救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

最近の北朝鮮情勢と拉致問題? 東京連続集会報告1(2015/04/06)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.04.06)

 北朝鮮が、「夏の終わりから秋の初めには」と言った拉致に関する報告は時間
稼ぎに使われただけでした。以下は、西岡会長が最新情勢を解説、島田洋一副会
長が訪米報告を行った記録です。在京家族も最近の思いを報告しました。

■最近の北朝鮮情勢と拉致問題

◆紙はいらない、人を出せ

飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)

 みなさん今晩は。ご承知の通り、昨年来日朝政府間協議が3回実施されました
が、全く結果が出ない状況です。我々は当初、長年待っていましたので、ようや
く何かが動きそうだという感じを持っていました。またそれなりの期待もしてい
ました。しかしながらそれが無に終わったという感じです。

 また、協議自体が、北朝鮮から考えれば日本を焦らせて有利な方向に持ってい
こうと、そういう魂胆が見え隠れしていました。日本政府は、「早く回答せよ」
という話はしているようですが、それが全くない。次にいつやるのかという話も
全くないですね。

 ※この日の夜、北朝鮮は、人権理事会の決議や朝鮮総連議長宅の家宅捜索を理
由に、「日朝政府間協議もできなくなっている」と通知してきた。

 私たちとしては、北朝鮮の調査報告というのは全くの茶番で、被害者たちはす
べて管理されていて分かっていると思っています。すぐに名簿を出せるはずです
が、北朝鮮のしたたかな思惑があると感じています。

 調査するという項目が4項目ありますが、拉致が一番最後になってしまうので
はないかという懸念もあります。私たちは拉致が中心ですから、この点について
は一歩も譲れないと意気込んでいます。

 名簿が出て、「この人は既に亡くなっている」と言ってくることも感じられま
す。今現在も、「日本人はいない」「みんな死んでる」というのが変わっていま
せんので、これをどうひっくり返していくかが難しい問題です。

 従って、私たちは、「早く名簿を出せ」ということだけにこだわらず、むしろ
向こうは分かっているわけですから、「即刻被害者を返せ!」という大きな最終
目的を北朝鮮に強く迫ることが必要ではないかと思います。

 そうでないと、名簿が出て、その細かい内容を検証するという作業も当然出て
きます。名簿の中に生存者がいれば即刻返せばいい話ですが、これについてまた
長い協議がなされて結果がなかなか出ないということも心配しています。

 従って、当初期待していた北朝鮮の調査報告については、「もう報告はいらな
い。それよりも生きている日本人被害者をすぐに返せ!」というふうに持ってい
かないと、調査ばかりが独り歩きして、ずるずると協議ばかりが続いてしまう恐
れがあります。

 だから、この方法はもう変えた方がいいという方がどんどん増えています。私
も最近、そう考えるようになりました。わが日本政府も、このことを心に秘めて、
最終目的である帰国を要求していかなければならないのではないかと思います。

 日朝交渉は、拉致問題に関しては、外交交渉ではありません。外交交渉はお互
いに仲良くする方法はないかということで進めているようですが、拉致は北朝鮮
による国家犯罪ですから、北朝鮮は犯罪国、日本は被害国という立場をはっきり
させて、無条件で帰国を要求するくらい強く出ないと、また振り回される恐れが
あるのではないかと思います。

 「今年こそは」という言葉は止めたんですが、「最終決戦のとき」、後がない
ということからすれば、どうやったら直接帰国させられるか、奪還できるか、こ
こに論議を集中させて具体的な対応をしていかないと間に合わないんです。

 「1年くらいかかるだろう」という話もありますが、待っているだけですぐ1
年経ってしまいます。ことしももう3月も終わりました。目先を変えていかない
と、被害者が早く帰国できないという懸念を持っています。

◆交渉は専門部署で

 今外務省主導で進めていますが、先ほど言いましたように単なる外交交渉では
ないわけですから、真っ向から北朝鮮とやりあって交渉できる人、あるいは部署
をはっきり決めて、その人たちが24時間拉致の仕事をする。どういう状況下に
あろうとも、この拉致問題だけを最優先して取り組めるような精鋭を集めた組織
も必要ではないかと思います。

 安倍総理もそうですが、日本では非常にたくさんの問題が山積していて忙しく、
拉致は忘れられているのではないかという雰囲気です。従ってそういうことを強
く要請して具体的な動きが出るようにお願いしていきたいと思います。

 明日、安倍総理と家族会が面会しますが、そうことを強く言いたいと思います。
総理は色々考えておられるとは思いますが、とにかく、いつまでに何をするとい
うように、期限を切らないと、いつまで経ってもだらだらとして1年がすぐ経っ
てしまうことが今まで再三ありましたので、はっきりとした対応が見えるように
お願いしたいと思っています。

 単に「やってます」というコメントでは許せない。もはや安倍総理であっても
こういう状態です。我々は前から信頼し、頼りにしてきたわけですが、それでも
先に進まないとなれば相当な覚悟がいるわけです。

 国民の安全と暮らしは政府の当然の仕事ですから、この事態を早く打開してい
かないといけないと思っています。苛立ちや焦りの気持ちもありますが、確実に
被害者を取り返す、帰国させることを、念頭に強く置かなければならないと思い
ます。

 国連での活動なども計画されていますが、国際社会からの応援は重要ですが、
そういう要請をしている日本国は何をやっているんだ、どうしようとしているん
だということが、国際社会には多分分からないと思うんです。

◆もう少しという気持ちで是非応援を

 我々はいつも、オールジャパンで戦いを進めるという話をしています。それぞ
れの個人、組織に役割もあります。全国のボランティアの方々、支援してくださ
る国民の皆様を含めて、解決に向けて盛り上げていきたいという気持ちがありま
す。

 最低でも、国民世論が下がらないようにしなければいけません。そして、今が
一番大事なときであるからこそ、国民の皆様に怒りの声を大きく上げていただい
て、政府への後押し、北朝鮮に向けては「日本人はあきらめていないんだ。怒っ
ているんだ」というメッセージを引き続き発信していかなければと思います。

 我々、待っている家族も被害者も、肉体的にも精神的にも限界に来ています。
何回も言ってきましたが、一日でも一刻でも早く被害者が帰国するという結果を
求めていきたいと思います。私たちも頑張らなければなりませんが、引き続き皆
様のご支援を続けていただき、もう少しという気持ちで是非応援していただきた
いなと思っております。

 宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。

◆どうすればいいかよく分からなくなった

横田 滋(横田めぐみさん父、家族会前代表)

 先月初め家族会の総会があり、その後救う会との合同会議を行いました。やは
り北朝鮮から被害者を先に返せということです。しかし、実際問題としては、最
近の新聞でも、拉致被害者以外のものを先に出すと(北朝鮮が)言ってきている
ようです。

 これをどうとらえればいいのか我々もよく分からないんです。それで石高さん
(元朝日放送記者)と話すと、拉致だけとするのも必要だが、向こうが拉致以外
のものを出すというのであればそれを出させて、そちらの方から情報が入るので
はないかという意見もあります。どれが正しいのか私もよく分かりません。

 拉致だけというのが効果があるのかとなると、それは断言はできなく困ってい
ます。これから皆さんの意見を聞いてみたいと思いますが、よく分からないとい
うのが本音です。

◆今解決しないとまた繰り返す

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 皆様こんばんは。長い間ご支援いただいてありがとうございます。色々なこと
があって、どうなっていくのかなあ、本当に今度はどうにかなるのかなあといつ
も希望を持ちながら落っこちてしまうようなことの繰り返しが拉致問題です。

 今日のちらし(国民大集会ご案内)の裏にも書いてくださっていますが、私た
ち家族にとっては、子どもたちの生命がどんな危険にさらされているんだろうか
と非常に胸が痛い思いです。どうなるんだろうという思いで、祈るしかないよう
な毎日です。

 大事件と言ってもいいことですが、40年近くも解決ができない。5人の被害
者と家族が帰ってこられて本当によかったと思っていますが、一緒に活動してい
た方が帰ってこられるということは、本当にこんなことがあったんだということ、
信じられないようなことが起きていたということです。

 めぐみたちと一緒に過ごしたことを蓮池さんたちから聞きましたが、そんなこ
と考えたこともなかったんです。私たちは、強制収容所に入れられているのかな
あとか、色々なことを想像していたものですから、「まずます普通に食べながら
一緒のところで暮らしていたんです」という話を聞いた時は本当にびっくりして、
帰って来た人とこんなに近くで暮らしていたんだなあと、曽我さんを見てもそう
思います。いろいろ聞いて思いめぐらすことができたのはよかったと思います。

 しかし、それだけ余計に、帰っていない、帰ってこられないことが本当にかわ
いそうで、どうしたら取り返してあげられるんだろうと考えます。私たちはそう
いうことを経験した家族ですから、家族としてできることは、講演会で、「こん
なことが起きていますよ」、「私たちのこどもがこんな目にあっていますよ」と
いうことをたくさんの方にお知らせするしかないんです。何にもできないんです。

 だけど、色々な方々にたくさんのことを教えていただきながら、国際問題とし
て大変な問題なんだということを考えられるようになって、これはどこの国であっ
てもいけないことだし、特に日本から多く消え去っています。

 何の罪もない人たちが連れ去られている。これは日本の国家として絶対に解決
しておかないと、後後のこの国の問題ともなっていき、また何十年も先に、同じ
ようなことが前にもあったじゃないかということになります。その繰り返しにな
るに違いないと思いますので、命がある間に全部返していただきたいし、そうす
れば向こうがこちらを向いてくれるのか、辛い思いをしながらもこういうことだ
ということを、人としての言葉で話し合える方が行ってくださって、心を溶かし
て、返さなければいけないというようにならないのだろうかと思っています。

 それはどの省の方がいいのか、どの議員さんがふさわしいのかは私たちには分
かりませんが、もうこの辺で、それくらいの深い思いを向うに伝えて、きちっと
解決していただきたいと思います。皆様方も、政府のなさり方とか、日朝交渉の
あり方とか、あれはどういうことを聞いてきたんだろうかというところまで真剣
に見つめていただきたいと思います。宜しくお願いいたします(拍手)。

◆覚悟ができない日本という国が、この現状を招いている

増元照明(増元るみ子さん弟)

 こんばんは。明日、総理と会って何を言えばいいのか全然分かりません。あき
らめ始めています。安倍総理への私たちの信頼は非常に大きなものがあります。
安倍政権でなければ、それ以外の政権は思い浮かばないんです。真剣に拉致被害
者を取り戻せる政権が。

 この政権で始まった昨年の交渉の体たらくを見ると、やっぱり安倍さんでもだ
めだったのか、もう私の生きている限りは姉には会えないかな、と。昨年拉致被
害者の1親等、2親等の親族が次々に倒れていかれました。

 家の母が88歳で今入院していますが、次は家の母だろうと。13年前に姉の
平野フミ子が父の葬儀の時に、「母にだけは会わせて送りたい」と言った言葉が
全く実現できない。それだけでなく、私が生きている間にもできないのではない
かと思ってしまうような状況です。

 ただ私は最後まであきらめることはできないし、これだけはやっていかなけれ
ばならないと思っていることがあります。それは姉が24歳までこの国で生きて
いたこと、そして北朝鮮で戦って生きていたことを日本の皆さんに、私が死ぬま
で伝えていかなければならないということです。それが私の責務だろうと思って
います。

 残念ながらこういう状況で、救出運動という点では心が萎えてしまいましたが、
姉の貴重な年月は日本の皆さんにもしっかりと受け止めてもらわなければならな
い。戦っているのは拉致被害者です。

 今日本では、集団的自衛権さえ認めない人が大勢いらっしゃる。戦っている人
たちを見捨てて、自分たちは安全な地で、あなたたちだけ戦ってくださいと言っ
ている方たちが大勢いらっしゃる。これが今の現実なんだろうと思いながら、残
念でなりません。

 覚悟ができない日本という国が、この現状を招いているということだと私は感
じています。萎え始めている心を、もう一度奮い立たせなければならないんです
が、明日総理がどのような言葉をおっしゃるのかにもよりますが、私は残念なが
らこの国をあきらめなければならないという思いを伝えることになるかもしれま
せん。以上です。

◆解決できないなら拉致の責任者処罰を

本間 勝(田口八重子さん兄)

 みなさんこんばんは。ご参加ありがとうございます。

 私の最近の気持ちは、今桜が満開ですが、去年は「桜が咲く今頃は帰ってこら
れるのかな」とすごく期待しましたし、動いてくれると思っていました。ところ
が、桜咲く季節になってもあなたは帰らない、というような状況です。

 最近、朝鮮総連の許宗萬(議長)の家宅捜索で、警察がついに動き出した。そ
れが拉致問題の進展にどのように影響していくのかを、後で西岡先生に解説して
もらいたいと思います。日朝交渉の時、李恩恵という名前を出すたびに、北朝鮮
は席を立って逃げて行った。

 金丸訪朝の時(1990年)、色々な事情があったんでしょうが、その時点で
は日本の警察は朝鮮総連の家宅捜索を進めようとしていました。それをやってい
れば拉致問題もこんなに長引かなかった、命のある人はどんどん帰ってこられた
と思いますので、(金丸氏が家宅捜索にストップをかけたのは)非常に残念に思っ
ています。

 横田さんのお父さんがおっしゃいましたが、政府は拉致問題を最優先として取
り組み、日朝交渉の中で遺骨や日本人妻の報告を先行して出すと打診してきたそ
うですが、拉致問題は日本の最重要課題です。それを再認識してもらわないとい
けないと思っています。

 政府認定の被害者の問題だけでもこんなに大変な思いをしているのに、拉致問
題は特定失踪者にも深く関わる問題ですから、根が深いんです。だから拉致問題
を先行してやっていただきたい。遺骨や日本人妻の問題は歴史的に分かり切って
いることの調査です。拉致被害者は不明な問題を掘り起こして取り返すという非
常な難題です。北朝鮮しか分からない。

 日本はある程度情報を把握して、向こうがどのような情報を出してくるかによっ
て検証するということですが、分からない点がありますので、最優先でやってい
ただきたいと思います。

 八重子は李恩恵という名前で北朝鮮とやり取りをしたんですが、北朝鮮は、
「李恩恵はいない。コ・ヘオクならいる」ということになっています。要するに
北朝鮮は色々な名前を被害者に与えて、活動させているわけですから、名前は誰
であろうと、実在する八重子が帰ってくればいいわけです。

 政府は北朝鮮に対して、「日本人を返すのか返さないのか」とまず言っていた
だきたい。それがはっきりしないと、こんな調査で時間ばかりかせがれているわ
けですから。即刻帰れるようにしてほしい。

 安倍さんと金正恩との話でないと、下のレベルでは解決できませんから、首脳
会談を設定できるように外務省は頑張ってもらいたい。そして首脳同士の話で決
着しないと、今のままでは拉致問題は絶対に解決しないと思います。

 日本の大きな問題として、世界にもつながる問題として、国連も関係者が動い
てくれています。北朝鮮を追いつめているんですが、犯罪として刑事罰を与えて
処刑するまでの道のりはまだ遠いと思います。だから、解決できないなら責任者
を処罰してほしい。実際に金正日は拉致を認めたんですから。ありがとうござい
ます(拍手)。

(2につづく)


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