救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

今年2回目の国民大集会を開催?報告1(2018/09/25)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2018.09.25)

 平成30年9月23日に東京・平河町の砂防会館で、「全拉致被害者の即時一
括帰国を!」とのスローガンを掲げ、今年2回目の国民大集会が開催された。

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(代表 飯塚繁雄)、北朝鮮に拉致された
日本人を救出するための全国協議会(会長 西岡力)、北朝鮮に拉致された日本
人を早期に救出するために行動する議員連盟(会長 古屋圭司)、北朝鮮による
拉致被害者を救出する知事の会(会長 黒岩祐司)、拉致問題地方議会全国協議
会(会長 松田良昭)の5団体が大集会を主催し、政府から安倍晋三・内閣総理
大臣、加藤勝信・拉致問題担当大臣や、特定失踪者家族会が参加、ジャーナリス
トの櫻井よしこさんが総合司会を務めた。

 大集会の開催前に、安倍晋三・内閣総理大臣、加藤勝信・拉致問題担当大臣は
家族会・救う会と懇談した。

 国民大集会の概要は以下の通り。

■今年2回目の国民大集会を開催?報告1

◆安倍総理に力強いメッセージを送り私たちの目標達成を

櫻井よしこ(総合司会)

 ではただ今より、「全拉致被害者の即時一括帰国を」求めて国民大集会を開催
します。どうぞ宜しくお願いいたします(拍手)。

 安倍総理は選挙に圧勝し、これからまた3年間日本国の舵取りをしてください
ます。重要なテーマの一つがこの拉致問題の解決です。私たちは今、改めて、す
べての拉致被害者即時一括帰国を求めたいと思います。それ以外の目的はありま
せん。

 これからまた調査会を設置したりとか、様々な協議をしたりということはほと
んど関係がないのです。すべての拉致被害者を一緒に日本国に戻す、その目的の
ためだけに今日これだけ多くの方々にお集まりいただきました。安倍総理にもお
出でいただきました。

 どうぞ皆さん、ここで心を一つに固め、安倍総理に力強いメッセージを送り、
そして安倍総理に本当に日本国を代表して私たちの目標を達成していただきたい
と思っています(拍手)。

 ではまず主催者を代表して、家族会代表の飯塚繁雄さんにお願いいたします
(拍手)。

◆帰国の一点に向けて着実な進展を

飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

 全拉致被害者の即時一括帰国を願う皆様方、こんにちは。こういう集会を何回
となく続けてきたわけですが、解決するまでは頑張るという意欲、雰囲気をいつ
もながら感じています。

 これを続けることによって、私たちは絶対あきらめないぞ、解決するために総
力をあげて戦うぞという意気込みが表れていると私たちはいつも感じていますし、
心強く思っています。

 拉致問題を取り巻く状況は、トランプさんの6月の訪朝から始まり、我々はそ
れなりに期待してきましたが、あれ以来もう9月です。ちょっと中断しているか
なという雰囲気があります。

 しかしこれは、着実に進めていこうという考えがあって、その結果だろうと考
えています。拉致問題は今までのように、焦って直接帰国に結びつかない動きに
手を付けながら、結局だまされた結果になっています。今度はそうはいかないと、
私たちも期待しています。

 当然ながら相手があることです。米朝会談から始まった北朝鮮問題は、非常に
難しいのが非核化の問題ですが、これについてもアメリカのトランプ氏がどこま
で突っ込んだ確認をすれば納得するのかという問題があります。これも大変な時
間と労力が必要と思います。

 さらに、それに続けて日本人拉致問題をどうするか。安倍総理は今日渡米をし
てトランプさんに会われるそうですが、当初日本人拉致問題について彼から、
「努力する、頑張る」というしっかりした意思表示をもらっています。これが北
朝鮮に対してどういう影響を与えているのか、どう判断すればいいのかというこ
とにつながってくると思いますが、今の所中断している状態です。

 いつも言っているように、被害者が帰国しなければ、色々な論議があったとし
ても、何もならないわけです。被害者の帰国に焦点を当てた取組や論議、対応を
是非お願いしたいと考えます。

 このところ私からも、「焦らずに」という言葉を出していますが、これは帰国
に向かって着実に進めるということです。報告書とか調査委員会等の話が色々出
ていますし、日本国内からもそういう話が出てきています。しかし、そういうこ
とに惑わされずに、どうしたら帰国させられるのかという一点に絞った取り組み
を是非お願いしたいと思います。

 総理もその心づもりが強いと思います。そしてきちんと北朝鮮と向き合うこと
もお決めになっているようです。従って、この問題は解決に向かって、絶対後戻
りができないことになっています。

 私たちも一連の動きについては期待もしますし、要請もしていきます。例えば
何としても今年中にとか、何としても来月中にという話は私からは言いません。
着実に進めるために時間がかかるのであれば、それは当然です。

 そんなに長くはかからないと思いますが、この問題の進展を皆様とともに見つ
めていきたい、期待していきたいと思います。今後ともご支援の程宜しくお願い
いたします。ありがとうございました(拍手)。

櫻井 飯塚さんありがとうございました。次に拉致議連会長、元拉致問題担当大
臣の古屋圭司さんにお願いいたします(拍手)。

◆様々な取組みで拉致問題の背中を押してほしい

古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)

 皆さん、ご苦労様です。今年もこうやって開会することになりました。皆様と
同じ心境です。しかし、今飯塚さんが言ったように、絶対にあきらめることなく、
被害者が戻ってくるまでこの活動を続ける。これが北朝鮮に対する熱意であり圧
力です。

 さて今年になって、米朝の歴史的な首脳会談を初め、大きく北朝鮮の環境が変
化をしてきました。その背景にはやはり、日米同盟を基軸とし、世界各国が共同
歩調をとって北朝鮮に強い圧力をかけた。

 金正恩は大変クレバー(賢い)であるとか、冷徹であると言われていますが、
私はそれは間違っていないと思います。だからこそ、総理がいつもおっしゃって
いるように、「北朝鮮が今のスタンスを変えない限り未来を描くことはできない。
これを分からせることだ」。そのために世界各国が協力をしてきた。その結果、
金正恩委員長自身が舵を切り始めました。

 しかし例えば、「労働新聞」とか「朝鮮中央通信」を見ると、日本に対して非
常に厳しい論調です。また、「拉致問題は解決済み」とか、戦時中のことまで引
き出して、同朋を拉致したのは日本だから賠償せよとまで言っています。

 なぜか。北朝鮮が一番ほしいのは日本の財政的支援なんです。だからこそ北朝
鮮は、得るものは最大限に、譲歩するのは最小限に、これが北朝鮮のマインドそ
のものです。

 そういう認識を持った上で、我々議員連盟は、あるいは政府は、関係者は、ま
なじりを決して最後のの胸突き八丁に臨んでいかなければならないのです。

 しかし皆さん、ちょっと懸念事項がありますね。敢えて言います。それは最近
突然再開した日朝国交正常化議員連盟の動きです。北朝鮮は非常に敏感に察知し
ますから、揺さぶりをかけてくることは間違いありません。拉致問題解決のため
にマイナスこそあれ、プラスは何もありません。私はこのことをはっきりと強く
訴えたいと思います(拍手)。

 もう一点。少し前に南北首脳会談が行われました。首脳宣言を見てみると、民
族自決の理念に基づいて、南北統一をするためにあらゆる取り組みをしていく。
その中には離散家族の問題もあります。しかし、核・ミサイルの問題については、
検証可能で不可逆的な取組み等の文言は一切ありません。

 それから平壌共同宣言では5項目めにこの問題があります。私は韓国の前のめ
りの姿勢に非常に懸念を感じます。日本やアメリカ、そして関係国がしっかり是
正するような働きかけをしていく必要があると思います。

 強固な日米同盟の結果、トランプ大統領と安倍総理の個人的な信頼関係を醸成
しました。6月の米朝首脳会談では、初めてトランプ大統領が金正恩委員長に対
して、拉致問題の重要性をしっかり明言しました。

 今日この後、総理はアメリカのニューヨークに行かれますが、トランプ大統領
とも当然会談をされます。その中味については色々なフォローアップをしていく
のでしょう。許される範囲内で言及もあろうかと思います。

 確かに我々は、拉致問題解決のためには最大限アピールしていく必要がありま
す。しかし、拉致問題は北朝鮮と日本の二国間の問題であり、総理が言われるよ
うに、金正恩委員長と向き合って、まなじりを決して、覚悟を持って協議をして
拉致問題が解決する。これ以外に方法はありません。

 そのために今、政府も関係者もありとあらゆる工作を使ってやっています。私
たち議員連盟はその取り組みに全面的に支援をして、我々としてもしっかり後援
をしていきたいと思います。このことをお約束したいと申し上げます。

 今日はこれだけ大勢の方に来ていただいています。皆さんが北朝鮮に対して、
同じ意識を持って声をあげていくこと、そして国民のみなさんが取り組んでいた
だくことをお願いします。

 今日の決議にもありますように、ブルーリボンを使った活動とか、「めぐみ」
の学校上映とか、最近ではお芝居も各地区で講演をしています。こういうものを
活用して、すべての国民が北朝鮮に対して強い意志を持って発信をしていく。こ
れらの取組みをしていくことが、拉致問題の背中を押していくことになります。
皆様方の最後の協議に向けてのご支援を心からお願いいたします。ありがとうご
ざいました(拍手)。

櫻井 古屋さん、力強いお言葉をありがとうございました。では次に、内閣総理
大臣、政府拉致問題対策本部長で三戦されたばかりの安倍総理にお願いいたしま
す(拍手)。

◆拉致問題の解決に向けて全身全霊で取り組むことを約束

安倍晋三(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)

 国民大集会の開催に当たり、一言、御挨拶を申し上げます。

 6月12日に、歴史的な米朝首脳会談が行われました。米国の大統領と北朝鮮
の国務委員長という2人の首脳が署名をして、文書を発出いたしました。199
4年の米朝枠組み合意、そして2005年の6者共同声明には北朝鮮の首脳の署
名がなく、ほごにされた経緯があります。他方、16年前の9月に署名された日
朝平壌宣言は、当時の小泉総理と金正日国防委員長の両首脳により署名された文
書であり、北朝鮮も否定はしていません。日朝の交渉を始める際、間違いなくそ
の土台となる文書となったと我々は考えています。

 こうした経緯を踏まえ、私は4月の日米首脳会談の際に、トランプ大統領に対
し、米朝首脳同士の合意を署名文書で残すことを提起したところであり、先般の
米朝首脳共同声明は、首脳間の合意を署名文書の形で確認した、大変重みのある
ものになったわけです。そうした前提の上に、トランプ大統領は相互の不信の殻
を打ち破り、相互の信頼を醸成することで、共に問題を解決するという新しいア
プローチを採ったということだと考えています。

 私は、この後、国連総会に出席するために米国に向けて日本を発ち、トランプ
大統領と会談を行います。トランプ大統領とは、23日の夜、食事をしながら2
人だけで会談を行い、また別の日に、別途、日米でもう少し人数を増やした会談
を行う。つまり2回にわたって会談を行う予定ですが、2人だけで行う会談、そ
の際には、この問題についてしっかりと日米の考え方、認識、対応を一致させて
いきたいとこう思っています。

 そしてまた、今月18日から19日に開催された南北首脳会談では、平壌共同
宣言及び南北軍事当局間の合意文書が発出されました。我が国としては、今回、
南北首脳が合意に至った諸点が、朝鮮半島の完全な非核化につながることを期待
しています。その上で、合意に至るまでの南北両首脳の努力に敬意を表したいと
こう考えております。ニューヨークにおいてはやはり同じく文在寅大統領とも首
脳会談を行い、この南北の首脳会談について、お話を伺いながら、日本の確固た
る考え方についても申し上げておきたいと考えているところです。

 今後一層、米韓両国との緊密な協力に加えて、中国、ロシアを始めとする国際
社会と連携し、北朝鮮の核・ミサイル、そして、何よりも重要な拉致問題の解決
に向け、全力で取り組んでいく決意であります。特に拉致問題については、我が
国が主体的に解決していかなければなりません。米朝首脳会談では、トランプ大
統領から金正恩国務委員長に対し、拉致問題に関する私の考え方を明確に伝えて
いただきましたが、最後は私自身が金正恩委員長と直接向き合わなければならな
い。そしてこれを行う以上は、拉致問題の解決に資するものにしなければなりま
せん。核・ミサイル、そして、何よりも重要な拉致問題を解決し、そして新たな
日朝関係を築いていかなければならないと考えています。

 拉致被害者ご家族の皆様とは、本日もこの集会に先立ち、懇談する機会を頂き、
改めて痛切な思いを伺いました。皆様と共にこの問題の解決に全力で取り組んで
いかなければならない。そして、その時を迎えているという気持ちを同じくした
ところです。

 2002年に5名の拉致被害者の方々が帰国されました。それ以来16年もの
間、1人の拉致被害者の帰国も実現しておりません。拉致問題の解決に当初から
取り組んできた政治家の1人として、また、日朝首脳会談に官房副長官として同
席した者として、そしてこの6年間自由民主党の総裁として、5年9か月総理大
臣として国政を担ってきた者として、痛恨の極みであります。

 安倍政権でこの問題を解決する。拉致問題は、安倍内閣の最重要・最優先の課
題です。拉致被害者の方々とご家族の皆様が抱き合う日が訪れるまで、私の使命
は終わらない。2002年の10月15日に5名の被害者の皆様がご帰国をされ、
家族と再会されました。ただそれ以外のご家族の皆様は、まだ再会することがで
きていない。私はあの時、全ての拉致被害者のご家族がしっかりと、お嬢さんを、
お子さんを抱きしめる日がやって来るまで、私の使命は終わらないと、こう固く
決意したところです。

 拉致問題の解決のためには、日本国民が一致団結して、全ての拉致被害者の一
日も早い帰国の実現への強い意志を示すことが、極めて重要です。そういう意味
におきましては、本日もこうして、ここにたくさんの皆様がお集まりいただき、
各党から、そして全国の議員の皆様を含め、しっかりと北朝鮮に対して、世界に
対して、意志を表明する極めて重要な機会を得ることができたと、こう思ってお
ります。私もまた、皆様と心を一つにしながら、過去の経験をいかして、拉致問
題の解決に向けて全身全霊で取り組んでまいりますことをお約束申し上げまして、
内閣総理大臣の御挨拶とさせていただきたいと思います。今後も皆さん、一緒に
頑張ってまいりましょう。よろしくお願いします(拍手)。

櫻井 安倍総理ありがとうございました。安倍総理はこれからニューヨークにお
出かけになりますので、ここで退席なさいます。どうぞ皆さん拍手でお送りくだ
さい。(拍手)。ありがとうございます。
(安倍総理は家族会メンバー、特定失踪者家族会メンバー全員と握手して退席)

 安倍総理には、国民の総意を、その双肩に担って頑張っていただきたい。今が
頑張り時だと思います。日本にいて応援したいと思います(拍手)。

(2につづく)


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