救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

被害者の即時一括帰国を!特別集会報告1(2018/07/02)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.07.02-2)

■被害者の即時一括帰国を!特別集会報告1

 家族会、救う会、拉致議連では、6月29日(金)に、「全被害者の即時一括
帰国を!特別集会」を東京・友愛会館大会議室において開催しました。加藤勝信
拉致問題担当大臣、拉致議連の古屋圭司会長、山谷えり子、渡辺周、中山恭子の
各会長代行、松原仁元拉致担当大臣が参加。全国各地の家族も参加しました。以
下はその概要です。

◆ここまで来た、これから最終段階の戦い

西岡力(総合司会)

 みなさんこんばんは。今日は多数集まっていただきありがとうございます。

 「全被害者の即時一括帰国を!特別集会」を始めたいと思います。宜しくお願
いいたします(拍手)。

 みなさんもご承知の通り、6月12日にシンガポールで米朝首脳会談がありま
した。そこでトランプ大統領は約束通り安倍総理のメッセージを伝えてくださっ
たということです。

 私たちは6月14日、2日後に直接説明を聞きました。ここまで来たという感
じがします。北朝鮮ですべての決定権を持っている人に、直接、「被害者を返せ」
ということが伝わったということです。

 しかしこれからは、総理も自分が出て、日本が取り戻すとおっしゃっています。
うまくいったとは思いますが、まだ最終段階の戦いは残っています。今日は、
「全被害者の即時一括帰国」という、私たちが今言い続けていることを、何が何
でも実現させるという決意を持って特別集会を企画しましたところ、加藤大臣を
初め、前元大臣が4人、そして元防衛副大臣が来てくださっています。

 みんなで全被害者を助けるぞという集会にしたいと思います。それでは今日の
集会の主催者を代表して、家族会の飯塚繁雄代表にまずお願いいたします。

◆帰国させてあげられず「ごめんなさい」

飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

 今日はお忙しい中、特別集会にお出でいただきありだとうございます。

 この間色々な情報や活動がたくさんありました。一番注目されたのは6月12
日の米朝首脳会談でした。それまでにも日米を含め何回か会談がありましたが、
我々が注目すべきことは、「拉致被害者の即時帰国」です。

 この米朝が始まる前から、安倍総理は拉致問題について、きちんと北朝鮮に向
けて言及してほしいと言っていましたが、それが実行されました。素人の私の感
想ですが、「簡単に終わっちゃった」という感じです。

 要するに、「北朝鮮に向けて日本の拉致問題に言及しておきましたよ。後は日
本でやってください」というような。本来そういうことではない筈なんですが、
今後フォローができるような段取りになっているのか。トランプ・安倍ラインで
実際に拉致問題の解決につながる何か具体的な施策、思惑、あるいは具体的な取
り組みや会談があると思います。

 私たちは、前から言っていますが、北朝鮮に対してはだまされ続けてきた歴史
が長くあります。私も前回総理大臣に会った後で、「この問題は決してあせらず
に着実に、きちんと事が進むようにしてほしい」と。

 変な周りに目を向け、耳を傾けるのは。色々な意見があります。日朝国交正常
化交渉を先にやった方がいいとか、名簿だけでも出させろとか、調査委員会をも
う一回立ち上げるべきだとか。日本の中でそういう議論がありますが、私たちと
しては、そういうことに一々こだわらず、耳をかさず、拉致被害者の帰国という
一点に向けた着実な活動をお願いしたい。

 「焦らずに」というのは、いつでもいいよという意味ではありません。周りの
変な空気に惑わされず、総理として、大臣として、北朝鮮に向けた対応を着実に
進めていくことを願っているわけです。

 色々と対応を考えていただいていると思いますが、今年中という希望も皆さん
の中にはあるわけですから、それにつながる動きが見えればいいなと思っていま
す。とはいえ、すべて表ざたにするわけにはいかないこともあります。水面下で
のやりとり等難しい面もありますが、最終的に日本人を帰国させるという私たち
の思いがあります。金正恩の決断、決裁をいかに取るかということだけです。

 彼が言うことはそのまま実行されますから、いかに金正恩に日本人を返すとい
う決断をさせるか、あるいは向こうがするかに焦点を当てて、対応、論議、交渉
を進めていただきたいと思います。

 とはいえ、6月12日からもう半月が過ぎました。「焦らず」というのは何も
しないということではなく、一歩一歩、毎日着実に進むような施策をこれからも
是非お願いしたいと思います。

 私事ですが、妹の田口八重子が拉致されて今日で40年です。家族会の活動が
始まってから21年、私の年齢はちょうど80。ここにいる耕一郎(田口八重子
さん息子)は40歳になってしまいました。

 そういう数字的な節目はどこにもあるんですが、単なる節目ではなく、こんな
に経ってしまったという思いを、これはそれぞれの家族の皆さんがみんな持って
いるいるわけですが、それを理解していただいて、そこから一刻でも早くという
言葉が出ます。

 そういう意味で、着実に進めていただきたいというのが私たちの願いです。今
度こそ一体となった取り組みになるようお願いしたいと思います。早く帰国でき
るように願うばかりですが、今の所被害者に対しては「ごめんなさい」というし
かないんです。取り返してあげられない、帰国させてあげられないという空気が
ずっと続いていて、そこから出る言葉はその一言だけです。

 今後とも応援してください。ありがとうございました(拍手)。

西岡 今日の集会は家族会、救う会、そして拉致議連も主催者です。主催者を代
表して、拉致議連会長、古屋圭司先生お願いいたします(拍手)。

◆拉致問題解決まで圧力をかけ続けることが原理原則だ

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 皆様、こんばんは。今日は極めて重要な特別集会だと認識しています。北朝鮮
がこの春先から急に動き出しました。なぜか。それは私たち国際社会が、日本が、
安倍総理が、あの国は強い圧力をかけてこそ初めて動く。だからこちらからアプ
ローチをしても現状を肯定するところから始まる。それではだめだということを、
各国に首脳会談の度に訴えました。

 そしてトランプ大統領と安倍総理との個人的な信頼関係をしっかりと築きあげ
た。こういうことで、総理が言うように、向こうから行動をしてきたということ
なんです。

 いよいよ動き出した。この前の議連の総会でも、千歳一遇のチャンスだという
話がありましたが、私は、千歳一遇のチャンスであるとともに、ここから胸突き
八丁の協議が始まると思います。

 そこで先週の木曜日に、今日は拉致議連の幹部も来ていますが、拉致議連の役
員会を行いました。そこで決議をして(6月20日メールニュース参照)、次の日
に総理官邸に申し入れに行きました。

 それは報道されていますので皆さんご存知と思いますが、米朝首脳会談を機に
国内外で融和ムードが高まっているが、北朝鮮は、拉致、核・ミサイル等の諸問
題の解決に向け、具体的な行動は未だ何ら起こしていないということです。そこ
をしっかりと押さえる必要があるということ。

 そして、北朝鮮が自ら対話を求めてきたのは、我々が圧力をかけ続けた結果だ。
だからこのスタンスは絶対変えてはならないということ。

 さらに、確かに拉致被害者や御家族の方々は高齢化しています。しかし、前の
めりになっては得るものは一つもないということです。焦らず、確実に拉致被害
者の帰国につながる実質協議ができることを見極めた上で初めて、日朝首脳会談
が可能になるわけですから、そのためにはあらゆる関係者が原理原則をしっかり
守って、圧力をかけ続ける。まなじりをけっして取り組むということです。

 実は総理に申し入れした時に、ここで申し上げますが、いわゆる日朝議連のこ
とが話題になりました。この時総理は、皆様こそが我々をしっかり後押ししてほ
しい。そしてこの原理原則を守り抜いてこそ初めて、あの金正恩委員長が自らの
意思で動くことになる。だからこれは徹底してほしい。皆さんに期待するという
趣旨の話がありました。

 私はこの考え方をすべての関係者が共有して動いていく必要があると思ってい
ます。そのことが拉致問題解決につながる確実な動きになる。そして金正恩委員
長もそれを認識することになると思います。

 色々なことが言われています。金正恩はクレバーな人間だ、とか。クレバーと
は、拉致問題を解決した方が自らの国の尊厳も回復して、自分たちの国にとって
も有利なことだということを、金正恩自身に理解をさせることです。

 そのためには、あらゆるチャネルを通じて、あらゆる手段を講じて、そのアプ
ローチをしていくことです。我々拉致議連も、私たち自由民主党も、また拉致問
題担当大臣を経験した人間として、あらゆる手段を尽くしていくために、徹底的
に徹底的にこれからも頑張っていきたいと思っています。みなさんありがとうご
ざいました。この空気を安倍総理にも伝えようではありませんか。宜しくお願い
いたします(拍手)。

西岡 次に、加藤勝信・拉致問題担当大臣にお願いいたします。

◆日米等と連携し、問題解決に向けた具体的な行動を北朝鮮から引き出す

加藤勝信(拉致問題担当大臣)

 本日は、家族会、救う会、拉致議連の主催で、全被害者の即時一括帰国を求め
ての特別集会を開催いただきましたこと、そして週末にも関わらず多くの皆様方
にお集まりをいただき、改めて感謝を申し上げます。

 今日お出での皆様方には、日ごろから拉致問題に大変高い関心を持ち、それぞ
れの地域や職場等でもこの問題を取り上げていただいていることに、改めて感謝
と敬意を申し上げます。

 6月12日に歴史的な米朝首脳会談が開かれたわけです。トランプ大統領は会
談後の記者会見で、「拉致問題を提起した」と言われました。また安倍総理は国
会において、「わが国にとって何よりも重要な拉致問題についてトランプ大統領
が、私(安倍総理)の考え方を直接金正恩国務委員長に伝えてくれたことは大き
な成果だ」と答弁されています。

 そして6月14日に、ご家族の皆様と総理が面会された際、「一日も早い拉致
被害者の帰国を実現してほしい」との切実な思いが訴えられた一方で、「焦らず、
解決の道筋が見えるまで政府は安易に動かないでほしい」との冷静な要望も多く
出されたことを私は注視しています。

 まさに、その両方を踏まえながらこれからの協議を進めていくことが重要だと
考えています。今古屋会長から、総理への申し入れについてお話がありました。
その中には、「確実に拉致被害者の帰国につながる実質的協議ができることを見
極めた上で日朝首脳会談に臨む必要がある」と書かれています。

 政府としても、この間の北朝鮮の動きは、関連する安保理制裁決議に基づく措
置を厳格に律してきた、その成果だと思っています。問題解決に向けた具体的な
行動を北朝鮮から引き出すためにも、日米、そして日米韓がしっかりと連携し、
そして厳しく対応していくことが必要だと思います。

 先週6月18日の参議院の決算委員会において総理は、「日朝でも新たなスター
トを切り、拉致問題についてお互いの相互不信の殻を破り、一歩踏み出したい。
そして解決したいと決意している。最後は私自身が金正恩国務委員長と向き合い、
日朝首脳会談を行わなければならない。そしてこれを行う以上は、北朝鮮の核・
ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に資する会談としなければなら
ないと考えている」と答弁されています。

 政府としても、この安倍総理の方針のもと、そして先ほど飯塚代表からは、
「被害者にごめんなさいとしか言えない」と言われました。ここにこめられた皆
様方の切実な思い、そしてもう時間があまりないという切迫した思い、これを私
たちもしっかり共有させていただき、同時に焦ることなく、対話のための対話に
なってはならないということを肝に銘じながら米国、韓国をはじめとする国際社
会と連携をはかり、そしてすべての拉致被害者の方々の一日も早い帰国の実現に
向けて、政府としても主体的に、そしてあらゆる施策を駆使して全力で取り組ん
でいきます。

 どうか皆様方、引き続き後押し、ご支援を心からお願いし、ご挨拶とさせてい
ただきます。ありがとうございました(拍手)。

(2につづく)



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