、連絡部とこの4つの部署が拉致をし、拉致被害者を主として
管理しているわけです。
色々な機関の名前がここに書いてありますが、党の機関は一つも入っていない。
これが権威があるということ自体もうフィクションなんですが、そしてもう一つ
心配なのは、拉致被害者の分科会に保健省が入っていることです。
これまで病院の死亡診断書などについて、日本側はどうおかしいと公開してい
ますから、先ほど中山先生がおっしゃったように、「元山で海水浴をしたという
けどおかしい」と言ったら、「実は海水浴じゃなく、海で散歩していたらそこで
心臓まひになった」とする元山の病院の診断書がありましたというようなことを
出してくるかもしれない。
(その日は)台風が来ていたということを日本は書いていますから、「台風が
来ているから部屋に入ったら心臓まひになった」とか。こちらはどうおかしいか
全部書いていますので、それを10年かかって分析して、今度は反論されないよ
うな準備をしている可能性もあると思います。偽の遺骨の準備さえしていた人た
ちですから。
だからこれは危険だなと思わなくてはいけないわけです。なぜマスコミが集団
催眠にかかったように「秘密警察が入っているからいい委員会だ」と言い始めた
のか、私は本当に不思議でならなかったし、ある意図を感じました。
その意図と、人質を解放しようというのか、外交交渉として交渉を続けようと
しているのかという二つの路線の違いが関係している可能性があると憂慮してい
ます。
中山 今、西岡先生がおっしゃった中で、本当にこの合意事項をみた時に、背筋
がぞっとするような印象を受けました。この形でいくと、何をされるか分からな
い。その恐ろしさがありましたので、西岡先生からもすぐに、「身の安全を確保」
ということを強く要求しましょうということで、すぐに安倍総理にも「身の安全
を確保してください」ということをお願いしました。
◆いつ死んだまで分かる日本の鑑定技術
西岡 ここで何回か言いましたが、一番憂慮されるのは生きている人に危害を加
えて、死亡の証拠を出してくることさえ彼らはやりかねないということです。そ
れはただの論理的な想定ではなく、私のところに入ってきている情報では、数年
前から北朝鮮の工作機関は、日本のDNA鑑定技術について大変大規模で緻密な調
査をしているということです。
前回1200度で焼いた骨から、彼らはDNAが出ないと想定したのに、帝京大
学で鑑定したらDNAが出たということを踏まえて、どのくらいの技術があるのか
を徹底的に分析している。
私はずっと、科学的な見地に基づいて、日本の技術では、この骨がだれの骨か
だけではなくて、死亡の時期も一定程度分かるんだということを、彼らが200
2年に死亡通知をした直後から色々なところで言っているんです。
例えば、94年に死んだと発表している人の本物の骨が来たとしても、それが
2000年以降に亡くなった骨であれば虐殺ですよね。関係はよくなりません。
人道支援なんか永久にできなくなりますよということを金正恩氏に知ってもら
わなければならないのですが、私が入手した大変緊張する情報によると、ヨーロッ
パのある国で、ある温度で焼くと、最高の技術を使えば、その骨が誰の骨かはわ
かるが死亡の時期は分からないという温度帯があるということで実験をしたとい
う情報を入手しています。
それでこれはどこかに書いたので申し上げますが、古屋大臣にそのことを申し
上げて緊張していますと言ったら、「日本の技術は世界最高なんだ」と。これは
色々なところで言ってもらった方がいいと思うんですが、帝京大学の吉井教授は、
今警視庁の科捜研の副所長です。
10年間、科捜研でこのことばかり研究してきた。そして今公務員ですから、
学会発表などはしないんです。ヨーロッパのどこかの病院で実験したということ
で、日本の技術が分かったと思ってもらっては困る。あなたたちは一度失敗した
でしょう。公開していない技術があるんですよ、と。
そしてもしも、あなたたちが発表した時期よりも後に死亡の時期が出てきたら、
取り返しのつかないことになりますよ、と。
私は民間人ですから、国連の安保理事会で軍事制裁を求めるべきだ、そして日
本も自衛権の発動を含めて、今生きている民間人を殺すというそんな非人道的な
ことは絶対に許してはならないと思います。
しかし、国際社会は今、北朝鮮が「人道に対する罪」を現在進行形で犯してい
ると言っています。それほどのことをしている相手なんです。
国交を承認した後に話し合いで合意を積み上げていく交渉と、自国民を15%
殺し今も多数の自国民を収容所で拷問し殺し続け、自分たちだけはぜいたくな暮
らしをしながらプロレス興業を楽しんでいるようですが、人民は飢えています。
そういう人を相手にし、しかしその人が今人質をとっているから彼と友好をす
るということではなくて、交渉をしているんだということ。そこの根本的な姿勢
を間違うと危ないと強く思います。
中山 人質を解放させるということは、交渉という単語にもよりますが、値段の
交渉とは違いますので、このあたりの値段ならいいでしょうということではあり
ませんし、人の命がかかっているということを担当者はしっかり念頭に置いて交
渉に当たらないといけないということで、日本でこの問題に直接かかわっている
人たちと一緒に動かないと交渉はできないだろうと思っています。
外務省だけでは無理な話だと思っていますので、政府・国全体で北朝鮮にぶつ
かるんだという意識改革をまず政府の中で行う必要があるだろうと思います。
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発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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