「今年中に全拉致被害者の救出を!」国民大集会全報告1(2017/09/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2017.09.20-2)
以下は平成29年9月17日に開催された「今年中に全拉致被害者の救出を!」
国民大集会の全報告です。家族会、救う会、拉致議連、そして北朝鮮による拉致
被害者を救出する知事の会、拉致問題地方議会全国協議会の5団体が主催し、砂
防会館別館の「シェーンバッハ・サボー」で開催され、1000人が参加しまし
た。
■「今年中に全拉致被害者の救出を!」国民大集会全報告
◆国家の意志、国民の意志がある 拉致被害者を取り返すチャンスがある
櫻井よしこ(総合司会)
皆様こんにちは。台風が日本列島を襲っている時に、こんなにたくさんの方に
お出でいただいてうれしく思います。国際情勢は台風みたいに荒々しく変わって
いきますので、私たちはどんな荒波にも、強い風にも負けないように、この拉致
問題解決に向けて突き進んでいきましょう。今日はそれを象徴するような日だと
思います(拍手)。
今日のために、昨日から泊りがけで地方から来てくださった方手をあげてくだ
さい。ありがとうございます(拍手)。絶対に拉致のことを忘れないようにして、
私たちの絆をしっかり作っていけば大丈夫だと思いますので、頑張りましょう
(拍手)。
安倍総理大臣がお出でです(拍手)。只今より、「今年中に全拉致被害者の救
出を!」国民大集会を開催します。櫻井よしこです。司会を担当します。宜しく
お願いいたします(拍手)。
今年は、横田めぐみさんたちが拉致されて40年です。家族会が結成されて2
0年です。蓮池さん、曽我さんたち5人が帰国なさって15年目です。本当に長
い年月が過ぎてしまいました。
13歳だった少女のめぐみさんは、53歳になりました。滋さんと早紀江さん
は84歳と81歳、今年初めて早紀江さんはこの会を欠席します。こんなに長い
年月が過ぎて、多くの人たちが悲しい思いをして、辛い思いをして、それでも家
族会は頑張って、みんなが頑張ってきました。
けれどもまだ、拉致問題は解決されていません。なぜ我が国はこんなに長い間
拉致を解決できないのか。私は、中山恭子先生にうかがったことがあります。小
泉政権の時、現在の安倍総理が官房副長官、中山さんは拉致被害者家族担当の内
閣参与でした。
その時に5人の方がお帰りになって、その方たちをどうするかという話になっ
た時に、1週間か2週間の滞在の後に、その5人の方たちをまた北朝鮮に戻すと
いう大きな計画がありました。
中山さんは、「これはおかしい」と。「誰一人自分から望んで北朝鮮に行った
わけではない。しばられて袋に詰められて。めぐみちゃんは『返してほしい』と、
あの船底の板を生爪がはがれるくらいまで泣き叫びながら連れて行かれた。よう
やく帰って来た人たちをなぜ返すんですか」と。
当たり前の疑問です。でも当時の外務省も、そしてメディアも国民も、この人
たちをこのまま日本に留め置くという発想よりも、なんとなく返すんだという雰
囲気の中にありました。
だから中山さんはこう言ったそうです。「5人の意志に関わらず、日本に留め
置きます。これは国家の意志です」と。その通りですよね。でもその後に起きた
ことが本当にびっくりです。中山恭子さんの事務所や自宅に、たくさんの電話や
ファックスの抗議がありました。これが当時の日本国の意識でした。
こうした中、中山さんの言葉にたった一人、耳を傾けて、「政府の判断で5人
を日本に留める」と決断した方が安倍総理です(拍手)。当時、ほとんど日本に
はなかった国家としての意識は、15年後の今日、状況は全く違うと思います。
今国家の意識として、国家の考え方としてとして言っても、誰も反対するどこ
ろか、もっとやってほしいと言うと思います。ようやく日本が世界の常識に追い
ついてきました。国民を守るのが政府の役割、国家の役割です。国家と国民は一
体なんです(拍手)。
ご存じの通り、あの変なヘアスタイルをした金正恩という人の暴挙に世界が振
り回されています。北朝鮮は本当に孤立しています。制裁を強められて彼らは困っ
ています。この構図、私たちは辿ってきましたね。
北朝鮮が追い詰められた時、必ず彼らは自分たちの生き残りのために活路を見
いだそうとする。現在の国際社会は、今日の台風のように、荒々しいものですが、
その中に私は安倍政権のもと、官民ともに心を一つにして、拉致被害者を取り返
すチャンスがあると思っています(拍手)。
安倍さんは、「政治生命をかけてこの拉致問題に取り組む」と長年言ってこら
れた。そんな総理大臣はいませんでした。だから私たちは今、北朝鮮の暴虐ぶり、
国際社会において孤立した姿、彼らの窮乏、日本国の政治の強い意志、それを支
える国民の意志、家族のみなさん方の熱意、こうしたものを一つにして、細い道
であるかもしれませんが、拉致被害者を何としてでも取り返す、その道にみんな
で邁進しましょう(拍手)。
今日はそのことを確認するための会です。どうぞ皆さん宜しくお願いいたしま
す(拍手)。
ではまず、主催者を代表しまして、家族会の飯塚繁雄さんからご挨拶をお願い
いたします(拍手)。
◆拉致問題の解決を最優先で進めてほしい
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)
本日は、天候が非常に悪い中、このように多くの皆様がこの国民大集会にご参
加いただき、大変ありがとうございます。また日頃より、あらゆる分野で、あら
ゆる被害者救出活動を精力的に行っていただき、感謝申し上げます。
これまでの経過を考えるに、家族会・救う会が立ち上がって20年経ちました。
日朝首脳会談は15年も前の話です。当然この前に色々な動きがあったわけで、
5人がやっと帰って来たという事実もあります。しかしながらこれ以降、誰一人
としてまだ帰国していません。
そこでこの国民大集会や全国での活動、国際社会を含めた数多くの啓発活動、
そして被害者救出のための要請を行って来ましたが、その後誰一人帰国できない。
この状況に我々は悔しさと無念さを強く感じます。今日この会場に来ておられる
皆様方も同じ思いでしょう。これは非常に憂うることです。
拉致問題では15年とか20年という数字がよく節目として使われますが、我
々は毎日毎日が節目で、こんなに長い節目は考えたこともありません。しかし実
際には時が過ぎ去っていって、経過だけが、無くなった時間だけが残ってしまい
ます。これは非常に残念なことです。
問題は、解決までにこんなに長い時間がかかっていることです。なぜそうなっ
ているのか。その実態、原因の分析を含めて究明していくべきだと思います。ま
たこれから何年かかるかも分からない。しかしそういう長い目で私たちはもう見
ていられません。「一刻でも早く」といつもお願いしています。
私たちも、愛しい家族を何とか早く取り戻すために日々活動してきましたが、
歳を重ねるごとに待ちきれず、残念ながら他界された方がかなりいます。その他
の家族の方々も、歳を重ねるごとに体力が落ち、活動もなかなかおぼつかない状
態になってきています。
北で40年も監禁されている被害者はさらに大変な思いをしていると思います。
私たちは被害者のことを、どうやって説明していいか分かりません。ただ時が過
ぎてしまう。これが大きな問題かなと、私たちは常日頃、最近は特に考えていま
す。
政府担当部署あるいは議会が、この時間が過ぎ去る重みを十分感知していただ
いて、早急な対応が必要になります。このことも宜しくお願いいたします。
今、北朝鮮を取り巻く状況は、核実験やミサイルの乱射、それに対して安保理
決議での制裁、あるいは北朝鮮当局の思惑など著しく混沌としていますが、本来
北朝鮮との懸案事項は、核・ミサイルとともに、拉致も含めた包括的な解決を望
むということになっています。
ところが今、核・ミサイルだけが話題になっており、拉致問題の解決をどうす
るのかということが置き去りになっていると私は感じています。私たちはこの現
象を予測し、拉致問題は核・ミサイルと切り離して、最優先で進めるように要請
しています。
政府も、拉致問題は国の重要課題であり、最優先課題であるということを認識
していただいています。私たちは今年の当初、本年中に拉致問題の解決をという
目標を決め、すべての活動を集中させて、結果がでるようにお願いしてきました。
どんな状況にあろうとも、解決への諸対応を怠ることがないように強く要望いた
します。
あと3か月で今年も終わりです。本当に解決するのかという心配もありますが、
私たちは苦しい状況の中で、注視していきたいと思っています。核・ミサイルの
騒ぎが、拉致未解決の理由には絶対したくないと考えています。
皆様方も私たちと一緒に日本の重要問題である拉致問題の解決に向けて、変わ
らぬご支援を宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 飯塚さんありがとうございました。次に、主催者を代表して拉致議連会長
の衆議院議員、平沼赳夫さんにお願いいたします(拍手)。
◆アメリカと協調して、できることはなんでもする覚悟で
平沼赳夫(拉致議連会長)
皆様方こんにちは。せっかくの日曜日、この雨の中、貴重な時間をお集まりい
ただき心から御礼申し上げます。私は車椅子で立つことができません。座ったま
まのご挨拶でお許しください。
この8月26日と29日に、北朝鮮はミサイルを発射しました。9月3日には
6回目の核実験をしました。報道で見る限り、彼らは原爆ではなく水爆だと言っ
ています。恐らく広島型の何十倍も強力なものです。テレビで見た大きさでは、
核弾頭に載るくらいの大きさですが、これは大変な脅威です。これで脅しにかかっ
ているわけです。
私たちはこれにひるんではいけないと思います。やはりアメリカが便りです。
アメリカとしっかり協調しなければなりません。トランプ大統領が強く出れば出
るほど、今までの経験から言っても、彼らは引っ込みます。そういうことで日本
もしっかり協力して、アメリカとともにやっていきたいと思います。
あのウサマ・ビン・ラディンもカダフィー大佐もアメリカの手によって殺され
ました。そのくらいの力があるわけですから、我々もできることは何でもしてい
くという覚悟で頑張らなければならないと思います。
拉致議連の仲間がアメリカに行ってくれました。私も毎年行かせていただきま
したが、その中から今日はよい報告ができるのではないかと思います。今日は皆
様方、お忙しい中お集まり頂き、本当にありがとうございました。心から御礼申
し上げます(拍手)。
櫻井 平沼先生ありがとうございました。次に、内閣総理大臣で、政府拉致問題
対策本部長を務めておられます、安倍晋三総理大臣宜しくお願いいたします(拍
手)。
◆国民が帰国実現への強い意志を示すことが重要、帰国を目指して全力を尽くす
国民大集会の開催に当たり、一言、ご挨拶申し上げたいと思います。
15年前の今日、平壌で日朝首脳会談が行われ、金正日国防委員長が公式に拉
致を認めました。首脳会談の後、両首脳が署名した「日朝平壌宣言」では、「日
朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関
係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に
大きく寄与するものとなる」との認識が共有されています。
しかしながら、北朝鮮は、国際社会の度重なる警告を無視し、先月29日、一
昨日と、我が国上空を通過する弾道ミサイルを立て続けに発射し、さらに、今月
3日には、6回目となる核実験を強行しました。これらは、国際社会に対する正
面からの挑戦であるとともに、我が国を含む地域の安定と安全、そして、世界の
平和に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、断じて容認できま
せん。
北朝鮮の暴挙を止めるためには、国際社会全体で北朝鮮に対して最大限の圧力
をかけなければなりません。わが国が米国と共に議論を主導し、12日に安保理
が全会一致で採択した格段に厳しい制裁措置を、各国が一糸乱れず、厳格に履行
していくことが重要であります。日米韓で連携し、中国、ロシアとも協力しつつ、
国連の全ての加盟国が本決議を完全に履行するよう、関係国にしっかりと働き掛
けてまいります。
同時に、北朝鮮がこのような挑発行為を繰り返す中にあっても、日本人の拉致
問題を決して埋没させてはなりません。
先週の月曜から、家族会、救う会、そして超党派の拉致議連が訪米され、米国
政府や議会等に北朝鮮のテロ支援国家再指定等、拉致問題の早期解決に向けた協
力を訴えてこられました。私も、今週、国連総会に出席するため訪米いたします。
この機会に改めてトランプ大統領に対し拉致問題の早期解決に向けた協力を求め
てまいります。また、国連総会における演説において、北朝鮮の問題を中心的に
取り上げ、拉致問題についても世界に訴えていきたいと、こう考えております。
この集会に先立ち、先ほど、ご家族の皆様と懇談する機会を頂きました。拉致
問題が決して置き去りにされてはならないという強い訴え、そして拉致被害者も
ご家族もご高齢になられ、もはや一刻の猶予もない中、家族会・救う会の運動方
針に盛り込まれた「今年中に全ての拉致被害者を救出してほしい」という痛切な
思いを、伺いました。
拉致問題の解決に当初から取り組んできた政治家の一人として、また、日朝首
脳会談に官房副長官として同席した者として、この15年間、5名の被害者とそ
のご家族しか帰国が実現していないことは、痛恨の念に堪えません。
拉致問題は、安倍内閣の最重要課題であり、最優先で取り組んでいくという姿
勢にいささかも変わりはありません。
「被害者の方々とご家族の皆様が抱き合う日が訪れるまで私の使命は終わらな
い。拉致問題は安倍内閣で解決する」との強い覚悟の下、私が司令塔となって、
度重なる北朝鮮の暴挙に対する国際社会からの厳しい圧力をテコとしつつ、北朝
鮮に対して、拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
拉致問題の解決のためには、日本国民が一致団結して、全ての拉致被害者の一
日も早い帰国実現への強い意志を示すことが重要です。私もまた、皆様と心を一
つにしながら、拉致問題解決に向け全力を尽くしてまいります。北朝鮮と最終的
には交渉をしなければならないわけであります。極めて難しい課題ではあります
が、皆様と共に、日本国民と共に一日も早い被害者の帰国を目指して全力を尽く
していくことをお誓いいたしまして、総理大臣としてのご挨拶とさせていただき
ます。全力を尽くしてまいります。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 安倍総理ありがとうございました。どうぞ大きな拍手でお送りください
(拍手)。大事なことは、国民の私たちも政治と一緒になって拉致問題解決に前
向きに取り組んでいくことだと思います。あきらめないでまいりましょう。
(2につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
以下は平成29年9月17日に開催された「今年中に全拉致被害者の救出を!」
国民大集会の全報告です。家族会、救う会、拉致議連、そして北朝鮮による拉致
被害者を救出する知事の会、拉致問題地方議会全国協議会の5団体が主催し、砂
防会館別館の「シェーンバッハ・サボー」で開催され、1000人が参加しまし
た。
■「今年中に全拉致被害者の救出を!」国民大集会全報告
◆国家の意志、国民の意志がある 拉致被害者を取り返すチャンスがある
櫻井よしこ(総合司会)
皆様こんにちは。台風が日本列島を襲っている時に、こんなにたくさんの方に
お出でいただいてうれしく思います。国際情勢は台風みたいに荒々しく変わって
いきますので、私たちはどんな荒波にも、強い風にも負けないように、この拉致
問題解決に向けて突き進んでいきましょう。今日はそれを象徴するような日だと
思います(拍手)。
今日のために、昨日から泊りがけで地方から来てくださった方手をあげてくだ
さい。ありがとうございます(拍手)。絶対に拉致のことを忘れないようにして、
私たちの絆をしっかり作っていけば大丈夫だと思いますので、頑張りましょう
(拍手)。
安倍総理大臣がお出でです(拍手)。只今より、「今年中に全拉致被害者の救
出を!」国民大集会を開催します。櫻井よしこです。司会を担当します。宜しく
お願いいたします(拍手)。
今年は、横田めぐみさんたちが拉致されて40年です。家族会が結成されて2
0年です。蓮池さん、曽我さんたち5人が帰国なさって15年目です。本当に長
い年月が過ぎてしまいました。
13歳だった少女のめぐみさんは、53歳になりました。滋さんと早紀江さん
は84歳と81歳、今年初めて早紀江さんはこの会を欠席します。こんなに長い
年月が過ぎて、多くの人たちが悲しい思いをして、辛い思いをして、それでも家
族会は頑張って、みんなが頑張ってきました。
けれどもまだ、拉致問題は解決されていません。なぜ我が国はこんなに長い間
拉致を解決できないのか。私は、中山恭子先生にうかがったことがあります。小
泉政権の時、現在の安倍総理が官房副長官、中山さんは拉致被害者家族担当の内
閣参与でした。
その時に5人の方がお帰りになって、その方たちをどうするかという話になっ
た時に、1週間か2週間の滞在の後に、その5人の方たちをまた北朝鮮に戻すと
いう大きな計画がありました。
中山さんは、「これはおかしい」と。「誰一人自分から望んで北朝鮮に行った
わけではない。しばられて袋に詰められて。めぐみちゃんは『返してほしい』と、
あの船底の板を生爪がはがれるくらいまで泣き叫びながら連れて行かれた。よう
やく帰って来た人たちをなぜ返すんですか」と。
当たり前の疑問です。でも当時の外務省も、そしてメディアも国民も、この人
たちをこのまま日本に留め置くという発想よりも、なんとなく返すんだという雰
囲気の中にありました。
だから中山さんはこう言ったそうです。「5人の意志に関わらず、日本に留め
置きます。これは国家の意志です」と。その通りですよね。でもその後に起きた
ことが本当にびっくりです。中山恭子さんの事務所や自宅に、たくさんの電話や
ファックスの抗議がありました。これが当時の日本国の意識でした。
こうした中、中山さんの言葉にたった一人、耳を傾けて、「政府の判断で5人
を日本に留める」と決断した方が安倍総理です(拍手)。当時、ほとんど日本に
はなかった国家としての意識は、15年後の今日、状況は全く違うと思います。
今国家の意識として、国家の考え方としてとして言っても、誰も反対するどこ
ろか、もっとやってほしいと言うと思います。ようやく日本が世界の常識に追い
ついてきました。国民を守るのが政府の役割、国家の役割です。国家と国民は一
体なんです(拍手)。
ご存じの通り、あの変なヘアスタイルをした金正恩という人の暴挙に世界が振
り回されています。北朝鮮は本当に孤立しています。制裁を強められて彼らは困っ
ています。この構図、私たちは辿ってきましたね。
北朝鮮が追い詰められた時、必ず彼らは自分たちの生き残りのために活路を見
いだそうとする。現在の国際社会は、今日の台風のように、荒々しいものですが、
その中に私は安倍政権のもと、官民ともに心を一つにして、拉致被害者を取り返
すチャンスがあると思っています(拍手)。
安倍さんは、「政治生命をかけてこの拉致問題に取り組む」と長年言ってこら
れた。そんな総理大臣はいませんでした。だから私たちは今、北朝鮮の暴虐ぶり、
国際社会において孤立した姿、彼らの窮乏、日本国の政治の強い意志、それを支
える国民の意志、家族のみなさん方の熱意、こうしたものを一つにして、細い道
であるかもしれませんが、拉致被害者を何としてでも取り返す、その道にみんな
で邁進しましょう(拍手)。
今日はそのことを確認するための会です。どうぞ皆さん宜しくお願いいたしま
す(拍手)。
ではまず、主催者を代表しまして、家族会の飯塚繁雄さんからご挨拶をお願い
いたします(拍手)。
◆拉致問題の解決を最優先で進めてほしい
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)
本日は、天候が非常に悪い中、このように多くの皆様がこの国民大集会にご参
加いただき、大変ありがとうございます。また日頃より、あらゆる分野で、あら
ゆる被害者救出活動を精力的に行っていただき、感謝申し上げます。
これまでの経過を考えるに、家族会・救う会が立ち上がって20年経ちました。
日朝首脳会談は15年も前の話です。当然この前に色々な動きがあったわけで、
5人がやっと帰って来たという事実もあります。しかしながらこれ以降、誰一人
としてまだ帰国していません。
そこでこの国民大集会や全国での活動、国際社会を含めた数多くの啓発活動、
そして被害者救出のための要請を行って来ましたが、その後誰一人帰国できない。
この状況に我々は悔しさと無念さを強く感じます。今日この会場に来ておられる
皆様方も同じ思いでしょう。これは非常に憂うることです。
拉致問題では15年とか20年という数字がよく節目として使われますが、我
々は毎日毎日が節目で、こんなに長い節目は考えたこともありません。しかし実
際には時が過ぎ去っていって、経過だけが、無くなった時間だけが残ってしまい
ます。これは非常に残念なことです。
問題は、解決までにこんなに長い時間がかかっていることです。なぜそうなっ
ているのか。その実態、原因の分析を含めて究明していくべきだと思います。ま
たこれから何年かかるかも分からない。しかしそういう長い目で私たちはもう見
ていられません。「一刻でも早く」といつもお願いしています。
私たちも、愛しい家族を何とか早く取り戻すために日々活動してきましたが、
歳を重ねるごとに待ちきれず、残念ながら他界された方がかなりいます。その他
の家族の方々も、歳を重ねるごとに体力が落ち、活動もなかなかおぼつかない状
態になってきています。
北で40年も監禁されている被害者はさらに大変な思いをしていると思います。
私たちは被害者のことを、どうやって説明していいか分かりません。ただ時が過
ぎてしまう。これが大きな問題かなと、私たちは常日頃、最近は特に考えていま
す。
政府担当部署あるいは議会が、この時間が過ぎ去る重みを十分感知していただ
いて、早急な対応が必要になります。このことも宜しくお願いいたします。
今、北朝鮮を取り巻く状況は、核実験やミサイルの乱射、それに対して安保理
決議での制裁、あるいは北朝鮮当局の思惑など著しく混沌としていますが、本来
北朝鮮との懸案事項は、核・ミサイルとともに、拉致も含めた包括的な解決を望
むということになっています。
ところが今、核・ミサイルだけが話題になっており、拉致問題の解決をどうす
るのかということが置き去りになっていると私は感じています。私たちはこの現
象を予測し、拉致問題は核・ミサイルと切り離して、最優先で進めるように要請
しています。
政府も、拉致問題は国の重要課題であり、最優先課題であるということを認識
していただいています。私たちは今年の当初、本年中に拉致問題の解決をという
目標を決め、すべての活動を集中させて、結果がでるようにお願いしてきました。
どんな状況にあろうとも、解決への諸対応を怠ることがないように強く要望いた
します。
あと3か月で今年も終わりです。本当に解決するのかという心配もありますが、
私たちは苦しい状況の中で、注視していきたいと思っています。核・ミサイルの
騒ぎが、拉致未解決の理由には絶対したくないと考えています。
皆様方も私たちと一緒に日本の重要問題である拉致問題の解決に向けて、変わ
らぬご支援を宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 飯塚さんありがとうございました。次に、主催者を代表して拉致議連会長
の衆議院議員、平沼赳夫さんにお願いいたします(拍手)。
◆アメリカと協調して、できることはなんでもする覚悟で
平沼赳夫(拉致議連会長)
皆様方こんにちは。せっかくの日曜日、この雨の中、貴重な時間をお集まりい
ただき心から御礼申し上げます。私は車椅子で立つことができません。座ったま
まのご挨拶でお許しください。
この8月26日と29日に、北朝鮮はミサイルを発射しました。9月3日には
6回目の核実験をしました。報道で見る限り、彼らは原爆ではなく水爆だと言っ
ています。恐らく広島型の何十倍も強力なものです。テレビで見た大きさでは、
核弾頭に載るくらいの大きさですが、これは大変な脅威です。これで脅しにかかっ
ているわけです。
私たちはこれにひるんではいけないと思います。やはりアメリカが便りです。
アメリカとしっかり協調しなければなりません。トランプ大統領が強く出れば出
るほど、今までの経験から言っても、彼らは引っ込みます。そういうことで日本
もしっかり協力して、アメリカとともにやっていきたいと思います。
あのウサマ・ビン・ラディンもカダフィー大佐もアメリカの手によって殺され
ました。そのくらいの力があるわけですから、我々もできることは何でもしてい
くという覚悟で頑張らなければならないと思います。
拉致議連の仲間がアメリカに行ってくれました。私も毎年行かせていただきま
したが、その中から今日はよい報告ができるのではないかと思います。今日は皆
様方、お忙しい中お集まり頂き、本当にありがとうございました。心から御礼申
し上げます(拍手)。
櫻井 平沼先生ありがとうございました。次に、内閣総理大臣で、政府拉致問題
対策本部長を務めておられます、安倍晋三総理大臣宜しくお願いいたします(拍
手)。
◆国民が帰国実現への強い意志を示すことが重要、帰国を目指して全力を尽くす
国民大集会の開催に当たり、一言、ご挨拶申し上げたいと思います。
15年前の今日、平壌で日朝首脳会談が行われ、金正日国防委員長が公式に拉
致を認めました。首脳会談の後、両首脳が署名した「日朝平壌宣言」では、「日
朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決し、実りある政治、経済、文化的関
係を樹立することが、双方の基本利益に合致するとともに、地域の平和と安定に
大きく寄与するものとなる」との認識が共有されています。
しかしながら、北朝鮮は、国際社会の度重なる警告を無視し、先月29日、一
昨日と、我が国上空を通過する弾道ミサイルを立て続けに発射し、さらに、今月
3日には、6回目となる核実験を強行しました。これらは、国際社会に対する正
面からの挑戦であるとともに、我が国を含む地域の安定と安全、そして、世界の
平和に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、断じて容認できま
せん。
北朝鮮の暴挙を止めるためには、国際社会全体で北朝鮮に対して最大限の圧力
をかけなければなりません。わが国が米国と共に議論を主導し、12日に安保理
が全会一致で採択した格段に厳しい制裁措置を、各国が一糸乱れず、厳格に履行
していくことが重要であります。日米韓で連携し、中国、ロシアとも協力しつつ、
国連の全ての加盟国が本決議を完全に履行するよう、関係国にしっかりと働き掛
けてまいります。
同時に、北朝鮮がこのような挑発行為を繰り返す中にあっても、日本人の拉致
問題を決して埋没させてはなりません。
先週の月曜から、家族会、救う会、そして超党派の拉致議連が訪米され、米国
政府や議会等に北朝鮮のテロ支援国家再指定等、拉致問題の早期解決に向けた協
力を訴えてこられました。私も、今週、国連総会に出席するため訪米いたします。
この機会に改めてトランプ大統領に対し拉致問題の早期解決に向けた協力を求め
てまいります。また、国連総会における演説において、北朝鮮の問題を中心的に
取り上げ、拉致問題についても世界に訴えていきたいと、こう考えております。
この集会に先立ち、先ほど、ご家族の皆様と懇談する機会を頂きました。拉致
問題が決して置き去りにされてはならないという強い訴え、そして拉致被害者も
ご家族もご高齢になられ、もはや一刻の猶予もない中、家族会・救う会の運動方
針に盛り込まれた「今年中に全ての拉致被害者を救出してほしい」という痛切な
思いを、伺いました。
拉致問題の解決に当初から取り組んできた政治家の一人として、また、日朝首
脳会談に官房副長官として同席した者として、この15年間、5名の被害者とそ
のご家族しか帰国が実現していないことは、痛恨の念に堪えません。
拉致問題は、安倍内閣の最重要課題であり、最優先で取り組んでいくという姿
勢にいささかも変わりはありません。
「被害者の方々とご家族の皆様が抱き合う日が訪れるまで私の使命は終わらな
い。拉致問題は安倍内閣で解決する」との強い覚悟の下、私が司令塔となって、
度重なる北朝鮮の暴挙に対する国際社会からの厳しい圧力をテコとしつつ、北朝
鮮に対して、拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
拉致問題の解決のためには、日本国民が一致団結して、全ての拉致被害者の一
日も早い帰国実現への強い意志を示すことが重要です。私もまた、皆様と心を一
つにしながら、拉致問題解決に向け全力を尽くしてまいります。北朝鮮と最終的
には交渉をしなければならないわけであります。極めて難しい課題ではあります
が、皆様と共に、日本国民と共に一日も早い被害者の帰国を目指して全力を尽く
していくことをお誓いいたしまして、総理大臣としてのご挨拶とさせていただき
ます。全力を尽くしてまいります。ありがとうございました(拍手)。
櫻井 安倍総理ありがとうございました。どうぞ大きな拍手でお送りください
(拍手)。大事なことは、国民の私たちも政治と一緒になって拉致問題解決に前
向きに取り組んでいくことだと思います。あきらめないでまいりましょう。
(2につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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