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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告7(2016/12/16)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2016.12.16)

■激動する南北情勢の中で拉致問題を考える国際セミナー報告7

島田 古森さんにもう一つお聞きしたいんですが、トランプ氏は金のない人間に
は関心がない。北朝鮮は金がないのでその部分については関心がないかもしれな
い。しかし、北朝鮮の核・ミサイルには関心を持たざるをえないと思いますが、
アメリカの市民は北朝鮮の核・ミサイルの脅威をどの程度深刻に捕えているので
しょうか。

 例えばキューバ危機の時は、明らかにアメリカに対する直接的な脅威だという
雰囲気が明確にあったと思いますが、それに比べると今一つ危機感が薄いような
感じもしますが。

◆トランプ氏の公約「アメリカをもう一度偉大にする」

古森義久 北朝鮮の核弾頭がワシントンに飛んでくることについてははっきりと
した危機感はありませんが、そういう目的に向かって着々と北朝鮮が作業を進め
ている。しかも金正恩は、成功したと言っている。2、3の軍部の高官が言って
いますが、「既にアメリカに届く、核装備されたICBMの弾頭を北朝鮮は開発して
保有している」という見方もあるわけです。これはやはり大きい。

 それからトランプさん自身がお金にこだわるということは、確かにビジネスマ
ンだから当然でしょうが、彼が持っているもう一つの側面というのは、彼の選挙
スローガンにあった、「アメリカをもう一度偉大にする」です。アメリカの威信
を正面から踏みつける、傷つけることに対しては、本当に子どもっぽいような強
い勢いで反発をする。そういう側面も強い。

 中国が悪いことをしようとしている、北朝鮮はその極みだということに対して、
アメリカの偉大さとか、アメリカが国際秩序を仕切っていくというというような
意識がありますからね。やはり反発が強い。

 それからミサイル防衛というのは、彼の公約の中に入っていますよ。色々な所
で、少しずつ公約らしきものを語ってきている。外交や安全保障について語った
ことは少ないんですが、ミサイル防衛の強化、特に日米韓が一緒になって、北朝
鮮、そして中国のミサイルの脅威に備えるんだと言っています。

 また先ほど申し上げたアドバイザーや顧問たちがはっきりそういうことを言っ
ています。

島田 日本政府がまた追加制裁を発表して、北朝鮮に立ち寄った船は国籍に関わ
らず入れないこと、また再入国禁止リスト、これは在日で北朝鮮に行った人でリ
ストに掲載されていると再び日本に入れないというものですが、これを拡大しま
した。これには、あまりにも少なすぎる、もっと拡大したリストを作るべきだっ
たという批判も一方、ミサイル開発がらみの人間を入れたのである程度意味があっ
たと評価する人もいます。西岡さんどうですか。

◆元朝鮮大学校の教授が制裁対象に 朝鮮大学校の認可を取り消すべき

西岡 私が入手した情報によると、これは既にあるメディアが報道していますが、
総連の幹部で追加制裁の対象になった人が6人、それから核・ミサイル技術者が
1人です。

 核・ミサイル技術者については、私が入手した情報によれば元朝鮮大学校の教
授の李時求(リ・シグ)です。科協(在日朝鮮人科学技術者協会)の初代会長で、
京都大学と大阪大学大学院で伏見博士という日本の原子力の第一人者の指導を受
けています。その伏見博士と東大のロケット博士と言われる糸川博士を平壌に連
れていった人です。

 つまり、今各種学校として認可されている朝鮮大学校が北朝鮮の核・ミサイル
技術を提供する拠点になっていたという疑いがいよいよ強まったということです。

 小池百合子都知事に、9月にお会いした時に、過去に美濃部都知事が日本政府
の反対を押し切って朝鮮大学校を各種学校として認可した。それが本当に学校法
人としてふさわしいことをやっているのか。政治カルト集団の政治活動の拠点に
なっているのではないか。各種学校として認可されれば税法上の優遇措置があり
ます。あそこは土地が広いですから、固定資産税が本来ならかかるわけですが、
各種学校ですから優遇措置がある。各種学校でいいのか検討してほしいという話
をしました。

 昨日から「産経新聞」が、そういう趣旨の連載をしていますが、李時求という
人が制裁の対象になったという、私が入手した情報が正しければ、日本の公安当
局も、朝鮮大学校の元教授が科協の会長を務めながら、北朝鮮の核・ミサイル開
発に協力したとの情報をつかんでいる可能性があります。

 李時求氏自身はもう90歳ですから、今何かしているわけではありませんが、
ついにこういう核心的な情報が明らかになったということです。もちろん拉致問
題について北朝鮮がどう出るかが今日のテーマですが、日本が核開発を助けてい
るということになれば、国際社会に対して共に核問題、拉致問題を解決しましょ
うと言う資格がなくなってしまうので、やれることはきちんとやらなければなら
ない。それが北朝鮮に対するアピールになると思います。

 こういう制裁ができたということは、公安当局がきちんと情報を集めてきたか
らだと思いますが、こういう情報をもっとどんどん出してもらって、やってはい
けないことを日本がやっているのであれば、それを法に基づいて厳しく取り締ま
ることが必要です。

島田 例の韓国のセウォル号の沈没事故(2014年4月)が未だに政治問題に
なっていますが、韓国人拉致問題、離散家族問題は韓国政治の中で最近あまり取
り上げられてないような気がしますが、実態はどうですか。

◆危機を乗り越えれば機会が来る

金泌材 戦争用語でコンペティティブ(競争)という言葉がありますが、70年
間北朝鮮と戦ってきている中で疲れているのです。韓国人はもう一度立ち上がら
なければならないのですが、朴槿惠大統領の弾劾訴追案は今可決されました。

 内乱が起きるのではないかと心配もしますが、逆に言えば危機だからこそそれ
を乗り越えれば機会になる。危機が来た時には、その原因が何なのかを正確に認
識して、それに対応していくべきではないかと思います。

 危機ではありますが、また何かが起きると思います。それが我々の機会になる
のではないかと思います。時間があまりないので、危機に対し時間を浪費しては
ならないと思います。

島田 古森さんのレジュメ(配布資料)にアメリカ人の名前も出ていますが、ま
たウールジー元CIA長官について先ほど言及がありましたが、介入派ということ
で元国連大使の名前が上がっています。ある報道によると、ダナ・ローラバッカー
という中国に対して強硬な下院議員の方が国務長官で、ジョン・ボルトンが国務
副長官ということです。仮に彼らが国務省のかじ取りをすることになったら、北
朝鮮に対してどういう戦略を取ると思いますか。

◆今までなかったような変化がアメリカで外交・国際関係に起き得る

古森 この二人については前から活動ぶりをよく知っていますし、何回も会った
ことがあります。共和党、民主党、保守、リベラルという区別で分けると、最も
保守的なタイプの国際関係専門家です。対外的にものすごく強硬です。

 アメリカは自由と民主主義を掲げる国ですから、それを否定するような全体主
義、共産主義には強く反発します。政治家でもリベラルな方はすの反発が少ない
のです。

 ローラバッカーという人は、中国に対してはものすごく、言い尽くせないくら
い強硬です。例えば北京の指導者と言わずに、北京のブッチャーと言います。ブッ
チャーというのはこういう場で使ってはいけない用語で屠殺人のことです。北京
の屠殺人と言えば、習近平とか李克強などの指導者のことをそう呼ぶくらい強硬
です。

 なぜかと言えば、「人民を弾圧しているじゃないか」ということを言ってきて
います。実際にこういう人が国務長官になるのは夢というか、悪夢は言い過ぎで
すが、こんなことが起きるのかというくらい大きな変化です。ですからトランプ
政権というのは、それほどの大きな変化をもたらすポテンシャルを持った政権な
わけです。

 そこで思うのですが、今の状況は2001年、2002年の状況、小泉訪朝で
金正日が折れてきた状態、アメリカとの関係が悪くなって「悪の枢軸」と言われ
た状態、それで日本と和解をして、助けを求めて援助をもうらう。それには拉致
問題を一部返す。ある部分、あの時の状況に似たような状況です。

 8年間続いた民主党政権の後に、かなり強硬な共和党政権が出てきた。その強
硬の度合いはブッシュ政権とは比べ物にならないくらいになっている。失敗する
ことも随分ありますが、今まで見たことのないような変化がアメリカで、外交・
国際関係に起き得るという認識を持っていた方がいいと思います。

島田 最後に今までの議論をまとめるコメントを一言ずついただければと思います。

◆2つの優先をどう貫くか

西岡 国際情勢では嵐が吹いている。我々はアメリカの大統領選挙で投票するこ
とはできないし、韓国の政治に関わることもできない。しかし、大きなことが起
きて、激しい嵐が吹く。そういう中でも日本人を助けなければならない。助ける
ことは日本国の使命ですし、自国民を保護することは絶対に譲れないことです。

 この旗を上げ続け、拉致・核・ミサイルという包括的解決の中で拉致をまず最
初に解決しなければならない。逆に、世界中の核・ミサイルに対する圧力も使っ
て、トランプ政権がとるであろう大変な圧力も使って、どう先に解決するか。

 また、北朝鮮が拉致以外の日本人妻等を動かしても、それは赤十字レベルの人
道的なことでやってほしいことですが、それが彼らがほしいものには絶対つなが
らないということを教えなければならない。ここでもあくまで拉致が優先です。

 この2つの優先をどう貫くか。嵐の中でも拉致の旗を飛ばさない唯一の方法で
はないかと思っています(拍手)。

◆皆さんが何をするかによって未来は変わる

金泌材 実は私は北朝鮮の核問題を話そうと思って準備してきたのです。中国の
世界戦略の中で北朝鮮は核武装したのです。従って中国共産党を倒さない限り北
朝鮮の核問題は解決できない。中国の共産党政権を倒して、北朝鮮の独裁政権を
倒さなければならないと思っています。

 未来というのは決まっているわけではありません。我々、そしてここにいる皆
さんが何をするかによって未来は変わるのです。ありがとうございます(拍手)。

◆北朝鮮で予想もしないことが起きるかもしれない

古森 今のご家族の気持ちを察すると、本当に絶望的というか、何も明かりが見
えていない状況だと思いますが、これこそ人任せではないわけですが、国際情勢
が拉致問題の帰趨を左右することは否定できない。

 その国際情勢が、我々が想像もしなかったようなことが起きてくるということ、
そこに一途の希望があるのではないか。例えばアメリカで、金正恩が暗殺される
のではないかということを、真剣に、学者のレベルで論じている、研究している。
ではどういう人間に暗殺されるのか、どういう状況が起きるのかを詳しく調べて
います。

 金王朝が倒れるということは昔から言っていて、まだ倒れてないんですが、ま
たアメリカの予測ははずれると言えるかもしれないけれど、今の政権が変わり得
る可能性もあるし、予想もしないことが起きるわけで、月並みな言い方ですが、
希望を捨てないで、粘り強く、あきらめないことを願いたいです。ありがとうご
ざいました(拍手)。

島田 ヒラリー・クリントン政権であったなら現状維持だったかもしれません。
しかし、トランプ政権となると、様々なことが大きく動きますから、来年1月2
0日が政権発足ですが、韓国チームも固まってくる。新しい姿勢の人もかなり入っ
てくると思いますので、最初の数か月、そういう人たちに対して日本がしっかり
情報を提供して働きかけることが重要です。政府の方もおられますので是非宜し
くお願いいたします。以上でこのセッションを終わります(拍手)。


(8につづく)


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