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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告3(2016/12/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2016.12.14)

■激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告3

西岡 参議院の本会議が今終わって先生方がこちらに向かわれていますが、順番
を変えて、今お出での衆議院の先生から、各党代表のご挨拶をお願いします。ま
ず、民進党拉致問題対策本部長代行で元拉致問題担当大臣、拉致議連幹事長、衆
議院議員の松原仁先生にお願いいたします(拍手)。

◆ストックホルム合意を破棄し新チームで取り組むべき

松原 仁(民進党拉致問題対策本部長代行)

 今日は皆さんありがとうございます。先ほどから話がありますように、私たち
の拉致問題解決への強い思いを松明にして走っているんです。どうしても我々は
ゴールに到達しなければならない。この思いを今日もう1回意識し合い、そして
この報道が北朝鮮にも伝わることが必要だと思います。

 私は拉致問題の会合でも言っていますが、また政府は政府の方針があってやっ
ていると思いますが、私は2つのことを常に言ってきました。1つは私たちが本
当に怒っているということをきちっと北朝鮮に伝えるためには、制裁の強化を今
内閣も検討していますが、それはそれとして、ストックホルム合意を破棄すると
いうことを示さなければ、北朝鮮に日本人の怒り、日本政府の怒り、拉致被害者
家族の怒り、救う会の怒り、調査会の怒りは伝わらないのではないかと思います。

 このストックホルム合意は、極めて不評でした。拉致問題を、日本人妻の問題、
遺骨問題と同列に扱うことに関して、私も違和感を覚えましたし、多くの同志が
違和感を感じたのが事実です。そんなことでいいのかという議論がありました。

 私は、「日本人妻の問題や遺骨問題の進展で制裁緩和はないでしょうね」と予
算委員会で質問しました。それは、菅さん(官房長官)に「それはありません」
という答弁をしてもらうためです。

 そういう答弁を確定しなければ、もしかしたら日本人妻問題や遺骨問題が、拉
致問題と同一で論じられ、拉致を理由に課した制裁が別の問題で解除されるとい
う、あってはならないことが、北朝鮮が喜ぶようなことがあってはいけないと思っ
たからそういう質問をしたわけです。

 従って、このストックホルム合意が行われ、調査委員会が作られ、何の結論も
出ないのは、春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て、それが繰り返されると
んでもない話です。

 この問題について、日本はストックホルム合意を破棄すべきと、私は野党の立
場だから言えるわけです。私は拉致問題を扱う議員の立場として率直に言わざる
をえないのです。

 その上で、拉致問題については外務省が中心でやるというのではなく、今日も
加藤担当大臣がお見えですが、この問題は警察が主体でやる問題です。後で中山
恭子さんが来られればそういう話をすると思いますが、警察がやるべきテーマな
んです。

 私が拉致担当大臣の時、外務省が熱心にやってもらっていたのは分かるし、今
日も来られているかもしれません。しかし、本気でこの問題を解決するためには
一定の時間、本気でやらなければいけないと思います。

 これを警察主体に変える。この2つのことが、拉致問題解決のための絶対的条
件だと思っています。安倍さんも様々な問題で忙しいのは分かります。しかしご
本人も最重点課題と言っているわけです。それにふさわしい対応を是非ともして
いただきたいわけです。

 ストックホルム合意をなぜ破棄しないのか。これを破棄すると北朝鮮の対応が
なくなるという意見があります。担当大臣を経験した立場から言えば、ありえな
いことです。北朝鮮から見れば日本との関係は一番おいしい関係なんです。今も
宋日昊が何かやっているとすれば、俺が解決のルートだと必ず出てきます。

 ストックホルム合意は向こうの外務省との合意でしたから、違うルートの合意
をもう1回作り直せばいいんです。思い切ってストックホルム合意を破棄すると
ころから、日本人の怒りを伝えることが大前提です。逆に言えば、ストックホル
ム合意を破棄しないということは、日本人は演出として怒っていると言っている
ようなものです。本気で怒っていないと彼らは認識しているんじゃないかと思い
ます。

 これらの点をもう一度やり直すところから、これは安倍総理にやってもらわな
ければなりません。安倍さんが拉致問題を一番分かっているわけです。分かって
いる安倍さんがなぜこれらのことをやらないのか。ここまできたら、この問題に
特化して安倍総理に汗を流していただきたい。そういう総理に対し私も全面的に
支援し、挙国一致で拉致問題解決のために全力で取り組むということを改めてお
誓い申し上げます。

 この問題を最後まで解決するという方々の強い情熱がその支えであることは間
違いありません。熱い熱意を持続していただいて解決まで頑張っていきたいと思
います。以上、民主党を代表し、また拉致議連幹事長としての私からの訴えとさ
せていただきます。共に頑張りましょう。宜しくお願いいたします(拍手)。

西岡 続いて、公明党の拉致問題対策委員長、拉致議連副会長、衆議院議員の上
田勇 先生にお願いします(拍手)。

◆全力をあげて取り組んでいく決意

上田勇(公明党拉致問題対策委員長)

 みなさんこんにちは。今日はこの国際セミナーに多くの皆様方にご参加をいた
だき、大変ありがとうございます。

 冒頭、西岡さんからもお話がありましたが、この拉致問題には国民全員が怒っ
ている。そして、拉致被害者の一日も早い帰国を国民として望んでいるんだ。強
い決意で臨んでいるということを示していくことが重要であり、その意味から今
日はセミナー、明日はシンポジウムが開かれますが、そうした運動を続けていく
ことが重要だと考えています。

 先ほどからお話があった通り、全く問題解決に向けての前進がない。極めて痛
恨の思いです。そして今日も多くのご家族の方がご出席ですが、その心を思う時
に、本当に心が痛むばかりです。何としてもこの問題を前進させ、解決に向けて
の着実な歩みが進みますよう、私たちも全力をあげて取り組んでいく決意です。

 先ほど、加藤大臣からお話がありましたが、国際社会における関心の高まり、
また問題解決に向けて気運が高まっていることは間違いないと思います。国連で
の度々の決議もありました。それに基づいてわが国としても独自の制裁措置を決
定しました。

 今後は国際世論、政府だけではなく、多くの関係する国の人々にも、この拉致
問題、北朝鮮の人権問題がいかに重大であるかをもっと啓発していかなければな
らないと考えていますので、引き続き議会も協力をさせていただき、この問題の
解決に向かっていこうと願っています。

 問題の解決には国際的な協力も必要です。その意味で政府、議会もしっかり協
力して取り組む決意です。

 先日、国連のキンタナ特別報告者に拉致議連の役員とともにお会いさせていた
だきました。キンタナ氏は国際機関における経験も豊富で、人権問題に取り組ん
できた実績もある人ですので、拉致問題を含む北朝鮮の人権問題を是非解決した
いとの強い決意を感じました。我々も力を合せていきたいと思っています。

 拉致問題の交渉に当たるのは政府ですので、政党としてできることには限界が
あることは事実です。しかし、今安倍政権においてはこの拉致問題を最重要課題
として解決に向け取り組んでいるところですので、その取り組みをサポートして
いく、そしてまた、時にはもっとしっかりやれと激励もしながら一緒に歩んでい
きたいと思っています。

 また皆様には全国各地で、国民に対する啓発活動に大変努力していただいてい
ますが、私たちもそうした運動にしっかり協力していきたいと思っています。公
明党もこの問題解決に向けて取り組んでいく覚悟ですので、皆様とも力を合せて
一日も早く拉致被害者の皆様の帰国がかなうように努力していきたいと思ってい
ます。どうか宜しくお願いいたします。今日はありがとうございました(拍手)。

西岡 ありがとうございました。参議院の先生方がかけつけてくださいました。
次に、山谷えり子・自民党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大臣、拉致議連
副会長、参議院議員にお願いします。

◆国際社会で、北朝鮮の人権問題、拉致問題に対する関心が高まってきている

山谷えり子(自民党拉致問題対策本部長)

 拉致問題の解決のために、このようの大勢お越しいただきありがとうございま
す。

 一日も早い解決のためにあらゆる施策を講じていきたいと思っています。国連
安保理制裁決議、またわが国独自の対北朝鮮措置が決まりつつあります。今日、
自民党の決定機関である総務会でも、とにかく拉致問題の解決のためにさらに何
ができるかという熱い議論が長時間にわたって繰り広げられました。

 先日私も拉致議連の役員としてキンタナ・国連北朝鮮人権状況特別報告者にお
会いし、意見交換しました。国連あるいは国際社会では、北朝鮮の人権問題、拉
致問題に対する関心が非常に高まってきているということを感じています。

 今日はデヴィッド・スネドンさんのお兄さん方もいらしていますが、9月28
日にはアメリカの下院でスネドン氏の失踪に関する調査手続きが通りました。と
にかくこの大きなうねりのタイミングをうまく使ってやっていかなければならな
いと思います。

 加藤大臣は先日ニューヨークの国連本部でパネル・ディスカッションに出席さ
れて、この拉致問題を強く訴えてこられました。また北朝鮮に向けてのラジオの
周波数の増強、番組の充実等、とにかく国際社会が北朝鮮に向けて情報を流して
いくことが大事なことです。

 国民が心を一つにして、あらゆる施策をとっていきたいと思います。世論の後
押しも重要ですのでどうぞ宜しくお願いいたします。

西岡 ありがとうございました。続いて、日本のこころを大切にする党代表、拉
致問題対策本部長、元拉致問題担当大臣、参議院議員の中山恭子先生にお願いし
ます(拍手)。

◆担当大臣を中心に、今は救出に的を絞るべき

中山恭子(日本のこころを大切にする党拉致問題対策本部長)

 拉致問題をなんとか進めたいと思って活動を続けています。先日の拉致問題特
別委員会では委員として政府の方々にお願いをしました。

 その前に今日は、拉致問題のために多くの皆様がお出でくださったこと、また
ご家族の皆様がご出席いただいていますことに感謝します。

 皆様の前でお話するようなことは今ないといっていいような気分でいます。先
日の拉致問題特別委員会で、私は政府に対して、政府は、安倍総理は、この問題
が安倍政権の重要課題であるとはっきりと述べておられるにもかかわらず、政府
として拉致被害者救出に的を絞った動きをしているのか。

 もちろん各国との連携、そして人権問題の中で取り扱っていくたくさんの仕事
をしなければならないのですが、またそれは政府としてやらねばならない事柄で
す。しかしその核となる、拉致被害者を救出することに的を絞った動きをしてい
るのだろうか。

 拉致被害者の救出に各国の応援は必要です。国連でもこの問題に正しい眼で付
き合ってもらうことも大切です。ただ、被害者を救出するのは日本政府しかでき
ないことです(拍手)。日本政府が拉致被害者の救出に的を1つに絞って政府全
体で戦わなければ、被害者の救出はできないんだということをもう一度政府とし
て確認をしてほしい(拍手)。

 ではどうしたらいいのか。外務省は2002年にこの問題に関わりましたが、
その後対応が変わっていません。何を申し上げたいかと言いますと、日本国の役
割として、日本と北朝鮮との国交正常化をすること、これも大切な問題です。

 外務省の主な仕事は日朝国交正常化であるということも私は理解しています。
しかし、国交正常化をする前に被害者を帰国させることです。北朝鮮には認定被
害者以外に、多くの拉致被害者が日本に帰ることを毎日のように思って生活して
いるはずです。

 これらの人々を救出する、帰国させる、このテーマにまずは一本に絞って政府
として動いていただかなければ、被害者が帰国することはできません。このこと
を拉致問題特別委員会で政府の方々に訴えたところです。

 国交正常化の動きは少し待ってもらいたい。拉致問題対策本部、またはその関
係者の方々、場合によっては民間の方々も一体となって、被害者救出に向けての
動きを、政府として進めてもらいたい。これができていないのが現状だと言えま
すので、このことを強く訴えました。

 この動きがない限り、被害者の救出は進まないということを私自身はよく分かっ
ているつもりですし、政府に強く、強く訴えていただければならない。そうでな
ければ進まないと思っています。

 皆様がこの人権週間の中で拉致被害者救出に向けて動いていただいていること
に心から感謝申し上げますとともに、政府に向けて、拉致被害者救出に的を絞っ
た政策、企画、そして行動をとってもらうように、皆様からも是非強く訴えてい
ただきたいと考えています。

 今のままでは拉致被害者が帰国することはなかなかできないだろうと考えてい
ます。拉致問題については、担当大臣を中心に動いていく。そして本部の動きに
は色々な動きがありますが、今は救出に的を絞ってもらう。そのことについて皆
様も政府に強く訴えていただきたいと考えています。

 安倍政権は拉致被害者を見捨てないはずです。ただ、救出にあたっての動きよ
り、日朝国交正常化の動きの方が中心になるように見えますので、外務省にはちょっ
と待ってもらって、拉致担当グループが中心となって、救出に向けた動きをして
もらいたい。

 そのことを強く政府に訴えていきたいと思います。皆様にも宜しくお願いいた
します。今日は本当にありがとうございました(拍手)。

(4につづく)



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