救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

横田滋さん召天1年と平壌で反体制ビラ散布3(2021/06/07)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.06.07)

 みなさんごきげんよう。救う会テレビ、救う会全国協議会会長西岡力です。今
日で第35回になります。令和3年6月5日に収録しました。

 今日のタイトルは、「横田滋さん召天1年と平壌で反体制ビラ散布3」と題して
お送りいたします。

 動画は救う会のホームページに掲載しています。

■横田滋さん召天1年と平壌で反体制ビラ散布3

 6月5日は昨年、家族会の初代代表の横田滋さんが召天された日です。今朝救
う会のメールニュースでも流しましたけれども、「横田滋さん召天1年を迎えて
の書簡」というのを読み上げたいと思います。

◆横田滋さん召天1年を迎えての所感

 横田滋さん召天1年を迎えての所感、全被害者の即時一括帰国のために全力を
尽くします。

令和3年6月5日

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会 会長 西岡力

 初代家族会代表の横田滋さんが召天されて(あえてここでは天国に召されたと
いう意味のキリスト教用語を使います)1年が経ちます。先日電話でお話しした
横田早紀江さんは、滋さんのご遺骨は当分ご自宅に置いておいて、めぐみさんが
帰ってきたとき抱かせてやりたい、と話していました。まだ、天国の滋さんに喜
びの報告をすることはかないません。

 この間、拉致問題解決をライフワークとされてきた安倍晋三首相の病気による
退任、家族会と2回も面会し金正恩委員長に繰り返し拉致解決を迫ったトランプ
大統領の選挙敗北という大きな出来事がありました。しかし、我が国の政権を引
き継いだ菅義偉首相は拉致問題解決を最優先課題として懸命に取り組んでいます
し、米国のバイデン政権も日本からの官民挙げての働きかけもあって、日米首脳
会談で国務長官以下の高官がブルーリボンバッジをつけてくるほど拉致解決へ協
力的です。

 家族会・救う会はコロナウイルス蔓延のため、昨年は通常年2回行ってきた国
民大集会を1回しかできませんでした。各地で行われてきた救出のための集会も
多くが延期、中止になりました。しかし、滋さんの召天後、めぐみさんを滋さん
に会わせることができなかった口惜しさを多くの国民が共有し、拉致問題への関
心はここ数年のなかで最も高まっています。救う会にはブルーリボンバッジ購入
希望が殺到しました。

 世論の風化はいまのところ心配することはないと思っています。それはこの間、
運動の先頭に立って下さった滋さんの命をすり減らしたご努力のおかげでもあり
ます。

 一番心配なのは時間がないということです。家族会・救う会は、今年4月に決
めた運動方針で「被害者救出には期限がある」と書きました。

〈昨年、有本嘉代子さんと横田滋さんが相次いで亡くなった。拉致という国家テ
ロを行った北朝鮮への怒りと、救出できない政府へのもどかしさで、私たちは歯
ぎしりをするほどの口惜しさを覚えた。

 ここで私たちは強く言いたい。「全拉致被害者の即時一括帰国」には期限があ
る。親の世代の家族が被害者と抱き合うことなしに、日朝関係の改善はない。

 私たちは本日、金正恩委員長に宛てた新たなメッセージを公開する。そこでも
前回と同じように「全拉致被害者の即時一括帰国が実現するのであれば、私たち
は帰ってきた拉致被害者から秘密を聞き出して国交正常化に反対する意志はあり
ません」と伝えるが、それには期限があることも次のように明記した。

「四半世紀の間、救出運動を続けてきた私たち家族会・救う会は親の世代の拉致
被害者家族が拉致被害者と抱き合うことなしに国交正常化に賛成することはでき
ません。それが実現しなければ大多数の日本国民は北朝鮮との関係改善に反対す
るでしょう」〉

 あらためて期限が切迫していることを、菅義偉首相をはじめとする政府関係者
そして金正恩委員長に訴えます。1日でも早く全被害者の即時一括帰国を実現さ
せてください。

 救う会全国協議会会長の私も、全国の救う会の仲間たちとともに、全被害者の
即時一括帰国のためにできうる限りのことを全力で行っていくことを誓います。

以上です。

◆これまでの5つの情報

 続きまして、平壌での反体制ビラ事件について3回目のお話をいたします。今
までの話を整理しますと、これまで救う会テレビ33回と34回で5つの情報を
お伝えしました。

情報1 西岡が北朝鮮内部につながる筋から聞いた情報(5月19日)
5月15日頃、平壌市寺洞区域で反体制ビラが大規模にまかれた。

情報2 姜哲煥TV (ユーチューブテレビ5月19日夜)、脱北した人権活動
家のユーチューブです。
平壌の大学生が高層マンションの屋上から夜通しでビラをまいた。

情報3 自由アジア放送5月17日、これはアメリカの対北放送です。
5月10日、寺洞区域で大規模な反体制ビラ散布があった。

情報4 5月23日、康明道テレビ(ユーチューブ)
寺洞地域1万戸住宅建設現場に数千枚印刷されたビラがまかれた。

情報5 5月27日西岡が平壌につながる情報源から入手
5月初め、深夜、寺洞区域住宅建設現場の建設中の12階マンションの屋上から
300枚散布。

 これを見ていただくと、5つの内4つが寺洞区域です。ビラの規模(枚数)は
色々な情報に差があります。

◆2回目として平壌市内の3か所で組織的ビラ散布があった

 ここまで前回お伝えしたのですが、その後新しい情報が入ってきました。情報
6です。先ほど情報2でお伝えした姜哲煥テレビが6月2日、次のような情報を
出しました。

情報6 姜哲煥テレビ(6月2日)

・ビラ散布は相当大規模だった。

・平壌市中心部の3カ所でまかれた。寺洞区域が入っていない。西平壌、東平壌、
龍城(リョンソン)区域。

・3カ所でまかれたビラがそれぞれ違った。

・1、2人ではなく相当な勢力が共謀してまいたと保衛省が判断。

・北朝鮮だけの純粋な内部の活動なのか、あるいは外部の組織と連携した活動な
のかが焦点。

・ビラの少なくとも一部が外部の勢力によって密輸されたものと保衛省が確認し
た。

・内容も金正恩、与正、体制への非難で、「金正恩が死んで初めて北朝鮮人民は
生きていける」と。

・小学生まで筆跡鑑定をしている。

 そして私は6月に入って情報7を入手しました。これは姜哲煥さんの情報6と
ほぼ重なるものです。

情報7 西岡が6月1日に入手

・5月上旬にあった寺洞区域の反体制ビラ事件とは別の反体制ビラ事件が5月下旬
に起きた。

・3つの場所で同時にまかれた。
西平壌(西城区域・西平壌駅付近)、東平壌(力浦区域・東平壌駅付近)、龍城区域

・各地域のビラの内容が異なっていた。

・多くが印刷されていた。用紙も北朝鮮のものより良質だった。

・小学生のような筆跡の肉筆ビラもあった。

・「金正恩が死んではじめて人民は生きていける」、「金正恩は殺人者だ」、
「張成沢は無念にも殺された。誰が背倫者か」。

 ビラの半分以上が北朝鮮内部ではなく外部で制作されたものだと結論が下った。
北朝鮮内の地下組織が外国の情報機関か自由朝鮮のような反体制組織と連係して
ビラをまいたと、保衛省は判断している。

 姜哲煥さんは最初の情報でも場所を特定していなくて、「高層マンションの屋
上からまいた」と言いました。それが3つの地域につながるわけです。私が聞い
たのはそうではなくて、5月上旬に寺洞地域で反体制ビラがまかれた。そして5
月下旬に、それとは別に、3か所で反体制ビラがまかれた。
その3か所については姜哲煥さんの情報と重なります。

 西平壌(西城区域・西平壌駅付近)、東平壌(力浦区域・東平壌駅付近)、龍
城で、西平壌は西城(ソソン)区域にあり、西平壌駅付近です。東平壌は力浦
(リョクポ)区域で東平壌駅付近にあります。龍城区域は北側です。この近くに
工作員がいる招待所、つまり金正日政治軍事大学があります。

 そして各地域のビラの内容が異なっていた。これは姜哲煥情報と重なっていま
す。そして印刷されていた。用紙も北朝鮮のものよりよかった。小学生の筆跡ま
で鑑定していたということですが、姜哲煥さんは小学生の筆跡鑑定をしていた、
と。これは重なります。

 でもこれは右利きの人が左手で書いたりして、筆跡を隠したとも思われます。
だから小学生の筆跡に見えたということかもしれないです。

 中身ですけども、「金正恩が死んではじめて人民は生きていける」は先ほどと
同じですが、「金正恩は殺人者だ」、「張成沢は無念にも殺された。誰が背倫者
か」、これは倫理に反するということですが、北朝鮮の倫理は儒教的な倫理です
から、伯父さんを殺すとか、義理のお兄さんを殺すというのは倫理に反するとい
うことです。

◆拉致も理由にした経済制裁で内部矛盾が高まった

 以上、様々な情報が出てきています。寺洞区域で1回ビラ事件があったのは間
違いないのと思いますが、それとは別に、場所ですが、(地図を見せながら)、
西平壌、東平壌、龍城の3か所でもまかれたという情報が出てきています。それ
はまだ確認できていないのかもしれませんが、姜哲煥の情報と重なっているとい
うことは、もしかしたら北朝鮮から出てきた情報がそこから別れたのかもしれな
いですけど、より一層緊張しています。新たな情報が正しければ、やはり北朝鮮
の中で3か所同時にビラを撒くことができる組織があるということです。

 そしてそのビラを北朝鮮に提供した外部の組織がいて、連携してるということ
になります。内部矛盾がいよいよ高まってきているのではないかという風に思い
ます。

 それなのに金正恩はまだ中朝国境貿易を抑えており、いよいよ平壌でも物不足
が続き幹部たちの生活が苦しくなってきている。これ反対しているのは庶民であ
りませんからね。インテリアの中で反体制活動が出てきたという状況ではないか
と思います。

 この内部矛盾の高まりは、拉致をも理由にした経済制裁で圧力をかけた結果で
あります。

 この内部矛盾の高まり、経済制裁の成果を、ぜひぜひ拉致被害者の早期帰国に
結びつけてほしいと強く願っています。菅政権の踏ん張りどころだと思います。
私たちも出来る限りの情報を集め、そしていろんな活動をしていきたいと思っています。

 今日は、救う会テレビ第35回、「横田滋さん召天1年 平壌で反体制ビラ散
布3」と題してお送りしました。ありがとうございました。

以上



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■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 菅義偉殿

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