救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告1(2016/12/12)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2016.12.12)

 平成28年12月9日(金)、参議院議員会館講堂において、「激動する南北
情勢の中で拉致問題を考える国際セミナーが、家族会・救う会・拉致議連の主催
で開催された。

 飯塚繁雄・家族会代表(田口八重子さん兄)の挨拶に続き、拉致議連の平沼赳
夫会長からのメッセージが読み上げられ、加藤勝信・拉致問題担当大臣が挨拶を
行った。さらに、米国人で北朝鮮による拉致の可能性濃厚とされるデヴィド・ス
ネドン氏の兄マイケル・スネドン氏とジェイムズ・スネドン氏が訴えを行った。

 さらに、山谷えり子・自民党拉致問題対策本部長、松原仁・民進党拉致問題対
策本部長代行、上田勇・公明党拉致問題対策委員長、中山恭子・日本のこころを
大切にする党拉致問題対策本部長が挨拶した。

 国際セミナーでは、金泌材・韓国趙甲済ドットコム記者が問題提起を行い、そ
の後島田洋一救う会副会長の司会で、金泌材とともに、古森義久・麗澤大学特別
教授、西岡力・救う会会長が「激動する南北情勢」及び拉致被害者救出について
討論を行った。

 最後に、参加した家族会全員が訴えを行った。以下はその概要である。

■激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告1

◆被害者は拉致の報道を見ている

西岡 今日総合司会を担当させていただきます。悔しくてみじめな気持でいっぱ
いです。皆さんも同じことを考えていらっしゃると思います。また家族の方が型
の高齢化も進みました。今日、大臣からの説明会があったのですが、血をはくよ
うな「なぜ動かないんだ」という訴えがありました。

 しかし、私が一番に思うのは向こうにいる人たちです。向こうにいる人たちが
この冬をどうすごすのかと思うと言葉を失う思いですが、しかし、蓮池さんや地
村さんたち、また曽我さんもこう言っていました。「日本の報道を見ている」と。

 1998年に、福井県小浜市で集会がありました。「ありもしない拉致問題で
集会をしたのはけしからん」という「労働新聞」の記事です。地村さんはそれを
読んで、「福井県小浜市で拉致といえば俺たちのことなのかなあ」、「親や近所
の人たちが忘れていなかったのかなあ」、「しかしこれで北朝鮮当局が何か言っ
て来るかなあ」と、励ましがあったり不安があったと言っています。

 私はその時、家族の皆さんに「『労働新聞』を絶対北で見ている。(皆さんの)
家族に伝わっている。運動すればコミュニケーションがとれる」と言ったのです
が、我々が疲れて声をあげるのを止めたら、それもすぐに北朝鮮に伝わります。
被害者に伝わるのですから、絶対に声をあげ続けなければいけない。

 今日は毎年のことですが、専門家を呼んで、「激動する国際情勢の中で拉致問
題をどう解決するか」ということを、みんなで知恵を絞りたいと思います。冷静
に知恵を絞らなくてはいけませんが、しかしみんなで知恵を絞る中で、待ってい
る日本人がいること、その中には家族がいない人もいつこと、そして日本人を助
けるのは日本人だ、日本政府だという熱い思いを持って、しかし冷静に国際情勢
を分析するセミナーにしたいと思っています。

 それではまず主催者を代表して家族会の飯塚代表からご挨拶をいただきます
(拍手)。

◆チャンスを捕えて、長引かせないように

飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

 皆さんこんにちは。今日は国際セミナーにお集まりいただき大変ありがとうご
ざいます。また今年も終わってしまう。非常に残念です。毎年、「今年こそは」
というテーマで我々は皆さんと共に活動してきましたが、今年もまた未解決のま
まということを認識せざるをえない。

 当然ながら私たちは一日も早く、一刻でも早くと思いつつ、長い間戦ってきま
した。そういう中で、皆様方の世論の高まり、政府や自治体、救う会などの団体
の皆様の意気込みも相当あがってきました。そして「何で早く解結できないのか。
早くしろ」という声がよく聞かれるようになりました。

 国連では安保理が北朝鮮に対する制裁決議がなされ、各国がそれぞれの事情に
合わせた制裁をしようとしています。そういう流れの中で、さらにきつい制裁を
しようという決定もなされました。

 今日はその説明会もありましたが、やはり北朝鮮がどういう状態になったら交
渉に臨むのか。これが鍵ですね。イデオロギーは関係なく、日本人被害者を返す
ための実質的協議にどうやったらひっぱり出せるのか。課している制裁がうまく
てこになって、北朝鮮が協議に応じてくることになれば第一段階の成功と言えま
すが、なかなか北朝鮮は分かりません。

 制裁を課したからこれでいいということではなく、制裁がどれだけ効果がある
のかを検証しながら、チャンスを捕えて、長引かせないようにしてほしいと思い
ますし、対応も切らさずにしてほしいというのが私たちの願いです。

 色々なイベントや集会、署名活動も含めて、今だからこそ皆さんの大きな声が
ほしいわけです。本日は色々な皆様のお話が聞けると思いますが、そういうご理
解の上で、さらなるご支援をお願いします。ありがとうございました(拍手)。

西岡 ありがとうございました。いつも来てくださっている拉致議連の平沼会長
が、今日は体調がよくないということでメッセージをいただいています。本来で
すと拉致議連の塚田事務局長が代読される予定だったのですが、今参議院の本会
議がされていて、まだ参議院の先生方が来ておられない状況ですので、塚田先生
のご依頼で司会者が代読させていただきます。

◆メッセージ
北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長

衆議院議員 平沼赳夫

 本日のセミナーにご参加いただき、心から御礼申し上げますとともに、北朝鮮
による拉致被害者救出のため、弛みない活動に心から敬意と感謝を申し上げます。

 米国大統領の交代による外交方針の行方や韓国の不安定な政情などによる対北
朝鮮包囲網への影響も不透明で予断を許しません。

 普通に暮らしていた同胞が、無法にも拉致され、家族と引き裂かれたままになっ
ている。どんな手段を使っても無事に取り戻すこと以上に優先すべきことなど何
もありません。そのためには国民世論の喚起とともに国際的な連携で北朝鮮に圧
力をかけ続ける必要があります。本セミナーを通じて現状認識を新たにして今後
の救出活動に資して参りたいと存じます。

 特定失踪者を含め拉致被害者全員を家族のもとへ、一刻も早く取り戻すべく私
も皆様と心をひとつにして戦い抜いて参ることをお誓い申し上げます。
平成28年12月9日
(拍手)

西岡 続いて、加藤勝信・拉致問題担当大臣にご挨拶をいただきます(拍手)。

◆圧力をてことしながら帰国につながる道筋をしっかりと引き出す

加藤勝信(拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 本日は、家族会・救う会・拉致議連の主催で国際セミナーが開催され、多くの
皆様方にご出席をいただきました。日頃から拉致問題に高い関心を持ち、様々な
形でご支援をいただいていることに心から御礼申しあげます。

 また今日は、デヴィッド・スネドン氏のお兄さん、マイケル・スネドンさん、
ジェームス・スネドンさんにもご参加をいただきありがとうございます。

 今日は、北朝鮮の核・ミサイル開発を含む北朝鮮の問題点について、金泌材氏
から基調報告を、そして北朝鮮をとりまく国際環境の変化について専門家による
討議が行われると聞いています。活発な議論を通じて、拉致問題の解決につなげ
ていきたいと思っています。

 ご承知のように北朝鮮が特別調査委員会を設置してから2年以上経ちました。
しかし残念ながらこの間、一人の帰国も、帰国に向けての道筋さえ見えてこない
状況です。拉致担当大臣としては、被害者の方々、そしてご家族のみなさんに心
からお詫びを申し上げます。

 そういう中で北朝鮮は、核開発や弾道ミサイルの発射という挑発行為を繰り返
し、これに対して先週、国連の安全保障理事会が格段と強化した制裁決議案を採
択しました。またわが国は、米国及び韓国と協調して、独自の措置を講じ、北朝
鮮のこうした挑発行為に断固たる対応を示しました。

 北朝鮮に対する安保理決議では、初めて「北朝鮮にいる人々」が受けている苦
難に対し深い懸念が表明されました。この「北朝鮮にいる人々」には当然、わが
国を含む各国の拉致被害者も含まれています。

 北朝鮮の人権、人道問題に関する言及はこれまでになく強いものになっていま
す。また国連においては本年9月、人権理事会の決議に基づき北朝鮮における人
権侵害にかかる説明責任の問題に取り組むフォーカスグループが指名され、先般
来日もしています。

 また先月16日には、わが国とEUが共同提出した北朝鮮人権状況決議が国連総
会の第三委員会において採択され、今月中に国連総会本会議で議決に付される予
定です。

 さらに安保理における北朝鮮状況に関する会合を、一昨年、昨年に続いて本日
深夜解される方向で調整がなされています。

 私自身も12月1日、ニューヨークの国連本部で、わが国、中国、韓国、オー
ストラリア、EUの共催でパネルディスカッションが行われ、日本政府を代表して
日本の拉致被害の深刻さ、一日も一刻も猶予ができないという切迫感のある状況
を、直接訴えました。

 また国内では明日から北朝鮮人権侵害問題啓発週間が始まります。明日政府主
催行事として、内外の専門家をお招きし拉致問題を含む北朝鮮の人権問題に関す
る国際シンポジウムを開催することにしています。そしてこの模様は、政府の北
朝鮮短波ラジオ放送による日本語、韓国語の同時通訳で北朝鮮に生中継をするの
みならず、アメリカのラジオ・フリー・アジアやボイス・オブ・アメリカと連携
し、これらの放送局からも韓国語で、中波、短波によって放送されることになっ
ています。

 こうした色々な対応を一つひとつ進めていきます。拉致問題は安倍政権の最重
要課題と位置づけ、政府の責任において最優先で解決していくべきという思いで
取り組んでいます。

 先ほど飯塚代表からもお話がありました。また先ほど家族会の皆様方にも一連
の制裁措置の内容を説明する中で、それぞれの声もうかがわせていただきました。
被害者の方も家族の方も、一年一年歳を重ねていかれるわけですが、今年の一年
は去年以上に大変重い一年であったと思います。

 また一刻の猶予もならない大変強い切迫感があることを直接うかがいました。
そうした思いをしっかりと受け止め、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則の
もと、この一連の国際社会の圧力をてことしながら、最終的には対話を通じてす
べての拉致被害者の方々の帰国につながる道筋をしっかりと引き出すべく、あら
ゆる政策、あらゆる手段を駆使して訴えるつもりです。

 ご参加の皆様にもさらなるご支援を重ねてお願いし、挨拶とさせていただきま
す。ありがとうございました(拍手)。

(2につづく)


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