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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

拉致問題セミナー報告8(2020/12/18)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2020.12.18-3)

■拉致問題セミナー報告8

櫻井 アメリカへの働きかけを含め、中国にはそういうことはできないのでしょ
うが国際社会との連携も考えて、日本自身を含めて今何を具体的に進めていくべ
きと思われますか。

 安倍政権の「対話と圧力ではなく、圧力、圧力なんだ」ということでここまで
来ました。ずいぶん長い時間がかかりましたが、本当に圧力が効いたんですよね。
ではここから先どうするのか。国会議員の皆さん方も一生懸命考えてくださって
いると思いますが、具体的にできることは何だろうということについてお話くだ
さい。

◆朝鮮総連に強硬措置を、日本もミサイル配備を

古森 二つ申し上げます。やはり経済面でもっと北朝鮮に対して実害を与える。
そしてどうしても朝鮮総連の問題になってくると思います。朝鮮総連の人は、拉
致問題では罪がある。協力していた。そういうことを堂々とする指導者に今も忠
誠を誓っている組織の人たちが日本国内にいるわけです。朝鮮のことはよく知っ
ていても、日本の政治をよく知らない人は、なぜそういう存在に圧力をかけない
のかと言いますよね。

 かつて万景峰号がなくなったとかありましたが、まだ経済面で圧力をかける手
段があるのではないかと思います。朝鮮総連的な存在への踏み込みがあるのでは
ないかと。これは過激な意見で、そういうことを言うと反発がすごくあるのは分
かるんですが、捕らわれたままの日本人を返せという人道主義の大前提に立てば、
ある程度のことは強硬にやるしかないと思います。

 もう一つは、日本の苦手な軍事で、例えば「日本人は怒っているんだ」と松原
議員がおっしゃいましたが、怒っているということを国家として現す方法は何で
しょうか。北朝鮮が日本国内に届くミサイルを何百機と持っている。実際に照準
を合わせている所がいっぱいある。こういう情報はワシントンにいると嫌という
ほど入ってくるんです。人工衛星による決めめて客観的な根拠がありそうな材料
があります。

 日本としては北朝鮮に届くようなミサイルをかなり持つのは当然のことだと思
います。持ったから使うというのは別問題ですが、北朝鮮に対する国家としての
態度を、拉致問題だけでこういうことを考えるのはおかしいかもしれませんが、
拉致問題をどうするのかの延長として考えると私は軍事というものがあるべきだ
と思います(拍手)。

◆対外的にも日本は常にやる気なんだということを示す

櫻井 会場から拍手が起こりましたね。その通りだと思います。北朝鮮に対する
経済的な締め付けをもっと厳しくするという意味において、朝総連問題に対処す
ることは非常に大事だと思います。朝総連に対して長銀経由で私たちは大変な額
の税金をつぎこみました。整理回収機構によって、私たちはずいぶんとお金をと
られているわけで、朝総連の土地と建物を取り上げるところまでいったわけです
けど、それがなぜか途中で変な風になって、今もあの建物は彼らが持っています。

 私は、野中広務さんが官房長官だった時に官邸にインタビューに行って、総連
関係の金融機関に大変なお金を振り込んだのはおかしいのではないかという記事
を書いたら、「名誉棄損で訴える」とおっしゃったので、「どんどん訴えてくだ
さい」と言った覚えがあります。

 日本の政治家の中にもかなり、訳の分からない行動を取る人がいるんですね。
このようなことはきちんと、日本人の手で精査することが、対外的にも日本は常
にやる気なんだということを示すことになるのではないかと思います。これは国
会議員の皆様方にも心していただければと思います。

 何としても、朝総連のような組織が東京のど真ん中であのような資産を持って
活動していること自体が非常におかしいことだと思います(拍手)。

◆北朝鮮の「嘘」に対抗できる情報を持たねばならない

西岡 「北朝鮮という国は圧力をかけないと動かない」。これは我々の体験で分
かっていることです。二つ目は、「動いても嘘をつく」ということです。トラン
プ政権が軍事力と経済力で圧力をかけたら首脳会談になりました。しかし、ハノ
イで二度目の首脳会談で嘘をついたんです。

 先ほど古森さんも言いましたが、寧辺に原子炉があってプルトニウムを作って
います。それ以外に寧辺に濃縮ウラニウムを作る工場もあるんですが、「寧辺だ
けしか核兵器を作る場所はありません。そして寧辺を全部廃棄します」、「だか
ら制裁のほとんど、9割くらいを解除してください」という取引を持ち出したん
です。

 トランプ大統領は、「あなたには準備ができていませんね」と言って、昼ご飯
の約束もキャンセルして帰ってしまった。なぜそれができたのかというと、アメ
リカの情報機関が「寧辺以外にも濃縮ウラニウム工場がありますよ」という確実
な情報を渡していたからです。

 トランプ大統領は金正恩に、「我々は一日レベルであなたたちのやっているこ
とが分かっている」と言ったと言われていますが、衛星の写真などで分かってい
た。

 濃縮ウラニウムは原子炉がいらないんです。北朝鮮には天然ウランが豊富にあ
ります。それを遠心分離器にかけてどんどん濃縮していくと核爆発物質になるん
です。それは電気さえあれば地下でできます。

 衛星でつかまえるのは大変難しいことなんですが、アメリカはそれをやって、
嘘を見破った。トランプ大統領は「愛してる」と言いながらも原則を守った。

 私は「先日本」が今の状況では起こり得ると思っているんですが、その前に陰
謀がもう一回くるかもしれない。小泉訪朝の時も嘘をついたんです。「8人死亡」
という嘘です。「拉致したのは13にんしかいない」という嘘です。それを今回
崩すことができるのか。

 「条件なしに会います」と菅総理は言っているわけですが、「会いましょう」
と向こうに言われたら会いに行く。向こうが何人出すかはっきり分からないで行
くと言っているわけです。行った時に、「やはり8人は死んでました」というカー
ドを切ってくる確率はかなり高いと思っています。

 日本政府が持っている情報がどのくらいなのか。生存情報をどのくらい持って
いるか。今一番知りたいのはそこです。菅総理のポケットに、トランプ大統領の
ポケットに濃縮ウラニウムの秘密工場がありますよという情報を入れてハノイに
行かせたような情報を菅総理に対し日本政府が持たせることができるかどうかで
す。それが彼らがつくだろう嘘を打ち破る力です。そこの勝負です。

 いよいよ話し合いにはいるかもしれない。少なくともアメリカとは話し合いに
入ったわけです。圧力をかけられて話し合いをするというのが彼らの立場ですが、
「話し合いをしても嘘をつく」のが彼らのパターンです。アメリカはだまされな
かった。だから経済制裁が続いている。

 苦しくなって日本に来るかもしれない。その時もう一度嘘をつく可能性が大変
高い。そこで情報の勝負になる。

 今我々にとってはいい時期です。北朝鮮社会が大変腐敗している。幹部たちも
食えなくなった。アメリカがかなりの情報を取れたのもそれがあるんだと思いま
す。日本政府がどのくらい情報を持っているか私は分かりませんが、私でも一定
程度生存情報にさわるくらいのことはできるわけですから、日本政府はかなりの
情報を持っているだろうと私は言っています。日本政府はそれを一切言わない。
それは最後の勝負の時が近いからです。

 古森さんの話で言うと、階段があと二段くらいある。しかし日朝会談が始まっ
た時、嘘を見破れることができるかどうか。そういう段階ではないかと思ってい
ます。

◆核を持つ「統一朝鮮」の可能性も高い

古森 国会議員の方がいらっしゃるから言いたいんですが、拉致問題は人道問題
ですよね。人間のレベルでこんな残酷なことはない。こんなことが起きても何も
できないという日本国のあり方は政治の問題です。またその背景にあるのは、日
本が置かれている安全保障での厳しい現状です。これはやはり考えるべきだと思
います。ワシントンにいると、嫌でもそういうことを考えさせられることがたく
さん入ってきます。

 それを日本に伝えても、日本とはあまりにギャップがあります。ごく最近の例
として、是非読んでいただきたい論文が1週間前に出ました。書いた人はリチャー
ド・ローレスという人です。あまり知っている人はいないでしょう。CIAにいて、
ソウル支局長をやっていて、韓国が密かに核兵器を開発しようとした動きがあり
ました。それを事前に見つけて、アメリカに報告して止めたことで非常に高い評
価を受けた人です。

 今日米同盟の重要性を説いています。この人が長い論文を書いて、その一部が
新幹線のグリーン車に置いてあるWedge(ウェッジ)という雑誌に抄訳が出てい
ます。要点は何かというと、もし北朝鮮が崩れたらどういうことが起きるか、日
本人にとってもとても意味があるから考えるべきだ、と。

 そして一番困るのは統一朝鮮ができて、核兵器がそのまま残る。その統一朝鮮
が一番に掲げる旗は「反日」だと書いています。そういう時に日本にとって「核
の脅威」が来る。アメリカがいつまでも日本を守るか分からない。そういう状況
が目の前にあり得るんだということを書いています、機会があったら是非読んで
いただきたい。

 今拉致問題の背後にそういう厳しい安全保障問題があるということをお伝えし
たいと思います。

櫻井 どうもありがとうございました。哲也さん、最後に一言お願いします。

◆初めて見た北朝鮮の工作船

横田哲也 先週の日曜日に、横浜にある海上保安資料館に行きました。北朝鮮の
工作船を初めて見てきました。今まで避けてきたんですが、複雑な気持ちになり、
これが原因だったのだなというのを目にしてきました。

 資料館の中ではビデオも流れていて、当時船上にあったものを出していました
が、まだカメラで撮られていない所で人が投げ込まれたかもしれないし、拉致に
使われたかもしれないという不安もありました。私の姉もここに入れられたと思
うと、非常に複雑な気持ちになりました。

 その工作船を見て、改めて身の引き締まる思いでしたし、絶対返せと心に言い
聞かせましたので、是非皆様に置かれましても、解決に向けて一緒に歩んでいた
だければと思っています(拍手)。

◆国民の力で日本国を国家たらしめよう

櫻井 どうもありがとうございます。最後に行きつくところは、やはり日本が国
家としてどこまで自分の力と意思で国民と国民の命、そして国土を守ることに尽
きると思います。国家としての当然の責務を果たすためには、今の日本はあまり
にも憲法を改正していませんし、いざ自衛隊が出動するとなっても軍隊としての
働きができないわけです。

 海上保安庁だって、あの尖閣を守るのに大変な苦労をしている。それはなぜか
というと、普段人が足りないことと、軍事的行動をとってはならない海上保安庁
法があるからなんです。

 そういう意味で私たちは、日本国憲法は日本を国家として認めていない憲法で
すから、その呪縛の中に沈み込んだままになっています。その延長線上に拉致問
題が起きて、そして拉致された人がかなりいることが分かってきたにも関わらず、
日本国政府は動かなかった。政治家も動かなかった。動いたのは国民の方でした。

 ですから私たちは心を新たにして、私たち国民の力で日本国を国家たらしめよ
うではありませんか。拉致問題を解決するための力を法律的に、軍事的にも、経
済的にも持とうではないかということで、心を引き締めていきたいと思います。

 今日はかなり恐ろしい話もたくさん出たと思いますが、これは現実ですのでそ
れをしっかりと受け止めて、これからもみんなで力を合わせていきたいと思いま
す。長い時間ありがとうございました(拍手)。哲也さん、古森さん、西岡さん
ありがとうございました(拍手)。



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