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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

平壌で大規模な反体制ビラ散布?救う会テレビ(2021/05/24)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.05.24)

 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長西岡力です。今
日で第33回になります。令和3年5月22日に収録しました。
今日のタイトルは、「平壌で大規模な反体制ビラ散布」と題してお送りいたします。

動画は救う会のホームページに掲載しています。

■平壌で大規模な反体制ビラ散布

◆反体制組織の仕業と見られる平壌での大量ビラ散布

 私が最近入手した情報では、5月中旬に平壌市内で大規模な反体制ビラ散布が
あった。5月15日頃、少し前後しているかもしれませんが、平壌市寺洞(サドン)
区域で大規模にビラが撒かれたということです。3日間かけて安全省と保衛省要
員が拾い集めた。かなりの枚数だったということです。情報源では、数万あるい
は数十万枚あったと推定されるそうです。

 韓国のビラは濡れないように防水加工されていて、ビニールだったり下敷みた
いに硬かったりするのですが、今回まかれたビラは普通のA4用紙だった。紙質が
北朝鮮内部で使われている物に比べてよいものだったので、外国(中国)から持
ち込まれたと推定されるようです。ビラそのものが持ち込まれたのか、紙だけが
持ち込まれて印刷されたのかは定かではありません。

 平壌で大規模にビラをまくことができたのだから、個人ではなくかなりの人間
が加担している反体制組織の仕業とみられています。そういう組織があるという
ことですね。

 金正恩が激怒して、「全員捕まえろ」と保衛省に命令し、保衛省は今非常状態
だ、と。ビラの内容は次の通りだったそうです。「我々の代で金氏家門の三代世
襲を断ち切ろう。改革開放だけが生きる道だ」と。

 信頼できる筋から聞いた衝撃的なニュースですが、このニュースを私が聞いた
のと同じ時に、韓国のユーチューバーで姜哲煥(カン・チョルファン)さんとい
う脱北者の人権活動家で、姜哲煥テレビというユーチューブのテレビをやってい
るんですが、同じ内容の情報を紹介していました。

 ただ紙のサイズが違うんですね。だから情報源は違うのですが、事件があった
ことは間違いない。平壌の大学生が高層マンションの屋上から夜通しビラを撒
いた。撒かれたビラは大変な半径まで飛ばされて、色々なとこへ飛んでいった。
ビラの内容は過激だった。「今三代世襲の金正恩政権を終わらせなればだめだ」
と。「三代世襲」ということですから、ビラの内容は共通しています。

 人民たちはだまされている。世界は食糧問題を解決した。特にアジアでは唯一
飢えで苦しんでいるのは朝鮮だけだ、と。これ北朝鮮内部の用語ですが。

「いつまで三代世襲金正恩政権に騙されるのか、今こそ人民が決起してこのひど
い状況を終わらせなければならない」というビラです。
その寺洞区域については、先ほどちょっと言いましたけども、平壌の東側の区域です。

◆しかも金正恩が住宅建設を指令し演説した場所でビラ散布

 そこでは実は、3月23日に、金正恩の命令で「今年中に住宅10万戸を建設
せよ」ということで着工式があった。そこで金正恩は演説をしました。「5万世
帯の住宅建設で我々の首都を今一度壮大に変貌させよう」と。これは5年で作れ
ということで、1年で1万戸です。

「栄誉ある首都建設に決起したすべての建設者と人民軍将兵の皆さん。今日我々
は、わが国の首都建設史に今一つの意義深い里程標を印す光栄にあずかりました。
今年度の初頭に開かれた朝鮮労働党第8回大会と朝鮮労働党中央委員会第8期第
2回総会では、5か年計画期間に全国的に住宅建設を力強く推し進めるとともに、
われわれの首都だけでも5万世帯の住宅を建設し、そのために毎年1万世帯ずつ
建設することを決定しました」

「1万世帯の住宅建設に必要な資材と設備を最優先的にそのつど保障すべきです。
セメントや鉄鋼材、各種の建材品や設備の生産を受け持った工場、企業では、労
働者たちの革命的熱意と創造力を最大限に発揮させ、任された生産課題を期限内
に立派に遂行することによって、首都の住宅建設の成果を保証しなければなりま
せん」。

「鉄道運輸をはじめとする輸送部門でも、超過輸送運動を力強く繰り広げて、首
都の大建設場と鉄鋼材や建材の生産基地に必要な貨物を迅速に運搬すべきです」。

 日本では超過するのは安全のためにするなと言われますが、北朝鮮では「超過」
しろと言っています。

「全ての活動で政治活動、思想攻勢を優先させて、人民軍軍人と建設者の忠誠心
と愛国心、創造的知恵を余すところなく発揚させ、建設の初めから終わりまで全
ての建設現場が天をも衝く勢いで沸き立つようにしなければなりません」。

「こうして、大衆を張り合いのある建設闘争に奮い立たせるだけでなく、今日の
壮大な首都建設戦闘場が新たな時代精神を生み出し、勇敢な実践家、逞しい社会
主義的勤労者を育て上げる熾烈な革命戦域、立派な学校になるようにすべきです」
と。

◆住宅建設資材がないのに

 そして、演説した場所で反対のビラが撒かれたということです。少し解説しま
すが、北朝鮮には資材がないんです。優先的に保証すると言わなければならない
のです。今建設は遅れているそうです。セメントは何とかなるが、鉄がない。
「創造力を発揮せよ」と言っても、ないものはないわけです。普通は輸入するん
ですね。しかし国内で作れ、と。超過輸送運動と言っても運ぶものがないのです。
そこでどうするかというと、思想化攻勢を優先する。思想さえ正しければ鉄が生
まれるのかということですけど、そういうことが起きているので、「三代世襲で
我々は騙されている」、「改革開放しかない」というビラが撒かれるのです。

 後ろの写真は絵です。こういう風に作りますというもので、建設のための旗が
振られます。幹部たちが集まって、金正恩が手を挙げて、最初の爆破が行われま
した。しかしここで、反体制のビラが撒かれたのです。

◆今また中朝関係が悪化

 もう一つあります。前回少し触れましたが、このテレビを見て、詳しいことを
教えたいという人がいましたのでお知らせするのですが、今また中朝関係が悪化
しているという情報です。

「5月上旬頃、瀋陽と丹東の中国人貿易商13人が北朝鮮にSLBM(潜水艦発射弾
道ミサイル)部品を密輸しようとして、中国安全局に逮捕された。現行犯で捕まっ
た、と。瀋陽にある北朝鮮保衛省のアジトの七宝山(チルボサン)ホテルの保衛
省幹部1人も捕まった」。このホテルは赤字になって中国人に売ったと聞いてい
ます。

「昨年10月の軍事パレードで、中国から密輸された軍需品を使った新兵器が多
数出現したのを見た中国当局が、国内の北朝鮮と取引している貿易商全員を捜査、
監視し始めた。金正恩が書記室と保衛省を使って密輸しようとしていた。外貨が
ないので一部は金塊で決済するはずだった。これまでは中国が見逃してくれてい
たのに今回逮捕したことに対して金正恩が激怒して、『やはり親父の言うとおり
中国の奴らは信用できない』と語った」という。

◆拉致の観点から見ると日本に接近するしかない

 これらのことを拉致の観点から評価しますと、ついに平壌で反体制ビラが撒か
れるほど、内部矛盾が高まってきたということです。その原因の一つは、経済制
裁が効いているということです。

 私が聞いているところでは、5月から労働党の中央の幹部たち、あるいは保衛
省の中央の幹部たちの配給も止まったそうです。「どうやって食っていけばいい
のか」とみんな言っている。それなのにまだ中朝貿易が再開しない。5月中に肥
料が大量に入らないと、今年の秋の収穫が大変なことになるんですが、もうコロ
ナ対策の準備ができているというのに、(国境を)開かない。

 金正恩氏が変異株を恐れているということもあるんですが、とにかくそういう
状態で内部矛盾が高まっていて、平壌で反体制組織が効果的に活動を始めた。一
方、中国は助けてくれない。中国は国際制裁を守っているということですね。

 そうすると大規模に助けられるのは、前回も言いましたが、日本かアメリカか
韓国です。しかし金正恩政権は文在寅政権とは一切交渉しないという政策を決め
ていますので、韓国ははじかれる。

 そうすると、日本かアメリカしかない。アメリカはトランプ政権が明確に言い
ましたが、北朝鮮が核を止めるなら制裁を緩める準備がある。しかし、大規模な
経済支援はしません。そもそもアメリカの国内法で核を止めたからといって、国
内の独裁政権、独裁が続いている国に対して支援はできない。議会にそういう縛
りがあるんです。

 一方日本は安倍政権から、そして菅政権も継続してですね、「条件なしで私が
金正恩委員長と向き合う」と、「不幸な過去を清算してよい関係を作りたい。そ
の条件は拉致被害者の全員帰国だ」と言っているわけです。

 彼らから見て、どこが魅力的に見えるのか。内部矛盾が高まれば高まるほど、
あるいは中朝関係が悪化すればするほど、日本と交渉するということのメリット、
魅力が金正恩氏に感じられてくるのではないか。

 オリンピックを前にして金正恩氏がどのような選択をするのか、注目しながら
情報を集めているところです。

 今日は救う会テレビ第33回、「平壌で大規模な反体制ビラ散布」と題してお
送りしました。ありがとうございました。

以上




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