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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致解決、菅新政権の3課題(2020/09/15)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.09.15)
第23回救う会テレビ

 9月14日、第23回救う会テレビを収録しました。西岡力救う会会長が、
「拉致解決、菅新政権の3課題」につき解説しました。

■拉致解決、菅新政権の3課題

 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長の西岡力です。

 今日は令和2年9月14日、第23回となります。

 今日は「拉致解決、菅新政権の3課題」と題してお送りいたします。

◆金正恩政権の6重苦

 前回、金正恩政権は6重苦で追い詰められているという話をしました。経済制
裁、39号室資金の枯渇が始まっている。これは安倍政権が意図的にやったもの
です。

 2番目のコロナ蔓延、3番目の水害は私たち人智の及ばないところで起きてい
ることであります。

◆核・ミサイル関連施設が水害で浸水

 この水害について新しい情報があったので少しだけ説明しておきます。

 台風8号、9号、10号が北朝鮮の東側を通って行ったわけですが、日本海側
の北朝鮮にある地下のミサイル基地、核基地、核格納庫とかですね、あるいは濃
縮ウラン秘密工場などを指すと思われるのですが、それが大々的に浸水している
ということで、金正恩が先頭に立って復旧作業しているということであります。
台風のダメージは大きかったということです。

 金正恩の健康不安そして中朝関係悪化。8月25日から国境完全封鎖という話
をしました。未だに私以外この情報を発信している人は、韓国の一人の北朝鮮問
題専門家だけであります。

◆中国から北朝鮮に入るトラックは週2日か3日だけに

 そこでですね、最近の中朝間のトラックの行き来について情報を取ってきまし
た。

 中国の丹東から北朝鮮の新義州へ入っていく中国のトラックの台数です。コロ
ナ以前は1日に200?300台。一週間で1400?2100台ぐらい入って
いた。

 それが今年の4月以降、1日に30?40台ぐらいになった。一週間に換算す
るとに210?280台ということになりますが、9月に入り一週間見張っても
らったのですが、週2日か3日しかトラックは入っていない。それ以外は0台だ
と。

 その2日か3日も10台だけだということで、週に直すと20?30台、4月
以降の約10分の1ということになっています。ほぼ物が入らなくなっていると。

 この週に20?30台はですね、平壌の外貨ショップで売っている小麦粉とか
食用油とか砂糖とか、外貨で代金を取っているものを送っているのだそうですが、
ドルで払ってもらって入っているということでした。

 そしてガソリンなども止まっているようです。これがいつまで持つのか。体制
の危機なわけですね。

◆核で飯を食わしてくれるのか

 そして今6番目が住民と幹部の不満が高まっている、反体制勢力の活動が活発
化しているということですけど、「天が金正恩政権を見捨てた」という噂が広まっ
ているということです。

 最近別の言い方ですね、「核で飯を食わしてくれるのか」という話もたくさん
出ているそうです。

「核・ミサイルが完成したのでアメリカが頭を下げてきた。制裁が緩む」とハノ
イでの米朝首脳会談の前に大々的に政治学習させられていたのに何も起きていな
いということで、「核で飯が食えるのか」という話が出ていると聞いています。

◆制裁と国際包囲網を維持?菅政権の3課題

 そこで菅政権の3課題であります。まず第1課題は、この6重苦を発生させて
いる制裁と国際包囲網をきちんと維持してほしいということであります。

 そういう点でですね、中国が裏から助けていたということですが、今中朝関係
の悪化という、我々の手が届かないところで起きていることがあって、好材料で
あります。

 この中朝関係の悪化も、原因が中国国内での(北朝鮮)ハッカーの活動であれ
ば、大きく言うと経済制裁が効いてきたということであります。

 そのハッカーのことで一つだけ言い忘れたのですが、前回は約2億ドル程度の
被害があったという情報がありましたが、最近聞いた話ではもっと多くて、中国
通貨で被害があったのだそうですが、しかしそれを米ドルにすると5億ドル程度
だという情報を最近聞きました。大変な金額であります。

 そのように中国の銀行を襲わざるを得ない程に北朝鮮で外貨の不足が深刻になっ
て、「上納金を持って来い」ということになっているということであります。
その制裁と国際包囲網を維持強化してほしい。絶対穴を開けないでほしい。

◆拉致被害者の所在情報の収集

 そして制裁と国際包囲網の出口に核・ミサイルと全拉致被害者の帰還と人権問
題の改善を置いて、「そこから出てきなさい」というメッセージを送り続けると
いうことですね。

 二つ目にそのようなメッセージを送り続けて、菅・金正恩会談が実現した場合
に、一番必要なのは情報であります。

 生存情報はあるというふうに繰り返し申し上げてきました。(問題は)所在情
報です。今日この時点で拉致被害者がどこにいるのかということについて、確実
な情報を取っておいてほしいと。

 去年の2月ハノイでの米朝首脳会談で追い詰められながらも、金正恩は嘘をつ
きました。

「寧辺の核施設を全部廃棄する。これが北朝鮮にある核施設の全部だ。だから制
裁を全部緩めてくれ」と言ったのですが、それに対してトランプ大統領はニヤッ
と(笑った)。ニヤッと笑ったかどうかは分かりませんが、大統領は「何を言っ
ているのですか」と。

「私たちは1インチレベルで(※1インチ=25.4ミリメートル)、あなたた
ちの活動を知っていますよ。まだ別に核施設がありますね。あなたはまだ準備が
できていない」と言って、昼ごはんの約束をキャンセルして帰ってしまった。

 追い詰められたら北朝鮮は話し合いに応じてきますが、話し合いで嘘をつくと
いうのは彼らの常套手段です。

 その時にこちらが確実な情報を持っていて、また「めぐみさんたちが死んだ」
など言われた時に、「そうではないでしょう」ということを菅さんがきちんと言
い返せるだけの情報を持っておいてほしい。そして絶対それを(嘘をつくまで)
北朝鮮に教えないでほしい。

◆金正恩政権中枢と北住民への働きかけ

 三つ目は金正恩政権中枢と北人民へ働きかけであります。先ほどいましたよう
に、

 金正恩政権に対して、「制裁と国際包囲網を緩めてほしいなら、そして大規模
な経済支援がほしいのならば、我々が準備している出口から出てきなさい。それ
以外はありませんよ」。

 しかしその出口は確実に開いている。アメリカと交渉して核・ミサイルを放棄
することと、そして日本と交渉して拉致被害者を全員返すこと、また国際社会と
の交渉で人権問題が改善することです。

 そうすれば日本は繰り返し言っているように、「1965年の日韓国交正常化
の時に韓国にしたように、大規模な経済協力をする準備がある。北朝鮮は豊かな
国になれる」と。

 安倍総理は繰り返し言ってきましたが、菅政権もそのことをきちんと伝えてほ
しいと。我々も、「全拉致被害者を返してくれたならば国交正常化に反対しない。
帰ってきた被害者から秘密を聞き出して反北朝鮮活動をすることはしない」
というメッセージを出しています。出口はあるのです。そのことをちゃんと中枢
に伝えてほしい。

 もう一つです。北人民への働きかけになります。先ほど申し上げたようにです
ね、北の人民たちは、「核で飯を食わしてくれるのか」と言っているのですね。
「拉致被害者を抑留していたら飯が食えないんだ」と。

「もう40年前の話じゃないかと返せばいいじゃないか」。「なぜ返さないんだ
返して飯を食わしてくれ」という声が北の中で湧き上がるように、日朝の間には
拉致問題がある、生きてる被害者を死んだと嘘をついて返していないのだ。だか
ら日本がアメリカと一緒になって制裁をかけているのだと。

 制裁を解除させる方法はあるのだ。それは不当に抑留している被害者を返すこ
とだということを北の人民に伝えるということであります。様々な方法があると
思います。

 この3つですね。制裁と国際包囲網の維持、所在情報の収集、金正恩政権中枢
と北住民への働きかけ。

 この3つの課題を着実に進めていけば必ずチャンスが来る。安倍政権が作って
くれた制裁と国際包囲網を維持して、この置き土産を活用して、全拉致被害者の
即時一括帰国という日本国の宿願を、ぜひ菅新総理大臣に実現してほしいと思っ
ております。

以上です。




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