米朝協議への期待?記者会見概要(2018/06/11)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.06.11)
米朝首脳会談を明日に控えた本日、6月11日、家族会・救う会では、参議院
議員会議室にて記者会見を開催した。家族会から飯塚繁雄代表、横田早紀江さん
が参加し、救う会から平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務局次長が参加した。以
下はその概要である。
■米朝協議への期待?記者会見概要
◆とにかく明日に期待
飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)
これまで日米、南北など色々な首脳会談があり、いよいよ米朝首脳会談が明日
開催されます。我々はある期待を持ちながらこの日を待っていました。既に細か
い要請はもうしてあります。
今回しかチャンスがないということ、またもうこれ以上待てないという家族の
現状もあります。トランプ大統領には我々家族会も直に、今回の会談の中で拉致
問題を提起してくれるようお願いし、「分かった」という約束ができています。
政府では、安倍総理がトランプ大統領に対し、拉致問題に絶対言及してほしい
と要請し、トランプ氏は「やる」と強い意志を見せています。
私たちは当然そういうことになるだろうと思いますが、いつも心配しているの
は、今回どうなるかは分かりませんが、長い間日本もアメリカも世界も北朝鮮に
だまされ続けてきたということです。今回もそうなっては困るわけです。
北朝鮮は現在、「拉致問題は解決済み」という態度を崩していませんし、それ
を覆すのは大変なことだと思います。残念ながらまだ日朝会談は決まっておらず、
安倍総理も直接強い要請や言及はしていません。そこがどうなるかは心配です。
それについては、私たちはトランプ大統領の力量に期待していますが、核放棄
の問題はそれほど簡単に決まるわけではない。従って何回も交渉があると思いま
す。拉致問題はそれとは議題が離れているので、核が片付いてから拉致問題をや
ることになっては困るんです。
日本人拉致問題ではそれとは切り離して先行してやってほしい。トランプ大統
領は明日の会談でこれをはっきり提起し、北朝鮮に対し、日本人を返すという約
束を取り付けてもらいたい。今までのように、「調査する」というようなもので
は、まただまされることになる。
なので今回の米朝会談ではっきりと日本人を返すことの約束をとりつけること
が大事だと思いますし、その機会は明日しかないと思います。北朝鮮が国家犯罪
として大量の日本人を拉致したことは分かっていることで、それが現在進行形で
続いている。日本に帰りたい被害者が大勢います。これは誰もが分かっている事
実です。
今さらそれを隠そうとしたり、死亡の既成事実を作られては困る。北朝鮮が管
理している被害者については調査はいらない。「即刻返せ」という論議をしてい
ただきたいと思います。
できれば、明日日本人被害者を返す約束を取り付け、その後日朝で帰国のため
の段取りをする。そうならないとまた遠回りし、その内消滅してしまう。そうい
う懸念があるので、今回の機会を逃したら私たちの家族が永遠に帰って来ないと
いう覚悟をしなければならない。
そうならないように、政府も安倍総理も意欲を持って取り組んでいますし、そ
れは信用していますので、我々は報告書ではなく、人が帰ることを要求していき
ます。
待っている家族も、皆さん待ちきれなくなっています。当然北にいる被害者は
何十年も虐げられ、拘束された環境の中で苦しんでいる。健康的にもよくはない
でしょう。交渉される方も、もう待てないということを出してもらい、金正恩が
親の遺訓を破棄するようにしてほしい。とにかく明日に期待しています。
◆人生が絶望で終わるのか、喜びが来るのか
横田早紀江(横田めぐみさん母)
今日はまだ結果が出ていないので分かりませんが、今回の米朝会談は救出運動
の結果でもあると思います。20年以上前、ささやかな救出運動を始めたことが
まざまざと頭の中にあります。当時は、「そんなこと本当ですか。いい加減なこ
とを言わないでください」と言われて、署名板を叩き落されがっかりもしました。
しかし、皆さんとともに黙々と歩んできた道のりの中で、ショッキングなこと
もありました。何にも悪いことをしていないのに、どうしてこんなに苦しい思い
をしなければならないのかと思うようなこともありました。
しかし必ず取り戻すとの思いで、やってきたことのかいがあったと思います。
そして初めて北朝鮮の指導者が自分からアメリカと会談をしたいというところま
できた。これは本当に奇跡だと私は思います。
なにしろそういう国で、これまでだまされ続け、偽の遺骨まで出した。大切な
命に関することも、もみ消して報道するような国だった。それが、今回核問題が
中心ですが、世界中が北朝鮮という国を凝視するようになりました。
小さな署名活動が大きな問題となって、世界中の国が北朝鮮をそういう目でみ
つめてくださるようになりました。核の問題は平和を乱すことだから大事なこと
ですが、子どもたちは全く違う人生を歩まされてきたまま、抑留、管理され、あ
ちらのいいように使われている。これは人権問題として許せないことですし、ほ
かにも問題がある。
北朝鮮のトップが心を入れ替え、皆を返しますよということになれば、どんな
に大きな喜びが生まれ、世界中が喜んでくれると思います。韓国にはもっと多く
の被害者がいますし、13か国から拉致しています。
日本が一生懸命立ち向かっているわけですが、帰って来た時の喜びは人間の喜
びなんです。そういうことを分かっていただきたいと思います。そうなると日本
は、「よく返してくれましたね」と、向こうに対しても温かい心でいけるという
ことを理解、信頼していただきたいと思います。
そういうことを安倍総理から北朝鮮のトップに話をしていただきたいし、トラ
ンプ大統領も、そうなることのきっかけになるように、普通の国では許されない
ことだということを話してほしいと願っています。
白か黒か、人生が絶望で終わるのか、喜びが来るのか。喜びが来ればそれは何
十倍の喜びになります。本当に生きていてよかった、という喜びになります。
どちらになるか分かりませんし、時間もかかるかもしれませんが、金正恩さん
が人間としての心を、親の心を理解し、そのことが解決できた時に、喜びがどん
なに大きな喜びとして北朝鮮に返っていくかということです。
安倍総理がいつもおっしゃるように支援もできるし、それが平和の基になるこ
とを伝えることができればありがたいと思っています。
【質疑応答】
問 どんな気持ちで米朝首脳会談を迎えるのか。
◆片づけられるものは早く片づけたい
飯塚繁雄 歳を取る度に、体力がなくなる、頭も悪くなる、病気にもなる、ある
いは亡くなった方もいる。そうなるのは仕方がないんですが、そうなる前に、早
いとこ、片づけられるものは片づけたいという気持ちが強いです。
私も80歳になり、膠原病があります。もう街頭に出たり、遠くに出張するの
は無理になりました。そうなると後がない。ようやくここまできたことを無駄に
はしたくない。もう待ってはいられない。活動もできなくなる。本当に月日の流
れを重たく感じます。
被害者はもう40年も拘束されたままです。結果も出ない。私たちはそういう
苦い思いをずっとしてきた。被害者が帰ってきたら親も兄弟もいない。そういう
浦島太郎みたいになったら悲劇です。早く返してください。
問 この時点で、夫の滋さんとはどんな話をしていますか。
◆日本国が世界にあなどられることにならないよう
横田早紀江 主人は入院していますが意識ははっきりしています。飾ってあるめ
ぐみの写真を見ながら、「もうすぐ帰ってくるかもしれないから、それまではが
んばらなきゃだめですよ」と言っています。
これは私たち家族の問題だけではないんです。国家の問題です。また、これだ
けの人が拉致されたのに、何にも報道されない時期もありました。偉い人たちも
見過ごしてきました。私たちは本当に戦いだと思って頑張ってきました。これを
後に残しては大変なことになります。
これでは日本国が世界にあなどられることになります。国民の生命を国家は守
らなければならない。それが守られていないのです。チャンスが与えられても積
極的にしなかった。あの国は呑気ですねということになるんです。こんなに大き
なチャンスが来ても、何もできなかったんだねとなった時の、これからの日本の
姿がどなう思われることになるのか。
日本は小さいけど素晴らしい国です。手工業でも農業でも、みんなが自然を愛
し、こつこつといい物を作り上げる。その担い手となるべき人が連れて行かれて
は絶対にいけないと、全国民に思っていただいて、政府も命がけで動いて解決す
る。そうなると北朝鮮にもよかったことになる。これは平和の大きな仕事ですか
ら、力を合わせて、交渉していただきたい。
問(シンガポール国営放送) ラストチャンスということをおっしゃいましたが、
今金正恩さんに一番伝えたいことは何ですか。
◆北朝鮮の国民も幸せになるようにしたい
飯塚繁雄 一言しかない。被害者を返してください。その話の周りや裏にはもの
すごい問題がいっぱいある。なぜ日本人を大量に拉致したのか。その原因につい
てあれこれ言っても始まらない。まず取り戻すことです。
北朝鮮が日本人を返せば、それなりの見返りがある。それを誰がいうか、トラ
ンプさんが言ってくれればいいが。今まで誰も金正恩に話していない。北朝鮮は
お金がほしい。いつまでも意地を張ってはいられない。そのことに気が付いてき
たかなという感じもする。
さらに言えば、北朝鮮が各国と共存共栄の道を選び、国民が幸せになるように
してあげたいと思います。
◆金正恩のお父さんは拉致したことを認めた
横田早紀江 大切な子どもたちを無事に返してください、それだけです。どの国
の親も子どもを大事にします。その子どもが闇の中で拉致された。それはわが国
がやったことだと、(金正恩の)お父さんは認めた。そして子どもや孫もいるこ
とが分かった。
あなたもお父さんならその気持ちが分かるはずだと伝えてほしい。
問 米朝首脳会談の後、日朝で協議する場面が出てくるかもしれません。安倍さ
んが行くならどんな話をしてほしいか。
◆金正恩が「返す」と約束するかどうかが大事
飯塚繁雄 まずトランプ大統領が北朝鮮に、日本人拉致被害者を返せと言ってく
れないと先に進めない。単に、「言いましたよ」ではだめで、はっきりと約束さ
せることが大きなポイントです。
横田早紀江 金正恩という人に、人間としての親の気持ちを分かってもらうこと
が大事だと思います。
問 北の家族にどういう思いを伝えたいか。
◆本人にいつまで経っても取り返してやれず「ごめんなさい」と言いたい
飯塚繁雄 今の気持ちは、本人に「ごめんなさい」ということしかないんです。
いつまで経っても取り返してやれない。しかし、希望も与えられるように短波放
送等で伝えています。「きっと帰れるよ。だからもうちょっと我慢してね」と。
そのチャンスとして明日がある。
横田早紀江 もう何年も「ラジオ日本」で呼びかけてきました。「とにかく健康
に気を付けて、希望を持って待っていてください」と言っています。
問 トランプ大統領への期待と、金正恩委員長にどのような判断をしてもらいたいかについて。
◆具体的なことは日朝で
飯塚繁雄 日米でこの機会に訴えようとしているが、金正恩委員長は、「拉致被
害者を返す」とは言っていない。「日本人拉致は解決済み」と未だに言っている。
安倍さんはトランプさんに、今度こそ解決するように強く要請している。それに
期待がかかっているわけです。
トランプさんが言ったとしても、金正恩が、「解決済みだから問題にはならな
い」となるかもしれない。具体的なことはできれば日朝でやりたい。だから、ト
ランプさんには、「拉致問題にまじめに取り組め。できればこの場で解決の約束
をしないさい」と言ってほしい。
横田早紀江 被害者の情報を政府が突き付け、人間としてあってはならないこと
をお互いにやらないようにしよう、平和のために皆でがんばりましょうと言って
ほしい。
問 安倍さんも具体的なことは日朝でやるとトランプさんに言っているが。
飯塚繁雄 北がどういう対応をするかです。米朝の中で、「被害者を返します」
となり、「この後は日朝でやってください」となるのが一番いいわけです。会談
の度に確認を取ることが必要だと思います。過去に繰り返した話ではなく、返す
か返さないかです。
横田早紀江 安倍総理は日本の姿勢を明らかにしています。それを向こうがどう
受け止めるかです。いい方向に行ってほしいと思っています。
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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米朝首脳会談を明日に控えた本日、6月11日、家族会・救う会では、参議院
議員会議室にて記者会見を開催した。家族会から飯塚繁雄代表、横田早紀江さん
が参加し、救う会から平田隆太郎事務局長、山岸丈良事務局次長が参加した。以
下はその概要である。
■米朝協議への期待?記者会見概要
◆とにかく明日に期待
飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)
これまで日米、南北など色々な首脳会談があり、いよいよ米朝首脳会談が明日
開催されます。我々はある期待を持ちながらこの日を待っていました。既に細か
い要請はもうしてあります。
今回しかチャンスがないということ、またもうこれ以上待てないという家族の
現状もあります。トランプ大統領には我々家族会も直に、今回の会談の中で拉致
問題を提起してくれるようお願いし、「分かった」という約束ができています。
政府では、安倍総理がトランプ大統領に対し、拉致問題に絶対言及してほしい
と要請し、トランプ氏は「やる」と強い意志を見せています。
私たちは当然そういうことになるだろうと思いますが、いつも心配しているの
は、今回どうなるかは分かりませんが、長い間日本もアメリカも世界も北朝鮮に
だまされ続けてきたということです。今回もそうなっては困るわけです。
北朝鮮は現在、「拉致問題は解決済み」という態度を崩していませんし、それ
を覆すのは大変なことだと思います。残念ながらまだ日朝会談は決まっておらず、
安倍総理も直接強い要請や言及はしていません。そこがどうなるかは心配です。
それについては、私たちはトランプ大統領の力量に期待していますが、核放棄
の問題はそれほど簡単に決まるわけではない。従って何回も交渉があると思いま
す。拉致問題はそれとは議題が離れているので、核が片付いてから拉致問題をや
ることになっては困るんです。
日本人拉致問題ではそれとは切り離して先行してやってほしい。トランプ大統
領は明日の会談でこれをはっきり提起し、北朝鮮に対し、日本人を返すという約
束を取り付けてもらいたい。今までのように、「調査する」というようなもので
は、まただまされることになる。
なので今回の米朝会談ではっきりと日本人を返すことの約束をとりつけること
が大事だと思いますし、その機会は明日しかないと思います。北朝鮮が国家犯罪
として大量の日本人を拉致したことは分かっていることで、それが現在進行形で
続いている。日本に帰りたい被害者が大勢います。これは誰もが分かっている事
実です。
今さらそれを隠そうとしたり、死亡の既成事実を作られては困る。北朝鮮が管
理している被害者については調査はいらない。「即刻返せ」という論議をしてい
ただきたいと思います。
できれば、明日日本人被害者を返す約束を取り付け、その後日朝で帰国のため
の段取りをする。そうならないとまた遠回りし、その内消滅してしまう。そうい
う懸念があるので、今回の機会を逃したら私たちの家族が永遠に帰って来ないと
いう覚悟をしなければならない。
そうならないように、政府も安倍総理も意欲を持って取り組んでいますし、そ
れは信用していますので、我々は報告書ではなく、人が帰ることを要求していき
ます。
待っている家族も、皆さん待ちきれなくなっています。当然北にいる被害者は
何十年も虐げられ、拘束された環境の中で苦しんでいる。健康的にもよくはない
でしょう。交渉される方も、もう待てないということを出してもらい、金正恩が
親の遺訓を破棄するようにしてほしい。とにかく明日に期待しています。
◆人生が絶望で終わるのか、喜びが来るのか
横田早紀江(横田めぐみさん母)
今日はまだ結果が出ていないので分かりませんが、今回の米朝会談は救出運動
の結果でもあると思います。20年以上前、ささやかな救出運動を始めたことが
まざまざと頭の中にあります。当時は、「そんなこと本当ですか。いい加減なこ
とを言わないでください」と言われて、署名板を叩き落されがっかりもしました。
しかし、皆さんとともに黙々と歩んできた道のりの中で、ショッキングなこと
もありました。何にも悪いことをしていないのに、どうしてこんなに苦しい思い
をしなければならないのかと思うようなこともありました。
しかし必ず取り戻すとの思いで、やってきたことのかいがあったと思います。
そして初めて北朝鮮の指導者が自分からアメリカと会談をしたいというところま
できた。これは本当に奇跡だと私は思います。
なにしろそういう国で、これまでだまされ続け、偽の遺骨まで出した。大切な
命に関することも、もみ消して報道するような国だった。それが、今回核問題が
中心ですが、世界中が北朝鮮という国を凝視するようになりました。
小さな署名活動が大きな問題となって、世界中の国が北朝鮮をそういう目でみ
つめてくださるようになりました。核の問題は平和を乱すことだから大事なこと
ですが、子どもたちは全く違う人生を歩まされてきたまま、抑留、管理され、あ
ちらのいいように使われている。これは人権問題として許せないことですし、ほ
かにも問題がある。
北朝鮮のトップが心を入れ替え、皆を返しますよということになれば、どんな
に大きな喜びが生まれ、世界中が喜んでくれると思います。韓国にはもっと多く
の被害者がいますし、13か国から拉致しています。
日本が一生懸命立ち向かっているわけですが、帰って来た時の喜びは人間の喜
びなんです。そういうことを分かっていただきたいと思います。そうなると日本
は、「よく返してくれましたね」と、向こうに対しても温かい心でいけるという
ことを理解、信頼していただきたいと思います。
そういうことを安倍総理から北朝鮮のトップに話をしていただきたいし、トラ
ンプ大統領も、そうなることのきっかけになるように、普通の国では許されない
ことだということを話してほしいと願っています。
白か黒か、人生が絶望で終わるのか、喜びが来るのか。喜びが来ればそれは何
十倍の喜びになります。本当に生きていてよかった、という喜びになります。
どちらになるか分かりませんし、時間もかかるかもしれませんが、金正恩さん
が人間としての心を、親の心を理解し、そのことが解決できた時に、喜びがどん
なに大きな喜びとして北朝鮮に返っていくかということです。
安倍総理がいつもおっしゃるように支援もできるし、それが平和の基になるこ
とを伝えることができればありがたいと思っています。
【質疑応答】
問 どんな気持ちで米朝首脳会談を迎えるのか。
◆片づけられるものは早く片づけたい
飯塚繁雄 歳を取る度に、体力がなくなる、頭も悪くなる、病気にもなる、ある
いは亡くなった方もいる。そうなるのは仕方がないんですが、そうなる前に、早
いとこ、片づけられるものは片づけたいという気持ちが強いです。
私も80歳になり、膠原病があります。もう街頭に出たり、遠くに出張するの
は無理になりました。そうなると後がない。ようやくここまできたことを無駄に
はしたくない。もう待ってはいられない。活動もできなくなる。本当に月日の流
れを重たく感じます。
被害者はもう40年も拘束されたままです。結果も出ない。私たちはそういう
苦い思いをずっとしてきた。被害者が帰ってきたら親も兄弟もいない。そういう
浦島太郎みたいになったら悲劇です。早く返してください。
問 この時点で、夫の滋さんとはどんな話をしていますか。
◆日本国が世界にあなどられることにならないよう
横田早紀江 主人は入院していますが意識ははっきりしています。飾ってあるめ
ぐみの写真を見ながら、「もうすぐ帰ってくるかもしれないから、それまではが
んばらなきゃだめですよ」と言っています。
これは私たち家族の問題だけではないんです。国家の問題です。また、これだ
けの人が拉致されたのに、何にも報道されない時期もありました。偉い人たちも
見過ごしてきました。私たちは本当に戦いだと思って頑張ってきました。これを
後に残しては大変なことになります。
これでは日本国が世界にあなどられることになります。国民の生命を国家は守
らなければならない。それが守られていないのです。チャンスが与えられても積
極的にしなかった。あの国は呑気ですねということになるんです。こんなに大き
なチャンスが来ても、何もできなかったんだねとなった時の、これからの日本の
姿がどなう思われることになるのか。
日本は小さいけど素晴らしい国です。手工業でも農業でも、みんなが自然を愛
し、こつこつといい物を作り上げる。その担い手となるべき人が連れて行かれて
は絶対にいけないと、全国民に思っていただいて、政府も命がけで動いて解決す
る。そうなると北朝鮮にもよかったことになる。これは平和の大きな仕事ですか
ら、力を合わせて、交渉していただきたい。
問(シンガポール国営放送) ラストチャンスということをおっしゃいましたが、
今金正恩さんに一番伝えたいことは何ですか。
◆北朝鮮の国民も幸せになるようにしたい
飯塚繁雄 一言しかない。被害者を返してください。その話の周りや裏にはもの
すごい問題がいっぱいある。なぜ日本人を大量に拉致したのか。その原因につい
てあれこれ言っても始まらない。まず取り戻すことです。
北朝鮮が日本人を返せば、それなりの見返りがある。それを誰がいうか、トラ
ンプさんが言ってくれればいいが。今まで誰も金正恩に話していない。北朝鮮は
お金がほしい。いつまでも意地を張ってはいられない。そのことに気が付いてき
たかなという感じもする。
さらに言えば、北朝鮮が各国と共存共栄の道を選び、国民が幸せになるように
してあげたいと思います。
◆金正恩のお父さんは拉致したことを認めた
横田早紀江 大切な子どもたちを無事に返してください、それだけです。どの国
の親も子どもを大事にします。その子どもが闇の中で拉致された。それはわが国
がやったことだと、(金正恩の)お父さんは認めた。そして子どもや孫もいるこ
とが分かった。
あなたもお父さんならその気持ちが分かるはずだと伝えてほしい。
問 米朝首脳会談の後、日朝で協議する場面が出てくるかもしれません。安倍さ
んが行くならどんな話をしてほしいか。
◆金正恩が「返す」と約束するかどうかが大事
飯塚繁雄 まずトランプ大統領が北朝鮮に、日本人拉致被害者を返せと言ってく
れないと先に進めない。単に、「言いましたよ」ではだめで、はっきりと約束さ
せることが大きなポイントです。
横田早紀江 金正恩という人に、人間としての親の気持ちを分かってもらうこと
が大事だと思います。
問 北の家族にどういう思いを伝えたいか。
◆本人にいつまで経っても取り返してやれず「ごめんなさい」と言いたい
飯塚繁雄 今の気持ちは、本人に「ごめんなさい」ということしかないんです。
いつまで経っても取り返してやれない。しかし、希望も与えられるように短波放
送等で伝えています。「きっと帰れるよ。だからもうちょっと我慢してね」と。
そのチャンスとして明日がある。
横田早紀江 もう何年も「ラジオ日本」で呼びかけてきました。「とにかく健康
に気を付けて、希望を持って待っていてください」と言っています。
問 トランプ大統領への期待と、金正恩委員長にどのような判断をしてもらいたいかについて。
◆具体的なことは日朝で
飯塚繁雄 日米でこの機会に訴えようとしているが、金正恩委員長は、「拉致被
害者を返す」とは言っていない。「日本人拉致は解決済み」と未だに言っている。
安倍さんはトランプさんに、今度こそ解決するように強く要請している。それに
期待がかかっているわけです。
トランプさんが言ったとしても、金正恩が、「解決済みだから問題にはならな
い」となるかもしれない。具体的なことはできれば日朝でやりたい。だから、ト
ランプさんには、「拉致問題にまじめに取り組め。できればこの場で解決の約束
をしないさい」と言ってほしい。
横田早紀江 被害者の情報を政府が突き付け、人間としてあってはならないこと
をお互いにやらないようにしよう、平和のために皆でがんばりましょうと言って
ほしい。
問 安倍さんも具体的なことは日朝でやるとトランプさんに言っているが。
飯塚繁雄 北がどういう対応をするかです。米朝の中で、「被害者を返します」
となり、「この後は日朝でやってください」となるのが一番いいわけです。会談
の度に確認を取ることが必要だと思います。過去に繰り返した話ではなく、返す
か返さないかです。
横田早紀江 安倍総理は日本の姿勢を明らかにしています。それを向こうがどう
受け止めるかです。いい方向に行ってほしいと思っています。
以上
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■安倍首相にメール・葉書を
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
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みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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