救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

全員被害者の即時一括帰国のチャンス?救う会テレビ(2021/02/01)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.02.01)

動画は救う会のホームページに掲載しています。

■全員被害者の即時一括帰国のチャンス?産経新聞への寄稿から

皆さんごきげんよう。救う会全国協議会会長西岡力です。今収録しているのは
令和3年1月30日午前11時です。第27回のタイトルは、産経新聞への寄
稿から「全員被害者の即時一括帰国のチャンス」と題してお送りいたします。

◆令和3年には全被害者の即時一括帰国を実現できるチャンスがある

産経新聞の1月29日「正論」欄に、私が「全被害者の即時一括帰国を果たせ」
というコラムを寄稿いたしました。今日はこのコラムを中心に、少し補足をし
ながらお話をさせてていただきたいと思います。

コラムで最初に私はですね、「私たち家族会・救う会が救出運動を始めて24
年経った。昨年は悪材料も多かった」として、初代家族会代表の横田滋さんと
家族会ができる約10年近く前、これは1988年からという意味であります
けども、孤立無援の戦いを行っていた有本嘉代子さんという運動の中心にいた
お二人が逝去されました。

有本さんたちが立ち上がった当初から、当時まだ安倍晋太郎事務所の秘書だっ
たのですけども、その横で共に戦っていた安倍晋三氏が病気のために総理大臣
の座から降りられ、そしてまた歴代アメリカ大統領の中で、最も拉致問題につ
いて強い関心と同情を示し、解決のために実際に行動してくれたトランプ大統
領が残念ながら再選に失敗してしまいました。

このような悪材料がありましたが、私は今年のこの令和3年に全被害者の即時
一括帰国という宿願を実現できるチャンスがあると判断しています。

ご家族と家族被害者本人の高齢化は確かに私たちにとって重い現実です。しか
しこの現実は北朝鮮から見ても重いのです。日本の多額の経済支援、彼らはそ
れを目標にしていますけれども、その経済支援を得るためには日本国民の多く
が、「良かった」と思うことが必要です。

そのためには当初から運動をしてきた親の世帯の家族が、愛する拉致被害者と
抱き合うことが不可欠です。そのことを北朝鮮の権力中枢部も理解していると
いうふうに私は聞いています。彼らに取ってもその意味で時間があまりないの
です。

◆菅首相も早い時期から拉致解決がライフワーク

安倍氏の後を引き継いだ菅首相も、早い時期から拉致解決をライフワークとし
てきた政治家の一人であります。この24年間私達が運動をする中で菅首相と
出会うこと、一緒に戦ってきたことが多かったです。

2002年に小泉訪朝があり、しかし5人しか帰って来れなかった後、私たち
は制裁が必要だという運動方針を決めました。その時菅首相はまだ若手の議員
だったのですけども、自民党内でも反対の声が強くて役所も協力してくれなか
った制裁法案を、議員立法で提案して成立させました。

議員立法と言うのは議員が提案者になるのですね。そして答弁を議員がするの
です。その提案者に菅首相たちがなってくれたということです。

あの頃を思い出すのですけども、中川昭一さんお亡くなりになりましたけども、
中川昭一さんが拉致議連の会長で家族のすぐ横にいる。「自分たち拉致議連が
制裁法案を作る」と、あまりにもギラギラしすぎていて、北朝鮮を刺激し過ぎ
るかもしれないと、菅首相たちががやることを裏でサポートするという関係だ
ったと聞きます。

また実は安倍さんと菅さんというのは、全く自民党の中で系統が違うのですね。
安倍前首相は旧福田派系統なのです。そして菅さんは旧田中派系統なのです。

菅さんの師匠は梶山静六。拉致問題でも最初に拉致があるという答弁をした方
ですけども、つまり福田派と田中派は自民党の中でもライバルなのです。

接点は無いわけですところが、この制裁法案を作るべきだという議論を若手の
時の菅議員が、自民党の総務会、自民党の最高意思決定機関ですね、そこで発
言したのを聞いて、当時官房副長官だった安倍さんが連絡をして、「制裁法案
は必要だ。やろうじゃないか」ということになって、そういう動きが始まった
と聞いています。

◆特定船舶入港禁止法を成立

ここでちょっと補足説明が必要なのですが、日本の法体系の中ではですね、国
連の安保理事会で制裁決議があった場合は制裁ができる。しかし日本の安全保
障にとって必要だという理由では制裁をする根拠はなかったのです。こんなバ
カなことありますか。

南アフリカがアパルトヘイトという黒人差別政策をしていた時、国連安保理事
会が制裁決議をして、一切貿易をするなということになって、南アフリカには
ダイヤモンドがありましたが、それを買うのがが禁止された時、日本も南アフ
リカと貿易を禁止するという制裁をしたわけです。

外為法の中にその規定があったのです。しかしそれには国際機関の決定という
条件があったのですね。「それはおかしいじゃなか」と、日本の判断で制裁で
きるようまず法的根拠を作ってほしいと我々は言っていたのですね。

またですね、当時私たちは目に見える制裁としてですね、万景峰号という北朝
鮮の船が自由に新潟と元山の間を行ったり来たりしていた。横田さんたちと一
緒に行ってですね、新潟港で「皆さん方が自由に行き来できるならめぐみたち
を船に乗せて帰って連れてきて帰ってきてください」と。「おかしいじゃない
ですか」という訴えを埠頭でしていたのですね。

しかし新潟県知事などに陳情してもですね、「入港拒否する法的権限を知事は
持っていない」と。「そもそも入港拒否できる法的根拠は日本にない」と言わ
れたのですね。

そして国土交通省では、「港を開く開港の原則があって、いくら国交のない国
の船であっても開港してる以上拒否出来ないのだ。それが国際法です」という
ことを言っていました。

議員たちはですね、菅首相のキャッチフレーズは「前例にとらわれない」です
けれど、「役所のいう前例にとらわれないで方法あるはずだ」と言って色々研
究されて、アメリカにキューバ自由化法という法律があって、キューバ船籍あ
るいはキューバの港からきた船を止めることができる。止めてたのですね、ア
メリカはキューバの船を。

「これでアメリカは国際法違反してるのか」というふうに菅議員たちが言って、
議員立法をまとめて通した。日本の国会で通る法律というのは、閣法といって
ですね、内閣が提出する法律です。これは役所がつくるわけです。

その方が多いのですが、しかし国会議員、まさに国会が立法府ですから、国会
議員が提案して作る。これは議員立法なのです。こちらの方が日本では少ない
のですが、しかしその議員立法で「特定船舶入港禁止法」という新法を作って、
そしてその法律があるから今北朝鮮の船の入港禁止を合法的に日本政府ができ
ると、圧力をかけて、そして彼らを話し合いの場に引き出すということが必要
だというふうに菅総理は若手議員の時から考えていたのですね。

◆朝鮮総連への優遇措置を止めるよう通達

あるいはですね、この産経のコラムでは字数がなくて書けなかったのですが、
菅総理は小泉政権の一番最後に総務副大臣でした。そして第一次安倍政権時に
総務大臣でした。総務省は旧自治省を吸収してますから、地方公共団体を担当
してるわけですね。

朝鮮総連の地方施設に対して、地方公共団体が固定資産税を減免するという優
遇措置をとっている。固定資産税の減免というのは外交機関にはするのですね、
大使館とか。しかし朝鮮総連は一民間団体で、それも法人格を持ってもいない
のですね。任意団体です。任意団体の施設になぜ税金の免除をするのかと。

彼らは公共性があるとか、外交施設だとか事実上の外交官と同じだとか色々言
っていたのですが、まず東京都の石原知事が減免を止めると言った。しかし他
の地方ではまだ減免をしていたのですね。その時総務省から通達を出して、減
免を止める方向で検討せよというような主旨の通達が出た。その中心にいたの
は菅さんです。

◆NHKの国際放送で拉致に関するニュースの量を増やす

そしてそれはもう総務副大臣の時にやってくださったのですが、そのあと第一
次安倍政権になっても安倍さんはその副大臣としての働きを見てたからだと思
いますが、総務大臣にしたのですね。そしたらですね、菅さんからすぐに私の
ところに連絡があって、大臣室に呼ばれたのですね。

「なにか拉致問題にできることはないのか」とおっしゃったので、「減免のこ
とは感謝しています」と言って、私が「実は」と言って、「ジェンキンズさん
の本を読んだ」と。その本によるとジェンキンズさんは短波ラジオを隠し持っ
ていて、短波ラジオを聴いていた。

2002年9月17日、そのラジオを聴いて曽我ひとみが生存者に含まれているという
ニュースを聞いて、曽我さんに「あなたの名前が入ってるぞ」と。「しかし知
らないふりをしとけよ」と伝えていたということが、ジェンキンズさんの本に
あったのです。

それで私は、直接ジェンキンズさんにですね、「何の放送を聞いていたのです
か」かと聞いたら、「NHKの国際放送だ」と。NHKの国際放送は英語放送をやっ
てるわけです。

それでは菅総務大臣に、「NHKの国際放送で拉致に関するニュースの量を増やし
てほしい」、「どういう論調であるかということを政府が言うことはできない
かもしれないが、国際放送は視聴料を取ってるわけじゃなくて、別途政府の税
金でやってるのだから、どういうテーマでやるかということについては政府が
話をできるのではないですか」というような話をしたんです。

そしたら当時の菅総務大臣は「分かった」と言って、そしてそういう方向でNHK
に話をしたら、「政府の言論機関に対する介入だ」と言って、NHKの労働組合
などが反発したのですね。
それでもまさに前例にとらわれない方ですから、違法行為だけはしないとして、
前例に従う事をしないということで法律を調べたのですね。「命令放送という
規定があった」と。

ちょっとどぎつい言葉使いですけども、つまり視聴料で運営してる部分ではな
くて、国際放送については政府がどのような論調でまで言えないけども、どの
ような内容を増やしてほしいということは言えるという、「命令放送という法
的根拠がある」と。

その命令放送を発動するというふうに、何を言われても、「言論の弾圧だ」と
言われても、当時の菅大臣はブレなかったということがありました。そういう
ことをしてくださって、そして第二次安倍政権でずっと官房長官をし、最後の
2年間は官房長官兼拉致担当大臣だったのですね。

何とかこの問題を解決しないといけないという強い意志を、今申し上げたよう
な経験の中で私は感じていたので、菅官房長官が大臣兼任になった時も大変心
強い思いをしましたし、安倍総理が残念ながら病気で被害者を取り戻すところ
まで行かないで退任された時に、後任に菅総理がなったのでほっと一息、同じ
ように絶対解決すると意思を持ってる人が総理になってくれたと思って安心し
たわけです。

◆菅総理は決意したら実行するタイプ

そして就任後9月と12月に、私は個人的に菅総理に呼ばれて、1対1でお話
もしましたが、令和の菅総理の所信表明演説、施政方針演説などを見ても、あ
るいは国際社会に対する発信を見てもですね、自分が被害者を助けるのだとい
う強い思い、口数は少ないのですけども、決意をしたら本当に実行するという
タイプの人で、「この問題は自分の責任で解決するんだ」という強い思いがひ
しひしと伝わってきています。

そしてアメリカの政権交代も、トランプ大統領が再選できなかったのは残念で
すけれども、トランプ大統領はすでに金正恩委員長に3回、拉致問題の解決を
迫ってくれているのですね。

ですからこれからはもうアメリカを通じて金正恩委員長とコミュニケーション
をする時期は終わったのです。菅総理が言ってる通り、菅総理と金正恩委員長
が一対一で会って、話し合いをする段階に入ったのですね。

バイデン政権に対しては、「安易に制裁を緩めないでほしい」ということを言
うために、緊密な連携は必要ですが、バイデン政権に解決のための役割を頼む
という段階はもう終わっているということです。

◆金正恩の統治資金が枯渇

そして強い圧力をかけて、話し合いに彼らをを引き出すという戦略について言
うと、繰り返し申し上げてますけれども、党の39号室という金正恩の統治資
金が枯渇し始めているということです。

平壌の総合病院が外貨が無くて作れなかったり、あるいは去年の10月から海
外にいる外交官や保衛部員や工作員も月給がゼロになって、家賃が払えないで、
ホームレスになりそうになってる人がいる、という情報さえあります。

中朝貿易も前回お話しましたけれども、9月の下旬から中国から北朝鮮への輸
出が、ほぼ止まっていると。もうこれは北朝鮮の軍事工業以外はほとんど動い
てませんので、中国から工業製品が入ってこないと原始時代に戻っちゃうので
すね。そのような中で労働党の大会で前回と前々回話をしましたけれども、決
められたのが「自力更生、自給自足、輸入に依存しない」という方針です。
「どうするんだ」と言って、みんな「どうやって食って行けばいいんだ」と。
幹部たちも人民たちも不満、そして不安に駆られているのですね。

◆被害者の即時一括帰国以外は認めない

そういう中で日本は、「拉致問題が解決しそして核・ミサイルが解決すれば、
不幸な過去を清算して国交正常化をする」と言ってるのですね。この結果この
清算という意味は、1965年に韓国に対して行なった同じような経済協力を
しますよということです。

当時の物価で韓国に対して5億ドルやった。「小泉訪朝の時、(外務省の)田
中均局長主導で、100億ドルという金額が提案された」という北朝鮮内部か
らの複数の情報があります。

1兆円です。そのお金について今、「金正恩、金与正は高い関心を示している」
という情報があります。だから菅総理が平壌に呼ばれる可能性が見えてきたと
いうことです。

圧力が効いてきて、アメリカを通じても金正恩とコミュニケーションが出来て、
「日本を動かすには拉致被害者全員を返すことですよ」、「特に先程言った親
の世代が生きてる間でなければ日本人は良かったと思いませんよ」ということ
のコミュニケーションは、もうできたということです。

ただし繰り返し言ってますけども、産経新聞のコラムにも書きましたが、金正
恩氏はまだ全被害者を返すという決断をしていない。

菅総理が平壌に行った場合にも、もう一度生きてるめぐみさんたちは「死んだ」
という嘘をつく。そして日本からお金を取るそのために、「合同調査委員会を
作りましょう」等という嘘の提案をしてくる危険性は十分あるということです。
ですからチャンスは来ていますが、慎重に、「全被害者の即時一括帰国以外は
日本人は納得しませんよ」、「それ以外は拉致解決だとみなしませんよ」、
「合同調査委員会なんて茶番には乗りませんよ」という姿勢を貫きながら、し
かし果敢に行動してほしい。

「被害者の即時一括帰国以外は認めない」という強い決意を持って、慎重かつ
大胆な大胆に事を進めてほしいと私は産経新聞に書きました。

今日は「全被害者の即時一括帰国のチャンス?産経新聞への寄稿から」と題し
てお送りしました。
ありがとうございました。

以上


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■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 菅義偉殿

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