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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

被害者の即時一括帰国を!特別集会報告2(2018/07/03)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.07.03)

■被害者の即時一括帰国を!特別集会報告2

西岡 拉致議連から、各党の拉致問題対策本部長、元大臣の先生方が駆けつけて
くださいました。まず山谷えり子・自民党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当
大臣、お願いいたします。

◆核・ミサイル、拉致 具体的な行動をまだ北朝鮮は何もとっていない

山谷えり子(拉致議連会長代行、自民党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大
臣、参議院議員)

 皆様、こんばんは。強い気持ちで、すべての被害者を即時一括帰国させよとお
集まりいただき、ありがとうございます。

 いよいよ重大な局面、そして正念場に向かって、一致して、強い気持ちで解決
に向けて糸口をつかみ、全面解決に向けて進んでいく時だと思っています。

 6月14日、官邸で家族会の皆様と総理がお会いされた。私は胸がいっぱいに
なりました。家族の皆様は一日も早く会いたい。そんな中で、しかしながら、焦
らないでとおっしゃられる。総理も、「私はだまされない」と言われた。

 本当に長い、長い、苦しみの中で何度も裏切られ、不誠実さ、残酷、非道さ、
そして時間稼ぎ、だましの苦しみを味わってきた中だからこそ、真の解決に向け
て、そうした言葉が交わされたのだと思います。

 一昨日、アメリカの下院で、北朝鮮の人権侵害はとんでもないという、北朝鮮
人権法が再延長されました。

 6月12日のシンガポールでの米朝会談の後のトランプ大統領の記者会見の席
で、「なかなかいい会談だった。金正恩委員長はなかなかの人物だ」とトランプ
大統領が言われた時に、記者たちは、「いやそうではないだろう。ひどい人権侵
害があるではないか。ひどい残酷な状況があるではないか」と、人権問題につい
て厳しい質問が出されました。

 この非核化協議を進めながらも、この人権侵害国家、拉致という現在進行形の
テロを行い続けているこの北朝鮮の体質を、国際社会は忘れていません。そして
このタイミングで、アメリカの上下両院でそうした法案がまた可決された。

 5月、家族会、救う会、拉致議連のメンバーとアメリカに行きましたが、ホワ
イトハウスや国務省、国防総省、国連の大使たちと話をして、そしてまたワーム
ビアさんという、北朝鮮で残虐な行為をされて、昏睡状態でアメリカに戻った後、
まもなく亡くなられたそのご両親が、涙ながらに言われました。「北朝鮮のこの
残酷、非道さに光を当てなければいけない」、「息子の死をむだにはしない」と。

 つい先日そのご両親から私はメッセージをいただいています。安倍総理が長き
にわたって国際社会に訴えてこられた核・ミサイルの安全保障問題と同時に、拉
致、人権侵害国家の体制を、政策を変えさせなければ、国際社会の中で平和で繁
栄した国として北朝鮮は発展できないんだ、と。この思いを国際社会は共有して
います。

 だからこそ、圧力はかけ続けなければならない。核・ミサイル、拉致問題の解
決に向けて、具体的な行動をまだ北朝鮮は何もとっていません。なのに国内外で
宥和ムードが広がっている。

 あの外交はショーのようなもので、きっと何かそんなムードが広がる。それは
決して解決にはつながらないということを私たちは知っています。具体的な解決
には日朝首脳会談が必要です。しかし、すべての被害者の全員一括帰国という姿
が見えるまでは決して焦ってはいけないことです。

 国交正常化をどうするか、経済支援をどうするか、あるいは日朝で合同調査委
員会を開いたらどうか。色んな声が国内からも上がってきています。しかしそれ
は、本当に思う壺です。前のめりになって足をすくわれることになります。

 合同調査委員会なんかとんでもないことです。北朝鮮は拉致をした。被害者が
どこに住んでいるかを知っている。いまさら調査委員会なんかあったものではな
い。国内外で世論が分断されていく。これは北朝鮮を利するばかりです。私たち
は強い気持ちで、すべての被害者の全員即時一括帰国です。2、3人、5、6人
返すという段階ではありません。

 全員の即時一括帰国まで、具体的な行動が見えるまでは圧力をかけ続ける。こ
れが解決への道だと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします(拍手)。

西岡 ありがとうございました。次に、渡辺周・国民民主党拉致問題対策本部長
にお願いいたします。

◆日朝協議が行われる時には、国会の総意として決議し、思いを北朝鮮に伝える

渡辺周(拉致議連会長代行、国民民主党拉致問題対策本部長、衆議院議員)

 皆様、こんばんは。先ほど話があった、拉致議連の役員会が開催された同じ日
に、北朝鮮との国交正常化を謳った議員連盟ができました。これまでも日朝議連
というのはありましたが、ここにきて動き始めました。

 実は米朝協議の前日にも呼びかけがありました。まだ結論も出ていないのにず
いぶん早いなと思いましたが、議連に参加しませんかという案内がありました。
翌週にまた案内が来て、ここで呼ばれた方がいます。その議連の総会で話をした
人が、金志永(キム・ジヨン)という人で、朝鮮総連の「朝鮮新報」の編集局の
副局長でした。

 朝鮮高校から朝鮮大学校にいって、ここに就職した方です。この方が5月11
日のネット版に、「国交正常化に顔をそむけてきたことを知らないのか。これま
で総連の在日同胞に加えられた弾圧、蛮行をしっかりと清算しなければならない
という声もある。歴史的な政策局面で日本が自らのけがらわしい過去をすっきり
清算する覚悟を持たなければならない。心を改められなかった相手と、対話のた
めの対話をしても意味がない」と。

 要するに北朝鮮のスポークスマンです。北朝鮮の主張をそのまま書いているわ
けです。こんな人が国会の中で、日朝国交正常化議員連盟の講師として呼ばれて、
話をしているわけです。当然北朝鮮にも報告しているでしょう。日本の国会で自
分が報告した、と。

 日本の国会議員に2つのグループがある。一つは制裁を続けようと言っている
拉致議連。もう一つは国交正常化を謳う議員連盟がある。つまり、国会の議論が
もう割れているんじゃないかという間違ったメッセージを北朝鮮に伝えてしまう
ことになりかねないのです。

 我々としては意思を統一していかなければならない。正常化をする前提として、
我々の嫌がることは止めろと北朝鮮は言ってくる。これ以上拉致問題を言うな。
あるいは制裁とか圧力という言葉はもう使うな。そういうことを振りかざして、
また国論を分断してくるだろうと思います。

 既に高名な識者の中には、「正常化交渉をやりながら拉致の解決をすればいい」
と、100年前みたいな議論をしている方々がおられますが、ここまで来て我々
は、今までの路線を分断されるわけにはいかない。

 そういう意味で、是非国会の中でも意思の統一をはかって、日朝正常化交渉の
前提となる日朝協議が行われる時には、私たちは国会の総意として決議をする。
これは誰かの思惑ではなく、日本国民の代表である立法府の、国権の最高機関た
る国会がそういう思いを持っていることを、しっかりとぶつけなければいけない。

 そんな思いで取り組んでいきたいと思います。世界の他の国に制裁を呼びかけ
ながら、わが国では朝鮮総連が経済活動を普通に行っている。昨年は東京地裁が
600億円を超える額の返済を認定しました。朝鮮総連と取引のある金融機関と
は取引を凍結する、あるいは資産の凍結をする。

 片方で、本気で圧力を見せなければ北朝鮮がなめたことを言って、交渉でもな
めてかかってくるでしょう。我々は朝鮮総連に対し、今やるべきことをやるべき
だ。こういう声を挙げながら北朝鮮と交渉していくべきだと思います。頑張りま
しょう。ありがとうございました(拍手)。

西岡 次に、希望の党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大臣の中山恭子先生、
お願いいたします。

◆このチャンスをものにしたい

中山恭子(拉致議連会長代行、希望の党拉致問題対策本部長、元拉致問題担当大
臣、参議院議員)

 皆様、こんばんは。急なお声かけだったと思いますが、このように多くの皆様
にお集まりいただき、ありがたいことだと思っています。

 松本京子さんや横田めぐみさんが拉致されたのが1977年ですから、その時
から既に40年が過ぎています。横田ご夫妻がまだずっとお若い感じの時、テレ
ビに出て、「めぐみさんをどなたか見つけたらお知らせください」という訴えを
なさっていた。そのテレビを見たことがあります。

 1988年には、梶山(静六)国家公安委員長が、多くの若者が姿を消してい
る問題について、「北朝鮮が絡んでいる可能性が濃厚である」と言う発言を国会
でされています。にも拘わらず、まだその後若者たちが拉致され、被害者の家族
の方々が、そんな思いでテレビで自分のお嬢さんの行方を探していた。

 なんとも言えず辛い。なぜ日本は拉致された被害者を、徹底して最初から救出
にあたってこなかったのか。独立国家じゃないじゃないかという思いで、ずっと
この問題に関わってきました。

 先生方が既に色々お話してくださっていますので、私からは米朝協議の共同声
明を読んだ時の直観と言ったらいいのか、政府にはいっていませんのできちんと
した情報を持っていませんが、あの共同声明を読んだ時の印象を申し上げたいと
思います。

 米朝はいくつかのテーマを声明に入れていますが、4つのことが掲げられてい
ます。西岡先生が「産経新聞」に、玉虫色の米朝合意だという表現を使っておら
れましたが、まさにその通りで、この共同声明は非常に曖昧模糊とした声明だと
思っています。

 ただ、トランプさんの立場に立って考えると、アる意味でわかりやすいことを
主張していると思っています。声明の4つの項目の内、トランプさんがはっきり
とコミットしたのは、「アメリカと北朝鮮は、平和と繁栄を望む両国民の願いに
従って、新しい米朝関係を樹立する」という最初の1項目だけと感じました。

 トランプさんが関心があるのは、休戦協定を平和協定に変える、この点だけで
はないかと思いました。

 2番目は、「平和体制を築くために協力して取り組む」と書いてありますが、
この「協力して取り組む」というのは現在形で、また意思があるように見えます
が、英語で読むと、「will join effort」で、一緒に努力していくでしょうとあ
ります。大統領が本気でこれをやるという意思が全く伝わってこない文章です。

 3番目は、「半島の完全な非核化に向けて取り組む」とありますが、これも
「work toward」で、その方向に向かって働いて、動いていきましょうというこ
とで、「働きます」ではないんです。

 4番目は遺骨の問題です。この4つの項目を見ると、トランプ大統領の関心は、
休戦協定を平和協定に変えることでしかないのではないかと、直観ですので確信
はないのですが、そのように読み取れるところがあります。

 そうであれば日本はどうしたらいいのか。私が(拉致を)担当していた時は、
アメリカは民主党政権でしたが、協力していだだける国にはみなお願いして回り
ましたが、アメリカに行き、民主党のブレーンの方にお会いして、「アメリカと
北朝鮮が新しい協定に動く時に、必ず日本の拉致問題を条件の一つに入れてくだ
さい」とお願いをしました。

 その時、ブレーンの方は、「そんなことは」と言うかと思っていましたら、決
してそうではなく、「pressure us, pressure us」と、もっとアメリカに圧力を
かけろとおっしゃってくださいました。

 民主党政権から共和党政権に代わっていますが、そうであっても、トランプ大
統領に対しては、アメリカと北朝鮮の間で休戦状態を終わらせようという意思が
あるのであれば、その時に必ず日本の拉致被害者救出ということを条件に入れて
くださいと、アメリカに対して強くお願いをすることも必要だろうと考えていま
す。

 もちろん、安倍総理と金正恩委員長の間での話になると思います。本当にあり
がたいことに、安倍総理がこの問題に本当に真剣に取り組んでくださっています
ので、この時を逃してはチャンスはなかろうと思っています。

 是非安倍総理にみんなで、北朝鮮に対して拉致問題を解決するように働きかけ
てくださり、結論まで持っていってくださるようお願いすると同時に、アメリカ
に対して、拉致問題に関してだけはトランプ大統領と金正恩委員長との取り引き
のなかでも、やってくださいと強くお願いしていく必要があると思っています。

 核問題については3項目で言っていますように、それほどの関心がないのかな
という思いがあります。アメリカ向けのものは全部取り外せ。後については努力
しましょうみたいな感じでおられるかもしれません。

 それほど遠い世界ではない。トランプ大統領は、そんなに悠長な方ではなさそ
うですので、意外と早く動く可能性があると思っています。どうぞ政府の皆様、
そして応援してくださる皆様、このチャンスは決して逃してはならないと思って
います。

 どうぞ多くの人々が拉致問題の解決、解決とは私はあまり言いたくなくて、被
害者の帰国に向けて力を合わせ、このチャンスをものにしていきたいと思ってい
ます。被害者のご家族の皆様も、もう少しと思います。どうぞ耐えていてくださ
い。

 そして皆さん、くれぐれも宜しくお願いいたします。ありがとうございました
(拍手)。

西岡 次に、拉致議連の幹事長で、元拉致問題担当大臣の松原仁先生もかけつけ
てくださいました。宜しくお願いします。

◆北朝鮮にとっても今が解決の時期

松原仁(拉致議連幹事長、元拉致問題担当大臣)

 この問題がいよいよ大きな山場を迎えている中で、極めて意義のある集会だと
私も思っています。3点申し上げたい。

 一つは、金正恩は金正日ではない。敢えて言えば、彼は自ら拉致問題を起こし
た金正日ではないが故に、この問題を解決するメリットは大きいということを、
本人が認識しているだろうし、そのことが最終的に安倍総理と金正恩との対決と
いうか、議論の中で、拉致問題の大きな解決の突破口になる可能性がある。率直
に言って、それに大いに期待したい。

 彼は自ら手を汚していないんだから、率直に、親父の問題は親父の問題だから
俺が解決するということで行動してほしいと思っています。

 2つ目。今回、拉致議連が、家族会、救う会と、ニューヨーク、ワシントンに
行った時に、私は今回行けなかったのですが、アーミテージさんが、「この問題
の解決は北朝鮮側が決めることではない。拉致被害者家族会が決めることだ」と
言った。

 今色々な議連が出てきているという話があるが、拉致問題に関して家族会の皆
さんと、今日この場に緊急に集まってきた方々は常に寄り添ってきた仲間です。
救う会もそうです。この問題のために闘ってきた同志、家族会の皆さんがその中
心ですが、その人たちが了解をしない限り、今日この会場に集まっている同志が
了解しない限り、北朝鮮が「これがすべてです」と言っても、それは通用しない
ということを確認したいし、そのことに対して金正恩はきちんと答を出す必要が
あると思っています。

 3つ目は、時間との戦いです。我々が前のめりになる必要はないのは当たり前
です。しかし同時に、横田滋さんにしても今リハビリの最中と聞いています。あ
れから何年経っただろうか。先ほどの飯塚さんのお話にもありましたが、今帰国
するならば抱き合うこおができるかもしれない。

 私がある人に聞いたら、横田滋さんはめぐみちゃんと抱き合うために、そのた
めに命がけでリハビリをやっている。生きることへの情熱を持ってやっていると
いう話を聞いて、私は大変感銘しました。

 私は、今が北朝鮮において最も大きな解決の時であり、この瞬間を逸したら解
決という言葉は絵空事になってしまう。彼らに、日本に対して申し訳ないという
思いが少しでもあるならば、今がその時期であり、これ以上遅れてはならない。

 この3点を私は敢えてこの場で申し上げたい。この3点について皆様と共通認
識を持って、だからこそここに加藤大臣もおられますが、政府の関係者、そして
拉致対の石川さん(事務局長)もそこにいる。こういったすべての関係者が全力
をふりしぼって、今要った3点を肝に銘じて、解決のために頑張っていただきた
いと思います。

 私も拉致担当大臣を行った一人です。これは政党の問題ではない。安倍さんに
は頑張ってほしい。そして強い日本、それが未来に語り継がれることになるだろ
うと思っています。

 今日の集会を通して、共に頑張りましょう。終わります(拍手)。

(3につづく)


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