救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

「家族会」、「救う会」訪米報告(2003/09/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2003.09.16)

■「家族会」、「救う会」訪米報告

9月9日にワシントン入りした「家族会」、「救う会」の訪米団は、13日現地出発
までに国務省、国防総省、ホワイトハウス等下記の面会、活動を行いました。6者協
議に参加したケリー氏他の人々やボルトン国務次官にも面会し、また今期訪米の象徴
的な日である9月11日には朝一番で国防総省のローレス国防次官補代理が応対して
くださるなど、米国側からも非常に今回の訪米を重視した受け入れをしていただきま
した。参加者は、アーリントン墓地にある9・11テロ被害者の記念碑に祈りを捧
げ、また面会の度に、9・11テロに哀悼の意を表し、テロに対し共に戦うとの意思
を表明しました。以下はその概要です。この他、現地マスコミの取材を多数受けるな
どの活動も行いました。
 参加者 家族会=飯塚繁雄、横田拓也、横田哲也、救う会=島田洋一副会長

9月10日
面会者:コックス下院議員 立法補佐官Muhammad Hutasuhut氏
■コメント(面会者のコメント=以下同じ)
*皆様拉致被害者が即に同情致します。米国が六者協議で拉致問題を口にしたことは
北朝鮮に対してこの問題で強く迫っていることの証である。
*北朝鮮は日米の安全保障の脅威であると共に、同時に人権問題を抱える相手である
と認識している。拉致問題は「自由」という見地からしても問題である。
*私もコックス議員も北朝鮮による被害者の方々と多く会ってきた。家族と共に過ご
せる事が何よりも重要だと思う。皆様の協力になれるよう励みたい。

9月10日
面会者:ホワイトハウス国家安全保障会議 マイケル・グリーン部長
■コメント
*日米首脳がクロフォードで会い拉致問題について言及した。米朝中三者協議の場で
もこの問題を取り上げ北朝鮮側に問い質した。これは、この問題が米国並びにホワイ
トハウスにとっても優先事項であるという観点から聞いたものだ。

*六者協議の場でも拉致問題を取り上げ、また日本の藪中局長は上手に説明したと評
価している。

*拉致問題については日米だけでなく中国・韓国も間接的に寄与したものと考えてい
る。北朝鮮は中国に対し、六者協議の場で本問題を取り上げないよう画策していたよ
うだが、日米の強く一致した発言を受けて表舞台でこそ具体的には発言しなかったも
のの、協議の準備の段階で中国から北朝鮮に対して協議で取り上げられる旨を伝え、
実質的に北朝鮮からの申し出を拒否したものと思う。韓国・ロシアも同様で、水面下
で北朝鮮に対して否定したものと思う。この動きは日米にとって重要である。

■質疑応答(Qは家族会・救う会、Aは面会者、以下同じ)
Q.日本国内に原状回復した5人の家族を日本に戻すことで拉致問題を幕引きに持ち
込もうとする動きがあるが、私達はそれを容認する事が出来ない。家族を取り戻すの
は無条件でなされるべきものと考えている。今後米国が国連安保理に働き掛けるよう
な事があれば私達は力強く応援したいと考えている。

A.一般論として安保理には取り上げられるべきだろう。但し現在は六者協議が進行
中であり先ずそこで討議すれるべきだろう。北朝鮮に対して多国間協議は二つ進行し
ているということになる。仮に北朝鮮が脅迫を強めれば、安保理に進むべきではない
だろうか。とは言っても、安保理即制裁ということにはならない。段階的な進め方に
なろう。実質として輸出管理規制強化やPSIで相当締め上げられているものと理解
している。

Q.次回の六者協議で具体的な進展が無ければ国連安保理に付託するべきではないか?

A.平和に解決したいというのが一貫した見解。故に外交で解決を図りたい。米朝の
二者協議から米朝中の三者協議へ、そして六者協議へ移行している。成功への形を成
してきている。北朝鮮は米国が秘密裏に侵略戦争を画策していると主張しているが、
日本・ロシア・韓国ともその様な話は聞いていないと発言してくれ、北朝鮮の言い分
を退けている。六者協議はそれ自体が目的ではなく問題を解決する事が目的である。
永遠に続けられるべきものではない。
Q.拉致問題は大きな人権問題であり、世界が一丸となって本問題をクローズアップ
するべきだ。

A.拉致問題も核問題も透明性と情報の公開が重要だ。北朝鮮から日本の斉木氏に伝
えられた報告内容は全くナンセンスだ。核の件でも彼らは嘘をついた。
Q.拉致問題が政治的取引材料に使われる事があってはならない。人権・人道の問題だ。

A.交渉と作戦の組立ては日本政府が行う事柄だ。米国はそれに対して応援が出来
る。小泉首相・藪中局長も「拉致問題の解決無くして国交正常化無し」と言ってい
る。北朝鮮にとって拉致問題は核問題よりも解決を図り易いかもしれない。日米の認
識の違いは無いし、日本国内世論も一致している。核問題が解決しても拉致問題が解
決しなくては国交正常化が無いというのは当然であろう。

9月11日
面会者:国防総省 ローレス国防次官補代理
■コメント
*拉致問題について日本は確固たる見解を持っている。米国もバックアップをしたい。

■質疑応答
Q.次回の六者協議が不調に終わり、核・人権・拉致問題の解決に進展が図られず時
間稼ぎに使われる場合国連安保理に付託する事はあるか?

A.拉致に関して言えば他国に関与し続ける事が重要だ。それが北朝鮮にとって全て
の問題の解決が無いと進展が図られないことを示すことになる。米国は日本に同意し
ている。拉致も核問題も包括的に解決されるべきだ。

■コメント
*北朝鮮はいつも同盟国を分断しようとする手口を使う。二国を引き離そうとするの
が常套手段だ。日本には拉致問題が重要であるように、米国にも重要な問題がある。
米国は日本の重要案件を理解しているが、同様に核や弾道ミサイルの様な深刻な問題
があることも日本には理解して欲しい。
*次回も訪米する時があれば、日本大使館を通じて是非私を訪ねて欲しい。関係を保
っていきたいと思う。

9月11日
面会者:国務省 ジム・ケリー国務次官補
■コメント
*9・11の哀悼の意を頂いたことに心よりお礼申し上げる。

*六者協議の場で他国に拉致問題があることを表明した。日本のアドバイスが出来た
ことは嬉しく思うし、藪中局長も日本の立場を貫いたことは評価出来る。

*北朝鮮はユニークな国であり不幸な国だ。関係する地域の各国が纏まりつつある事
は喜ばしい。
*原状回復出来た5人の家族を取り戻すと共に、その他の安否未確認の方々を取り戻
せることを期待したい。

■質疑応答
Q.次回の六者協議が不調に終わる場合、国連安保理で取り上げるべきでは?

A.二国間協議では両者に意見の食い違いが発生する事があるが、多国間協議ではそ
れが無い点が良い。他の国が北朝鮮が不誠実であることを知る事が出来る点も良い。
更なる措置、安保理決議も視野にある。

Q.体制転換が図られない限り何事も解決されないのではないかと思うのだが。

A.そのような考え方がある事は承知している。北朝鮮の行動に変化が訪れることを
期待したい。彼らに対しては外交と圧力が必要だ。中国・韓国も北朝鮮問題に対して
多くの時間を割いている。希望ある結果があることを望む。

Q.北朝鮮に対してPSI★等もっと締め付け強化をするべきではないか?

A.PSI★は既に枠組みがある。北朝鮮が何か悪いことを企めばその時に効果があ
がるものだ。PSI★に限らず日本が執っている輸出管理規制強化も奏効している。
これら全ての対応が北朝鮮に対する強いメッセージとなっている。

9月12日
面会者:国務省 ボルトン国務次官
■コメント
*我々と論議するために私を訪ねて来てくれた事にお礼申し上げる。北朝鮮に家族を
奪われ皆様方に深い喪失感があるかと思う。そもそも拉致問題は議論する性格のもの
ではない。家族会・救う会の活動に敬意を表したい。

*米国が強調しているのは大量破壊兵器の件と拉致問題である。米国は北朝鮮をテロ
支援国家と指定しており大韓航空機爆破事件などがその根拠である。我々の戦いは続
く。そして日本の抱える問題を忘れることはない。

■質疑応答
Q.北朝鮮は拉致問題を解決済みだと主張しているが、私達をそれを容認することは
出来ない。
A.受け入れるべきではない

■コメント
*私のオフィスは大量破壊兵器の問題を扱っている。生物兵器や弾道ミサイル等の拡
散にも注意している。これは日本にとっても懸念事項である。
*リビアがパンナム機爆破を認め被害者にお金を支払うことで解決を図ろうとしてい
る。彼らはそれ以外で悪巧みを考えており根本的解決には至っていないと認識してい
る。北朝鮮も同じ手口を取るのではないだろうか?

■コメントに対する家族会・救う会のコメント
*体制転換・強力な経済制裁・PSI★等で締め付ける必要がある
*核・ミサイル問題は地理的に考えても日本にとっては他人事ではなく深刻な問題で
ある。包括的な進展が図られて初めて前進と見なすべきだ。

■コメント
*北朝鮮の体制は世界の中で最悪のものだ。過去の彼らの行いを見ても欺瞞に満ちた
ものばかりであり信頼に値する相手ではない。
*私達の立場は皆様方のそれと一緒であると認識している

■質疑応答
Q.日本でこの問題を真剣に考えている中心人物は誰か?
A.安倍官房副長官です。

Q.仮に北朝鮮への査察が図られる場合どのようなものを予想されるか?
A.米国は検証可能で不可逆的な形を望んでいる。どのような形にしてもIAEAの
ものよりも強力で且つ国連安保理常任理事国の5ヶ国の関与も必要だろう。また北朝
鮮のあらゆる施設の査察が出来る権限が必要となる。北朝鮮がそれを受け入れるかど
うかは分からないが、いずれにしても検証なくして北朝鮮問題を受け入れることは出
来ない。

■コメント
*今後六者協議が不調に終わるとすれば国連安保理で問題にすべきだろう。両輪で回
し効果的に進めれば良い。今後中国が安保理で拒否権を行使するとなればその行為自
体が世間の注目を集めることになるだろう。
*日米両国が一致して行動していく事が重要だ。皆様方が声を上げ国民世論が賛同し
そして日本政府を動かした。その流れは米国にも響いている。声を上げることは意味
があり、国益でもある。


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