北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録4(2015/02/13)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.02.13)
■北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録4
◆7月から制裁は倍返しで
惠谷 治(ジャーナリスト)
こんばんは。期限を切ることについて、私は個人的には、昨年官房長官が、敢
えて「1年以内」と言いましたので、それは今年の6月末となります。もちろん
それまで待てるわけはありませんし、現在2月ですから、「4月まで」とか期限
を切って、特別調査委員会立ち上げに対して解除した3つの制裁に加えて、さら
なる制裁をやるぞという態度を表明すべきと思います。
そういう態度を表明しない限り、向こうは動かない。もちろん被害者家族の方
は特にですが、向こうがどういう考えかについて西岡さんは昨年暮れ、国連への
対応のため出ないんじゃないかということでした。
今日のこの時点で何らの反応、回答がないということは、回答を引き出させる
努力が必要だと思います。それは紀元を切って、その期限が過ぎれば制裁を戻す
ことを言うべきと思います。
6月末までそれを言うことは、契約違反ですから、4月までに出して回答がな
ければ、7月から制裁は倍返しという表明が必要だと思います。
◆朝鮮総連中央本部転売には強い疑惑が
西岡 ストックホルム合意では、「随時報告する」となっていました。1回目の
報告がないのだから、倍返しは7月まで待つという議論もあると思いますが、解
除した3つの制裁の中で、特に総連の幹部たちの自由往来をもう一度止めるべき
だと思います。なぜなら、「随時報告する」と言って半年経っても1回目の報告
をしていないからです。
3月になれば、9か月経っても1回目の報告をしていないことになり、それは
彼らが言ったことに違反しているからこちらも元に戻さざるを得ないとして、3
つの内1つ、許宗萬たちは行かせないとか、4月の最高人民会議に行かせないと
いうのは1つのメッセージになるのではないかと私は思っています。
惠谷 全くその通りだと思います。いずれにしろ現状を打破するには、日本側か
ら何らかのアクションを起こして向こうを動かすことしかないと思います。
西岡 そこで、12月の選挙で増元さんが出られて残念なことになったんですが、
1つだけいいことがあります。自民党が公約した文書があります。拉致問題につ
いて自民党は、こう言っています。「拉致問題では第2次安倍政権発足以降、様
々な機会をとらえて圧力をかけた結果、「過去の調査にこだわることなく新しい
角度で再調査を行う」と北朝鮮に約束させ」たと。圧力の結果再調査を約束させ
た、と言っています。「日朝協議がスタートしました。これからが正念場であり、
被害者全員を取り戻すために、あらゆる手段を尽くします」。
これは古屋さんの口癖みたいですが、その次がいいんです。「拉致問題に進展
がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わず、制裁強化を含めた断固たる
対応をとり、被害者全員の早期帰国を実現します」。自民党は、制裁強化を含め
た断固たる対応をとると言っているんです。
これが国民の信を得たわけです。「拉致問題に進展がない限り、制裁強化を含
めた断固たる対応をとる」と言って勝ったわけです。それなのに、いつやるかと
いうことをなぜ示さないのか。
政府が言うとすぐ政策になりますが、その前に、超党派の国会の議連で言って
もらう。この前も古屋前大臣、自民党の拉致問題対策本部長に言ったんですが、
「これを言ってください」、「制裁強化を含めた断固たる対応をとると言って選
挙に勝ったのですから、この通りやっていただきたい」と。公約を守れというこ
とを強く迫るべきではないかと思っています。
ところが、「拉致問題に進展がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わ
ず、制裁強化を含めた断固たる対応をと」るという公約からして、少しおかしい
のではないかと思われることが今我々の目の前で展開されているんです。朝鮮総
連中央会館問題です。
競売が完了して、マルナカホールディングスという会社が土地と建物の所有権
を持った。ところがそのマルナカが山形県にある資本金300万円のグリーンフォー
レストという会社に転売した。今日登記が終わったようです。金額は44億円。
資本金300万円の会社が、44億円のお金をどこから調達したのかと思って
いたら、同じ朝鮮総連の施設である朝鮮出版会館、これは文京区にあるんですが、
これが1月23日に売却されている。売却金額は17億円と報道されている。
そして、グリーンフォーレストに所有権が移ったという登記をみると、朝鮮出
版会館を所有していた白山出版会館管理会が、朝鮮総連中央会館に抵当権をつけ
ていた。つまり売却で17億円を得た会社が、グリーンフォーレストに金を貸し
たということが謄本から分かる。
資本金300万円の会社が、44億円を出せた裏には、出版会館の代金が払わ
れていたのではないかという疑惑があったんですが、金額は出てきませんが、謄
本からも一定程度その流れが証明された。これは大変不明朗だし、自民党の公約
にも反することだと思います。
この朝鮮出版会館は、実はいわく因縁がある土地建物です。1993年3月の
雑誌「AERA」に、朝銀信用組合を使った北朝鮮への不法送金問題への記事が出て
います。その舞台が朝鮮出版会館です。その記事が出た後、朝日新聞に朝鮮総連
は激しく抗議しました。朝鮮出版会館には、つぶれた拓殖銀行が30億円融資し
ていて、住銀リースが15億円、計45億円の融資がされていたんですが、それ
でだいたい担保価値くらいになっているんですが、今17億円でしか売れないと
ころが45億円も借り入れており、その上朝銀大阪が30億円、朝銀東京が17
億3千万円、朝銀神奈川が10億円、計57億3千万円が融資されています。
お金を借りている側に「AERA」が取材したら、「返す意思はない」と言ってい
る。その内の一人が韓光熙です。朝鮮総連の職員で、「自分が北朝鮮に金を運ん
だ」と言って「文芸春秋」から本を出した人が借主だった。
計102億円の不良債権があって、出版会館は一度競売にかかっています。そ
して4億7880万円で入札された。誰が入札したのか。今所有しているのは有
限会社白山出版会館管理会ですが、結局、朝鮮青年同盟とかミサイル技術を提供
したことで有名な科学技術者協会、朝鮮新報社などがずっと使い続けているわけ
です。
朝銀という朝鮮総連がもっている信用組合が、出版会館を担保に、総連系の人
間に金を貸して返さなかった。公的資金が入って補てんされました。担保がつい
ているから競売された。102億の担保がついているのに、5億円で朝鮮総連が
落として使い続けています。
そして今回、5億円で落とした朝鮮総連が17億円でそれを売った。RCC(整
理回収機構)は今、朝鮮総連中央本部を競売しました。マルナカが22億円払い
ましたが、その他に池口恵観というお坊さんが10億円払っていますから、計3
2億円回収したんですが、RCCが回収しなければならない総額は627億円です。
だからまだ627億円のうち37億円しか回収していないんです。
ここで一番問題なのは、朝鮮出版会館の所有者は白山出版会館管理会で、兆銭
総連とは民法上法人格が別ですが、実態は一体です。そういう所に入札させてい
いのかという問題があります。今回の売却だけについていっても、17億円ある
んだったらRCCに差し押さえをされるべきなのに、それがされていない。
法人格は別だと言ってもその弁解は通らないんです。なぜなら朝鮮総連中央本
部も登記上の所有者は朝鮮総連中央本部管理会という有限会社です。RCCは一体
である、差し押さえを認めてほしいと裁判を起こして、最高裁で差押えをしてい
いことになったのです。
じゃあなぜ、RCCは白山出版会館管理会に対しても裁判を起こさなかったのか、
見逃していたのかという強い疑惑があります。
ストックホルム合意に至る日朝協議の中で、宋日昊大使は日本のマスコミを集
めて、朝鮮総連中央本部の問題が重大だと何回も言っています。それを言わなく
なりました。特に、マルナカホールディングスに所有権が移った後、言わなくな
りました。
こういうスキームで総連に賃貸するということが決まっていたのか。RCCが厳
しく対応しないということは、なんらかの政治判断が絡んでいるのか。安倍さん
がこれを知っていて、「それでもいい」と言っているのか。強い疑惑を私は持っ
ています。
◆朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを作ったのは誰か
しかし、安倍総理はRCCに対して、朝鮮総連を相手に裁判をして金を取り返し
なさいということを指示した人なんです。2006年、官房長官時代に、そのこ
とをやった時、安倍総理はある所で書いていますが、「左翼ではなくて、これは
という身内からも、なぜこんなことをするのかと言われた」と。
しかし、今総理です。山内俊夫という、増元さんが言及された元参議院議員は、
「朝鮮総連が中央本部に居座ることができるということは日朝協議にとってプラ
スだ」という発言をしています。
私は全く反対だと思っています。ブッシュ政権の末期に、ライスさんとヒルさ
んは、先に制裁を解除してしまった。そうしたら何が起きたか。制裁解除だけを
とって核実験をしたんです。口約束は守らなかったんです。
朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを先に作ってあげたら、彼らは
ほっと一息ついて、交渉が進展しなくなってしまうのではないかという恐れを持っ
ています。
ただ、まだ色々方法はあると思っています。ある法律の専門家に聞いたら、グ
リーン・フォーレストが朝鮮総連と賃貸契約を結ぶ場合、その賃貸契約はRCCが
持っている朝鮮総連に対する、債権を回収するのに障害になると言って、賃貸契
約を無効にする民事訴訟を起すことができる筈だ、と言っていました。
つまり、家賃を払うお金があるんだったら、こっちへ返しなさい。別の所に払
う契約を結ぶ状況じゃない。500億円まだあるんだ、と。
今安倍政権は、厳格な法執行という政策を、拉致問題解決の8項目の中の1項
目として掲げています。マルナカホールディングスがグリーン・フォーレストに
売ったということは民対民の問題ですから、政府が関与すべき問題じゃないとい
うことは分かりますが、厳格な法執行という政策の中で、RCCが出版会館の売却
をなぜ認めたのか、グリーン・フォーレストが総連と賃貸契約をして、総連が高
い家賃を払うことを認めるのか、家賃を払えるんだったらお金を返しなさいとな
ぜ言わないのか、という部分は追及すべきことではないかと思っています。
先ほどの自民党の政策では、「拉致問題が進展しない限りこれ以上支援はしな
いし、これ以上制裁緩和しない」とありますが、これは制裁緩和になるのではな
いかと思っています。
まだまだ負けたつもりはありませんし、このことは93年からずっと問題にし
てきているので、こんないわく因縁付きの出版会館が、もともと競売にかかった
ものなのに、もう一回売ってそのお金が朝鮮総連中央本部の売却に使われる。同
じ土地を何回も使いまわすようないい加減なことを許していいのかと強く思いま
す(拍手)。
◆ストックホルム合意、厳格な法執行破りに対し制裁かけ直しを
惠谷 個人的には、拉致被害者を取り戻す、めぐみちゃんを何としてでも取り戻
すことができるのであれば、総連に居座らせてやってもいいと思います。競売の
登記が今日完了したようですが、ひょっとすれば、明日か明後日に回答が出るか
もしれない。そういうことはありえないでしょうが、戦術として、向こうが一番
ほしがっているものが中央本部居座りですから。
個人的にはそう思っていましたが、もちろん当てにしているわけではありませ
ん。出版会館の方については私も知らなくて、同じ土地を二度も三度もころがし
てという実態にあきれるばかりです。
西岡 ですから、今拉致の運動としては、北朝鮮が今ストックホルム合意を破っ
ているのに、合意で解除した制裁をまたかける議論さえしないのか。厳格な法執
行という行動を取るというのに、これではブッシュ政権末期のように、制裁を先
に解除して、結局成果がなくなると、当時安倍さんが批判していた失敗を繰り返
すことにならないのか。
今こそ期限を切って、制裁をかけなおし、さらなる制裁の準備をする時である
という声を強く上げたいと思いますし、先ほど飯塚代表もおっしゃったように、
安倍総理にぜひ直接お会いしたいと思います。
去年3月28日、交渉が始まる直前に2時間会っていただいて、圧力をかけた
からこそ交渉が始まったんだという説明を聞いたんですが、今1年経ってどう考
えていらっしゃるのか、特に当事者の家族の人たちは色んなことを考えますから、
もう一度お会いいただきたいということです。
3月で1年ですから、その時期にお会いいただけるような申し入れも、飯塚さ
んと相談してしたいと思っています。
(5につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■北朝鮮の内部状況と拉致問題の現状‐東京連続集会83全記録4
◆7月から制裁は倍返しで
惠谷 治(ジャーナリスト)
こんばんは。期限を切ることについて、私は個人的には、昨年官房長官が、敢
えて「1年以内」と言いましたので、それは今年の6月末となります。もちろん
それまで待てるわけはありませんし、現在2月ですから、「4月まで」とか期限
を切って、特別調査委員会立ち上げに対して解除した3つの制裁に加えて、さら
なる制裁をやるぞという態度を表明すべきと思います。
そういう態度を表明しない限り、向こうは動かない。もちろん被害者家族の方
は特にですが、向こうがどういう考えかについて西岡さんは昨年暮れ、国連への
対応のため出ないんじゃないかということでした。
今日のこの時点で何らの反応、回答がないということは、回答を引き出させる
努力が必要だと思います。それは紀元を切って、その期限が過ぎれば制裁を戻す
ことを言うべきと思います。
6月末までそれを言うことは、契約違反ですから、4月までに出して回答がな
ければ、7月から制裁は倍返しという表明が必要だと思います。
◆朝鮮総連中央本部転売には強い疑惑が
西岡 ストックホルム合意では、「随時報告する」となっていました。1回目の
報告がないのだから、倍返しは7月まで待つという議論もあると思いますが、解
除した3つの制裁の中で、特に総連の幹部たちの自由往来をもう一度止めるべき
だと思います。なぜなら、「随時報告する」と言って半年経っても1回目の報告
をしていないからです。
3月になれば、9か月経っても1回目の報告をしていないことになり、それは
彼らが言ったことに違反しているからこちらも元に戻さざるを得ないとして、3
つの内1つ、許宗萬たちは行かせないとか、4月の最高人民会議に行かせないと
いうのは1つのメッセージになるのではないかと私は思っています。
惠谷 全くその通りだと思います。いずれにしろ現状を打破するには、日本側か
ら何らかのアクションを起こして向こうを動かすことしかないと思います。
西岡 そこで、12月の選挙で増元さんが出られて残念なことになったんですが、
1つだけいいことがあります。自民党が公約した文書があります。拉致問題につ
いて自民党は、こう言っています。「拉致問題では第2次安倍政権発足以降、様
々な機会をとらえて圧力をかけた結果、「過去の調査にこだわることなく新しい
角度で再調査を行う」と北朝鮮に約束させ」たと。圧力の結果再調査を約束させ
た、と言っています。「日朝協議がスタートしました。これからが正念場であり、
被害者全員を取り戻すために、あらゆる手段を尽くします」。
これは古屋さんの口癖みたいですが、その次がいいんです。「拉致問題に進展
がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わず、制裁強化を含めた断固たる
対応をとり、被害者全員の早期帰国を実現します」。自民党は、制裁強化を含め
た断固たる対応をとると言っているんです。
これが国民の信を得たわけです。「拉致問題に進展がない限り、制裁強化を含
めた断固たる対応をとる」と言って勝ったわけです。それなのに、いつやるかと
いうことをなぜ示さないのか。
政府が言うとすぐ政策になりますが、その前に、超党派の国会の議連で言って
もらう。この前も古屋前大臣、自民党の拉致問題対策本部長に言ったんですが、
「これを言ってください」、「制裁強化を含めた断固たる対応をとると言って選
挙に勝ったのですから、この通りやっていただきたい」と。公約を守れというこ
とを強く迫るべきではないかと思っています。
ところが、「拉致問題に進展がない限り、さらなる制裁緩和や支援は一切行わ
ず、制裁強化を含めた断固たる対応をと」るという公約からして、少しおかしい
のではないかと思われることが今我々の目の前で展開されているんです。朝鮮総
連中央会館問題です。
競売が完了して、マルナカホールディングスという会社が土地と建物の所有権
を持った。ところがそのマルナカが山形県にある資本金300万円のグリーンフォー
レストという会社に転売した。今日登記が終わったようです。金額は44億円。
資本金300万円の会社が、44億円のお金をどこから調達したのかと思って
いたら、同じ朝鮮総連の施設である朝鮮出版会館、これは文京区にあるんですが、
これが1月23日に売却されている。売却金額は17億円と報道されている。
そして、グリーンフォーレストに所有権が移ったという登記をみると、朝鮮出
版会館を所有していた白山出版会館管理会が、朝鮮総連中央会館に抵当権をつけ
ていた。つまり売却で17億円を得た会社が、グリーンフォーレストに金を貸し
たということが謄本から分かる。
資本金300万円の会社が、44億円を出せた裏には、出版会館の代金が払わ
れていたのではないかという疑惑があったんですが、金額は出てきませんが、謄
本からも一定程度その流れが証明された。これは大変不明朗だし、自民党の公約
にも反することだと思います。
この朝鮮出版会館は、実はいわく因縁がある土地建物です。1993年3月の
雑誌「AERA」に、朝銀信用組合を使った北朝鮮への不法送金問題への記事が出て
います。その舞台が朝鮮出版会館です。その記事が出た後、朝日新聞に朝鮮総連
は激しく抗議しました。朝鮮出版会館には、つぶれた拓殖銀行が30億円融資し
ていて、住銀リースが15億円、計45億円の融資がされていたんですが、それ
でだいたい担保価値くらいになっているんですが、今17億円でしか売れないと
ころが45億円も借り入れており、その上朝銀大阪が30億円、朝銀東京が17
億3千万円、朝銀神奈川が10億円、計57億3千万円が融資されています。
お金を借りている側に「AERA」が取材したら、「返す意思はない」と言ってい
る。その内の一人が韓光熙です。朝鮮総連の職員で、「自分が北朝鮮に金を運ん
だ」と言って「文芸春秋」から本を出した人が借主だった。
計102億円の不良債権があって、出版会館は一度競売にかかっています。そ
して4億7880万円で入札された。誰が入札したのか。今所有しているのは有
限会社白山出版会館管理会ですが、結局、朝鮮青年同盟とかミサイル技術を提供
したことで有名な科学技術者協会、朝鮮新報社などがずっと使い続けているわけ
です。
朝銀という朝鮮総連がもっている信用組合が、出版会館を担保に、総連系の人
間に金を貸して返さなかった。公的資金が入って補てんされました。担保がつい
ているから競売された。102億の担保がついているのに、5億円で朝鮮総連が
落として使い続けています。
そして今回、5億円で落とした朝鮮総連が17億円でそれを売った。RCC(整
理回収機構)は今、朝鮮総連中央本部を競売しました。マルナカが22億円払い
ましたが、その他に池口恵観というお坊さんが10億円払っていますから、計3
2億円回収したんですが、RCCが回収しなければならない総額は627億円です。
だからまだ627億円のうち37億円しか回収していないんです。
ここで一番問題なのは、朝鮮出版会館の所有者は白山出版会館管理会で、兆銭
総連とは民法上法人格が別ですが、実態は一体です。そういう所に入札させてい
いのかという問題があります。今回の売却だけについていっても、17億円ある
んだったらRCCに差し押さえをされるべきなのに、それがされていない。
法人格は別だと言ってもその弁解は通らないんです。なぜなら朝鮮総連中央本
部も登記上の所有者は朝鮮総連中央本部管理会という有限会社です。RCCは一体
である、差し押さえを認めてほしいと裁判を起こして、最高裁で差押えをしてい
いことになったのです。
じゃあなぜ、RCCは白山出版会館管理会に対しても裁判を起こさなかったのか、
見逃していたのかという強い疑惑があります。
ストックホルム合意に至る日朝協議の中で、宋日昊大使は日本のマスコミを集
めて、朝鮮総連中央本部の問題が重大だと何回も言っています。それを言わなく
なりました。特に、マルナカホールディングスに所有権が移った後、言わなくな
りました。
こういうスキームで総連に賃貸するということが決まっていたのか。RCCが厳
しく対応しないということは、なんらかの政治判断が絡んでいるのか。安倍さん
がこれを知っていて、「それでもいい」と言っているのか。強い疑惑を私は持っ
ています。
◆朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを作ったのは誰か
しかし、安倍総理はRCCに対して、朝鮮総連を相手に裁判をして金を取り返し
なさいということを指示した人なんです。2006年、官房長官時代に、そのこ
とをやった時、安倍総理はある所で書いていますが、「左翼ではなくて、これは
という身内からも、なぜこんなことをするのかと言われた」と。
しかし、今総理です。山内俊夫という、増元さんが言及された元参議院議員は、
「朝鮮総連が中央本部に居座ることができるということは日朝協議にとってプラ
スだ」という発言をしています。
私は全く反対だと思っています。ブッシュ政権の末期に、ライスさんとヒルさ
んは、先に制裁を解除してしまった。そうしたら何が起きたか。制裁解除だけを
とって核実験をしたんです。口約束は守らなかったんです。
朝鮮総連が中央本部に居座れるようなスキームを先に作ってあげたら、彼らは
ほっと一息ついて、交渉が進展しなくなってしまうのではないかという恐れを持っ
ています。
ただ、まだ色々方法はあると思っています。ある法律の専門家に聞いたら、グ
リーン・フォーレストが朝鮮総連と賃貸契約を結ぶ場合、その賃貸契約はRCCが
持っている朝鮮総連に対する、債権を回収するのに障害になると言って、賃貸契
約を無効にする民事訴訟を起すことができる筈だ、と言っていました。
つまり、家賃を払うお金があるんだったら、こっちへ返しなさい。別の所に払
う契約を結ぶ状況じゃない。500億円まだあるんだ、と。
今安倍政権は、厳格な法執行という政策を、拉致問題解決の8項目の中の1項
目として掲げています。マルナカホールディングスがグリーン・フォーレストに
売ったということは民対民の問題ですから、政府が関与すべき問題じゃないとい
うことは分かりますが、厳格な法執行という政策の中で、RCCが出版会館の売却
をなぜ認めたのか、グリーン・フォーレストが総連と賃貸契約をして、総連が高
い家賃を払うことを認めるのか、家賃を払えるんだったらお金を返しなさいとな
ぜ言わないのか、という部分は追及すべきことではないかと思っています。
先ほどの自民党の政策では、「拉致問題が進展しない限りこれ以上支援はしな
いし、これ以上制裁緩和しない」とありますが、これは制裁緩和になるのではな
いかと思っています。
まだまだ負けたつもりはありませんし、このことは93年からずっと問題にし
てきているので、こんないわく因縁付きの出版会館が、もともと競売にかかった
ものなのに、もう一回売ってそのお金が朝鮮総連中央本部の売却に使われる。同
じ土地を何回も使いまわすようないい加減なことを許していいのかと強く思いま
す(拍手)。
◆ストックホルム合意、厳格な法執行破りに対し制裁かけ直しを
惠谷 個人的には、拉致被害者を取り戻す、めぐみちゃんを何としてでも取り戻
すことができるのであれば、総連に居座らせてやってもいいと思います。競売の
登記が今日完了したようですが、ひょっとすれば、明日か明後日に回答が出るか
もしれない。そういうことはありえないでしょうが、戦術として、向こうが一番
ほしがっているものが中央本部居座りですから。
個人的にはそう思っていましたが、もちろん当てにしているわけではありませ
ん。出版会館の方については私も知らなくて、同じ土地を二度も三度もころがし
てという実態にあきれるばかりです。
西岡 ですから、今拉致の運動としては、北朝鮮が今ストックホルム合意を破っ
ているのに、合意で解除した制裁をまたかける議論さえしないのか。厳格な法執
行という行動を取るというのに、これではブッシュ政権末期のように、制裁を先
に解除して、結局成果がなくなると、当時安倍さんが批判していた失敗を繰り返
すことにならないのか。
今こそ期限を切って、制裁をかけなおし、さらなる制裁の準備をする時である
という声を強く上げたいと思いますし、先ほど飯塚代表もおっしゃったように、
安倍総理にぜひ直接お会いしたいと思います。
去年3月28日、交渉が始まる直前に2時間会っていただいて、圧力をかけた
からこそ交渉が始まったんだという説明を聞いたんですが、今1年経ってどう考
えていらっしゃるのか、特に当事者の家族の人たちは色んなことを考えますから、
もう一度お会いいただきたいということです。
3月で1年ですから、その時期にお会いいただけるような申し入れも、飯塚さ
んと相談してしたいと思っています。
(5につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
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■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
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