日朝交渉をどう見るか?東京連続集会報告2(2014/11/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.11.11)
■日朝交渉をどう見るか?東京連続集会報告2
◆訪朝要請は北朝鮮が人道的なふりをするため
増元照明(増元るみ子さん弟、家族会事務局長)
みなさんこんばんは。今日も3人の方から街中で声をかけられました。「どう
なるんでしょうねえ」と。期待感が多かったのが今、失望に変わっている状況で
す。腹立たしいという声も聞こえます。
10月31日に外務省から説明会がありました。10時間半の交渉がありまし
たが、説明されたのはこの紙一枚です(26.10.31メールニュース参照)。皆さん
方が知っている以上のことは、私たちにも説明されませんでした。
これまでもそうなんですが、外務省からは公になっている以上のことを話され
たことはありません。言い訳ばかりでした。5月の合意以降、懸念を申し上げた
ことがすべて的中したというか、北朝鮮のペースで非常に残念でした。
今回の訪朝は、先ほど代表がおっしゃったように、家族会の3分の2くらいが
反対しました。色々あるんですが、私は北朝鮮に利用されるだけだろうと思って
います。
北朝鮮からすれば、日本側から訪朝団が来て、北朝鮮の人と会うことをメディ
アで流して、国際社会に対し、私たちは人道的なことでこれだけのことをやって
いるから国連安保理の人権理事会において、北朝鮮の人権を非難する決議を少し
緩和してくれというメッセージを送るために呼んだんですよ。それに乗せられて
しまった。
なぜか分かりませんが、安倍さんが交渉の人質にされたような感じで、交渉を
しなければ次がないという思いでやられたと思いますが、今回のような交渉を何
度続けても無意味だと私は思っています。
◆交渉が北朝鮮のプロパガンダに利用されている
結局北朝鮮のプロパガンダにわが外務省が乗せられて利用される。方や外務省
は国連の人権理事会で北朝鮮人権非難決議の強化に関する政策もとろうとしてい
ます。これは整合性がないような気がするんですが、拉致被害者を救出するため
に今回北朝鮮に乗り込んで、徐大河という人物にというか、北朝鮮の中枢部に日
本の強い意思を伝えること、そして調査の現状が今どうなっているのか、この2
つの目的でいったとおっしゃっていました。
しかし、私が考えるに、北まで行って相手に日本の立場を強く伝えるのであれ
ば、29日午前中に行われた分科会なんかやるべきじゃなかったと思います。も
しこういう日程が入っていたとすると、我々は拉致被害者の問題を話に来たわけ
で、遺骨の問題、日本人妻の問題は拉致が全部解決しない限り話す必要もないし、
次は行かないと強く言えばいいのに、受けてしまっている。なんでだろうかと思
うんです。
おそらく外務省は、北朝鮮の今の現状を見聞きしたいと。本当に交渉が人質に
されていますね。交渉を維持したいがために北朝鮮のペースに乗ってしまって、
北朝鮮のプロパガンダに協力させられて、ピエロですよ。はっきり言って。
私は、外務省のみなさんに「もうあなたたちはだめだ」と言いましたから、3
1日はもう言う言葉もない感じでした。そして、分科会について、説明の時に我
々に言っていなかったことがあとからぽろぽろとメディアに出ます。
「北朝鮮側が、2002年、2004年の調査は不十分だったと認めた」とい
うのが自民党の拉致問題対策本部で政府が説明したことですが、その前に行われ
た家族会の説明会ではそんなこと一言も言わなかったですよ。
拉致の問題で北朝鮮側がそう言いましたということさえ我々には言わず、ただ
この紙切れを呼んで、一番の成果は、「過去の調査結果にこだわることなく新し
い角度からくまなく調査を深めていく」と北朝鮮側が言ったということだそうで
す。
調査委員会の一少将がこんな言葉を言ったからといって、誰が信じるんですか。
それを今回の訪朝団の成果として発表するわけですよ。馬鹿じゃないかと思いま
すよね(拍手)。
こんなことを許しているから日本の姿勢が伝わらないし、交渉がまともな交渉
になっていかないということをちょっと考えてもらいたいと私は思っています。
◆家族会が聞かされていないことが出てくる
外務省の家族への説明会の中で言わなかったことが漏れているという状況があ
りますが、なぜ私たちに同じことを言わないのということです。外務省の隠蔽体
質ですよ。はっきり言って。
できればうるさ型の家族会の人にはあまり言わないのか、何らかの作戦がある
のか分かりませんが、外務省は今後すべての内容を公表すべきだと思います。北
朝鮮がどのように言ったのか。
我々に対する説明の中では、分科会の中で、北朝鮮サイドは「骨ビジネスと言
われているものはいっさい考えていない」と言っていたということでした。「そ
れを文章で合意したのか」と聞くと、「口頭で話した」というのです。「今後遺
骨に関してわが国はいっさい請求しない」と文章に書かせればいいんです。それ
もしない。
そして分科会について、お話だけは聞いてくる。これで本当に日本の意志が伝
わるんでしょうか。伝わらないと思いますよ。日本政府は、拉致の問題が重要だ
と、「3月の段階から言っています」と伊原さんは我々に常に言っていました。
北朝鮮との合意の中で、共通認識として、拉致の問題が最優先ですと我々は常
に言っています、と。北朝鮮もそれは認識しているはずだ、と言っていたにも関
わらず今回の結果です。北朝鮮に再度認識させるためになんて馬鹿じゃないかと
私は思いますね。何のための交渉なのか。そしてその交渉を人質にとられて、北
朝鮮に呼びつけられてプロパガンダに協力させられる。ここでどうにか転換をし
なければいけない時期ではないでしょうか。残念でなりません。
確かに安倍さんでなければ解決できないと私たちも思います。他の政治家の方
たちでは、権力を持っても難しいでしょう。だから今の政権の中で解決してもら
わなければならない。
今日本政府が「オールジャパン」と言っているのであれば、与野党全ての適任
者を前面に立てて、外務省はオブザーバー、事務処理をしてくれればいいんです。
拉致問題だけで北朝鮮に交渉を迫っていくべきです。
それで北朝鮮が応じなければ、さらなる制裁をかけるべきです。北朝鮮がこれ
まで真摯に行動したのは、アメリカの金融制裁の時だけです。自分の体制でお金
が回らなくなって本当に危なくなった時期だけです。
これに対してアメリカが反論したのであれば、アメリカに対して説得すればい
いじゃないですか。もう一度金融制裁を日本とともにやりましょう、と。もう一
度テロ支援国指定を日本とともにやりましょう(拍手)。その動きを強めていけ
ばいいのです。
同盟国であるアメリカを説得できないのに、北朝鮮なんか説得できるわけげな
いです。これは本当に残念なんですが、今週、先週と北朝鮮問題を取り上げたテ
レビの中で、どうも融和的な話がいっぱい出てきているんですね。今週のBSイ
レブンもそうでした。
拉致問題を解決するためには北朝鮮への支援が必要ということです。インフラ
でも何でも北朝鮮が望むものを与えればいいと言っていました。学術会議で、和
田春樹とともに訪朝した人たち、武貞秀士さんもそうでした。
武貞さんの一番の間違いは、「制裁をかけて解決したことはない。だから融和
的にすることが必要だ」ということです。しかし、北朝鮮に関してこれまで徹底
した制裁をやってこなかったじゃないですか。イラン・イラクもそうですよ。徹
底した制裁をかけていますか。どこかで漏れがあるから、北朝鮮もイランもイラ
クも降参しなかった。イラクに関しては武力制裁をしましたが。
北朝鮮に対して徹底的な制裁をする国が増えるようになれば、それは違う展開
になるはずなんです。日本もここで体制を立て直して、オールジャパンというの
であれば、与野党の中で北朝鮮と対峙して一歩も引かない。そして交渉に転換す
べきです。
◆言質をとられないことしか言わない
私は残念です。外務省の人はどこで聞いても絶対に言質をとられない。「行動
対行動」という言葉がありますが、「北朝鮮が日本人妻を出してきて日本に帰国
させるという行動に対して日本はどうするんですか」と聞いたら、「拉致問題を
含め全体として有効かどうかを判断して総合的に検討したい」と。
何言っているのか分からないですね。「拉致問題が優先」と言っておきながら、
「行動対行動」というものがあって、「日本政府はすべての事象に対して、あら
ゆる対応を検討しています」と古屋大臣はおっしゃいましたが、何を想定してど
うするのかが全くないように感じるんです。
今回も徐大河が委員長になりました。そして、「北朝鮮の最高指導機関である
国防委員会から特別な権限を付与され」て出てきたのが少将です。2001で少
将の地位は1448番目だそうです。「1448番目の人が1番目の人に具申で
きるわけがない」と元防衛省の人が言っていました。私もそう思います。日本が
こう言っていますと報告するだけだと思います。その報告もまともにされている
のかどうか分かりません。こういう状況では、被害者を取り戻すことはできない
というのが私の感想です。
外務省は敵ではないけど味方ではないと感じています。味方でない人たちが、
私たちの家族の命を預かっている。命をかけた戦いの中で、前面に立ってやって
いる。本当にどう言っていいのか分かりません。私はこう言ったんです。「今こ
の瞬間も私たちの家族が殺され始めているかもしれませんよ」と。あなたたちが
強く出ないからという意味で言ったんです。
城内実・外務大臣政務官は、私たちに、「伊原さんも命がけでやっています」
とおっしゃいました。「命がけ」とはどういうことなんでしょうか。伊原さんが
もし失敗したら処刑されるんですか。「命がけ」とそんなに簡単に使わないでい
ただきたいですね。
私は、嫁の高校の先輩で福島瑞穂さんと、たまたま宮崎県人会で一緒になり、
私は宮崎県人じゃないですが妻と一緒に行った時です。その時も、「命がけでこ
の拉致問題に取り組みます」とおっしゃいました。「命がけ」と軽々に使ってほ
しくない。命をかけているのは拉致被害者だということをもっと自覚してもらい
たいし、安倍総理にもそのことを強く意識してほしいと思っています。
伊原さんたちは、「2002年、2004年の北朝鮮の報告があまりにも納得
できるものでないから、納得できるものをださせる、北朝鮮に説明させる。それ
が拉致問題の解決」とおっしゃるんですが、それを聞いた私はちょっとぞくっと
しました。
納得のできるものを出させるということは、被害者を越え抑えることと同じで
す。その意識がないんです。拉致問題の解決ではなく、被害者の奪還をしなけれ
ばならない。北朝鮮と交渉をするときには、被害者を助けるための交渉なのであっ
て、拉致問題を解決させるための交渉ではない。このことをもっと強く意識して
いただきたいと思います。
国民の皆様にも、拉致問題の解決ではなく、北朝鮮からの奪還なんだと(拍手)、
奪還するための交渉でないと意味がないんだということを強く意識して、声を出
していただきたいと思います。宜しくお願いいたします(拍手)。
◆大韓航空機爆破事件の整理なしに帰れるか
本間 勝(田口八重子さん兄)
今日は雨の中ありがとうございます。特別調査委員会で動きがありますが、本
当に拉致被害者を取り戻すことができるのかということが、私の妹八重子につい
ても言えます。
戦略をどう立てているのか。今まで見てきた中では、戦略なんか全然感じられ
ないという思いでいます。八重子は、大韓航空機爆破という大きな事件、これは
金賢姫たちがやったことですが、それに(教育係りとして)関わっている。
11月29日は、事件があった日で、韓国人ら115名が亡くなられた日で、
これはテロ行為です。となると、テロ行為であったことを北朝鮮はどう整理する
のか。これを乗り越えないと、ただ「発見しました。いずれ返します」というこ
とになっても、事件の整理がないので簡単に帰れない。
これは韓国にも言えることです。韓国は自国民が多数殺されていながら、北朝
鮮を糾弾するとかやってないじゃないですか。だから日本と韓国が連携してやら
なければこの問題は整理されないんです。この問題を乗り越えて初めて、八重子
は戻ってこれる。そういう状態なんです。
だから、一つの戦略を立てて、テロ行為をどう整理するか。整理は北朝鮮が嫌
がる。金正日が指示して実行させたテロですから。その整理を同時並行して、こ
の交渉の中でやらないとなかなか戻ってこない。
めぐみさんが13歳で拉致され、もう37年以上帰ってこれない。日本にとっ
ては非常に不幸な、象徴的な事件です。これも37年も幽閉してきた責任、未だ
に返さない責任は、どう整理していくのでしょうか。ただ日本人を調査するだけ
の話ではないんです。
ところがそれは陰に隠れてうやむやにされて、ただリストに載って発表されれ
ば帰ってくるんじゃないかという甘い考えでいると思います。その他、テロ実行
犯の組織解明など色々な問題があります。そして、ある程度は勘弁しましょうと
いうような取引をやらないとならない。
日本人被害者は、偽札造りとか、核・ミサイル開発にも使われていると思いま
す。それらが解明されることを北朝鮮は恐れていると思います。単に日本人を返
せばいいという甘い問題ではないんです。そこを真剣に考えてやってもらいたい
んです。
◆制裁で追いつめるべき
1年で帰ってくるような話ではないんです。7月に「秋のはじめまで」とか言っ
てもう4か月でしょう。1年なんてあっという間です。そういう中で、この問題
を解決できるんですかということを私は訴えたいんです。
国連で北朝鮮は何を言っているんですか。「拉致問題は解決済みだ」。そうい
うことを言っているんです。それに対して外務省が反論しているようですが、そ
れとも徹底的に戦っていかねければいけないと思います。
私たちは帰ってくることを期待しています。けれどもなかなか乗り越える問題
が大きくて、この問題はそう甘いもんじゃないよということをもっと強く考えて
ほしいと思います。
それを乗り越えられないんだったらどんどん制裁で追いつめるべきです。「北
朝鮮の門をこじあけて交渉に入りました」なんて、やっとそんな段階で言ってい
るだけです。
この問題は根が深く、何ら整理されていないという現状、これが絶対、後を引
きますよ。人の命がかかっていますので、韓国とも協力するところは協力してやっ
てもらいたいと思います。以上です(拍手)。
(3につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■日朝交渉をどう見るか?東京連続集会報告2
◆訪朝要請は北朝鮮が人道的なふりをするため
増元照明(増元るみ子さん弟、家族会事務局長)
みなさんこんばんは。今日も3人の方から街中で声をかけられました。「どう
なるんでしょうねえ」と。期待感が多かったのが今、失望に変わっている状況で
す。腹立たしいという声も聞こえます。
10月31日に外務省から説明会がありました。10時間半の交渉がありまし
たが、説明されたのはこの紙一枚です(26.10.31メールニュース参照)。皆さん
方が知っている以上のことは、私たちにも説明されませんでした。
これまでもそうなんですが、外務省からは公になっている以上のことを話され
たことはありません。言い訳ばかりでした。5月の合意以降、懸念を申し上げた
ことがすべて的中したというか、北朝鮮のペースで非常に残念でした。
今回の訪朝は、先ほど代表がおっしゃったように、家族会の3分の2くらいが
反対しました。色々あるんですが、私は北朝鮮に利用されるだけだろうと思って
います。
北朝鮮からすれば、日本側から訪朝団が来て、北朝鮮の人と会うことをメディ
アで流して、国際社会に対し、私たちは人道的なことでこれだけのことをやって
いるから国連安保理の人権理事会において、北朝鮮の人権を非難する決議を少し
緩和してくれというメッセージを送るために呼んだんですよ。それに乗せられて
しまった。
なぜか分かりませんが、安倍さんが交渉の人質にされたような感じで、交渉を
しなければ次がないという思いでやられたと思いますが、今回のような交渉を何
度続けても無意味だと私は思っています。
◆交渉が北朝鮮のプロパガンダに利用されている
結局北朝鮮のプロパガンダにわが外務省が乗せられて利用される。方や外務省
は国連の人権理事会で北朝鮮人権非難決議の強化に関する政策もとろうとしてい
ます。これは整合性がないような気がするんですが、拉致被害者を救出するため
に今回北朝鮮に乗り込んで、徐大河という人物にというか、北朝鮮の中枢部に日
本の強い意思を伝えること、そして調査の現状が今どうなっているのか、この2
つの目的でいったとおっしゃっていました。
しかし、私が考えるに、北まで行って相手に日本の立場を強く伝えるのであれ
ば、29日午前中に行われた分科会なんかやるべきじゃなかったと思います。も
しこういう日程が入っていたとすると、我々は拉致被害者の問題を話に来たわけ
で、遺骨の問題、日本人妻の問題は拉致が全部解決しない限り話す必要もないし、
次は行かないと強く言えばいいのに、受けてしまっている。なんでだろうかと思
うんです。
おそらく外務省は、北朝鮮の今の現状を見聞きしたいと。本当に交渉が人質に
されていますね。交渉を維持したいがために北朝鮮のペースに乗ってしまって、
北朝鮮のプロパガンダに協力させられて、ピエロですよ。はっきり言って。
私は、外務省のみなさんに「もうあなたたちはだめだ」と言いましたから、3
1日はもう言う言葉もない感じでした。そして、分科会について、説明の時に我
々に言っていなかったことがあとからぽろぽろとメディアに出ます。
「北朝鮮側が、2002年、2004年の調査は不十分だったと認めた」とい
うのが自民党の拉致問題対策本部で政府が説明したことですが、その前に行われ
た家族会の説明会ではそんなこと一言も言わなかったですよ。
拉致の問題で北朝鮮側がそう言いましたということさえ我々には言わず、ただ
この紙切れを呼んで、一番の成果は、「過去の調査結果にこだわることなく新し
い角度からくまなく調査を深めていく」と北朝鮮側が言ったということだそうで
す。
調査委員会の一少将がこんな言葉を言ったからといって、誰が信じるんですか。
それを今回の訪朝団の成果として発表するわけですよ。馬鹿じゃないかと思いま
すよね(拍手)。
こんなことを許しているから日本の姿勢が伝わらないし、交渉がまともな交渉
になっていかないということをちょっと考えてもらいたいと私は思っています。
◆家族会が聞かされていないことが出てくる
外務省の家族への説明会の中で言わなかったことが漏れているという状況があ
りますが、なぜ私たちに同じことを言わないのということです。外務省の隠蔽体
質ですよ。はっきり言って。
できればうるさ型の家族会の人にはあまり言わないのか、何らかの作戦がある
のか分かりませんが、外務省は今後すべての内容を公表すべきだと思います。北
朝鮮がどのように言ったのか。
我々に対する説明の中では、分科会の中で、北朝鮮サイドは「骨ビジネスと言
われているものはいっさい考えていない」と言っていたということでした。「そ
れを文章で合意したのか」と聞くと、「口頭で話した」というのです。「今後遺
骨に関してわが国はいっさい請求しない」と文章に書かせればいいんです。それ
もしない。
そして分科会について、お話だけは聞いてくる。これで本当に日本の意志が伝
わるんでしょうか。伝わらないと思いますよ。日本政府は、拉致の問題が重要だ
と、「3月の段階から言っています」と伊原さんは我々に常に言っていました。
北朝鮮との合意の中で、共通認識として、拉致の問題が最優先ですと我々は常
に言っています、と。北朝鮮もそれは認識しているはずだ、と言っていたにも関
わらず今回の結果です。北朝鮮に再度認識させるためになんて馬鹿じゃないかと
私は思いますね。何のための交渉なのか。そしてその交渉を人質にとられて、北
朝鮮に呼びつけられてプロパガンダに協力させられる。ここでどうにか転換をし
なければいけない時期ではないでしょうか。残念でなりません。
確かに安倍さんでなければ解決できないと私たちも思います。他の政治家の方
たちでは、権力を持っても難しいでしょう。だから今の政権の中で解決してもら
わなければならない。
今日本政府が「オールジャパン」と言っているのであれば、与野党全ての適任
者を前面に立てて、外務省はオブザーバー、事務処理をしてくれればいいんです。
拉致問題だけで北朝鮮に交渉を迫っていくべきです。
それで北朝鮮が応じなければ、さらなる制裁をかけるべきです。北朝鮮がこれ
まで真摯に行動したのは、アメリカの金融制裁の時だけです。自分の体制でお金
が回らなくなって本当に危なくなった時期だけです。
これに対してアメリカが反論したのであれば、アメリカに対して説得すればい
いじゃないですか。もう一度金融制裁を日本とともにやりましょう、と。もう一
度テロ支援国指定を日本とともにやりましょう(拍手)。その動きを強めていけ
ばいいのです。
同盟国であるアメリカを説得できないのに、北朝鮮なんか説得できるわけげな
いです。これは本当に残念なんですが、今週、先週と北朝鮮問題を取り上げたテ
レビの中で、どうも融和的な話がいっぱい出てきているんですね。今週のBSイ
レブンもそうでした。
拉致問題を解決するためには北朝鮮への支援が必要ということです。インフラ
でも何でも北朝鮮が望むものを与えればいいと言っていました。学術会議で、和
田春樹とともに訪朝した人たち、武貞秀士さんもそうでした。
武貞さんの一番の間違いは、「制裁をかけて解決したことはない。だから融和
的にすることが必要だ」ということです。しかし、北朝鮮に関してこれまで徹底
した制裁をやってこなかったじゃないですか。イラン・イラクもそうですよ。徹
底した制裁をかけていますか。どこかで漏れがあるから、北朝鮮もイランもイラ
クも降参しなかった。イラクに関しては武力制裁をしましたが。
北朝鮮に対して徹底的な制裁をする国が増えるようになれば、それは違う展開
になるはずなんです。日本もここで体制を立て直して、オールジャパンというの
であれば、与野党の中で北朝鮮と対峙して一歩も引かない。そして交渉に転換す
べきです。
◆言質をとられないことしか言わない
私は残念です。外務省の人はどこで聞いても絶対に言質をとられない。「行動
対行動」という言葉がありますが、「北朝鮮が日本人妻を出してきて日本に帰国
させるという行動に対して日本はどうするんですか」と聞いたら、「拉致問題を
含め全体として有効かどうかを判断して総合的に検討したい」と。
何言っているのか分からないですね。「拉致問題が優先」と言っておきながら、
「行動対行動」というものがあって、「日本政府はすべての事象に対して、あら
ゆる対応を検討しています」と古屋大臣はおっしゃいましたが、何を想定してど
うするのかが全くないように感じるんです。
今回も徐大河が委員長になりました。そして、「北朝鮮の最高指導機関である
国防委員会から特別な権限を付与され」て出てきたのが少将です。2001で少
将の地位は1448番目だそうです。「1448番目の人が1番目の人に具申で
きるわけがない」と元防衛省の人が言っていました。私もそう思います。日本が
こう言っていますと報告するだけだと思います。その報告もまともにされている
のかどうか分かりません。こういう状況では、被害者を取り戻すことはできない
というのが私の感想です。
外務省は敵ではないけど味方ではないと感じています。味方でない人たちが、
私たちの家族の命を預かっている。命をかけた戦いの中で、前面に立ってやって
いる。本当にどう言っていいのか分かりません。私はこう言ったんです。「今こ
の瞬間も私たちの家族が殺され始めているかもしれませんよ」と。あなたたちが
強く出ないからという意味で言ったんです。
城内実・外務大臣政務官は、私たちに、「伊原さんも命がけでやっています」
とおっしゃいました。「命がけ」とはどういうことなんでしょうか。伊原さんが
もし失敗したら処刑されるんですか。「命がけ」とそんなに簡単に使わないでい
ただきたいですね。
私は、嫁の高校の先輩で福島瑞穂さんと、たまたま宮崎県人会で一緒になり、
私は宮崎県人じゃないですが妻と一緒に行った時です。その時も、「命がけでこ
の拉致問題に取り組みます」とおっしゃいました。「命がけ」と軽々に使ってほ
しくない。命をかけているのは拉致被害者だということをもっと自覚してもらい
たいし、安倍総理にもそのことを強く意識してほしいと思っています。
伊原さんたちは、「2002年、2004年の北朝鮮の報告があまりにも納得
できるものでないから、納得できるものをださせる、北朝鮮に説明させる。それ
が拉致問題の解決」とおっしゃるんですが、それを聞いた私はちょっとぞくっと
しました。
納得のできるものを出させるということは、被害者を越え抑えることと同じで
す。その意識がないんです。拉致問題の解決ではなく、被害者の奪還をしなけれ
ばならない。北朝鮮と交渉をするときには、被害者を助けるための交渉なのであっ
て、拉致問題を解決させるための交渉ではない。このことをもっと強く意識して
いただきたいと思います。
国民の皆様にも、拉致問題の解決ではなく、北朝鮮からの奪還なんだと(拍手)、
奪還するための交渉でないと意味がないんだということを強く意識して、声を出
していただきたいと思います。宜しくお願いいたします(拍手)。
◆大韓航空機爆破事件の整理なしに帰れるか
本間 勝(田口八重子さん兄)
今日は雨の中ありがとうございます。特別調査委員会で動きがありますが、本
当に拉致被害者を取り戻すことができるのかということが、私の妹八重子につい
ても言えます。
戦略をどう立てているのか。今まで見てきた中では、戦略なんか全然感じられ
ないという思いでいます。八重子は、大韓航空機爆破という大きな事件、これは
金賢姫たちがやったことですが、それに(教育係りとして)関わっている。
11月29日は、事件があった日で、韓国人ら115名が亡くなられた日で、
これはテロ行為です。となると、テロ行為であったことを北朝鮮はどう整理する
のか。これを乗り越えないと、ただ「発見しました。いずれ返します」というこ
とになっても、事件の整理がないので簡単に帰れない。
これは韓国にも言えることです。韓国は自国民が多数殺されていながら、北朝
鮮を糾弾するとかやってないじゃないですか。だから日本と韓国が連携してやら
なければこの問題は整理されないんです。この問題を乗り越えて初めて、八重子
は戻ってこれる。そういう状態なんです。
だから、一つの戦略を立てて、テロ行為をどう整理するか。整理は北朝鮮が嫌
がる。金正日が指示して実行させたテロですから。その整理を同時並行して、こ
の交渉の中でやらないとなかなか戻ってこない。
めぐみさんが13歳で拉致され、もう37年以上帰ってこれない。日本にとっ
ては非常に不幸な、象徴的な事件です。これも37年も幽閉してきた責任、未だ
に返さない責任は、どう整理していくのでしょうか。ただ日本人を調査するだけ
の話ではないんです。
ところがそれは陰に隠れてうやむやにされて、ただリストに載って発表されれ
ば帰ってくるんじゃないかという甘い考えでいると思います。その他、テロ実行
犯の組織解明など色々な問題があります。そして、ある程度は勘弁しましょうと
いうような取引をやらないとならない。
日本人被害者は、偽札造りとか、核・ミサイル開発にも使われていると思いま
す。それらが解明されることを北朝鮮は恐れていると思います。単に日本人を返
せばいいという甘い問題ではないんです。そこを真剣に考えてやってもらいたい
んです。
◆制裁で追いつめるべき
1年で帰ってくるような話ではないんです。7月に「秋のはじめまで」とか言っ
てもう4か月でしょう。1年なんてあっという間です。そういう中で、この問題
を解決できるんですかということを私は訴えたいんです。
国連で北朝鮮は何を言っているんですか。「拉致問題は解決済みだ」。そうい
うことを言っているんです。それに対して外務省が反論しているようですが、そ
れとも徹底的に戦っていかねければいけないと思います。
私たちは帰ってくることを期待しています。けれどもなかなか乗り越える問題
が大きくて、この問題はそう甘いもんじゃないよということをもっと強く考えて
ほしいと思います。
それを乗り越えられないんだったらどんどん制裁で追いつめるべきです。「北
朝鮮の門をこじあけて交渉に入りました」なんて、やっとそんな段階で言ってい
るだけです。
この問題は根が深く、何ら整理されていないという現状、これが絶対、後を引
きますよ。人の命がかかっていますので、韓国とも協力するところは協力してやっ
てもらいたいと思います。以上です(拍手)。
(3につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
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■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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