国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」報告7(2014/12/22)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.12.22)
■国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」報告7
櫻井 ではここで荒木和博さん、惠谷治さん、島田洋一さんに、それぞれのお考
え、どのように遅延に対処するかをお話しいただければと思います。
◆すぐに日朝協議はやめるべき
荒木和博(特定失踪者問題調査会会長)
私があまりやさしい話をするとふさわしくないので、率直に言いますが、今ま
で何回も言っていることですが、日朝協議は一端中止にすべきだと思っています。
これ以上いくら続けても意味がない。逆に、こちらが打ち切るといった方が、向
こうが話に乗ってくる可能性があると思います。いずれにしても、(日朝協議は)
止めるべきだと思っています。
結局、安倍さんが総理大臣になられて2年経ったわけですが、この間、「自分
の政権で拉致問題を解決する」と言われたにもかかわらず、事実上ほとんど前に
進んでいないと私は思います。
とりわけ、ストックホルム合意以来の半年間、一体何があったのかということ
を考えると、ほのかな期待を持ったものの、それは裏切られてしまって、これで
うまくいくとはとても思えない。
この間、特定失踪者のご家族でも、入院してしまったり、それだけが原因では
ありませんが、この間も亡くなられた方がおられて、期待だけさせられて捨てら
れたという感覚が、私自身も正直言ってあります。
総理の国際構造からの見方、要は中国との関係がよくない。そして、アメリカ
との関係も改善できない。こういう厳しい条件の中で日本に寄ってこざるをえな
い、という見方自体にはそんなに間違いはないと思います。
12年前のあの時と違う最大のものは、あの時はブッシュ政権の一番気合が入っ
た時で、いつ爆弾を落とすか分からない、そういうものがあったから、北朝鮮が
怖くなって日本に来ざるを得なくなった。
ところが今回は、アメリカの大統領はとても爆弾を落としそうにはみえない。
もしやるとしたら、アメリカの代わりに、日本が爆弾を落とすしかない。中国、
韓国がやるとは思えない。
こういう状態ですが、安倍さんは敢えて北朝鮮側を刺激することについては、
先ほど西岡さんが言われた国連での動き等はあるものの、主体的に日本国として
北朝鮮に圧力をかけることについてはいっさい避けてきている。これはどう考え
てもおかしいのではないかと思います。それを本当にやるのでなければ拉致被害
者を取り返すことはできないだろう。
総理は、「いざという時にはアメリカに協力を求めることがある」と。それが
集団的自衛権につながったと思いますが、集団的自衛権があろうがなかろうが、
こんなことは個別的自衛権ですむ問題で、アメリカがいざという時に助けてくれ
る保障はほとんどないと思います。日本がやるしかない。
ところが、そこのところは、安倍さんは残念ながら乗り越えようとはしていな
いと思っています。これでは根本的に問題が解決する方向にはないだろうと思い
ます。
◆北朝鮮をつぶす気があるのか、日本国内の体制の問題で報告遅延
この問題を解決するのは、先ほど金聖●さんが言われましたが、結局北朝鮮の
体制をつぶしてしまわないと、最終的な解決は絶対に起きえない。日本政府が、
なかなか直接、総理大臣からしてあの体制をつぶしてやるとは言えないかもしれ
ませんが、そんなことは別の所でやる方法が色々あるのであって、そういう方向
に持っていかなければいけない。
ところが、皆さんもご覧になっていると思いますが、政府がやっているテレビ
・コマーシャル、中央線や山手線にも出ていましたが、「家族の時間を取り戻す
まで私たちはあきらめない」というもの。私に言わせれば言語道断で頭がおかし
くなるんじゃなかというコマーシャルを政府がやる。自分たちが取り返す、自分
たちに取り返す責任があるということを、どこか忘れてしまって、なんとなく
「帰ってきてくれたらいいなあ」というようなことをやるという現状を考えると、
私はこの問題の責任を問われるべきだと思います。
ちょうど今、総選挙をやっていて、間もなく終わりますが、ここにおられるマ
スコミの皆さんもいつも取材をしてくださるんですが、残念ながらこの選挙で拉
致問題は全く争点になっていない。
本当ならこの2年間、ありは6か月のことについて、野党は政府の責任を問い、
政府はちゃんと説明責任を果たさなければいけないと思いますが、そういうふう
にしてこなかった。そして何となく日が過ぎて選挙に行ってしまう。
だからこそ私は言いますが、選挙は色々な争点があって、アベノミクスとか色
々ありますが、この選挙に関する限り、私は安倍政権がやってきたことは、拉致
問題に関する限りノーというしかないと個人的には思っています。
そういうものを表さないと、政府はまた今のようなわけの分からない交渉をだ
らだらと続けていくのではないかと思います。これは相手のあることですから、
北朝鮮が勝手にコケてくれればいいんですが、なかなかそう期待するわけにはい
かない。
結局、一番大きな問題は、北朝鮮の問題以上に、日本国内の体制の問題ではな
いのか。これがある意味で、今日のテーマである、日朝協議遅延の最大の理由で
はないかと思います。ありがとうございます(拍手)。
櫻井 拉致問題だけではなく、他の問題についても、日本がどのような考えで解
決を迫っていくのかという覚悟が問われているわけで、過去にもないといえば語
弊があるかもしれませんが、非常に弱いと思います。惠谷さんいかがですか。
◆金正日が首謀者だということをもっと強力に伝えていくべき
惠谷 治(ジャーナリスト、救う会拉致プロジェクト委員)
荒木さんの後に話すと、軟弱なように思われるかもしれませんが(笑)、荒木
さんの「すぐに交渉をやめるべきだ」という意見は、私もよく感じるんです。と
いうか今の交渉には絶望しています。
ただその理由は、先ほど西岡さんが説明されたように、大きな要因として国連
の圧力の問題があるので、来年を待とうかという気持ちにもなっています。
今日ここに来るまでは、遅れているのをどうするのかと言われても、その方法
は思いつかないということでしたが、先ほど張真晟さんの話を聞いて、やはり首
領の問題に結びつける、これは国連の問題にも絡んできますが、そういう方法で
あればまだ交渉の余地はあるかなと思いました。
話を聞きながら一つ思い出したことがあります。ご存じのように、辛光洙が原
敕晁さんを拉致したのは1980年でしたが、辛光洙が85年に逮捕されて、当
時の国家安全企画部という情報機関に取り調べを受けた後に、安企部が捜査資料
を発表しました。
その中では、「金正日の命令によって」という文がありました。しかし、裁判
ではその部分が欠如しているんです。日本政府も我々も、金正日の命令があった
のかどうかということを、いわば刑事訴訟法的に真面目に考えるわけですね。そ
うすると敵もさる者ですから、そういう証拠を出さない。
ですから、張真晟さんの話を聞きながら思ったのは、我々は刑事訴訟法的にも
証拠があるのかどうかということに重きを置くのではなくやるべきです。しかし、
拉致問題の交渉においては、外務省がそういう交渉ができるかは甚だ疑問です。
外務省は刑事訴訟法的な手法を取るに決まっています。
そうするとなかなか言えないにしても、少なくとも拉致問題の解決を願う人間
としては、金正恩は拉致を命令はしていないと思いますが、金正日が首謀者だと
いうことをもっと強力に伝えていくべきだろうと思いました。
◆特別調査委員会の朴ヨンシクは、金正恩に随行した朴ヨンシクとは別人
もう一点、今日のニュースですが、「ワシントン・タイムズ」という新聞が、
「1977年の6月に、金正日が『日本の20代の女性を拉致せよ』という文書
を入手した」というのがありました。
後で島田さんが詳しく話されますが、それには「金正日が命じた」と書いてい
るそうです。これは刑事訴訟法的になんの問題もない事実だったということにな
ると思います。
官房長官のことばで「夏の終わりから秋の初めにかけて」という時に向こうが
出さなかった。ご家族の皆さんもそうでしょうが、私は個人的にも非常に愕然と
しました。やはりだまされたのかと。
今になって、国家安全保衛部がどのくらいのものか、あんなものは力がないん
だとなっていますが、正直に言うと、私は7月のメンバー構成を見て、これであ
れば何らかの動きがあるのではないかと思いました。
特別調査委員会の委員長は徐大河(ソ・デハ)ですが、副委員長が二人います。
その内の一人がパク・ヨンシクという男ですが、この名前が発表された時に、結
果的には偶然だったんですが、同じ名前の人間が金正日の随行員に初登場しまし
た。しかも中将。
それで秘かにこの男が副委員長ではないか、そうであれば委員長は上将か大将、
三つ星か四つ星と思いました。委員長よりも副委員長に実権があるというのは、
あの世界では当たり前のことですから、中将で金正恩に随行していれば、金正恩
とことばが交わせる人です。そういう立場の男であれば、これは拉致が動くなと
思ったのです。
しかし、空振りで、皆さんがご覧になった映像で一番奥にいた男は大佐でした。
それはあの映像で判明しました。いずれにしろ9月初めに何の回答もなく、今年
も終わろうとしています。
一つだけ最後に言えば、北の問題というのは、金正日が死んだのも、張成沢が
粛清されたのも、この日付以降です。今日以降。従って、年内に動きがあるとも
考えられます。
荒木さんの、「制裁を倍返しで」という意見も理解できるんですが、そこで忘
れてはならないのは、そうなると次に起こることは、ミサイル発射のカウント・
ダウン、それに続く核実験。
ご存知だと思いますが、これまでに核実験を3回やっています。ミサイル発射
は2006年、09年、12年と3年おきで、それから数か月前後で核実験をやっ
ています。来年は15年です。
つまり日朝交渉が動いている間は、彼らは実験しません。しかし、決裂したと
なれば、ミサイル実験、核実験が行われます。
個人的にはミサイルを撃って、消費して、核実験を行ってプルトニウムを消費
するというのは世界のためだと思うんですが、ポイントは何かというと、その騒
ぎがおさまるまで数年かかることです。そして拉致交渉が数年止まる。
官房長官は、「北朝鮮は、調査は全体で1年程度と述べた」と報告しています
ので、その間になんらかのいいアイデアが出て、交渉が進展することを期待する
しかないというのが現状です。以上です(拍手)。
(8につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■国際セミナー「日朝拉致協議の遅延をどう打開するか」報告7
櫻井 ではここで荒木和博さん、惠谷治さん、島田洋一さんに、それぞれのお考
え、どのように遅延に対処するかをお話しいただければと思います。
◆すぐに日朝協議はやめるべき
荒木和博(特定失踪者問題調査会会長)
私があまりやさしい話をするとふさわしくないので、率直に言いますが、今ま
で何回も言っていることですが、日朝協議は一端中止にすべきだと思っています。
これ以上いくら続けても意味がない。逆に、こちらが打ち切るといった方が、向
こうが話に乗ってくる可能性があると思います。いずれにしても、(日朝協議は)
止めるべきだと思っています。
結局、安倍さんが総理大臣になられて2年経ったわけですが、この間、「自分
の政権で拉致問題を解決する」と言われたにもかかわらず、事実上ほとんど前に
進んでいないと私は思います。
とりわけ、ストックホルム合意以来の半年間、一体何があったのかということ
を考えると、ほのかな期待を持ったものの、それは裏切られてしまって、これで
うまくいくとはとても思えない。
この間、特定失踪者のご家族でも、入院してしまったり、それだけが原因では
ありませんが、この間も亡くなられた方がおられて、期待だけさせられて捨てら
れたという感覚が、私自身も正直言ってあります。
総理の国際構造からの見方、要は中国との関係がよくない。そして、アメリカ
との関係も改善できない。こういう厳しい条件の中で日本に寄ってこざるをえな
い、という見方自体にはそんなに間違いはないと思います。
12年前のあの時と違う最大のものは、あの時はブッシュ政権の一番気合が入っ
た時で、いつ爆弾を落とすか分からない、そういうものがあったから、北朝鮮が
怖くなって日本に来ざるを得なくなった。
ところが今回は、アメリカの大統領はとても爆弾を落としそうにはみえない。
もしやるとしたら、アメリカの代わりに、日本が爆弾を落とすしかない。中国、
韓国がやるとは思えない。
こういう状態ですが、安倍さんは敢えて北朝鮮側を刺激することについては、
先ほど西岡さんが言われた国連での動き等はあるものの、主体的に日本国として
北朝鮮に圧力をかけることについてはいっさい避けてきている。これはどう考え
てもおかしいのではないかと思います。それを本当にやるのでなければ拉致被害
者を取り返すことはできないだろう。
総理は、「いざという時にはアメリカに協力を求めることがある」と。それが
集団的自衛権につながったと思いますが、集団的自衛権があろうがなかろうが、
こんなことは個別的自衛権ですむ問題で、アメリカがいざという時に助けてくれ
る保障はほとんどないと思います。日本がやるしかない。
ところが、そこのところは、安倍さんは残念ながら乗り越えようとはしていな
いと思っています。これでは根本的に問題が解決する方向にはないだろうと思い
ます。
◆北朝鮮をつぶす気があるのか、日本国内の体制の問題で報告遅延
この問題を解決するのは、先ほど金聖●さんが言われましたが、結局北朝鮮の
体制をつぶしてしまわないと、最終的な解決は絶対に起きえない。日本政府が、
なかなか直接、総理大臣からしてあの体制をつぶしてやるとは言えないかもしれ
ませんが、そんなことは別の所でやる方法が色々あるのであって、そういう方向
に持っていかなければいけない。
ところが、皆さんもご覧になっていると思いますが、政府がやっているテレビ
・コマーシャル、中央線や山手線にも出ていましたが、「家族の時間を取り戻す
まで私たちはあきらめない」というもの。私に言わせれば言語道断で頭がおかし
くなるんじゃなかというコマーシャルを政府がやる。自分たちが取り返す、自分
たちに取り返す責任があるということを、どこか忘れてしまって、なんとなく
「帰ってきてくれたらいいなあ」というようなことをやるという現状を考えると、
私はこの問題の責任を問われるべきだと思います。
ちょうど今、総選挙をやっていて、間もなく終わりますが、ここにおられるマ
スコミの皆さんもいつも取材をしてくださるんですが、残念ながらこの選挙で拉
致問題は全く争点になっていない。
本当ならこの2年間、ありは6か月のことについて、野党は政府の責任を問い、
政府はちゃんと説明責任を果たさなければいけないと思いますが、そういうふう
にしてこなかった。そして何となく日が過ぎて選挙に行ってしまう。
だからこそ私は言いますが、選挙は色々な争点があって、アベノミクスとか色
々ありますが、この選挙に関する限り、私は安倍政権がやってきたことは、拉致
問題に関する限りノーというしかないと個人的には思っています。
そういうものを表さないと、政府はまた今のようなわけの分からない交渉をだ
らだらと続けていくのではないかと思います。これは相手のあることですから、
北朝鮮が勝手にコケてくれればいいんですが、なかなかそう期待するわけにはい
かない。
結局、一番大きな問題は、北朝鮮の問題以上に、日本国内の体制の問題ではな
いのか。これがある意味で、今日のテーマである、日朝協議遅延の最大の理由で
はないかと思います。ありがとうございます(拍手)。
櫻井 拉致問題だけではなく、他の問題についても、日本がどのような考えで解
決を迫っていくのかという覚悟が問われているわけで、過去にもないといえば語
弊があるかもしれませんが、非常に弱いと思います。惠谷さんいかがですか。
◆金正日が首謀者だということをもっと強力に伝えていくべき
惠谷 治(ジャーナリスト、救う会拉致プロジェクト委員)
荒木さんの後に話すと、軟弱なように思われるかもしれませんが(笑)、荒木
さんの「すぐに交渉をやめるべきだ」という意見は、私もよく感じるんです。と
いうか今の交渉には絶望しています。
ただその理由は、先ほど西岡さんが説明されたように、大きな要因として国連
の圧力の問題があるので、来年を待とうかという気持ちにもなっています。
今日ここに来るまでは、遅れているのをどうするのかと言われても、その方法
は思いつかないということでしたが、先ほど張真晟さんの話を聞いて、やはり首
領の問題に結びつける、これは国連の問題にも絡んできますが、そういう方法で
あればまだ交渉の余地はあるかなと思いました。
話を聞きながら一つ思い出したことがあります。ご存じのように、辛光洙が原
敕晁さんを拉致したのは1980年でしたが、辛光洙が85年に逮捕されて、当
時の国家安全企画部という情報機関に取り調べを受けた後に、安企部が捜査資料
を発表しました。
その中では、「金正日の命令によって」という文がありました。しかし、裁判
ではその部分が欠如しているんです。日本政府も我々も、金正日の命令があった
のかどうかということを、いわば刑事訴訟法的に真面目に考えるわけですね。そ
うすると敵もさる者ですから、そういう証拠を出さない。
ですから、張真晟さんの話を聞きながら思ったのは、我々は刑事訴訟法的にも
証拠があるのかどうかということに重きを置くのではなくやるべきです。しかし、
拉致問題の交渉においては、外務省がそういう交渉ができるかは甚だ疑問です。
外務省は刑事訴訟法的な手法を取るに決まっています。
そうするとなかなか言えないにしても、少なくとも拉致問題の解決を願う人間
としては、金正恩は拉致を命令はしていないと思いますが、金正日が首謀者だと
いうことをもっと強力に伝えていくべきだろうと思いました。
◆特別調査委員会の朴ヨンシクは、金正恩に随行した朴ヨンシクとは別人
もう一点、今日のニュースですが、「ワシントン・タイムズ」という新聞が、
「1977年の6月に、金正日が『日本の20代の女性を拉致せよ』という文書
を入手した」というのがありました。
後で島田さんが詳しく話されますが、それには「金正日が命じた」と書いてい
るそうです。これは刑事訴訟法的になんの問題もない事実だったということにな
ると思います。
官房長官のことばで「夏の終わりから秋の初めにかけて」という時に向こうが
出さなかった。ご家族の皆さんもそうでしょうが、私は個人的にも非常に愕然と
しました。やはりだまされたのかと。
今になって、国家安全保衛部がどのくらいのものか、あんなものは力がないん
だとなっていますが、正直に言うと、私は7月のメンバー構成を見て、これであ
れば何らかの動きがあるのではないかと思いました。
特別調査委員会の委員長は徐大河(ソ・デハ)ですが、副委員長が二人います。
その内の一人がパク・ヨンシクという男ですが、この名前が発表された時に、結
果的には偶然だったんですが、同じ名前の人間が金正日の随行員に初登場しまし
た。しかも中将。
それで秘かにこの男が副委員長ではないか、そうであれば委員長は上将か大将、
三つ星か四つ星と思いました。委員長よりも副委員長に実権があるというのは、
あの世界では当たり前のことですから、中将で金正恩に随行していれば、金正恩
とことばが交わせる人です。そういう立場の男であれば、これは拉致が動くなと
思ったのです。
しかし、空振りで、皆さんがご覧になった映像で一番奥にいた男は大佐でした。
それはあの映像で判明しました。いずれにしろ9月初めに何の回答もなく、今年
も終わろうとしています。
一つだけ最後に言えば、北の問題というのは、金正日が死んだのも、張成沢が
粛清されたのも、この日付以降です。今日以降。従って、年内に動きがあるとも
考えられます。
荒木さんの、「制裁を倍返しで」という意見も理解できるんですが、そこで忘
れてはならないのは、そうなると次に起こることは、ミサイル発射のカウント・
ダウン、それに続く核実験。
ご存知だと思いますが、これまでに核実験を3回やっています。ミサイル発射
は2006年、09年、12年と3年おきで、それから数か月前後で核実験をやっ
ています。来年は15年です。
つまり日朝交渉が動いている間は、彼らは実験しません。しかし、決裂したと
なれば、ミサイル実験、核実験が行われます。
個人的にはミサイルを撃って、消費して、核実験を行ってプルトニウムを消費
するというのは世界のためだと思うんですが、ポイントは何かというと、その騒
ぎがおさまるまで数年かかることです。そして拉致交渉が数年止まる。
官房長官は、「北朝鮮は、調査は全体で1年程度と述べた」と報告しています
ので、その間になんらかのいいアイデアが出て、交渉が進展することを期待する
しかないというのが現状です。以上です(拍手)。
(8につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆