国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告4(2015/12/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2015.12.16-2)
■12/11(金)国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告4
西岡 現時点までにご参加いただいた国会議員の先生で出席が11名、代理出席
が14名おられます。順不同でご紹介します。
衆議院議員 桜田義孝 先生(拍手、以下略)
参議院議員 滝波宏文 先生
衆議院議員 田畑裕明 先生
参議院議員 山谷えり子 先生
衆議院議員 上田 勇 先生
衆議院議員 青柳陽一郎 先生
衆議院議員 今津 寛 先生
参議院議員 塚田一郎 先生
衆議院議員 長尾 敬 先生
衆議院議員 北村誠吾 先生
衆議院議員 大内英男 先生
西岡 10分間休憩を取ります。
■第2部 新たな圧力手段としての朝鮮総連問題
島田洋一・救う会副会長
それでは第2部を開始します。今日の講師の方々は、いずれもここだけでしか
聞けない、大変貴重な、内容のあるお話になると思います。
それでは一番手として、高忠義(コ・チュンウィ)さん。朝鮮総連の元活動家
ですが、最近、朝鮮総連に対して提言書を発表されました。その中で拉致問題に
ついても、「しっかり責任を認めて日本人拉致被害者の全員解放と帰国、日本人
配偶者の自由往来の実現等、明確な要求を出しておられます。先日、「産経新聞」
でも、高さんの話が紹介されました。それではお願いします(拍手)。
■朝鮮総連への提言
高忠義(元朝鮮総連活動家)
昨日まで普通に暮らしてきた私ですが、急にこのような場で挨拶をしろと言わ
れまして、本当に戸惑ったのですが、公開させていただくことにしました。
この度、朝鮮総連に対する提言書を出しました。どうしてこのようなものを出
したのか。最初にお断りしておきますが、私は今年で70歳です。活動家として
働いていたのは30歳前後のことですから、亡霊が出てきたように思われるかも
しれません。
◆もうどうにも黙っていることができなくて
しかし、貴重な青春の時期に、全力を傾けて活動しました。既に頭に去来する
矛盾の数々をいつか決着をつけないと、どうにも心が収まらない。そんな気持ち
でいました。私もつくづく、執着心の強い、しつこい人間だと思います。それと、
納得のいかないことに対して、黙っていることは罪ではないかとも考えます。
拉致問題について、社会主義国家がそんなことをするはずがないとか言って、
してきたことへの反省もなしに、また北朝鮮の悲惨な映像についてそれは作り物
だと、都合の悪いことを未だに隠そうとしている総連の体質に、もうどうにも黙っ
ていることができません。
そして、10月18日、新宿のホテルで行われた在日本朝鮮商工会の設立70
周年祈念パーティの時に、総連中央の幹部も出席すると言われたその場で、この
提言書を配布したのです。
110部用意しましたが、500人以上の参加者がいて驚きました。それでも
前の席から数十枚配ったのですが、途中で主催者から、「許可なしに何をやって
いるんだ」と阻止されてしまいました。
その後、この参加者の中のどなたかが、私の知らないところで、この文書を色
々なところに広めてくださったのです。それがマスコミの関心を呼び、この提言
書の本気度を示すために、本名と電話番号を書いていたため、このところ連日の
ように、新聞社、週刊誌、テレビの取材を受けることとなっているところです。
配布資料では、元活動家となっていますが、最初は商工会会員でした。それは
このことで、地元の総連支部委員長から抗議を受けて、商工会から追い出され、
「今後会員の場では発表するな」と言われました。それは支部長が上部から、
「お前のところの支部は何をしているんだ」と言われたからだと思います。
でもこれを書いた時は会員でしたので、会員としてもいいのですが、今日のと
ころは、「元活動家」としています。
◆総連組織の内部から初めて抗議の声が出た
総連組織の内部から初めて抗議の声が出たということで、マスコミが関心を持
たれ、色々な方の取材を受けることになりました。結果、数社の新聞に掲載され
ました。ただ、こんなことくらいでテレビに顔を出すのははばかられ、テレビの
撮影はお断りしました。
しかし、韓国の「東亜日報」は、簡単なビデオ撮影をし、それがすぐ韓国のテ
レビで放映されて、少なくない反響があったと聞いています。
さて、私の家族や多くの甥や姪が総連関係の仕事をしています。ほとんどの者
はこの提言書に賛成し、励ましてくれていますが、一番近い親族から、「お前は
総連をつぶすのか」とか、「寝ている子を起こすようなことはしないでくれ」、
「頼むからやめてくれ」と、今朝もそう言われて出てきました。私としても辛い
ものがあります。
総連支部長からも言われましたが、私は総連をつぶそうとしてこんなことをし
ているのではありません。在日同胞の本当の組織に戻ってほしいのです。
私たちは36年間の植民地時代を経て、戦後この日本で、貧しく、しいたげら
れ、差別されて暮らしてきました。しかし、どこかで同胞の誰かが理不尽な差別
を受けていると聞けば、みんなが駆けつけ、抗議し、その同胞を守ってきたので
す。そうしてみんなの力を合せてこの異国での生活を守ってきたのです。
そのため、日本の心ある多くの方々にも助けていただきました。そこへ祖国に
新しい国ができ、そこに未来を見出し、夢を持って結成したのが朝鮮総連です。
日本の教育しか受けていない私が、曲がりなりにも朝鮮語がしゃべれるようになっ
たのも総連のお蔭です。総連で学んだこともたくさんありました。
◆総連は北朝鮮を向いて仕事をしている
この提言書では、総連幹部に返答を要求していますが、今の所何の反応もあり
ません。私は総連中央の幹部に第一に聞きたいのです。長崎、広島では多くの同
胞も犠牲になりました。だからこそ、結成した時の組織綱領に核兵器反対の項目
があったはずです。
それが本国の指示によってか、はずされたことを見ても、総連がどこを向いて
仕事をしているのか、ということです。
ここにはマスコミの皆さんもおられますが、お願いしたいことがあります。ど
うか朝鮮学校の先生たちに、伝えてもらいたいんです。最近では聞かなくなりま
したが、女子高生たちがチマ・チョゴリを着て通学できなかったことに対して、
この子らを危険な目にあわせる不埒な日本人に対して抗議をするのは当然ですが、
同時に、子どもたちを守るためにも、北朝鮮政府と総連中央に対して、拉致被害
者の解放と核・ミサイル開発中止の抗議の声を上げてほしいのです。
先生たちだけではありません。ものごとの分別のつく高校生、大学生諸君も、
自分の政府に対して、大きな声を上げてほしいのです。
◆意思がなければ、自由がなければ、本当の力は出ない
私はこの提言書を書いた後、何度も読み返しました。本当にここまで書いてい
いものか。感情に流されて書いたのではないか。少なくとも、建国の父と言われ
る金日成氏に対して、戦後日本で、在日同胞の希望の星として慕われ、民族教育
に援助金を送ってくれた人に対して、ここまで言ってもいいのだろうか、と。
しかし、客観的に見た場合、この提言書の中身に絶対の自信を持っています。
それはすべて事実だからです。ここで書けなかった、「金日成著作選集」のこと
で一つ補足しておきます。「自主性の原則」という言葉がありました。
赤ちゃんに父を呑む意思がなければ、どんなにいいおっぱいを持っていっても
飲ませることはできません。そのように、人々は他人からやらされるのではなく、
自分からやる気を持って仕事をしなければ、本当の力は出ません、とありました。
その通りです。
さすが金日成首領様はいいことをおっしゃると、ここで考えることをやめてし
まうのが問題です。金日成はそう言いながら、人々の能力を存分に発揮できない
社会を作ってしまったのです。
職業選択の自由がなく、住まいの移動の自由もなく、その他もろもろの統制や
監視の中で、どうして能力が発揮できるでしょうか。このような社会でベンチャー
企業を起すことができますか。
そして彼らの言う革命のため、自国の利益になるためだったら、何をしても許
されたのです。拉致問題が表面化しだした頃、私は、「この国ならやりかねない」
と思っていました。
金日成はいいことも色々したかもしれませんが、基本的には自分の保身だけの
人間だったのです。息子、孫も同じことをしています。
◆同胞組織である総連は同胞の意見を聞こうとしない
商工会70周年祈念パーティには、どういうわけか地方組織の委員長が挨拶を
しただけで、主要幹部は誰も来ていませんでした。そこで、そこから帰った後、
郵便で総連中央本部議長宛にこの提言書を送りました。
それがこれです。封が切られていません。「受信拒否」と書かれています。私
の名前を見ただけで、送り返してきたのです。パーティで配ったものを彼らが読
んだのは間違いありません。総連の教育機関で働いている私の家族が、そのこと
で中央本部に呼び出されたのですから。
一同胞の真摯な意見を聞こうともしない。その文書を受け取ろうともしない。
これが同胞の組織だと言えますか。「提言書」の最後には、「これ以上、罪を重
ねないでください」とまで書いてしまいました。それに対して、何の返答もしな
いというのは、彼らがその罪を認めたことにほかならないと私は思います。
皆さんはもちろんお分かりのように、組織の中で、そのトップに対して抗議を
するというのは非常に勇気のいるものです。そのことによって、それまでの生活
基盤を失うこともあり得るからです。
私がもし、北朝鮮でこの文書を配布したとしたら、即収容所送りか銃殺刑でしょ
う。ここまで書くと、私は自分がとんでもないことをしているのではないかと、
ちょっと考えてしまいました。
◆日本だから抗議できる
でも、ここは日本です。抗議の声を上げることは、やろうと思えばできるんで
す。同胞のほとんどが私と同じ考えだと思っています。この文書を非難しようと
する人は誰も、配布のやり方について非難するだけで、この内容については非難
しません。できません。
私は意見の違う者と話し合う時、いつも自分が相手の立場だったらどうだろう
かと考えるようにしています。自分の都合だけとか、自分にいいように言ってい
ないだろうかと自分を戒めたいからです。
しかし、犯罪者相手にこの考えは当然通じません。拉致犯罪を犯し、今もなお
被害者を解放しないで罪を犯し続けている北朝鮮政府に対しては、追いつめるし
かないと思います。
私はよく、過激なことを言う人間だと言われます。この提言書も、見るものが
見れば相当過激なものです。過激ついでに言わせてもらいます。拉致被害者のご
家族の心情を思いますと、日本が憲法を変え、自衛隊を軍隊にする。拉致被害者
を取り戻すために軍事侵攻してもいいのではないかとまで思ってしまいます。そ
うしても、自国民を取り戻す行動は許されることだと思います。
でも私は、このことには被害者家族の方には申し訳ないですが、絶対に反対し
ます。そんなことをしたら、これまでの70年間、日本人が築いてきた平和が根
本から崩されてしまいます。
そこで私の提案ですが、北朝鮮は世界百二十数か国と国交を結んでいます。そ
のすべてに、日本の大使館、領事館があると思います。そのルートを通して、北
朝鮮と国交を結んでいる世界の国に、「あなたの国は犯罪を犯している。拉致被
害者を解放しなさい」という日本政府の要望を伝えさせてはいかがでしょうか。
毛沢東の息子は、朝鮮戦争に義勇軍として参加し、戦死した。あの中国でさえ、
最近は北朝鮮のやり方にあきれ返って、距離をおいている状態です。もちろんこ
れまでも日本政府は頑張っておられると思いますが、それを強力に進めてはどう
でしょうか。大して何も知らない私が、口幅ったいことを申しますが、素朴な提
案です。
最後に、私は皆さんに対して、何のお手伝いもしたことがありません。一介の
電気通信技術者です。自分のうっぷんを晴らすためだけに、この提言書を配布し
ただけのことです。それがこのような場にお誘いいただくことになりました。
そんな私が、皆さんの前でお話するようなことは、最初は悩みましたが、少し
でも皆様の運動のお手伝いができればと思って、ここに参加させていただきまし
た。皆さん、頑張りましょう(拍手)。
(5につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■12/11(金)国際セミナー「日朝拉致協議をどう打開するか」報告4
西岡 現時点までにご参加いただいた国会議員の先生で出席が11名、代理出席
が14名おられます。順不同でご紹介します。
衆議院議員 桜田義孝 先生(拍手、以下略)
参議院議員 滝波宏文 先生
衆議院議員 田畑裕明 先生
参議院議員 山谷えり子 先生
衆議院議員 上田 勇 先生
衆議院議員 青柳陽一郎 先生
衆議院議員 今津 寛 先生
参議院議員 塚田一郎 先生
衆議院議員 長尾 敬 先生
衆議院議員 北村誠吾 先生
衆議院議員 大内英男 先生
西岡 10分間休憩を取ります。
■第2部 新たな圧力手段としての朝鮮総連問題
島田洋一・救う会副会長
それでは第2部を開始します。今日の講師の方々は、いずれもここだけでしか
聞けない、大変貴重な、内容のあるお話になると思います。
それでは一番手として、高忠義(コ・チュンウィ)さん。朝鮮総連の元活動家
ですが、最近、朝鮮総連に対して提言書を発表されました。その中で拉致問題に
ついても、「しっかり責任を認めて日本人拉致被害者の全員解放と帰国、日本人
配偶者の自由往来の実現等、明確な要求を出しておられます。先日、「産経新聞」
でも、高さんの話が紹介されました。それではお願いします(拍手)。
■朝鮮総連への提言
高忠義(元朝鮮総連活動家)
昨日まで普通に暮らしてきた私ですが、急にこのような場で挨拶をしろと言わ
れまして、本当に戸惑ったのですが、公開させていただくことにしました。
この度、朝鮮総連に対する提言書を出しました。どうしてこのようなものを出
したのか。最初にお断りしておきますが、私は今年で70歳です。活動家として
働いていたのは30歳前後のことですから、亡霊が出てきたように思われるかも
しれません。
◆もうどうにも黙っていることができなくて
しかし、貴重な青春の時期に、全力を傾けて活動しました。既に頭に去来する
矛盾の数々をいつか決着をつけないと、どうにも心が収まらない。そんな気持ち
でいました。私もつくづく、執着心の強い、しつこい人間だと思います。それと、
納得のいかないことに対して、黙っていることは罪ではないかとも考えます。
拉致問題について、社会主義国家がそんなことをするはずがないとか言って、
してきたことへの反省もなしに、また北朝鮮の悲惨な映像についてそれは作り物
だと、都合の悪いことを未だに隠そうとしている総連の体質に、もうどうにも黙っ
ていることができません。
そして、10月18日、新宿のホテルで行われた在日本朝鮮商工会の設立70
周年祈念パーティの時に、総連中央の幹部も出席すると言われたその場で、この
提言書を配布したのです。
110部用意しましたが、500人以上の参加者がいて驚きました。それでも
前の席から数十枚配ったのですが、途中で主催者から、「許可なしに何をやって
いるんだ」と阻止されてしまいました。
その後、この参加者の中のどなたかが、私の知らないところで、この文書を色
々なところに広めてくださったのです。それがマスコミの関心を呼び、この提言
書の本気度を示すために、本名と電話番号を書いていたため、このところ連日の
ように、新聞社、週刊誌、テレビの取材を受けることとなっているところです。
配布資料では、元活動家となっていますが、最初は商工会会員でした。それは
このことで、地元の総連支部委員長から抗議を受けて、商工会から追い出され、
「今後会員の場では発表するな」と言われました。それは支部長が上部から、
「お前のところの支部は何をしているんだ」と言われたからだと思います。
でもこれを書いた時は会員でしたので、会員としてもいいのですが、今日のと
ころは、「元活動家」としています。
◆総連組織の内部から初めて抗議の声が出た
総連組織の内部から初めて抗議の声が出たということで、マスコミが関心を持
たれ、色々な方の取材を受けることになりました。結果、数社の新聞に掲載され
ました。ただ、こんなことくらいでテレビに顔を出すのははばかられ、テレビの
撮影はお断りしました。
しかし、韓国の「東亜日報」は、簡単なビデオ撮影をし、それがすぐ韓国のテ
レビで放映されて、少なくない反響があったと聞いています。
さて、私の家族や多くの甥や姪が総連関係の仕事をしています。ほとんどの者
はこの提言書に賛成し、励ましてくれていますが、一番近い親族から、「お前は
総連をつぶすのか」とか、「寝ている子を起こすようなことはしないでくれ」、
「頼むからやめてくれ」と、今朝もそう言われて出てきました。私としても辛い
ものがあります。
総連支部長からも言われましたが、私は総連をつぶそうとしてこんなことをし
ているのではありません。在日同胞の本当の組織に戻ってほしいのです。
私たちは36年間の植民地時代を経て、戦後この日本で、貧しく、しいたげら
れ、差別されて暮らしてきました。しかし、どこかで同胞の誰かが理不尽な差別
を受けていると聞けば、みんなが駆けつけ、抗議し、その同胞を守ってきたので
す。そうしてみんなの力を合せてこの異国での生活を守ってきたのです。
そのため、日本の心ある多くの方々にも助けていただきました。そこへ祖国に
新しい国ができ、そこに未来を見出し、夢を持って結成したのが朝鮮総連です。
日本の教育しか受けていない私が、曲がりなりにも朝鮮語がしゃべれるようになっ
たのも総連のお蔭です。総連で学んだこともたくさんありました。
◆総連は北朝鮮を向いて仕事をしている
この提言書では、総連幹部に返答を要求していますが、今の所何の反応もあり
ません。私は総連中央の幹部に第一に聞きたいのです。長崎、広島では多くの同
胞も犠牲になりました。だからこそ、結成した時の組織綱領に核兵器反対の項目
があったはずです。
それが本国の指示によってか、はずされたことを見ても、総連がどこを向いて
仕事をしているのか、ということです。
ここにはマスコミの皆さんもおられますが、お願いしたいことがあります。ど
うか朝鮮学校の先生たちに、伝えてもらいたいんです。最近では聞かなくなりま
したが、女子高生たちがチマ・チョゴリを着て通学できなかったことに対して、
この子らを危険な目にあわせる不埒な日本人に対して抗議をするのは当然ですが、
同時に、子どもたちを守るためにも、北朝鮮政府と総連中央に対して、拉致被害
者の解放と核・ミサイル開発中止の抗議の声を上げてほしいのです。
先生たちだけではありません。ものごとの分別のつく高校生、大学生諸君も、
自分の政府に対して、大きな声を上げてほしいのです。
◆意思がなければ、自由がなければ、本当の力は出ない
私はこの提言書を書いた後、何度も読み返しました。本当にここまで書いてい
いものか。感情に流されて書いたのではないか。少なくとも、建国の父と言われ
る金日成氏に対して、戦後日本で、在日同胞の希望の星として慕われ、民族教育
に援助金を送ってくれた人に対して、ここまで言ってもいいのだろうか、と。
しかし、客観的に見た場合、この提言書の中身に絶対の自信を持っています。
それはすべて事実だからです。ここで書けなかった、「金日成著作選集」のこと
で一つ補足しておきます。「自主性の原則」という言葉がありました。
赤ちゃんに父を呑む意思がなければ、どんなにいいおっぱいを持っていっても
飲ませることはできません。そのように、人々は他人からやらされるのではなく、
自分からやる気を持って仕事をしなければ、本当の力は出ません、とありました。
その通りです。
さすが金日成首領様はいいことをおっしゃると、ここで考えることをやめてし
まうのが問題です。金日成はそう言いながら、人々の能力を存分に発揮できない
社会を作ってしまったのです。
職業選択の自由がなく、住まいの移動の自由もなく、その他もろもろの統制や
監視の中で、どうして能力が発揮できるでしょうか。このような社会でベンチャー
企業を起すことができますか。
そして彼らの言う革命のため、自国の利益になるためだったら、何をしても許
されたのです。拉致問題が表面化しだした頃、私は、「この国ならやりかねない」
と思っていました。
金日成はいいことも色々したかもしれませんが、基本的には自分の保身だけの
人間だったのです。息子、孫も同じことをしています。
◆同胞組織である総連は同胞の意見を聞こうとしない
商工会70周年祈念パーティには、どういうわけか地方組織の委員長が挨拶を
しただけで、主要幹部は誰も来ていませんでした。そこで、そこから帰った後、
郵便で総連中央本部議長宛にこの提言書を送りました。
それがこれです。封が切られていません。「受信拒否」と書かれています。私
の名前を見ただけで、送り返してきたのです。パーティで配ったものを彼らが読
んだのは間違いありません。総連の教育機関で働いている私の家族が、そのこと
で中央本部に呼び出されたのですから。
一同胞の真摯な意見を聞こうともしない。その文書を受け取ろうともしない。
これが同胞の組織だと言えますか。「提言書」の最後には、「これ以上、罪を重
ねないでください」とまで書いてしまいました。それに対して、何の返答もしな
いというのは、彼らがその罪を認めたことにほかならないと私は思います。
皆さんはもちろんお分かりのように、組織の中で、そのトップに対して抗議を
するというのは非常に勇気のいるものです。そのことによって、それまでの生活
基盤を失うこともあり得るからです。
私がもし、北朝鮮でこの文書を配布したとしたら、即収容所送りか銃殺刑でしょ
う。ここまで書くと、私は自分がとんでもないことをしているのではないかと、
ちょっと考えてしまいました。
◆日本だから抗議できる
でも、ここは日本です。抗議の声を上げることは、やろうと思えばできるんで
す。同胞のほとんどが私と同じ考えだと思っています。この文書を非難しようと
する人は誰も、配布のやり方について非難するだけで、この内容については非難
しません。できません。
私は意見の違う者と話し合う時、いつも自分が相手の立場だったらどうだろう
かと考えるようにしています。自分の都合だけとか、自分にいいように言ってい
ないだろうかと自分を戒めたいからです。
しかし、犯罪者相手にこの考えは当然通じません。拉致犯罪を犯し、今もなお
被害者を解放しないで罪を犯し続けている北朝鮮政府に対しては、追いつめるし
かないと思います。
私はよく、過激なことを言う人間だと言われます。この提言書も、見るものが
見れば相当過激なものです。過激ついでに言わせてもらいます。拉致被害者のご
家族の心情を思いますと、日本が憲法を変え、自衛隊を軍隊にする。拉致被害者
を取り戻すために軍事侵攻してもいいのではないかとまで思ってしまいます。そ
うしても、自国民を取り戻す行動は許されることだと思います。
でも私は、このことには被害者家族の方には申し訳ないですが、絶対に反対し
ます。そんなことをしたら、これまでの70年間、日本人が築いてきた平和が根
本から崩されてしまいます。
そこで私の提案ですが、北朝鮮は世界百二十数か国と国交を結んでいます。そ
のすべてに、日本の大使館、領事館があると思います。そのルートを通して、北
朝鮮と国交を結んでいる世界の国に、「あなたの国は犯罪を犯している。拉致被
害者を解放しなさい」という日本政府の要望を伝えさせてはいかがでしょうか。
毛沢東の息子は、朝鮮戦争に義勇軍として参加し、戦死した。あの中国でさえ、
最近は北朝鮮のやり方にあきれ返って、距離をおいている状態です。もちろんこ
れまでも日本政府は頑張っておられると思いますが、それを強力に進めてはどう
でしょうか。大して何も知らない私が、口幅ったいことを申しますが、素朴な提
案です。
最後に、私は皆さんに対して、何のお手伝いもしたことがありません。一介の
電気通信技術者です。自分のうっぷんを晴らすためだけに、この提言書を配布し
ただけのことです。それがこのような場にお誘いいただくことになりました。
そんな私が、皆さんの前でお話するようなことは、最初は悩みましたが、少し
でも皆様の運動のお手伝いができればと思って、ここに参加させていただきまし
た。皆さん、頑張りましょう(拍手)。
(5につづく)
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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