救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

日朝交渉をどう見るか?東京連続集会報告1(2014/11/10)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.11.10)

■日朝交渉をどう見るか?東京連続集会報告1

 以下は、11月6日に東京・文京区民センターで開催された「日朝交渉をどう
見るか」の報告です。数回に分けて発信します。

◆はがゆさを感じた日朝協議

飯塚繁雄(家族会代表)

 みなさんこんばんは。いつもながら大変ありがとうございます。

 今、日朝協議について報道等で話題になっています。しかし、結果を見れば必
ずしも進んでいない。進展という言葉は使えない状況ですね。

 日朝政府間協議は、ストックホルムでまた中国で協議をしてきましたが、その
話の中では、「まだ初期段階で何も報告することはない」という話でしたね。こ
の場において「初期段階」というのはあり得ないと思うんですが、向こうはそう
言っています。

 そういう協議を続けながら、「もっと知りたければ平壌に来い」とか「行きな
さい」という話があって、10月28日、29日に訪朝して協議ました。

 我々はその都度政府から報告を受けてはいますが、中味については全く具体的
な話はありません。そして政府としては、「ああいう話をした。こういう話をし
た」と、日本からの言及を我々に知らせてきました。

 日朝協議というのは、その都度何かを合意するということではないので、お互
いに話したことをメモして持ち帰るというような程度だと思います。そういうこ
とがずっと続いており、私たちとしては、はがゆさを感じていました。

 今回、「詳しいことが知りたければ平壌に来い」という話について、家族会の
中でも色々な意見がありますが、今この時点で平壌に行くことは時期尚早という
か、拙速であるという判断で意見を申し上げました。家族会の大半はそういう意
見です。

 これは何を意味するかというと、事前に「平壌に来ればこういう報告を出しま
すよ」ということを確認して行くならば、報告を持ち帰ることができるわけです
が、ただ「様子を見に来い」というだけでは被害者の名簿など具体的なものはな
いと感じたわけです。

 また、もしかすると、平壌に行ったことで、北が日本政府や日本国民の焦りを、
足元を見ながら何かをまた要求するという場面も想定されます。今回、特別調査
委員会のメンバーに会ったようです。

 委員長は徐大河(ソ・テハ)という人ですが、彼がどのくらい上に通じている
人なのか、金正恩と太いパイプがあるのか、あるいはきちっと意見具申できるの
か、それによって判断を加えながら具体的な調査報告ができるのか等、色々な心
配がありました。

◆北朝鮮は既に調査済み

 そういうことは我々には分かりませんが、おおざっぱに見て北朝鮮は既に調査
が済んでいるものを持っているのです。これは当然だと思います。北朝鮮の国民
と拉致被害者は一緒にできない管理になっているはずです。一般の住民登録は全
くないわけです。別管理になっているというのが大方の見方です。

 そういうことからすると、今更調査をするというのは、何か思惑があって長引
かせているとしか思えません。

 また、「今までの調査結果についてはこだわらずゼロから調査する」というこ
ともあったようですが、この言葉の裏は分かりません。しかし、先ほども言いま
したが、これから調査するというのには我々は解せないことです。

 さらに勘ぐれば、「以前の調査結果にこだわらない」ということは、以前北朝
鮮が報告した「5人生存8人死亡」という話が撤回されるのかという変な希望も
あるわけですが、これはその時になってみないと分かりません。

 いずれにしても、今、「調査」、「調査」と注目されていますが、日本政府は
特別調査委員会の4つの分科会の中で、「あくまでも拉致問題の分科会を最優先
にしなければならない」というようなことを言ってきたようです。それに対して、
「それはよく分かった。そうします」という向こうのコメントはないんです。

 日本がそういうことを強く言及したということになっているわけですが、それ
については真偽のほどは分かりません。我々家族も、あるいは一部の識者の方々
も、今回の平壌訪問に反対とか意味がないという方がたくさんいました。

 案の定、この協議内容からすると、具体的な報告はまったくない、ゼロです。
これは当初から予測していた通りで、私たちは「今行っても何も出ない」と予測
していました。

 向こうの宋日昊(ソン・イルホ)大使が言っていること、今回の特別委員会の
人が言っていることは、それぞれ違う面がたくさんあって、お互いに緊密な連携
なんかとっていないのではないか。だからこそ、「もっと詳しいことを聞きたけ
れば直接平壌に行って委員会のメンバーに会った方がいい」という話が出てきた
と思います。

 当然ながらこの4つの分科会の内容を見ていると、遺骨返還の問題がはっきり
した形で出ていますが、彼らは遺骨の調査を進めて、これももう分かっているこ
とでしょうが、それを先に出してくるのではないかという懸念もしていました。
向こうとしては一番やりやすい課題だと思います。

 しかし、私たちとしては、政府としても、遺骨の調査を先に出されてもそれは
受け取らないという強い態度でいます。拉致問題が先に進展しなければ、他の件
について協議することはありえないという立場ですが、北朝鮮の思惑は分かりま
せん。

◆報告ができるような訪朝を

 私たちは、今の段階ではあくまで安倍総理を信頼して期待しています。今回の
訪朝の決断も、当然ながら安倍総理がされたわけでしょう。例えば我々が、「行
くな、行くな」と言っても、「はいそうですか」とはいかないと思うんです。

 安倍総理の意向としては、せっかく日朝協議がつながっているこの時期、全く
ゼロにはしたくない。何とか続けながら、協議の中から日本に有利な交渉をして
いくべく訪朝させた。それも一理あると思います。

 しかし、訪朝すればいいということではなく、向こうがどれだけ準備をしてい
るのかを確かめてそれを受け取りに行くのならばいいんですが。北朝鮮当局に何
かを申し入れたり、言及する場というのは今までなかったわけです。特に外交ルー
トでは全くなかった。従って、特別委員会のメンバーを通じて日本の意向を押し
込んでいくために使ったと思います。

 それはそれである戦術としていいかもしれません。しかし、これを受けてすぐ
次の手を打っていかないと、また延び延びになってうやむやになってしまうこと
を私たちは心配しています。

 とにかく、これまでの経緯をしっかり分析して、日本の態度をはっきりと示し
ながら、北朝鮮に対して今後どうしていくかということが見えるようにしてほし
い。私がいつも言うように、いつまでに、何をし、そしていつまでに結果を出す
というスケジュール的な考えがなければ、いつまでかかるのかということがいつ
もつきまとうわけです。

 そういう意味で、早いうちに次の手を打つことを期待しています。これについ
ては、専門家の先生方の意見がたくさんあるようですが、詳しい分析は、後ほど
西岡会長たちからご説明があると思います。

 とにかく我々は、思いというものを言い飽きたほど、皆さんにも政府にも言っ
てきました。あとは、「早く結果を出してください」と強く要請していくしかな
いんです。

 それぞれの施策については、私たちがいちいち、「こうしなさい、ああしなさ
い、これはだめ」ということではないんです。家族会はもうさんざん色々な活動
をしてきて、その結果今があることを考え、これまでの時間の重みはすごいもの
がありました。

 当然ながら、じっと我慢しながらこつこつ活動を続けていく。苦しみながらも
家族のために何とかしたいという気持ちであらゆる集会などの活動に参加してき
たわけです。

 国民の皆様のお力を借りるという意味では、啓発、啓蒙ということではいいと
思うんです。そして、ここで私たちが騒ぐよりは、政府が我々の気持ちを踏まえ、
分析や対応をする義務があるわけです。

 極端に言えば、「私たちは疲れました。家でずっと待っていますから、政府の
方々が命がけでこの問題を進めてください」ということにしようかなと思ってい
ます。これま今、私が思いついただけの話ですが、そのくらい長い間色々とやっ
てきて、結果がまったく出ないこの状況を見た時に、相当疲れもします。病気に
もなります。事実、家族会のメンバーは健康的には苦しくなっています。

 そういう状況も踏まえ、私たちは「今年こそ結果を」というスローガンで色々
な活動をしてきました。今年中に完全に解決というのは難しいとしても、解決へ
の道筋が見えてきて、もう少しだなというようなものがあれば、私たちも元気が
出ます。しかし、毎日毎日時間が過ぎていき、もう11月です。11月、12月
で果たしてどこまで進展するのか。そういうことを心配している現状です。

 とりあえず私から、今の家族の気持ちや日朝協議に関する心配事などをお話し
ました。みなさんからのご意見も含めて政府にぶつけていくことができます。専
門家のご意見も含めてです。そういう機会を作ってもいいなと思っています。

 ありがとうございました(拍手)。

◆是非被害者すべての解決を

横田 滋(横田めぐみさん父、家族会前代表)

 みなさんこんばんは。前回は京都に行っていたため、家でFAXを見たんですが、
具体的なことは何も書いてありませんでした。全く新しいことはなく、個人の名
前は全く出ていません。今回も具体的なものはありませんでした。

 今回の動きには非常に期待をしていました。それは2002年の時に、認定さ
れていた生存者4名と曽我ひとみの5人が出てきて、8人は「死亡」ということ
でしたが、それは信じていなかったからです。

 めぐみは一人だけ自殺ということで、共同墓地に骨があるということでしたが、
それ以来全く進展がなく、久しぶりに今年3月に日朝協議がありました。

 5月の終わりには再調査の具体的な方法まで決めて、官房長官は「夏の季節が
終わり秋が来たころには結果が出るだろう」というようなことをおっしゃってい
ましたが、新聞を見ると、「もう用意はできている。日本が催促しないから進展
しないんだ」という記事もありましたが、何もできあがってないということでし
た。

 特定失踪者は従来あまり話題にならなかったわけですが、今回は警察が(届出
数を)出したこともあって、ずいぶん大勢の方がおられます。しかし、年内に出
るとは思えません。そういうご家族は、今回しかないのだからちゃんとやってほ
しいという声が聞こえていますので、是非被害者すべてが何らかの形で解決でき
るように願っています(拍手)。

◆私たちは何も知らされていない

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 みなさんこんばんは。本当に長い間、ご支援いただいてありがとうございます。

 いつも集まっていだいても、なかなか喜ばしい話がなくて、私自身もせっぱつ
まったような思いで暮らしています。この度も、日朝会合がありましたが、テレ
ビに映る内容と新聞の内容だけで、私たちはこのように話されたんだなと聞くだ
けです。

 私たちが知らない会合の内容は聞いたこともありませんので、本当のことは分
かりませんが、家族会・救う会としては、(拉致は)国家犯罪としてなされたこ
とだということです。そして、「犯罪に巻き込まれた人たちをすぐに返しなさい」
と言っているだけです。

 政府の方にもそういうことをはっきり言ってくださいとお願いしています。私
たちはできる限りのことをお伝えしてきましたが、会合の核心に触れた部分は、
私たちは見ていませんし、国民も知らない部分ですので、どこまで踏み込んでい
ただいているのか、向こうがどれくらいのことを返したのかは誰も分かりません。

 しかし、長い年月の重みというものがありますので、何らかの形でやってくだ
さっているのではないかなあと一縷の望みをもって、これからの動きを見つめて
いこうと思っています。ありがとうございます。

(2につづく)




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