救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

国連シンポで横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが発言(2021/06/30)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.06.30)

 昨日、6月29日午後7時から、国連が主催する北朝鮮による「拉致問題に関
するオンライン国連シンポジウム」が開催されました。日本からは、石兼公博特
命全権大使(国連日本政府常駐代表)、加藤勝信・拉致問題担当大臣を初め、家
族会から横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが、特定失踪者家族会副会長・同氏夫人
の植村照光氏・光子さんが参加。

 その他、外国の被害者家族会も参加。
ジェームズ・スネドン氏(デービッド・スネドン氏兄)、
ガブリエル・ブンベア氏( ドイナ・ブンベアさん弟)
バンジョン・パンチョイ氏 (アノーチャ・パンチョイさん 甥)

 共催国からは、
ミッチェ・フィフィールド特命全権大使(国連オーストラリア政府常駐代表)
オラフ・スコーグ国連EU常駐代表
の参加があり、その他専門家によるシンポジウムが開催されました。

 以下は、横田拓也さん、飯塚耕一郎さんの発言です。

■国連シンポで横田拓也さん、飯塚耕一郎さんが発言

◆横田拓也さん(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)

 皆様、こにんちは。家族会事務局長の横田拓也と申します。

 本日は、新型コロナウィルス感染拡大という大きな制約が有る中で、再び日本
・米国・オーストラリア・EUが集まり、北朝鮮による拉致問題の早期解決を訴え
そして重大且つ深刻な人権問題について声を一つにして国際社会に問題提起して
いく場を作れた事に感謝致します。

 私事で恐縮ですが、1977年に13歳で下校途中に拉致された横田めぐみを北朝鮮
から救出するために40年以上も闘い続けてきた私の父横田滋が丁度一年前の6月
に他界しました。再びめぐみと日本で再会し、抱きしめたかったのだろうと思う
と本当に残念でなりません。悔しくてなりません。この様な非情を私達に突き付
ける北朝鮮を許す事が出来ません。

 北朝鮮は国際社会による経済制裁に加え、昨年は大規模な水害に見舞われ、更
に新型コロナウィルス感染と言う三重苦にあります。平時の時でさえ、食料は恒
常的に不足しそして医療環境は脆弱であり、北朝鮮の2500万人の国民生活は人権
を無視されたままの辛い生活を強いられています。その状況下、三重苦がどれだ
け彼らに苦しい時間を強いているのかと思うと、北朝鮮当局の人権無視の行いは
容認出来るものではありません。また、北朝鮮工作員達によって主権侵害・領海
侵犯され、日本国内から拉致される事が無ければどれだけ誰もが享受出来る平和
な生活を送れたはずの私の姉横田めぐみを始めとする拉致被害者の方々が、身体
を壊さず健康で過ごしているだろうかと心配しない日が有りません。

 北朝鮮は拉致被害者を人質として利用し外交を繰り広げている邪悪なテロ支援
国家です。人々の人権を根底から無視し、一発数億円掛かると言われている弾道
ミサイルの発射を続け、核開発を続けています。核開発と人権問題は表裏一体な
のです。大規模な人の尊厳と人命の犠牲の上に、金正恩委員長は自らの体制の保
証を確保するために先軍政治を行っています。この様な身勝手な振る舞いの裏で、
人権蹂躙が続けられている事を看過して良い訳が有りません。拉致被害者の方々
の「助けて!」と言う真剣な”声なき声”に耳を傾け、自由な社会に居る私達が
具体的な救出活動と人権問題解決の為の行動に出る必要があります。北朝鮮の暴
挙を止めなくてはなりません。

 北朝鮮への国際的枠組みによる制裁は効果を発揮しているものの、北朝鮮は様
々な手を使い制裁逃れをしている事は周知の通りであり、更に問題なのはテロ支
援国家へ手助けしている国家が有るという事です。国際社会は北朝鮮への金融制
裁を更に強化する事が出来るはずです、海上での瀬取り対策を始めとする取り締
まりを更に強化する事も重要です。個々の国内で法の厳格な執行を更に進め、北
朝鮮への締め付けを強化するべきです。「拉致被害者の家族が主張するから何か
しなくてはならない」と言った受け身の発想で物事を判断する事なく、人権問題
の解決のためそして重大な安全保障上の問題解決の為に主権国家の責任をもって
能動的に戦略立案と行動に出るべきだと思います。

 私達一人一人自らが、もし幼少期又は今この瞬間に暴力的に北朝鮮の工作員達
によって工作船に閉じ込められ、一切の自由を奪われた上に43年以上も母国に帰
る事が出来ず家族や兄弟と再会出来ないと想像した時に、今の様な手ぬるいアプ
ローチが妥当だと思えるでしょうか?もし、私達の家族や兄弟が暴力的に拉致さ
れたにもかかわらず、国家がその救出と解決に向けた行動に出ない時に、今の様
な大人しいアプローチで良いのでしょうか?きっと自分自身がその場にいれば、
大きな声で「助けて!」と声を出し一刻も早い救出を願うはずです。家族や兄弟
そして友人の涙ながらの「助けて!」と言う声を聞けば、命を懸けてでも行動す
るはずです。常にこの人権問題である拉致問題を”我が事”として捉えて欲しい
と願います。

 2020年・2021年は新型コロナウィルス感染拡大により私達は例外なく大きな制
約を受けました。行動制限・人々との接触回避・経済活動停滞による生活苦、様
々な非日常を経験しました。ただ冷静に考えて下さい。拉致された私達の家族や
兄弟はこうした非日常、つまり一切の行動を拉致された翌日から40年以上も厳重
な監視のもと制限され、人々との自由な接触は禁じられ、更に自由な意見を述べ
る事が出来ない環境にあるのです。私達は共感出来るはずです。もっと傷口に手
を当てる事が出来るはずです。

 北朝鮮当局そして金正恩委員長に改めて”家族会”そして支援して下さってい
る”救う会”並びに”拉致議連”の求める要求水準を伝えます。

 私達が求めているのは拉致被害者の「即時一括帰国」です。段階的及び部分的
解決は容認しません。これ以上時間稼ぎと人質外交を容認しません。また拉致被
害者本人の居場所が分からないと言う嘘の前提に立ち、調査委員会の立ち上げや
連絡事務所設置等は一切求めていません。あなた方は24時間厳重な監視下で全拉
致被害者がどこで何をしているかを全て把握しているからです。

 あなた方が人権問題である拉致問題を解決しない限り、明るい未来を描けない
ばかりか、結果的に体制と安全の保証も得られません。

 金正恩委員長、どうか隠れることなく、勇気ある判断をもって拉致問題解決の
意思決定をして下さい。本当に北朝鮮を統治しているのであれば、過去の負と決
別し、明るい未来を描くためにそして2500万人の北朝鮮国民に自由と平和を享受
させる事が出来る正しいリーダーとなって下さい。

 めぐみの帰国を待つ私の母横田早紀江は85歳と高齢です。肉体的にも精神的に
も疲れ切っています。会えば老いを感じます。どうかせめて母が元気で健康な内
にめぐみと日本で再会させて欲しいと思います。二人で草原に寝そべって「白い
雲が綺麗だね」と言った会話が出来る日が来る事を願います。

 最後に、日本政府におかれましては私達が求める要求の水準のバーを下げるこ
となく、毅然とした態度と強い交渉力で北朝鮮へ要求と交渉を図って欲しいと思
います。北朝鮮による日本人拉致問題はどこかの国が解決してくれる問題ではな
く、日本が主体的になって解決させなくてはならない問題です。強力な政治力と
リーダーシップを求めます。

 本日参加されている皆様、辛い日々が続きますがどうかお身体には留意され、
明るいゴールが来ることを願いながら、健康でお過ごし下さい。

 有難うございました。

◆飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局次長)

 本日はオンライン国際シンポジウムにお集まり頂き、誠に有難うございます。

 私の母、田口八重子は43年前の今日6月29日に突如、1歳だった私と3歳の姉
を残し行方がわからなくなりました。

 当時、彼女の周りの人々は幼子達を残し、行方をくらますことに大きな疑問を
感じていました。

 それから彼女の所在は24年もの間わかりませんでした。

 ですが、それは2002年9月に北朝鮮と日本の間で開催された首脳会談の中で判
明しました。

 北朝鮮は彼女を拉致したことを認め、1987年に北朝鮮国内で交通事故により死
亡したと日本政府へ説明しました。

 その一報を聞いた私は、声や姿がわからぬ母を探し、声や姿もわからぬまま永
遠に会えず終わってしまったのかと落ち込みました。

 彼女の心情を思えば、1歳と3歳の幼子を残したまま、かわいい我が子の成長
を片そばで見られず、抱きしめることも出来ず、家族で笑い合うことも、親子喧
嘩することも出来ず、ただただ24年の間、子を想い、涙を流し続け、悲痛に北朝
鮮で暮らしつづけたことが想像されました。

 しかし、その後真実は異なることが判明しました。

 北朝鮮の報告である「田口八重子、死亡」の情報は一切の根拠のないものでし
た。

 2002年に北朝鮮が提示した「死亡診断書とされる資料」は捏造されたものであ
り、日本が追求した結果として新たに提示された「交通事故報告書」という資料
に田口八重子の名前はありませんでした。

 彼女だけではありません。他の拉致被害者の方々も含め、北朝鮮が誠実に対応
したと言った拉致被害者家族の安否情報には、信ずるに足らない多くの矛盾や誤
りがあるのです。

 それは日本政府の調査でも明らかになっていることです。

 北朝鮮が根拠のない架空のストーリーを作り上げ、早期に問題の幕引きを図ろ
うとしたとしか思えません。

 彼女や拉致被害者の多くは、今も北朝鮮で生きており、北朝鮮で救出される希
望を持ち続け、待っていることでしょう。

 私の家族のように、日本人が北朝鮮に拉致されたケースは、日本政府が認定し
ているだけでも17人に上ります。

 このうち5人は2002年に帰国を果たしましたが、19年経過した今なお、いまだ
12人が帰国できていません。

 北朝鮮は、この未帰還者12人については「8人死亡、4人未入国」と説明し
ていますが、いずれの説明にも不自然な点や矛盾点が多くあり、死亡を裏付ける
ものは何もありません。

 例えば北朝鮮は、2004年に「横田めぐみさんの遺骨だ」と称するものを出して
きましたが、日本政府による鑑定の結果、本人ではない別人のDNAが検出され、
遺骨はめぐみさんのものではないことが明らかになっています。

 更に北朝鮮による拉致事件は日本だけに留まりません。

 帰国した日本人拉致被害者などの証言から、日本以外にも、韓国、タイ、ルー
マニアなどの国民が北朝鮮に拉致された可能性があるとされています。

 また、2014年2月に公表されたCOI報告書では、マレーシア、シンガポール、
フランス、イタリア、オランダ、中国といった諸国にも拉致被害者が存在すると
されております。

 これらのことより、北朝鮮による拉致事件は日本のみならず国際社会全体の問
題と捉える必要があります。

 これまで、北朝鮮は拉致事件も含め他国との交渉や協調に柔軟に応じる姿勢を
なかなか見せて来ませんでした。

 しかし、過去2回の米朝首脳会談が開催され、金正恩委員長が直接、拉致被害
者の解決を促されました。

 これは、北朝鮮が日本人拉致を認めた2002年9月の日朝首脳会談以降、北朝鮮
の首脳自身が拉致問題を再考すべき良い機会の一つになったものと考えられます。

 今こそ、金正恩委員長と北朝鮮は「全拉致被害者の即時一括帰国」の決断を行
い、過去の不要なしがらみから脱却し、新たな建設的な未来へと進むべきです。

 我々被害者家族は、全拉致被害者の即時一括帰国が実現するのであれば、帰っ
てきた拉致被害者から秘密を聞き出すことや日朝国交正常化に反対する意志はあ
りません。強調しますが、我々、家族は拉致被害者と静かな日常生活を送ること
のみをただただ切望しています。

 北朝鮮は過去、核実験やミサイル発射など平和を脅かす行動を行ってきました。

 米国を中心とした国際社会は、これらの脅威をなくすため、一切の妥協なく、
これまでも、これからも鋭意努力をし続けることでしょう。

 この状況と同様に我々被害者家族及び日本政府も、一切の妥協はせず、全拉致

 被害者の即時一括帰国へ向けて鋭意努力しております。

 北朝鮮やその協力勢力は、これまで同様、一方的かつ都合のよい報告書の受領
や一部の被害者のみを帰国させるなど安易な解決を図るための画策を行ってくる
ものと思います。しかし、これに応じるような愚かな考えを我々被害者家族は持
ち合わせておりません。

 日本人拉致事件の発生から、すでに40年ちかく時が経っています。

 被害者家族の中には、被害者との再会を果たせぬままこの世を去った親や兄弟
もいます。横田滋さんや有本嘉代子さんは去年娘に会えないまま、他界されまし
た。

 帰りを待ち続ける家族も高齢化しており、それぞれの余命を考えれば、拉致事
件はこれ以上時間をかけていい問題ではないのです。

 日本人の拉致被害者のみならず、世界の拉致被害者が一刻も早くそれぞれの母
国へ帰国し、家族と再会できるよう、全世界の皆様のご協力賜りますようお願い
致します。

 ご清聴有難うございました。

以上




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