政府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会報告6(2018/04/27)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.04.27-3)
■政府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会報告6
櫻井 続いて、救う会会長の西岡力さんお願いします(拍手)。
◆トランプ大統領が、被害者が生きていると確信した
西岡力(救う会会長)
皆さんのお手元に決議案があると思います。私がこのところ下書きをかいてい
るのですが、昨年9月の決議案を出してみて、それを参考にして書こうと思った
のです。見ると、昨年9月には、我々は強い危機感を持っていました。
9月3日に大規模な核実験がありました。広島に落とされた原爆の16倍だっ
たのです。そして9月15日には、ミサイル発射もあった。日本を飛び越えたん
です。トランプ大統領は、「そんなことをしていたら北朝鮮という国がなくなる
ぞ」というようなことを言った。北朝鮮は、「何十倍の報復をする」と言った。
そういう緊張関係の中で、我々は一生懸命拉致被害者救出の旗を上げていたん
だけど、(その旗が)吹っ飛んでしまうのではないかということが決議案に書い
てありました。
しかしこの間、ここにいる皆さん、先生方、政府、与野党、そして地方議員の
先生方がみんなで声をあげて、旗を降ろさないとやってきたら、核・ミサイル問
題だけでなく、拉致問題も浮上してきました。今両方が上に上がっています。
何もしなかったらここまで来れません。私はいつも、国民運動というのは、重
い鉄の球を持って山を上がっていくようなもんだ、と。手を放したら落ちちゃう
んです。重い球ですから1日何センチしか上がらないんです。上がった気がしな
いんです。
しかし6か月経って見ると、6か月前は拉致問題が飛ばされるかもしれないと
言っていたのに、みんな今日は、「機会だ」、「チャンスだ」と言えるようになっ
た。何もしなかったらこんなことは起きません。しかし、上がっていけば、上が
るんです。ここまで来たんです。
トランプ大統領の口から、「拉致問題を首脳会談で提起する」ということがあ
りました。でもそれだけでは足りない。拉致問題を提起しても、北朝鮮は、「い
や報告書を出します」となる。
「死亡の証拠があるんです」と言われて、トランプ大統領のもとには詳しい情
報がないでしょうから、「あ、そう。証拠が出たのならかわいそうな家族はこれ
で消息が出て喜ぶだろう」と思ってしまったら、逆に危なかったかもしれない。
だから我々は、トランプ大統領の口から、「全員返せ」という言葉が出なけれ
ばならないという決議を持って総理のところに行き、「トランプ大統領にそうい
うことを説得してください」と言った。その時に、日本政府が持っている情報も
活用してくださいというところまでお願いしたわけです。
情報のことは秘密のことが多いです。私は先ほど荒木さんが言ったことに全面
的に賛成はしません。もう少し政府がやっていることについて知っているし、私
が知らないこともありますが、少なくとも今回のことで分かったことは、トラン
プ大統領が、被害者が生きていると確信したということです。
そうえでなければ、「被害者を日本に連れ戻せるようにできる限りのことはす
る」という言葉は出てきません。北朝鮮は死んだと言っているんです。解決は消
息が分かるということだけではないことが分かった。「連れ戻す」と言ったんで
す。生きている人でないと、連れ戻せないんです。
「解決のために努力する」ということと、「連れ戻すために努力する」という
のは、こんなに違いがあります。そのことを総理は、会談の後の記者会見で言わ
せることができた。会談の前の冒頭発言では、「拉致問題を提起する」だったん
です。
しかし、会談の後の記者会見では、「日本に連れ戻せるようにできる限りのこ
とをする」と言った。だから総理が努力されたことがここに表れていると思いま
すし、情報のことも生かされていると信じています。
◆「全拉致被害者の即時一括帰国」でなければならない
生きているんです。私の所にだって、色んな情報を売りにきますよ。その中で
本当だと思われるものもあります。北朝鮮は本当に今腐敗しているんです。しか
し、これだけでは足りないんです。
核問題で言うと、「検証可能で不可逆的な完全廃棄」という言葉が主張されて
います。長いんですが、皆さんは何回も聞きいているから耳に残っていると思い
ます。
もう一つ、拉致問題で覚えてほしいのがあります。決議案の真ん中あたりにも
書いてあり、今日先生方もたくさん言っていただきましたが、「全拉致被害者の
即時一括帰国」です。
「全拉致被害者の即時一括帰国」と、「検証可能で不可逆的な完全廃棄」、こ
の両方がなされない限り、国際社会の制裁は緩まない。一切支援をしない。この
姿勢を貫けば、困っているのはあちらなんですから、道は開けると思います。
もう一度言います。「全拉致被害者の即時一括帰国」です。もしかしたらトラ
ンプ大統領が、「日本に連れ戻す」と言ったら、彼らにとって大丈夫だと思われ
る人を何人か出してくるかもしれません。でもそれは、「全拉致被害者の即時一
括帰国」ではないんです。それでは制裁も緩めない。圧力もかけ続けるという姿
勢を貫かねばならない。
◆米朝会談の結果、3つの可能性
米朝会談は勝負です。可能性は3つあります。第1の可能性はアメリカが中途
半端な譲歩をしてしまうこと。アメリカまで届く大陸間弾道弾や潜水艦発射ミサ
イルだけ廃棄する。核については段階的な廃棄、というようなことで譲歩してし
まって11月の中間選挙で、「アメリカ本土の安全を守りました」と言う可能性
がありました。
しかし、「そんなことは絶対ダメだ」と言っているジョン・ボルトンさん。我
々はボルトンさんに6回以上会っています。2003年に会った時は、拓也さん
が「13歳のお姉さんが拉致されたんだ」という話をしたら、ボルトンさんは顔
を真っ赤にして、「うー」と言って怒りました。
そういう熱血漢が安保補佐官になりました。安保担当補佐官というのは昔のキッ
シンジャーさんみたいに、アメリカの外交安保政策の事実上の最高責任者です。
彼は拉致問題を深く理解している。そして核についても、「中途半端な譲歩はだ
めだ」とずっと言ってきた人です。
その人を、米朝首脳会談が決まった後に補佐官を変えて就任させたというのは、
第1の可能性は相当低くなった。やらないということです。もしも、ジョン・ボ
ルトン氏が補佐官でいる中で中途半端な譲歩をしようとしたら、彼は辞表を出す
と思います。そういう人です。
2番目の可能性は、何か。北朝鮮が大幅に譲歩してくることです。いわゆる
「リビア型」というんですが、アメリカの情報機関、CIAが査察する。数か月
ですべて撤去する。完全に撤去するまで見返りを与えない。この「リビア型」を
呑むかもしれない。
2003年に、リビアのカダフィさんは、今言ったことを呑みました。そした
ら2011年まで8年間生き残りました。サダム・フセインさんは、毒ガスをもっ
ていなかったのに、振りをして、査察を受け入れなかったら2006年に死にま
した。
金正恩が冷静にそのことを判断できれば、ボルトンさんが入ったという意味も
含めて判断できれば、私は皆さんと同じように北朝鮮は信用できないとずっと言っ
てきた男ですが、第1の可能性がないとすれば、彼が生き残るために何を選択す
るかということで、譲歩が起きるかもしれない。
その時に、「それでもだめだ」と言わなければならない。「リビア型」という
のは「検証可能で不可逆的な完全廃棄」ですが、それでもだめだ。「全拉致被害
者の即時一括帰国」、この2つが起きるかもしれない。
3つ目の可能性は決裂です。即緊張が高まるでしょう。そういう中で被害者の
安全をどう保つのか。秘密裏に様々な準備をしておかなければならない。そのた
めの情報が必要ですし、どこに被害者がいるのかについて、必死で集めなければ
ならないという緊急の課題があります。
我々の前に3つの道がある。しかし、中途半端な道はボルトンさんという関所
の鬼がいて、そっちは通さないと言っているから多分大丈夫じゃないか。我々も
総理ほどではないかもしれませんが、5月の連休に拉致議連の先生方と一緒に、
家族会・救う会・拉致議連で訪米して、加藤大臣も行かれる予定だと聞いていま
すが、協力してアメリカの実務レベルの人たちに働きかけていきたいと思います。
中途半端な譲歩ではダメだ、向こうが弱まっているんだ、と。
本当に正念場中の正念場ですが、鉄の球を持って来て20年経ったら頂上が見
えてきたんじゃないか。でも見えてきただけじゃだめなんです。本当に取り戻さ
なければいけない。何もしなければ勝てない。これだけは確かです。全力を尽く
せば道は開ける。半年前と比べて、我々は高く上がってきた。自信を持って、こ
れから数か月の勝負に臨もうではありませんか。そのためにも、「全拉致被害者
の即時一括帰国」なしに、我々の怒りは解けないと、国民の強い怒りが必要です。
一緒に頑張りましょう(拍手)。
櫻井 西岡さん、ありがとうございました。では次に、塚田一郎さんに私たちの
決議案を朗読していただきたいと思います。塚田さんは拉致議連の事務局長です。
宜しくお願いします(拍手)。
【決議案採択】
塚田一郎(拉致議連事務局長、参議院議員)
本日は長い間、本当に大勢の皆様にご参加、ご協力いただきまして心より感謝
申し上げます。それでは決議案を朗読させていただきます。
決議案
全拉致被害者救出にとってまたとない機会が訪れてきた中、私たちは本日「政
府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会」を開催した。
私たちは昨年9月、台風の中での国民大集会の際、核ミサイル問題の深刻化の
中で拉致被害者救出の旗が吹き飛ばされてしまうのではないかという強い危機感
を持ったが、官民あげての必死の活動により、半年経って核ミサイル廃棄ととも
に拉致被害者救出の機運が大きく浮上してきた。
安倍総理の強いリーダーシップのもと、日米が主導してきた最高度の圧力の結
果、金正恩がトランプ大統領との会談を求めてきた。トランプ大統領は訪米した
安倍総理に、「米朝首脳会談で拉致問題を提起する」、「拉致被害者を日本に連
れ戻せるよう、できることはすべてやる」と語った。政府の外交努力の結果だ。
また、家族会・救う会が拉致議連と共に、平成13年から繰り返し訪米して拉致被
害者救出への協力を求めてきた成果でもある。
今後、米朝首脳会談の結果によっては拉致問題が大きく動くことも予想される。
そのとき絶対譲れないのは、全拉致被害者の即時一括帰国だ。北朝鮮がでたらめ
な理由をつけて「死亡」と通告してきた8人、同じく北朝鮮が拉致したことさえ
認めていない「未入境」と通告された4人、その他多くの未認定拉致被害者を含
め全員が帰ってこなければならない。それなしには、わが国は北朝鮮へのどのよ
うな合意や支援、援助にも反対するだけでなく、米国をはじめとする国際社会に
対して、制裁を緩めたり支援をしてはならない、と強く訴えるべきだ。
多くの拉致被害者が彼の地で祖国の助けを待っている。私たちは負けるわけに
はいかない。この千載一遇の機会に絶対に全員を救い出すという決意を固め、以
下決議する。
一、北朝鮮は、今すぐ、全拉致被害者を返せ。全拉致被害者を返すためのわが国
との実質的協議に応ぜよ。
二、政府は、全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ。米朝首脳会談後の様々な
展開に備え、全拉致被害者の安全確保と保護の準備をせよ。
三、国民は、ブルーリボンを身につけ全拉致被害者救出への意思を示そう。アニ
メ「めぐみ」の学校上映拡大等を通じて拉致問題啓発活動を続けよう。
平成30年4月22日
「政府に今年中の全拉致被害者救出を再度求める国民大集会」参加者一同
ご賛同宜しくお願いいたします(拍手)。
櫻井 ありがとうございます。この拍手をもちまして、決議案を正式な決議とさ
せていただきます。みなさんどうも、ありがとうございました。今日この会場に
いらした方々は千名を越えました。全国からお出でいただき、ありがとうござい
ます。そしてまたご報告します。これまでに家族会・救う会が集めた署名があり
ます。一日も早い一括帰国を求めての署名です。全部で1269万9千人の方々
が署名をしてくださいました。本当にありがとうございました(拍手)。
これからもどうぞこの拉致問題、今本当に大事な所にさしかかっています。拉
致問題を解決できるかどうか。それは日本が本当の意味で国家でありうるかどう
かという問題でもあります。是非この拉致問題を最後までしっかりと見届けて、
全員を一括して取り戻すところまで、一緒に走っていただきたいと思います。そ
のためには皆さん、カンパもお願いします。
そしてここで恒例ですがみんなで一緒に思いを込めて、北朝鮮の金正恩に届く
ように、そして拉致被害者の耳に届くようにシュプレヒコールをしたいと思いま
す。
西岡 ご起立ください。本当に正念場が来ました。我々が我々の力で動かそうで
はありませんか。
シュプレヒコール! おー!
シュプレヒコール! おー!
北朝鮮は今すぐ全拉致被害者を 返せ!
返せ! 返せ! 返せ!
政府は全拉致被害者の即時一括帰国を 実現せよ!
実現せよ! 実現せよ! 実現せよ!
即時一括帰国を 実現せよ!
実現せよ! 実現せよ! 実現せよ!
ありがとうございました(拍手)。
櫻井 どうもありがとうございました。壇上の皆様方もありがとうございました。
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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■政府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会報告6
櫻井 続いて、救う会会長の西岡力さんお願いします(拍手)。
◆トランプ大統領が、被害者が生きていると確信した
西岡力(救う会会長)
皆さんのお手元に決議案があると思います。私がこのところ下書きをかいてい
るのですが、昨年9月の決議案を出してみて、それを参考にして書こうと思った
のです。見ると、昨年9月には、我々は強い危機感を持っていました。
9月3日に大規模な核実験がありました。広島に落とされた原爆の16倍だっ
たのです。そして9月15日には、ミサイル発射もあった。日本を飛び越えたん
です。トランプ大統領は、「そんなことをしていたら北朝鮮という国がなくなる
ぞ」というようなことを言った。北朝鮮は、「何十倍の報復をする」と言った。
そういう緊張関係の中で、我々は一生懸命拉致被害者救出の旗を上げていたん
だけど、(その旗が)吹っ飛んでしまうのではないかということが決議案に書い
てありました。
しかしこの間、ここにいる皆さん、先生方、政府、与野党、そして地方議員の
先生方がみんなで声をあげて、旗を降ろさないとやってきたら、核・ミサイル問
題だけでなく、拉致問題も浮上してきました。今両方が上に上がっています。
何もしなかったらここまで来れません。私はいつも、国民運動というのは、重
い鉄の球を持って山を上がっていくようなもんだ、と。手を放したら落ちちゃう
んです。重い球ですから1日何センチしか上がらないんです。上がった気がしな
いんです。
しかし6か月経って見ると、6か月前は拉致問題が飛ばされるかもしれないと
言っていたのに、みんな今日は、「機会だ」、「チャンスだ」と言えるようになっ
た。何もしなかったらこんなことは起きません。しかし、上がっていけば、上が
るんです。ここまで来たんです。
トランプ大統領の口から、「拉致問題を首脳会談で提起する」ということがあ
りました。でもそれだけでは足りない。拉致問題を提起しても、北朝鮮は、「い
や報告書を出します」となる。
「死亡の証拠があるんです」と言われて、トランプ大統領のもとには詳しい情
報がないでしょうから、「あ、そう。証拠が出たのならかわいそうな家族はこれ
で消息が出て喜ぶだろう」と思ってしまったら、逆に危なかったかもしれない。
だから我々は、トランプ大統領の口から、「全員返せ」という言葉が出なけれ
ばならないという決議を持って総理のところに行き、「トランプ大統領にそうい
うことを説得してください」と言った。その時に、日本政府が持っている情報も
活用してくださいというところまでお願いしたわけです。
情報のことは秘密のことが多いです。私は先ほど荒木さんが言ったことに全面
的に賛成はしません。もう少し政府がやっていることについて知っているし、私
が知らないこともありますが、少なくとも今回のことで分かったことは、トラン
プ大統領が、被害者が生きていると確信したということです。
そうえでなければ、「被害者を日本に連れ戻せるようにできる限りのことはす
る」という言葉は出てきません。北朝鮮は死んだと言っているんです。解決は消
息が分かるということだけではないことが分かった。「連れ戻す」と言ったんで
す。生きている人でないと、連れ戻せないんです。
「解決のために努力する」ということと、「連れ戻すために努力する」という
のは、こんなに違いがあります。そのことを総理は、会談の後の記者会見で言わ
せることができた。会談の前の冒頭発言では、「拉致問題を提起する」だったん
です。
しかし、会談の後の記者会見では、「日本に連れ戻せるようにできる限りのこ
とをする」と言った。だから総理が努力されたことがここに表れていると思いま
すし、情報のことも生かされていると信じています。
◆「全拉致被害者の即時一括帰国」でなければならない
生きているんです。私の所にだって、色んな情報を売りにきますよ。その中で
本当だと思われるものもあります。北朝鮮は本当に今腐敗しているんです。しか
し、これだけでは足りないんです。
核問題で言うと、「検証可能で不可逆的な完全廃棄」という言葉が主張されて
います。長いんですが、皆さんは何回も聞きいているから耳に残っていると思い
ます。
もう一つ、拉致問題で覚えてほしいのがあります。決議案の真ん中あたりにも
書いてあり、今日先生方もたくさん言っていただきましたが、「全拉致被害者の
即時一括帰国」です。
「全拉致被害者の即時一括帰国」と、「検証可能で不可逆的な完全廃棄」、こ
の両方がなされない限り、国際社会の制裁は緩まない。一切支援をしない。この
姿勢を貫けば、困っているのはあちらなんですから、道は開けると思います。
もう一度言います。「全拉致被害者の即時一括帰国」です。もしかしたらトラ
ンプ大統領が、「日本に連れ戻す」と言ったら、彼らにとって大丈夫だと思われ
る人を何人か出してくるかもしれません。でもそれは、「全拉致被害者の即時一
括帰国」ではないんです。それでは制裁も緩めない。圧力もかけ続けるという姿
勢を貫かねばならない。
◆米朝会談の結果、3つの可能性
米朝会談は勝負です。可能性は3つあります。第1の可能性はアメリカが中途
半端な譲歩をしてしまうこと。アメリカまで届く大陸間弾道弾や潜水艦発射ミサ
イルだけ廃棄する。核については段階的な廃棄、というようなことで譲歩してし
まって11月の中間選挙で、「アメリカ本土の安全を守りました」と言う可能性
がありました。
しかし、「そんなことは絶対ダメだ」と言っているジョン・ボルトンさん。我
々はボルトンさんに6回以上会っています。2003年に会った時は、拓也さん
が「13歳のお姉さんが拉致されたんだ」という話をしたら、ボルトンさんは顔
を真っ赤にして、「うー」と言って怒りました。
そういう熱血漢が安保補佐官になりました。安保担当補佐官というのは昔のキッ
シンジャーさんみたいに、アメリカの外交安保政策の事実上の最高責任者です。
彼は拉致問題を深く理解している。そして核についても、「中途半端な譲歩はだ
めだ」とずっと言ってきた人です。
その人を、米朝首脳会談が決まった後に補佐官を変えて就任させたというのは、
第1の可能性は相当低くなった。やらないということです。もしも、ジョン・ボ
ルトン氏が補佐官でいる中で中途半端な譲歩をしようとしたら、彼は辞表を出す
と思います。そういう人です。
2番目の可能性は、何か。北朝鮮が大幅に譲歩してくることです。いわゆる
「リビア型」というんですが、アメリカの情報機関、CIAが査察する。数か月
ですべて撤去する。完全に撤去するまで見返りを与えない。この「リビア型」を
呑むかもしれない。
2003年に、リビアのカダフィさんは、今言ったことを呑みました。そした
ら2011年まで8年間生き残りました。サダム・フセインさんは、毒ガスをもっ
ていなかったのに、振りをして、査察を受け入れなかったら2006年に死にま
した。
金正恩が冷静にそのことを判断できれば、ボルトンさんが入ったという意味も
含めて判断できれば、私は皆さんと同じように北朝鮮は信用できないとずっと言っ
てきた男ですが、第1の可能性がないとすれば、彼が生き残るために何を選択す
るかということで、譲歩が起きるかもしれない。
その時に、「それでもだめだ」と言わなければならない。「リビア型」という
のは「検証可能で不可逆的な完全廃棄」ですが、それでもだめだ。「全拉致被害
者の即時一括帰国」、この2つが起きるかもしれない。
3つ目の可能性は決裂です。即緊張が高まるでしょう。そういう中で被害者の
安全をどう保つのか。秘密裏に様々な準備をしておかなければならない。そのた
めの情報が必要ですし、どこに被害者がいるのかについて、必死で集めなければ
ならないという緊急の課題があります。
我々の前に3つの道がある。しかし、中途半端な道はボルトンさんという関所
の鬼がいて、そっちは通さないと言っているから多分大丈夫じゃないか。我々も
総理ほどではないかもしれませんが、5月の連休に拉致議連の先生方と一緒に、
家族会・救う会・拉致議連で訪米して、加藤大臣も行かれる予定だと聞いていま
すが、協力してアメリカの実務レベルの人たちに働きかけていきたいと思います。
中途半端な譲歩ではダメだ、向こうが弱まっているんだ、と。
本当に正念場中の正念場ですが、鉄の球を持って来て20年経ったら頂上が見
えてきたんじゃないか。でも見えてきただけじゃだめなんです。本当に取り戻さ
なければいけない。何もしなければ勝てない。これだけは確かです。全力を尽く
せば道は開ける。半年前と比べて、我々は高く上がってきた。自信を持って、こ
れから数か月の勝負に臨もうではありませんか。そのためにも、「全拉致被害者
の即時一括帰国」なしに、我々の怒りは解けないと、国民の強い怒りが必要です。
一緒に頑張りましょう(拍手)。
櫻井 西岡さん、ありがとうございました。では次に、塚田一郎さんに私たちの
決議案を朗読していただきたいと思います。塚田さんは拉致議連の事務局長です。
宜しくお願いします(拍手)。
【決議案採択】
塚田一郎(拉致議連事務局長、参議院議員)
本日は長い間、本当に大勢の皆様にご参加、ご協力いただきまして心より感謝
申し上げます。それでは決議案を朗読させていただきます。
決議案
全拉致被害者救出にとってまたとない機会が訪れてきた中、私たちは本日「政
府に今年中の全被害者救出を再度求める国民大集会」を開催した。
私たちは昨年9月、台風の中での国民大集会の際、核ミサイル問題の深刻化の
中で拉致被害者救出の旗が吹き飛ばされてしまうのではないかという強い危機感
を持ったが、官民あげての必死の活動により、半年経って核ミサイル廃棄ととも
に拉致被害者救出の機運が大きく浮上してきた。
安倍総理の強いリーダーシップのもと、日米が主導してきた最高度の圧力の結
果、金正恩がトランプ大統領との会談を求めてきた。トランプ大統領は訪米した
安倍総理に、「米朝首脳会談で拉致問題を提起する」、「拉致被害者を日本に連
れ戻せるよう、できることはすべてやる」と語った。政府の外交努力の結果だ。
また、家族会・救う会が拉致議連と共に、平成13年から繰り返し訪米して拉致被
害者救出への協力を求めてきた成果でもある。
今後、米朝首脳会談の結果によっては拉致問題が大きく動くことも予想される。
そのとき絶対譲れないのは、全拉致被害者の即時一括帰国だ。北朝鮮がでたらめ
な理由をつけて「死亡」と通告してきた8人、同じく北朝鮮が拉致したことさえ
認めていない「未入境」と通告された4人、その他多くの未認定拉致被害者を含
め全員が帰ってこなければならない。それなしには、わが国は北朝鮮へのどのよ
うな合意や支援、援助にも反対するだけでなく、米国をはじめとする国際社会に
対して、制裁を緩めたり支援をしてはならない、と強く訴えるべきだ。
多くの拉致被害者が彼の地で祖国の助けを待っている。私たちは負けるわけに
はいかない。この千載一遇の機会に絶対に全員を救い出すという決意を固め、以
下決議する。
一、北朝鮮は、今すぐ、全拉致被害者を返せ。全拉致被害者を返すためのわが国
との実質的協議に応ぜよ。
二、政府は、全拉致被害者の即時一括帰国を実現せよ。米朝首脳会談後の様々な
展開に備え、全拉致被害者の安全確保と保護の準備をせよ。
三、国民は、ブルーリボンを身につけ全拉致被害者救出への意思を示そう。アニ
メ「めぐみ」の学校上映拡大等を通じて拉致問題啓発活動を続けよう。
平成30年4月22日
「政府に今年中の全拉致被害者救出を再度求める国民大集会」参加者一同
ご賛同宜しくお願いいたします(拍手)。
櫻井 ありがとうございます。この拍手をもちまして、決議案を正式な決議とさ
せていただきます。みなさんどうも、ありがとうございました。今日この会場に
いらした方々は千名を越えました。全国からお出でいただき、ありがとうござい
ます。そしてまたご報告します。これまでに家族会・救う会が集めた署名があり
ます。一日も早い一括帰国を求めての署名です。全部で1269万9千人の方々
が署名をしてくださいました。本当にありがとうございました(拍手)。
これからもどうぞこの拉致問題、今本当に大事な所にさしかかっています。拉
致問題を解決できるかどうか。それは日本が本当の意味で国家でありうるかどう
かという問題でもあります。是非この拉致問題を最後までしっかりと見届けて、
全員を一括して取り戻すところまで、一緒に走っていただきたいと思います。そ
のためには皆さん、カンパもお願いします。
そしてここで恒例ですがみんなで一緒に思いを込めて、北朝鮮の金正恩に届く
ように、そして拉致被害者の耳に届くようにシュプレヒコールをしたいと思いま
す。
西岡 ご起立ください。本当に正念場が来ました。我々が我々の力で動かそうで
はありませんか。
シュプレヒコール! おー!
シュプレヒコール! おー!
北朝鮮は今すぐ全拉致被害者を 返せ!
返せ! 返せ! 返せ!
政府は全拉致被害者の即時一括帰国を 実現せよ!
実現せよ! 実現せよ! 実現せよ!
即時一括帰国を 実現せよ!
実現せよ! 実現せよ! 実現せよ!
ありがとうございました(拍手)。
櫻井 どうもありがとうございました。壇上の皆様方もありがとうございました。
以上
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