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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致問題セミナー報告7(2020/12/18)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.12.18-2)

■拉致問題セミナー報告7

◆金正恩政権の命運に関して軽々しいことは言えない

古森 アメリカのアジア政策の中で大変重要な北朝鮮が一体どうなっていくのか。
このことをアメリカでは官民を挙げて研究し情報を集め、つまりインテリジェン
スですね、これはものすごいスケールで、また資産を投入してやってきています。

 このインテリジェンスでは、今話題になった金正恩はどうなのか、金与正はど
うなのかについて、一連の動きに関するインテリジェンスと、新しい兵器が出て
きているか、ミサイルを撃とうとしているかというハードウェアーの情報を比べ
ると、人間に関するインテリジェンスは当たらないことが多いですね。

 アメリカと北朝鮮が1994年にいわゆる米朝核合意、「枠組合意」と言って
いましたが、これをやった。寧辺の核施設と見られていた施設を壊す代わりに、
北朝鮮が将来必要とする非軍事目的の原子力、つまり軽水炉を二つ作ることになっ
た。そしてアメリカは公式ではなくとも、費用は日本と韓国が出すんだと言って
いたので、それはずいぶんおかしいと日本側が言った。

 当時私も、クリントン政権にラグーチという人がいて、「おかしいじゃないか」
と言うと、その時の答えはスタンダードで、「政権にいる人間が、金正日はまも
なく倒れる。北朝鮮はまもなくなくなるんだから軽水炉を作るとか作らないとい
うことを日本は心配しなくていい」と、堂々と言っていました。それほど人間に
関する情報ははずれる。

 その一方で、CIAを主体とする本当に緻密な、金正恩あるいは金正日に関する
研究があり、担当する人に結構女性研究者が多かったですね。また韓国系の人が
多い。アメリカ人になった人やその二世等韓国社会をしっている人たち、あるい
は脱北者、そういう人を投入してやっているんです。

 色々なシナリオも作っています。例えば金正恩が暗殺される場合というのを本
格的に国防大臣がやるんです。私も論文を読みましたが、暗殺ではどういうタイ
プがあるか等60くらいのタイトルを持ってくる。

 例えばジュリアス・シーザー型暗殺とか。シーザーは一番の親友に暗殺されま
す。あるいは一番の側近に殺されるとか。それからオズワルド式暗殺。遠くから
狙撃をしてケネディ大統領を殺した。そういう60くらいのシナリオを描いて、
この中でどれが一番確率が高いかという所まで研究しているけど、実際にそうい
うことが起きない。

 だからこれは、北朝鮮の金正恩政権の命運に関しては、私は軽々しいことは言
えないというのが今までの教訓だと思います。

◆もう金正恩が誰も信用できなくなって護衛部隊を3つ新設

西岡 一つだけ報告です。10月10日の軍事パレードはミサイルだけじゃない
んですね。各軍団が歩いたんです。1番目が白馬に乗った騎馬部隊。2、3、4、
5はミサイル部隊などではなく、警護部隊なんです。金正恩の警護部隊は品等は
護衛司令部が一つしかないのです。ところがあと3つできた。今年になって3つ
新設されました。

 内部に聞いたところによると、国務委員会の下に一つ、党中央委員会に一つ、
最高司令部つまり軍に一つ。党と政府と軍に別途護衛部隊を作ったのです。特に
軍の保衛部隊には、党の中に作戦部というのがあって、拉致をしたテロリストが
集まっている所で安明進(アン・ミョンジン)もそこの出身ですが、その作戦部
の精鋭部隊を、新しく作った軍の護衛部隊に入れた。

 もう金正恩が誰も信用できなくなって、自分のボディガードの中にもアメリカ
のスパイがいるんじゃないかと疑って、護衛司令官を数年前に処刑しました。そ
ういうことがあって、今まさにアメリカでシュミレーションしていることを、金
正恩が疑っていて、4つの護衛部隊がそれぞれお互いに牽制し合っているという
状況が生まれています。

 だから起きるかもしれないと思って警戒するが起きないという力関係があるの
ですが、ファクト(事実)として3つの護衛部隊が新設されたのは間違いないこ
とです。

櫻井 北朝鮮内部の人事というか、人間の予測は非常に難しいということですが、
それはそうだろうと思います。そして西岡さんがおっしゃった暗殺を非常に恐れ
て護衛部隊をどんどん増やし、軍事パレードの先頭の各部隊がみんな護衛部隊だっ
たというのは、非常に大きな意味を持っているんだろうと思います。

 そこで、あまりこの問題だけに立ち入りたくないんですが、万一金正恩が暗殺
されるような場合、金与正政権はどうなるのか、その後の北朝鮮は例えば食糧を
求めて今よりもっと国を開くのか、日本にも妥協策を提供して拉致問題の解決に
つながっていく可能性はあるのか。全部仮定の話ですが、その辺の見通しはどう
でしょうか。

◆国家が残って、金正恩・与正がいなくなれば拉致問題の解決にもプラス

西岡 黄長●(火へんに華、ファン・ジャンヨプ)さんという北朝鮮の最高幹部
が韓国に亡命しました。金正日時代に話を聞いたことがあるんですが、二人の名
前を挙げていました。「二人の幹部以外の幹部たちは中国式の改革開放をした方
がいいと思っている。しかしそういうことを言ったら殺されるから言わない」と。

 今もそうだと思います。しかしそういうことを言ったら殺される。張成沢(チャ
ン・ソンテク)にもそういう傾向があったから殺されたと思います。

 また金正恩に何かあったら与正も一緒にやられると思います。与正はものすご
く人を殺しましたから。ですから二人がいなくなって親中の改革開放政権になる。
そういう点でも疑っているので、中国と距離を置こうとしているのかもしれない。

 国家が残って、二人がいなくなるのであれば、拉致問題の解決にも大変プラス
になると思います。それは私たちの中で言うことではないので、それを目標にす
ることはありません。

櫻井 中国と北朝鮮の関係ですが、貿易がほぼゼロになったが中国が北朝鮮の何
に対して怒っているのかは明確な説明はありませんでしたが、中国は今、自分自
身が国際社会の中で孤立している中で、さかんに日本にアプローチをかけてきて
います。こういう状況の中で、拉致問題も一つの軸にして、中国の北朝鮮に対す
る影響力を、何らかの形で私たちが使うことはできると思いますか。

◆中国は金政権が倒れるのは困る

古森 これはアメリカがものすごく気にしている点で、もし金正恩が倒れた時に
中国がどう出るか。軍隊を送ってくるかどうか。その場合韓国はどう対抗すべき
か、各国はどう対応すべきか。そういうことを国の機関が研究しています。

 その場合、拉致問題はどうなるか。拉致被害者はどうなるか。そこまで詳しく
踏み込んだシミュレーションをしており、国防大学から一つ出てきています。私
も質問したんですが、もし金政権が倒れそうになった。それまで外部世界に嘘を
ついて隠してした被害者がいて、その人たちを政権が倒れそうだという時にどう
するかという所まで出しています。

 拉致問題で日本は中国に期待できるかという質問でしたが、私はあまりできな
いと思いますね。金政権に核兵器の開発をしてほしくない。しかし、それを止め
るために金政権が倒れそうになるのはもっと困るということでしょう。基本的に
金政権があった方がいいんじゃないでしょうか。

◆「天は金正恩政権を見捨てた」と北朝鮮住民

西岡 金一族以外の人間が労働党を押さえるのが中国にとっては望ましいのでしょ
うが好ましくないハレーションもあり得るので簡単にはそうならないと思います。

 中国が貿易を10月、11月とほぼ止めているのは間違いない。それであと何
か月北朝鮮がもつのか。中国が生殺与奪の力を持っているわけで、我々はそれを
中国に求めてきたわけではなく、中国はずっと援助をしてきたのです。今年4月
から北朝鮮中国に石炭を売り始めたのは間違いないんです。それは私も確認して
います。それも止まったんです。

 これは情報のことですからあまりつっこんでもしょうがないんですが、我々に
とっていい方向の情報で、コロナも台風も我々がやったことではないんです。北
朝鮮では、「天は金正恩政権を見捨てた」と言っているそうです。

櫻井 哲也さん。「天は北朝鮮を見放した」。私たちはこのチャンスをどうにか
したい。日本としては第一に拉致の解決に結び付けたい。またそれが国家として
の責任だろうと思いますが、こういう時家族会として何ができると思われますか。
これは非常に難しい問題ですが、国家が前面に出て動かなければならないことで
すが、今のお二方の話を聞くと北朝鮮情勢は厳しい。

 かといってアメリカが決定的な動きをするかわからないし、中国が貿易を止め
ているけれどもその意図が分からない。中国は現政権が崩壊したら、中国の支配
下に置けるような一党独裁体制を続けるだろう。

 早紀江さんは、「拉致被害者を取り戻せなければ日本は国家ではない」と最初
からおっしゃっていました。その観点からどういう思いをお持ちですか。

◆「絶対に勝つ」という意識

横田哲也 色々な場面で申し上げているのですが、今の菅政権、前の安倍政権、
さらに以前の政権であれば、こういう議論がどうなるだろうか、何かになるだろ
うかと非常に不安だったり、要求を強く述べたりしたかもしれませんが、安倍政
権そして菅政権においては、我々の意思が伝わっているという安心感があって、
そういう不安はなくなっていると思います。

 今の櫻井先生の話で何か答えがあるとすると、金聖●(王へんに文)さんの資
料の一番上にある「必要なのは勝利に対する信念」というのがありますが、読ん
だ瞬間、これが一番大事だなと思いました。

 やはり北朝鮮拉致問題というのを思う時、「北朝鮮は怖いしなあ」とか、「背
景に一族がしるしなあ」とか、「日本は軍事力がないし」など、ネガティブな情
報ばかりがあって「だめなんじゃないか」とか、どうしてもあきらめがちなんで
すが、そうでなく、「絶対に勝つ」という意識があれば絶対正義が勝つと思って
いるので、抽象的な表現にはなってしまいますがそれしかないと思っていますの
で、我々が正義と感じる主張をこれからもしていきたいと思っています(拍手)。


(8につづく)


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