この1年間で大きく変化した救出運動(2002/12/29)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2002.12.29)
■この1年間で大きく変化した救出運動
救う会全国協議会事務局長 荒木和博
平成14年もあと3日を残すだけとなりました。
それにしても、今年は色々なことがありました。これまで5年の間、家族会・拉致
議連・地方議員の会・救う会という範囲でほとんどカバーされていた救出運動が、3
月の有本さん認定をめぐる動きと9・17の二段構えで一気に本当の意味での国民的
関心事になりました。11月には国連人権委強制的失踪に関する作業部会に対する2度
目の届け出が行われましたが、これは外務省アジア局の斎木参事官が自らジュネーブ
に出向き、作業部会の委員に説明をして下さったものです。そのための書類の英訳な
ども外務省が全面的に対応してくれました。報告する機を逸してしまったのですが、
先日作業部会から正式受理と、関係国(日朝及び英国・スペイン)へ照会する旨の手
紙が届きました(手紙の日付は12月9日付)。
考えてみますと昨年4月、第1回の届け出に行ったときは増元照明家族会事務局次長
と私の2人でした。
乗り継ぎのために降りたパリで空港から市内に向かう早朝の電車の中、薬物中毒患
者と思われるナイフを持った男に脅かされるなどしながら、ともかくジュネーブに辿
り着き韓国の家族協議会の崔祐英会長とともに書類を提出してきたのはわずか1年半
前のことでした。ジュネーブでは通訳の協力も得ましたが、詳しい状況もわからず、
私など中学生並の英語で(増元さんは海外出張が多く慣れていましたが、それでも話
の内容が仕事とはまったく違うので戸惑っておられました)、通訳もいなかったパリ
など、どうやって意志を伝えたのかもよく覚えていません。ともかく当時から考える
とすべての状況が変わりました。まさに隔世の感と言えるでしょう。
先日、有志の方々がニューヨークタイムズへの意見広告を出して下さいました。
救う会がニューヨークタイムズに意見広告を出したのは平成10(1998)年4月2日で
す。当時約600万円の掲載料を支払うのは大変なことで、一般のカンパの他、櫻井新
幹事長(当時)ら、旧拉致議連幹部の協力もあって何とか掲載することができました。
それからわずか4年半後、この有志のカンパには予定額をはるかに上回る浄財が寄せ
られたと聞いています。本当にありがたいことです。
実は、カンパの発起人の一人である高世仁さんから、スタートの時点でこのメール
ニュースでも紹介してくれないかとの話があったのですが、救う会に直接かかわりな
い部分での募金について公式に紹介すると混乱を招くという理由でお断りしました。
一所懸命やってくださっている皆さんには申し訳なかったのですが、そのかわり私も
気持ちだけカンパをさせてもらいました。
残余金は家族会に寄付していただけるとのことで、本当にありがたいことです。私
個人としては、せっかく多額の余剰金が出たのですから、他のメディアにも同様の広
告を出していただければ、と思うのですが、それは実際にかかわっておられる方々の
問題でしょう。
数カ月前と劇的に変化した状況の中で、すでに救う会の運動は救出運動の「一部」
になってきています。これは救う会の運動が小さくなったのではなく、この問題への
関心が国民的基盤を持つようになったということですから、極めて喜ばしいことだと
言えます。これを用いて自らの利益に利用しようとしたりするのは慎むべきですが、
国民的課題として、さらに拉致問題への関心が高まることに期待したいと思います。
国民的課題になってくることによって、色々な方が救出運動(救う会の枠に留まら
ず)に参加して下さるようになりました。そうなると、かつて消極的だった人に対し
ては「これまでの発言はどうした」と言った批判も出てきます。それはそれでご本人
に受け止めていただきたいのですが、考えてみれば私にしても、6年前までは拉致問
題を知っていても何もしてこなかったのですから、人のことは言えた義理ではありま
せん。
今重要なのは拉致された人々すべてを取り返すことであり、それが最優先です。例
えば社民党(旧社会党)も最近は拉致問題の対応に反省をされているようですが、こ
の際一歩踏み込んで、これまでの北朝鮮との交流の中で拉致問題解決に有効と思われ
る情報があればぜひ明らかにしてもらいたいものです。たとえば社会党及び旧総評系
労働組合は多数の訪朝団を送り出しています。これらの人々の中にはどこかで拉致被
害者を見ている可能性があるのです。今まで表に出ていない情報を明らかにしてくれ
れば拉致問題の解決に大変なプラスになります。
同様、野中広務氏、中山正暉氏らも横田めぐみさんや有本恵子さんらの生存情報を
持っているはずであり、それらを明らかにしてくれれば、今後の救出運動には大変大
きな力になると思います。ともかく、すべての立場の人が拉致問題の解決に尽力して
いただくよう切に望む次第です。
あらためて、ニューヨークタイムスの広告掲載など関係各位のご尽力に感謝申し上
げるとともに、北朝鮮が死亡と伝えた8人の救出をはじめ、来年から本格的な取り組
みが必要となる特定失踪者(北朝鮮による拉致の可能性のある失踪者)問題など、そ
して日本人のみならず韓国人をはじめとするすべての拉致被害者の救出、ひいてはあ
の苛烈な人権抑圧に苦しむ北朝鮮2000万国民や在日朝鮮人帰国者たちの解放のため、
皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。
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救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780/FAX 03-3944-5692 http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark
(ホームページ・但し現在更新されていませんので各救う会のサイト
への入口としてご利用下さい)
http://www.eshirase.net/bn/narkn-news.htm
(このメールニュースのバックナンバーのホームページ)
〒112-0015 東京都文京区目白台3-25-13
担当:荒木和博(事務局長 k-araki@mac.email.ne.jp)
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恐縮ですが送信を希望されない方は荒木のID宛メールをお送り下さい。
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■この1年間で大きく変化した救出運動
救う会全国協議会事務局長 荒木和博
平成14年もあと3日を残すだけとなりました。
それにしても、今年は色々なことがありました。これまで5年の間、家族会・拉致
議連・地方議員の会・救う会という範囲でほとんどカバーされていた救出運動が、3
月の有本さん認定をめぐる動きと9・17の二段構えで一気に本当の意味での国民的
関心事になりました。11月には国連人権委強制的失踪に関する作業部会に対する2度
目の届け出が行われましたが、これは外務省アジア局の斎木参事官が自らジュネーブ
に出向き、作業部会の委員に説明をして下さったものです。そのための書類の英訳な
ども外務省が全面的に対応してくれました。報告する機を逸してしまったのですが、
先日作業部会から正式受理と、関係国(日朝及び英国・スペイン)へ照会する旨の手
紙が届きました(手紙の日付は12月9日付)。
考えてみますと昨年4月、第1回の届け出に行ったときは増元照明家族会事務局次長
と私の2人でした。
乗り継ぎのために降りたパリで空港から市内に向かう早朝の電車の中、薬物中毒患
者と思われるナイフを持った男に脅かされるなどしながら、ともかくジュネーブに辿
り着き韓国の家族協議会の崔祐英会長とともに書類を提出してきたのはわずか1年半
前のことでした。ジュネーブでは通訳の協力も得ましたが、詳しい状況もわからず、
私など中学生並の英語で(増元さんは海外出張が多く慣れていましたが、それでも話
の内容が仕事とはまったく違うので戸惑っておられました)、通訳もいなかったパリ
など、どうやって意志を伝えたのかもよく覚えていません。ともかく当時から考える
とすべての状況が変わりました。まさに隔世の感と言えるでしょう。
先日、有志の方々がニューヨークタイムズへの意見広告を出して下さいました。
救う会がニューヨークタイムズに意見広告を出したのは平成10(1998)年4月2日で
す。当時約600万円の掲載料を支払うのは大変なことで、一般のカンパの他、櫻井新
幹事長(当時)ら、旧拉致議連幹部の協力もあって何とか掲載することができました。
それからわずか4年半後、この有志のカンパには予定額をはるかに上回る浄財が寄せ
られたと聞いています。本当にありがたいことです。
実は、カンパの発起人の一人である高世仁さんから、スタートの時点でこのメール
ニュースでも紹介してくれないかとの話があったのですが、救う会に直接かかわりな
い部分での募金について公式に紹介すると混乱を招くという理由でお断りしました。
一所懸命やってくださっている皆さんには申し訳なかったのですが、そのかわり私も
気持ちだけカンパをさせてもらいました。
残余金は家族会に寄付していただけるとのことで、本当にありがたいことです。私
個人としては、せっかく多額の余剰金が出たのですから、他のメディアにも同様の広
告を出していただければ、と思うのですが、それは実際にかかわっておられる方々の
問題でしょう。
数カ月前と劇的に変化した状況の中で、すでに救う会の運動は救出運動の「一部」
になってきています。これは救う会の運動が小さくなったのではなく、この問題への
関心が国民的基盤を持つようになったということですから、極めて喜ばしいことだと
言えます。これを用いて自らの利益に利用しようとしたりするのは慎むべきですが、
国民的課題として、さらに拉致問題への関心が高まることに期待したいと思います。
国民的課題になってくることによって、色々な方が救出運動(救う会の枠に留まら
ず)に参加して下さるようになりました。そうなると、かつて消極的だった人に対し
ては「これまでの発言はどうした」と言った批判も出てきます。それはそれでご本人
に受け止めていただきたいのですが、考えてみれば私にしても、6年前までは拉致問
題を知っていても何もしてこなかったのですから、人のことは言えた義理ではありま
せん。
今重要なのは拉致された人々すべてを取り返すことであり、それが最優先です。例
えば社民党(旧社会党)も最近は拉致問題の対応に反省をされているようですが、こ
の際一歩踏み込んで、これまでの北朝鮮との交流の中で拉致問題解決に有効と思われ
る情報があればぜひ明らかにしてもらいたいものです。たとえば社会党及び旧総評系
労働組合は多数の訪朝団を送り出しています。これらの人々の中にはどこかで拉致被
害者を見ている可能性があるのです。今まで表に出ていない情報を明らかにしてくれ
れば拉致問題の解決に大変なプラスになります。
同様、野中広務氏、中山正暉氏らも横田めぐみさんや有本恵子さんらの生存情報を
持っているはずであり、それらを明らかにしてくれれば、今後の救出運動には大変大
きな力になると思います。ともかく、すべての立場の人が拉致問題の解決に尽力して
いただくよう切に望む次第です。
あらためて、ニューヨークタイムスの広告掲載など関係各位のご尽力に感謝申し上
げるとともに、北朝鮮が死亡と伝えた8人の救出をはじめ、来年から本格的な取り組
みが必要となる特定失踪者(北朝鮮による拉致の可能性のある失踪者)問題など、そ
して日本人のみならず韓国人をはじめとするすべての拉致被害者の救出、ひいてはあ
の苛烈な人権抑圧に苦しむ北朝鮮2000万国民や在日朝鮮人帰国者たちの解放のため、
皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。
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救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780/FAX 03-3944-5692 http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark
(ホームページ・但し現在更新されていませんので各救う会のサイト
への入口としてご利用下さい)
http://www.eshirase.net/bn/narkn-news.htm
(このメールニュースのバックナンバーのホームページ)
〒112-0015 東京都文京区目白台3-25-13
担当:荒木和博(事務局長 k-araki@mac.email.ne.jp)
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