【正論】未曽有の北朝鮮危機を直視せよ-参考情報(2017/10/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2017.10.20)
以下は、西岡力・救う会会長が執筆した、本日付「産経新聞」への寄稿文です。
参考情報として送ります。
■【正論】未曽有の北朝鮮危機を直視せよ-参考情報
□モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力
私が韓国・北朝鮮研究をはじめて40年、拉致被害者救出のための国民運動に
参加してから20年がたった。その経験からして今、戦後日本は北朝鮮問題で未
曽有の危機を前にしていると断言できる。その意味で安倍晋三首相が今回の総選
挙で「国難突破」と訴えていることは理解できる。いや、もっと強く危機を訴え
るべきなのにそれが足りないという印象だ。
≪自己防衛の本能を失った日本≫
わが国の歴史を振り返ると、朝鮮半島が反日勢力によって統一されたときには、
いつも重大な安全保障上の危機がやってきた。この地政学的危機意識をわが先祖
は本能的に持っていた。
ところが戦後、わが国は自己防衛の本能を失っていった。金日成による韓国へ
の奇襲侵略はわが国安保を大きく脅かした。しかし、危機感を持ったのはわが国
よりも米国だった。先祖伝来の危機意識が働いていたなら、そのとき国軍保持を
明記する憲法改正を行うべきだったが、そうはならなかった。その後、今日まで
半島を全体主義勢力から守るのは米軍の責任で、わが国は与えられた平和の中で
経済的繁栄だけを追求すればよいという無責任な思考が跋扈(ばっこ)し、本能
的危機感が廃れてしまった。
しかし、米国はかつてのように「世界の警察」の役割を果たさなくなった。ト
ランプ大統領が主張するように、米国も自国の利益を第一に考える普通の国になっ
た。トランプ政権は北朝鮮のテロ政権が米本土まで届く核ミサイルを持つ直前ま
で来ていることに危機感を募らせ、軍事的手段を含むすべての方法を使ってそれ
を阻止すると言い続けている。
≪目前に迫る軍事攻撃の決断≫
一方、北朝鮮の独裁者・金正恩氏は、核ミサイル開発をやめることはないと繰
り返し公言している。8月と9月に国連安全保障理事会が決めた経済制裁は彼ら
の外貨収入の大部分を奪う厳しいものだが、それが効いてくるまでには少なくと
も1年くらいかかる。
だからこそ金正恩氏は核ミサイル開発を急いでいる。米本土まで届く核ミサイ
ルを完成させるためには核実験を1回以上、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を複数回、成功させる必要があ
る。核弾頭は完成しているので核実験は必要はないという見方もあるが、私が入
手した情報では核弾頭はまだ完成していない。
実験を行う度に制裁は強まり、武力行使準備は進む。大量破壊兵器を戦争で除
去する意味で似ているイラク戦争では、国連安保理が武力制裁を認める決議をし、
米議会が大統領に武力行使の権限を与える決議を行った。それがなくとも攻撃す
ることはできるが、すべてそろった段階でトランプ大統領は決断する公算が大き
い。
武力攻撃では、核施設だけを限定爆撃するという方法は採られない。開戦と同
時に前線の長距離砲、ロケット砲基地とミサイル基地などをすべて叩(たた)く。
またレーダーや対空砲、空軍基地を攻撃して制空権を奪う。それだけでなく、金
正恩氏が立てこもっていると思われるすべての地下司令部を破壊し、司令部と基
地との間の無線・有線の連絡網をつぶす。この最後の部分がいわゆる「斬首作戦」
だ。頭と胴を切り離せば、独裁国家の軍隊は機能を停止する。
金正恩氏とその側近らは「斬首作戦」を一番恐れている。だからこそ、一刻も
早く米本土まで届く核ミサイルを持ちたいのだ。従って、トランプ政権が軍事攻
撃を決断するのは、核ミサイルが完成する前でなければならない。その意味で危
機は目前まで来ている。
≪地政学的悪夢の招来もあり得る≫
現段階では米軍は軍事演習を繰り返して「斬首作戦」が実行可能だとみせつけ、
金正恩氏と幹部らを恐怖に陥れ、命ごいしてくることや、幹部らによる金正恩氏
排除を待っている。その場合、金正恩氏あるいは金正恩氏を排除した勢力が拉致
問題を媒介にして安倍政権に助けを求めるかもしれない。彼らが全被害者の一括
帰国を決断したならば、わが国は核問題と切り離して、一定の見返りを与えるこ
とを含む被害者帰国の条件を詰める実質的協議を持つべきだ。
トランプ大統領に拉致問題の深刻さをアピールしているのは、米国にその了解
を得る布石である。軍事攻撃がなされる場合、被害者を救出するためには所在情
報が不可欠だ。それなしには米韓軍に救出を依頼することも自衛隊を使うことも
困難だ。情報収集活動を最高度に強化すべきときである。
重大な事実を書く。トランプ政権は軍事行動にあたって陸上部隊を使わない可
能性が高い。敵の攻撃能力の無力化と「斬首作戦」を空軍と海軍で行い、核兵器
を確保するために特殊部隊を投入する。
しかし、北朝鮮の平定と占領は韓国軍に任せる。文在寅大統領が戦争反対に固
執して韓国軍を出さないなら、韓米同盟は破綻し、米国は中国軍による北朝鮮占
領を許容する可能性が高い。その結果、南北ともに「反日親中政権」ができるこ
とになる。それこそがわが国の地政学的危機である。(にしおか つとむ)
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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以下は、西岡力・救う会会長が執筆した、本日付「産経新聞」への寄稿文です。
参考情報として送ります。
■【正論】未曽有の北朝鮮危機を直視せよ-参考情報
□モラロジー研究所教授、麗澤大学客員教授・西岡力
私が韓国・北朝鮮研究をはじめて40年、拉致被害者救出のための国民運動に
参加してから20年がたった。その経験からして今、戦後日本は北朝鮮問題で未
曽有の危機を前にしていると断言できる。その意味で安倍晋三首相が今回の総選
挙で「国難突破」と訴えていることは理解できる。いや、もっと強く危機を訴え
るべきなのにそれが足りないという印象だ。
≪自己防衛の本能を失った日本≫
わが国の歴史を振り返ると、朝鮮半島が反日勢力によって統一されたときには、
いつも重大な安全保障上の危機がやってきた。この地政学的危機意識をわが先祖
は本能的に持っていた。
ところが戦後、わが国は自己防衛の本能を失っていった。金日成による韓国へ
の奇襲侵略はわが国安保を大きく脅かした。しかし、危機感を持ったのはわが国
よりも米国だった。先祖伝来の危機意識が働いていたなら、そのとき国軍保持を
明記する憲法改正を行うべきだったが、そうはならなかった。その後、今日まで
半島を全体主義勢力から守るのは米軍の責任で、わが国は与えられた平和の中で
経済的繁栄だけを追求すればよいという無責任な思考が跋扈(ばっこ)し、本能
的危機感が廃れてしまった。
しかし、米国はかつてのように「世界の警察」の役割を果たさなくなった。ト
ランプ大統領が主張するように、米国も自国の利益を第一に考える普通の国になっ
た。トランプ政権は北朝鮮のテロ政権が米本土まで届く核ミサイルを持つ直前ま
で来ていることに危機感を募らせ、軍事的手段を含むすべての方法を使ってそれ
を阻止すると言い続けている。
≪目前に迫る軍事攻撃の決断≫
一方、北朝鮮の独裁者・金正恩氏は、核ミサイル開発をやめることはないと繰
り返し公言している。8月と9月に国連安全保障理事会が決めた経済制裁は彼ら
の外貨収入の大部分を奪う厳しいものだが、それが効いてくるまでには少なくと
も1年くらいかかる。
だからこそ金正恩氏は核ミサイル開発を急いでいる。米本土まで届く核ミサイ
ルを完成させるためには核実験を1回以上、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と
潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を複数回、成功させる必要があ
る。核弾頭は完成しているので核実験は必要はないという見方もあるが、私が入
手した情報では核弾頭はまだ完成していない。
実験を行う度に制裁は強まり、武力行使準備は進む。大量破壊兵器を戦争で除
去する意味で似ているイラク戦争では、国連安保理が武力制裁を認める決議をし、
米議会が大統領に武力行使の権限を与える決議を行った。それがなくとも攻撃す
ることはできるが、すべてそろった段階でトランプ大統領は決断する公算が大き
い。
武力攻撃では、核施設だけを限定爆撃するという方法は採られない。開戦と同
時に前線の長距離砲、ロケット砲基地とミサイル基地などをすべて叩(たた)く。
またレーダーや対空砲、空軍基地を攻撃して制空権を奪う。それだけでなく、金
正恩氏が立てこもっていると思われるすべての地下司令部を破壊し、司令部と基
地との間の無線・有線の連絡網をつぶす。この最後の部分がいわゆる「斬首作戦」
だ。頭と胴を切り離せば、独裁国家の軍隊は機能を停止する。
金正恩氏とその側近らは「斬首作戦」を一番恐れている。だからこそ、一刻も
早く米本土まで届く核ミサイルを持ちたいのだ。従って、トランプ政権が軍事攻
撃を決断するのは、核ミサイルが完成する前でなければならない。その意味で危
機は目前まで来ている。
≪地政学的悪夢の招来もあり得る≫
現段階では米軍は軍事演習を繰り返して「斬首作戦」が実行可能だとみせつけ、
金正恩氏と幹部らを恐怖に陥れ、命ごいしてくることや、幹部らによる金正恩氏
排除を待っている。その場合、金正恩氏あるいは金正恩氏を排除した勢力が拉致
問題を媒介にして安倍政権に助けを求めるかもしれない。彼らが全被害者の一括
帰国を決断したならば、わが国は核問題と切り離して、一定の見返りを与えるこ
とを含む被害者帰国の条件を詰める実質的協議を持つべきだ。
トランプ大統領に拉致問題の深刻さをアピールしているのは、米国にその了解
を得る布石である。軍事攻撃がなされる場合、被害者を救出するためには所在情
報が不可欠だ。それなしには米韓軍に救出を依頼することも自衛隊を使うことも
困難だ。情報収集活動を最高度に強化すべきときである。
重大な事実を書く。トランプ政権は軍事行動にあたって陸上部隊を使わない可
能性が高い。敵の攻撃能力の無力化と「斬首作戦」を空軍と海軍で行い、核兵器
を確保するために特殊部隊を投入する。
しかし、北朝鮮の平定と占領は韓国軍に任せる。文在寅大統領が戦争反対に固
執して韓国軍を出さないなら、韓米同盟は破綻し、米国は中国軍による北朝鮮占
領を許容する可能性が高い。その結果、南北ともに「反日親中政権」ができるこ
とになる。それこそがわが国の地政学的危機である。(にしおか つとむ)
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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