参考情報・瀋陽事件について(2002/05/10)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2002.05.10)
■参考情報・瀋陽事件について
瀋陽領事館の事件はさらに大きな問題になってきています。これは瀋陽領事
館だけではなく、外務省全体の雰囲気を象徴しているものだと思います。もち
ろん、真面目に働いている人も沢山いるのでしょうが、そういう人のためにも、
今回の問題は徹底的に責任を問わなければなりません。田中アジア大洋州局長
や阿南大使など、更迭どころか自決してもらいたいくらいです。
以下、救う会の活動に献身的に協力して下さっているRENK(救え!北朝
鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)役員の三浦小太郎さんからのメールを御参
考まで転送します。
関係各位様
RENK(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)緊急抗議行動のお知
らせ
今回の瀋陽日本領事館における北朝鮮難民の不当逮捕に抗議する緊急行動を
おこないます。来週月曜日(5月13日)午後3時、中国大使館、及びその後
日本外務省に抗議行動に赴く予定です。決死の覚悟で自由な地への亡命を決行
した北朝鮮難民を救うために、どうか皆様方の意志を結集してください。参加
される方は、13日2時45分、六本木交差点アマンド前集合にてお願いしま
す。
連絡はメール、もしくはファックス03?3681?9310、携帯090
?8512?7610(三浦)まで
中華人民共和国国家主席
江沢民 殿
5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時釈放、
難民認定、自由出国を強く要求します
私たち「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、日本の
地において、北朝鮮民衆に人権の光をもたらすべく、北朝鮮の民主化支援を行
なっている市民団体です。貴国領内に越境する北朝鮮難民の問題には、重大な
関心を持っておりま
す。
さて、各種報道によれば、5月8日、貴国遼寧省瀋陽市の日本総領事館敷地
内に立ち入った北朝鮮脱出者5名に対して、貴国武装警察官が同敷地内に侵入
した上、不当逮捕するという事件が発生しました。その際、副領事が中国語で、
「日本の総領事館に来た人たちなので、こちらで事情を聞きます」と呼びかけ
たにもかかわらず、警察官たちは一顧だにしなかったとのことです。
すでに各方面から指摘されるように、貴国武装警察官の行為は貴国も加入す
る1963年のウィーン条約違反であることは明白です。同条約31条は災害時等を
除き、領事機関責任者の同意なしに、「領事機関の公館で専ら領事機関の活動
のために使用される部分に立ち入ってはならない」と規定しています。したが
って、国際法規に違反した侵入、逮捕行為は無効でしかあり得ません。貴国は
速やかに被逮捕者全員を即時釈放
し、日本総領事館に処遇を移管する必要があります。
ところが、甚だ遺憾なことに、貴国外務省の孔泉報道局長は9日の記者会見
で、武装警察官の行為を「総領事館の人員の安全を守ろうとしたもの」「ウィ
ーン条約に合致する」と強弁しました。
何をどう考えれば、幼子を背負った母親を含む一団が「総領事館の人員の安
全」にとって脅威になると判断できるのでしょうか。苦し紛れの言い逃れは、
貴国の品格を低めこそすれ、決して高めることはありません。
もっとも、私たちとしても、貴国が北朝鮮脱出者問題について、友邦である
朝鮮民主主義人民共和国と国際社会との間で苦しい選択を迫られていることは
承知しております。しかし、事ここに至った以上、もはや隠し通すことも詭弁
を労することも不可能な状況にあることは明らかです。むしろ、問題を広く国
際社会に提起し、解決のあり方を求める方が、貴国の将来にとって、何よりも
北朝鮮脱出者にとって、賢明かつ
有効な選択肢であると考えます。
貴国政府に重ねて要請します。5月8日に貴国武装警察官が行なった不法な
侵入、逮捕行為を撤回し、北朝鮮脱出者5名を即時釈放し、国際法上の難民認
定を許可すると同時に、希望する第三国への自由出国に応じてください。
4月29日の件と併せ、貴国の良識ある対応を期待する次第です。
2002年5月10日
救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)
代表 李英和
543-0023 大阪市天王寺区味原町16-13 畑山マンション307号
TEL/FAX: 06-6776-0593
170-0004 東京都豊島区北大塚1-3-9 みよし荘101号
TEL/FAX: 03-5394-0283
E-mail:renk@ro.bekkoame.ne.jp
要 請 文
日本国外務大臣 川口順子 殿
5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時釈
放、難民認定、自由出国について、中国政府に強く要求するよう求めます。
私たち「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、日本の
地において、北朝鮮民衆に人権の光をもたらすべく、北朝鮮の民主化支援を行
なっている市民団体です。中国領内に越境する北朝鮮難民の問題には、重大な
関心を持っております。
さて、各種報道によれば、5月8日、中国遼寧省瀋陽市の日本総領事館敷地
内に立ち入った北朝鮮脱出者5名に対して、中国武装警察官が同敷地内に侵入
した上、不当逮捕するという事件が発生しました。一部報道では、敷地内に立
ち入った北朝鮮脱出者を2名とし、他の3名は立ち入ることが出来なかったと
されていますが、実際には5名全員が、程度の差はあれ日本総領事館の敷地内
に到達していたことが確認されて
おります。
したがって、貴外務省としては、この5名に関して第一義的に対応する権利
と義務があり、それを不当に侵す中国当局の行為に対しては断固として抗議し、
逮捕され連行された5名の原状回復を要求すべきであると考えます。これは主
権問題である以上に、何よりも、北朝鮮に送還された場合には虐待の可能性が
高い北朝鮮脱出者に対する、人道上不可欠の措置でもあります。
周知の通り、中国領内に越境する北朝鮮民衆は、北朝鮮における飢餓と政治
的抑圧の被害者です。また、たとえ経済的な要因のみによって越境したとして
も、いったん無断脱出した以上、北朝鮮に送還された場合には「政治的犯罪者
」と見なされざるを得ません。拷問や強制収容所への投獄、甚だしきは処刑ま
で、言語に絶する罰を受けなければならないのです。日本、そして中国も加盟
する「国連難民条約」によれば、こうした人々は、かりに不法越境者であって
も、出身国に送還されてはならない、国際法上の難民として処遇されなければ
なりません。とりわけ、今回の5名の中にはわずか2歳の幼子がおり、母親は
第二子を身籠もっているとのことです。如何に考えようとも、問題は政治的な
ものではなく、人道上のものであることは明らかです。
もとより、日本政府および貴外務省が事件直後から、公使名による中国政府
への抗議、駐日中国大使への抗議など、さまざまな外交経路を通じて、問題解
決に尽力されていることは、私たちも十分承知しております。まずもって、こ
うした努力が形式に終わることなく、誰もが納得できる結末を迎えるよう、さ
らなる努力を要請する次第です。
ところで、各種報道を参照する限り、今回の事件には、中国側の不法行為だ
けでなく、貴外務省管轄の総領事館における不手際の存在が明らかになりつつ
あります。事件の際、副領事が中国語で、「日本の総領事館に来た人たちなの
で、こちらで事情を聞きます」と呼びかけたとの情報がある一方、テレビ映像
では、総領事館職員が地面に落ちた警官の帽子を拾い、警察官に渡すといった
協力的ないし傍観者的な態度が見
られるなど、率直に言って、外交官に相応しい対応であったとは思えません。
そもそも、中国では今年に入って波状的に、北朝鮮脱出者による在外公館へ
の駆け込みが発生していました。日本の在外公館に訪れる可能性も十分考えら
れる状況であったと言えます。にもかかわらず、今回の状況から見て、政府・
貴外務省が日頃から突発的事態を想定し、それに備えていたとは思えません。
これは職務上の大きな失態です。
北朝鮮の政治的経済的状況に好転の兆しが見られず、中国政府の越境者対策
に根本的な転換が考えられないとすれば、追いつめられた北朝鮮脱出者の命が
けの行動が、今回で終わるものと想定することは出来ません。それゆえ、今回
の事態を教訓とし、以降の不手際を避けるためには、是が非でも、逮捕され連
行された5人の原状を回復し、人道的かつ国際法の精神に則った処遇を実現し
なければなりません。
さらに言えば、中国領内に潜伏する、一説には10万人以上とも言われる北朝
鮮脱出者の存在について、政府および貴外務省は客観的に、日本の国際的な立
場に鑑みて積極的な対策を行うよう求められています。脱出者を生み出す北朝
鮮に対しても、脱出者に対して国際法に悖る対応を行なう中国に対しても、隣
国として建設的な助言と協力を提起する必要があります。とりわけ、脱出者の
中には、かつての日本による朝鮮植民地化に伴って形成された在日朝鮮人や、
その日本人配偶者、及びその子孫が多数含まれています。こうした人々の中に
は、日本への帰還を望む声も少なくありません。
隣国との真の友好関係を築くためには、彼ら彼女らの存在を蔑ろにすること
は許されないと考えます。こうした観点から、今後とも貴外務省が北朝鮮脱出
者および北朝鮮住民に対して、歴史性を踏まえた注目、対応を行なうよう願っ
て止みません。
以上、私たちは、政府および貴外務省が、日本国憲法と世界人権宣言の精神
にのっとり、圧迫と隷従、貧困と抑圧を地球上から無くすための人道的貢献策
の一環として、次の諸点について、真摯に取り組まれるよう、強く求める次第
です。
1、5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時
釈放、難民認定、自由出国について、中国政府にさらに強く要求せよ!
1、中国に在留する北朝鮮脱出者を保護、救援するため、UNHCRによる調
査と難民認定が速やかに行われるよう、日本政府として国連及び各国政府に働
きかけよ!
1、日本への移送、亡命を希望する北朝鮮脱出者、とりわけ元在日朝鮮人帰国
者、日本人配偶者およびその子孫については、可能な限り難民として受け入れ
るよう、国際的に宣言せよ!
2002年5月10日
救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)
代表 李英和
543-0023 大阪市天王寺区味原町16-13 畑山マンション307号
TEL/FAX: 06-6776-0593
170-0004 東京都豊島区北大塚1-3-9 みよし荘101号
TEL/FAX: 03-5394-0283
E-mail:renk@ro.bekkoame.ne.jp
韓国NGOからの声明文(参考資料)
URGENT!!
5 North Korean defectors rushed into the Japanese consulate office in
the northern Chinese city of Shenyang for seeking Refugee Status and
2 rushed into the U.S. consulate office in Shenyang
List of North Korean Defectors
(1) JUNG Kyong Sook, 53 years old (grandmother of the baby), younger
sister
of JANG Gilsu's grandfather on his mother's side
(2) KIM Guang Choel, 28 years old (father of the baby)
(3) KIM Seong Guk, 26 years old (father's younger brother)
(4) LEE Seong Hee, 26 years old (mother of the baby)
(5) KIM Han Mee, 2 years old (the baby)
and others
For political reason in 1997, the family (the 5 remaining Gilsu
family members) escaped to China from the DPRK. In 1998 the
grandfather of the baby made political comments that were reported to
the DPRK police by his own friends, so he felt threatened. The
grandfather then disappeared and to this day, no one knows what has
happened to him. The family was under police
surveillance. So the family began thinking about escaping to China ( 1998).
JUNG Kyong Sook fled to China in 1998. Later that year, KIM Seong Guk
also defected. Then in 1999, the parents escaped (while pregnant).
The baby was born on Jan 16 2000 in the city of Harbin, Heilongjiang
Province, China.
On March 2001, the parents and the baby were captured and then
repatriated to the DPRK. The mother and the baby were released from
the prison camp after one month. The father was moved to another
prison camp in prison with his wife and baby. He was moved to a
National Security Prison of Hwadae County, North Hamgyong Province,
DPRK. Then the father escaped from that camp on Jun 25 2001. In July,
he escaped to China with his wife. The baby stayed with the mother's
relatives in North Korea. KIM Seong Guk, the
father's younger brother, who was in China at the time was
repatriated this January. On March 14 2002, he escaped from a prison
camp and came to China with the baby. So now, the 5 members of the
family are in hiding near Harbin city. The mother of the baby is now
5months pregnant with their second child. In that area, but he did
not have them......
08 MAY 2002
Save Gilsu's family movement
Seoul, Republic of Korea
gilsu16@orgio.net/
+82-3443-9529
+82-19-234-6528
-----------------------------------------
緊急!
難民としての法的地位を求め、北朝鮮脱出者五名が中国北部の瀋陽市の日本
総領事館に駆け込み、同じく二名が瀋陽市のアメリカ合衆国総領事館に駆け込
みました
北朝鮮脱出者の名簿
(1) チョン・キョンソック(53歳)(幼児の祖母)、チャン・キルスの母方祖
父の妹
(2) キム・グァンチョル(28歳)(幼児の父)
(3) キム・ソングク(6歳)(幼児の父の弟)
(4) リ・ソンヒ(26歳)(幼児の母)
(5) キム・ハンミ(2歳)(幼児)
ほか二名(アメリカ総領事館組)
キルス家族の残りの五名である上記一家は1997年、政治的な理由で北朝鮮か
ら中国へ逃れた。1998年、幼児の祖父は政治的な発言を行い、友人によって北
朝鮮の安全部(警察)に報告された。そのため、彼は恐怖を感じた。その後、
祖父は行方不明となり、今日まで、彼の身に何が生じたのか誰も知らない。一
家は、安全部の監視下にあった。そのため、一家は、中国へ逃げることを考え
始めた(1998年)。1998年、チョン・
キョンソックは中国に逃れた。キム・ソングクもまた、同年末に脱出した。そ
の後、1999年、両親が脱出した(母親は妊娠していたが)。幼児は、中国黒竜
江省のハルビンで、2000年1月16日に生まれた。
2001年3月、両親と幼児は逮捕され、北朝鮮に送還された。母親と幼児は、
一ヶ月後に収容施設から解放された。父親は、妻子と一緒だった刑務所から、
別の収容施設に移送された。彼は、咸鏡北道花台郡に社会安全部の刑務所に移
送された。その後、2001年6月25日、父親は同刑務所から脱走し、7月には、妻
と中国に逃れた。幼児は、北朝鮮にある母方の親戚宅に預けた。そのころ中国
にいた、父親の弟であるキム・ソ
ングクは、今年一月に北朝鮮へ送還された。彼は2002年3月14日に収容施設を
脱走し、幼児とともに中国にやって来た。こうして現在、一家五人はハルビン
市の近郊に潜伏している。母親は、現在五ヶ月の第二子を妊娠している。しか
し、父親はここでは家族を養うことができないのだ……。
2002年5月08日
キルス家族救援運動
ソウル、大韓民国
gilsu16@orgio.net/
+82-3443-9529
+82-19-234-6528
★★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780/FAX 03-3944-5692 narkn@hotmail.com http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark
〒112-0015 東京都文京区目白台3-25-13
担当:事務局長 荒木和博
--------------------------------------------------------
恐縮ですが送信を希望されない方はメールにてお知らせ下さい
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■参考情報・瀋陽事件について
瀋陽領事館の事件はさらに大きな問題になってきています。これは瀋陽領事
館だけではなく、外務省全体の雰囲気を象徴しているものだと思います。もち
ろん、真面目に働いている人も沢山いるのでしょうが、そういう人のためにも、
今回の問題は徹底的に責任を問わなければなりません。田中アジア大洋州局長
や阿南大使など、更迭どころか自決してもらいたいくらいです。
以下、救う会の活動に献身的に協力して下さっているRENK(救え!北朝
鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)役員の三浦小太郎さんからのメールを御参
考まで転送します。
関係各位様
RENK(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)緊急抗議行動のお知
らせ
今回の瀋陽日本領事館における北朝鮮難民の不当逮捕に抗議する緊急行動を
おこないます。来週月曜日(5月13日)午後3時、中国大使館、及びその後
日本外務省に抗議行動に赴く予定です。決死の覚悟で自由な地への亡命を決行
した北朝鮮難民を救うために、どうか皆様方の意志を結集してください。参加
される方は、13日2時45分、六本木交差点アマンド前集合にてお願いしま
す。
連絡はメール、もしくはファックス03?3681?9310、携帯090
?8512?7610(三浦)まで
中華人民共和国国家主席
江沢民 殿
5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時釈放、
難民認定、自由出国を強く要求します
私たち「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、日本の
地において、北朝鮮民衆に人権の光をもたらすべく、北朝鮮の民主化支援を行
なっている市民団体です。貴国領内に越境する北朝鮮難民の問題には、重大な
関心を持っておりま
す。
さて、各種報道によれば、5月8日、貴国遼寧省瀋陽市の日本総領事館敷地
内に立ち入った北朝鮮脱出者5名に対して、貴国武装警察官が同敷地内に侵入
した上、不当逮捕するという事件が発生しました。その際、副領事が中国語で、
「日本の総領事館に来た人たちなので、こちらで事情を聞きます」と呼びかけ
たにもかかわらず、警察官たちは一顧だにしなかったとのことです。
すでに各方面から指摘されるように、貴国武装警察官の行為は貴国も加入す
る1963年のウィーン条約違反であることは明白です。同条約31条は災害時等を
除き、領事機関責任者の同意なしに、「領事機関の公館で専ら領事機関の活動
のために使用される部分に立ち入ってはならない」と規定しています。したが
って、国際法規に違反した侵入、逮捕行為は無効でしかあり得ません。貴国は
速やかに被逮捕者全員を即時釈放
し、日本総領事館に処遇を移管する必要があります。
ところが、甚だ遺憾なことに、貴国外務省の孔泉報道局長は9日の記者会見
で、武装警察官の行為を「総領事館の人員の安全を守ろうとしたもの」「ウィ
ーン条約に合致する」と強弁しました。
何をどう考えれば、幼子を背負った母親を含む一団が「総領事館の人員の安
全」にとって脅威になると判断できるのでしょうか。苦し紛れの言い逃れは、
貴国の品格を低めこそすれ、決して高めることはありません。
もっとも、私たちとしても、貴国が北朝鮮脱出者問題について、友邦である
朝鮮民主主義人民共和国と国際社会との間で苦しい選択を迫られていることは
承知しております。しかし、事ここに至った以上、もはや隠し通すことも詭弁
を労することも不可能な状況にあることは明らかです。むしろ、問題を広く国
際社会に提起し、解決のあり方を求める方が、貴国の将来にとって、何よりも
北朝鮮脱出者にとって、賢明かつ
有効な選択肢であると考えます。
貴国政府に重ねて要請します。5月8日に貴国武装警察官が行なった不法な
侵入、逮捕行為を撤回し、北朝鮮脱出者5名を即時釈放し、国際法上の難民認
定を許可すると同時に、希望する第三国への自由出国に応じてください。
4月29日の件と併せ、貴国の良識ある対応を期待する次第です。
2002年5月10日
救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)
代表 李英和
543-0023 大阪市天王寺区味原町16-13 畑山マンション307号
TEL/FAX: 06-6776-0593
170-0004 東京都豊島区北大塚1-3-9 みよし荘101号
TEL/FAX: 03-5394-0283
E-mail:renk@ro.bekkoame.ne.jp
要 請 文
日本国外務大臣 川口順子 殿
5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時釈
放、難民認定、自由出国について、中国政府に強く要求するよう求めます。
私たち「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」は、日本の
地において、北朝鮮民衆に人権の光をもたらすべく、北朝鮮の民主化支援を行
なっている市民団体です。中国領内に越境する北朝鮮難民の問題には、重大な
関心を持っております。
さて、各種報道によれば、5月8日、中国遼寧省瀋陽市の日本総領事館敷地
内に立ち入った北朝鮮脱出者5名に対して、中国武装警察官が同敷地内に侵入
した上、不当逮捕するという事件が発生しました。一部報道では、敷地内に立
ち入った北朝鮮脱出者を2名とし、他の3名は立ち入ることが出来なかったと
されていますが、実際には5名全員が、程度の差はあれ日本総領事館の敷地内
に到達していたことが確認されて
おります。
したがって、貴外務省としては、この5名に関して第一義的に対応する権利
と義務があり、それを不当に侵す中国当局の行為に対しては断固として抗議し、
逮捕され連行された5名の原状回復を要求すべきであると考えます。これは主
権問題である以上に、何よりも、北朝鮮に送還された場合には虐待の可能性が
高い北朝鮮脱出者に対する、人道上不可欠の措置でもあります。
周知の通り、中国領内に越境する北朝鮮民衆は、北朝鮮における飢餓と政治
的抑圧の被害者です。また、たとえ経済的な要因のみによって越境したとして
も、いったん無断脱出した以上、北朝鮮に送還された場合には「政治的犯罪者
」と見なされざるを得ません。拷問や強制収容所への投獄、甚だしきは処刑ま
で、言語に絶する罰を受けなければならないのです。日本、そして中国も加盟
する「国連難民条約」によれば、こうした人々は、かりに不法越境者であって
も、出身国に送還されてはならない、国際法上の難民として処遇されなければ
なりません。とりわけ、今回の5名の中にはわずか2歳の幼子がおり、母親は
第二子を身籠もっているとのことです。如何に考えようとも、問題は政治的な
ものではなく、人道上のものであることは明らかです。
もとより、日本政府および貴外務省が事件直後から、公使名による中国政府
への抗議、駐日中国大使への抗議など、さまざまな外交経路を通じて、問題解
決に尽力されていることは、私たちも十分承知しております。まずもって、こ
うした努力が形式に終わることなく、誰もが納得できる結末を迎えるよう、さ
らなる努力を要請する次第です。
ところで、各種報道を参照する限り、今回の事件には、中国側の不法行為だ
けでなく、貴外務省管轄の総領事館における不手際の存在が明らかになりつつ
あります。事件の際、副領事が中国語で、「日本の総領事館に来た人たちなの
で、こちらで事情を聞きます」と呼びかけたとの情報がある一方、テレビ映像
では、総領事館職員が地面に落ちた警官の帽子を拾い、警察官に渡すといった
協力的ないし傍観者的な態度が見
られるなど、率直に言って、外交官に相応しい対応であったとは思えません。
そもそも、中国では今年に入って波状的に、北朝鮮脱出者による在外公館へ
の駆け込みが発生していました。日本の在外公館に訪れる可能性も十分考えら
れる状況であったと言えます。にもかかわらず、今回の状況から見て、政府・
貴外務省が日頃から突発的事態を想定し、それに備えていたとは思えません。
これは職務上の大きな失態です。
北朝鮮の政治的経済的状況に好転の兆しが見られず、中国政府の越境者対策
に根本的な転換が考えられないとすれば、追いつめられた北朝鮮脱出者の命が
けの行動が、今回で終わるものと想定することは出来ません。それゆえ、今回
の事態を教訓とし、以降の不手際を避けるためには、是が非でも、逮捕され連
行された5人の原状を回復し、人道的かつ国際法の精神に則った処遇を実現し
なければなりません。
さらに言えば、中国領内に潜伏する、一説には10万人以上とも言われる北朝
鮮脱出者の存在について、政府および貴外務省は客観的に、日本の国際的な立
場に鑑みて積極的な対策を行うよう求められています。脱出者を生み出す北朝
鮮に対しても、脱出者に対して国際法に悖る対応を行なう中国に対しても、隣
国として建設的な助言と協力を提起する必要があります。とりわけ、脱出者の
中には、かつての日本による朝鮮植民地化に伴って形成された在日朝鮮人や、
その日本人配偶者、及びその子孫が多数含まれています。こうした人々の中に
は、日本への帰還を望む声も少なくありません。
隣国との真の友好関係を築くためには、彼ら彼女らの存在を蔑ろにすること
は許されないと考えます。こうした観点から、今後とも貴外務省が北朝鮮脱出
者および北朝鮮住民に対して、歴史性を踏まえた注目、対応を行なうよう願っ
て止みません。
以上、私たちは、政府および貴外務省が、日本国憲法と世界人権宣言の精神
にのっとり、圧迫と隷従、貧困と抑圧を地球上から無くすための人道的貢献策
の一環として、次の諸点について、真摯に取り組まれるよう、強く求める次第
です。
1、5月8日、在瀋陽日本総領事館敷地内で不当逮捕された北朝鮮難民の即時
釈放、難民認定、自由出国について、中国政府にさらに強く要求せよ!
1、中国に在留する北朝鮮脱出者を保護、救援するため、UNHCRによる調
査と難民認定が速やかに行われるよう、日本政府として国連及び各国政府に働
きかけよ!
1、日本への移送、亡命を希望する北朝鮮脱出者、とりわけ元在日朝鮮人帰国
者、日本人配偶者およびその子孫については、可能な限り難民として受け入れ
るよう、国際的に宣言せよ!
2002年5月10日
救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)
代表 李英和
543-0023 大阪市天王寺区味原町16-13 畑山マンション307号
TEL/FAX: 06-6776-0593
170-0004 東京都豊島区北大塚1-3-9 みよし荘101号
TEL/FAX: 03-5394-0283
E-mail:renk@ro.bekkoame.ne.jp
韓国NGOからの声明文(参考資料)
URGENT!!
5 North Korean defectors rushed into the Japanese consulate office in
the northern Chinese city of Shenyang for seeking Refugee Status and
2 rushed into the U.S. consulate office in Shenyang
List of North Korean Defectors
(1) JUNG Kyong Sook, 53 years old (grandmother of the baby), younger
sister
of JANG Gilsu's grandfather on his mother's side
(2) KIM Guang Choel, 28 years old (father of the baby)
(3) KIM Seong Guk, 26 years old (father's younger brother)
(4) LEE Seong Hee, 26 years old (mother of the baby)
(5) KIM Han Mee, 2 years old (the baby)
and others
For political reason in 1997, the family (the 5 remaining Gilsu
family members) escaped to China from the DPRK. In 1998 the
grandfather of the baby made political comments that were reported to
the DPRK police by his own friends, so he felt threatened. The
grandfather then disappeared and to this day, no one knows what has
happened to him. The family was under police
surveillance. So the family began thinking about escaping to China ( 1998).
JUNG Kyong Sook fled to China in 1998. Later that year, KIM Seong Guk
also defected. Then in 1999, the parents escaped (while pregnant).
The baby was born on Jan 16 2000 in the city of Harbin, Heilongjiang
Province, China.
On March 2001, the parents and the baby were captured and then
repatriated to the DPRK. The mother and the baby were released from
the prison camp after one month. The father was moved to another
prison camp in prison with his wife and baby. He was moved to a
National Security Prison of Hwadae County, North Hamgyong Province,
DPRK. Then the father escaped from that camp on Jun 25 2001. In July,
he escaped to China with his wife. The baby stayed with the mother's
relatives in North Korea. KIM Seong Guk, the
father's younger brother, who was in China at the time was
repatriated this January. On March 14 2002, he escaped from a prison
camp and came to China with the baby. So now, the 5 members of the
family are in hiding near Harbin city. The mother of the baby is now
5months pregnant with their second child. In that area, but he did
not have them......
08 MAY 2002
Save Gilsu's family movement
Seoul, Republic of Korea
gilsu16@orgio.net/
+82-3443-9529
+82-19-234-6528
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緊急!
難民としての法的地位を求め、北朝鮮脱出者五名が中国北部の瀋陽市の日本
総領事館に駆け込み、同じく二名が瀋陽市のアメリカ合衆国総領事館に駆け込
みました
北朝鮮脱出者の名簿
(1) チョン・キョンソック(53歳)(幼児の祖母)、チャン・キルスの母方祖
父の妹
(2) キム・グァンチョル(28歳)(幼児の父)
(3) キム・ソングク(6歳)(幼児の父の弟)
(4) リ・ソンヒ(26歳)(幼児の母)
(5) キム・ハンミ(2歳)(幼児)
ほか二名(アメリカ総領事館組)
キルス家族の残りの五名である上記一家は1997年、政治的な理由で北朝鮮か
ら中国へ逃れた。1998年、幼児の祖父は政治的な発言を行い、友人によって北
朝鮮の安全部(警察)に報告された。そのため、彼は恐怖を感じた。その後、
祖父は行方不明となり、今日まで、彼の身に何が生じたのか誰も知らない。一
家は、安全部の監視下にあった。そのため、一家は、中国へ逃げることを考え
始めた(1998年)。1998年、チョン・
キョンソックは中国に逃れた。キム・ソングクもまた、同年末に脱出した。そ
の後、1999年、両親が脱出した(母親は妊娠していたが)。幼児は、中国黒竜
江省のハルビンで、2000年1月16日に生まれた。
2001年3月、両親と幼児は逮捕され、北朝鮮に送還された。母親と幼児は、
一ヶ月後に収容施設から解放された。父親は、妻子と一緒だった刑務所から、
別の収容施設に移送された。彼は、咸鏡北道花台郡に社会安全部の刑務所に移
送された。その後、2001年6月25日、父親は同刑務所から脱走し、7月には、妻
と中国に逃れた。幼児は、北朝鮮にある母方の親戚宅に預けた。そのころ中国
にいた、父親の弟であるキム・ソ
ングクは、今年一月に北朝鮮へ送還された。彼は2002年3月14日に収容施設を
脱走し、幼児とともに中国にやって来た。こうして現在、一家五人はハルビン
市の近郊に潜伏している。母親は、現在五ヶ月の第二子を妊娠している。しか
し、父親はここでは家族を養うことができないのだ……。
2002年5月08日
キルス家族救援運動
ソウル、大韓民国
gilsu16@orgio.net/
+82-3443-9529
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発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780/FAX 03-3944-5692 narkn@hotmail.com http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark
〒112-0015 東京都文京区目白台3-25-13
担当:事務局長 荒木和博
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