拉致問題の最新情勢と新総理に望むこと?東京連続集会115(2021/10/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.10.07)
コロナ禍で半年ぶりの東京連続集会となりました。
岸田文雄新政権が発足しました。一方、北朝鮮は制裁の効果などにより、内部
矛盾が極限まで高まっています。岸田政権が、最高度の圧力を背景に日朝首脳会
談で、「全被害者の即時一括帰国」を迫るという基本方針を堅持すれば、必ず勝
負の時がきます。拉致問題最新情勢について西岡会長が解説しました。また家族
会から横田拓也さん、横田哲也さんも参加し、近況を報告しました。
■拉致問題の最新情勢と新総理に望むこと
西岡力(救う会会長)
皆さん、こんばんは。自民党の総裁選で岸田さんが総裁に選ばれ、そして首相
になり、新しい拉致担当大臣(官房長官)も決まりました。私たちは総理、大臣
に面会をお願いしていますが、家族会のお二人に今の状況の中で何を考えておら
れるかまずお話をしていただきます。
◆コロナ禍で拉致救出運動が制約されてきた
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
皆様、こんばんは。横田拓也です。双子の兄の方です。今はまだコロナ禍で、
緊急事態宣言が解除されたと言っても行動の制約が続いています。そういう中に
も関わらずお越しいただき、感謝したいと思います。ありがとうございます。
昨年6月に、父の滋が亡くなりもう1年半近くが経過しました。時間が過ぎる
のは早いなと感じます。
その一方で、拉致問題解決に向けた世界的動向とか、国内の政治の状況は、私
の実感としては何一つ変わっていない、国会の議論でも何も進んでいない、深まっ
ていないというのが実感で、それは大変残念なことです。
また私たち家族会・救う会の全国各地での講演や集会が、この1年半はずいぶ
ん制約を受けて、中止または延期になり、私たちが発言する機会がとても狭まっ
てしまい、報道に取り上げられることもものすごく減ってしまったことで、拉致
問題のニュースが埋没し、遠い所に行ってしまったことが残念です。
しかし、緊急事態宣言が解除されましたので、できるだけ行けるところには足
を運んで、改めて仕切り直しをして、私たちの生の声をお伝えしていきたいと考
えています。
◆時間がない
この前の土曜日の「川崎市民の集い」で、私と母が一緒に出掛けて話をしてき
ましたが、母も85歳ということで、まだ元気にやってはいるんですが、隣で見
ていて年々老いを感じています。
昨日の夜も、「ころんでしまった」と連絡がありました。何も問題はないので
すが、顔の一部にけがをしました。病院に行くほどではないようですが、3回目
の転倒だそうです。
1回目と2回目は、子猫を見て、「かわいいね」とかがんだところでころんで
しまったそうです。昨日も似たような状況で、「足がきかなくなってしまった」
と笑いながら言っていました。
笑い話ですめばいいのですが、母が限られた時間の中で、「時間がないんだ」
とお伝えしていますが、まさにそのことが日常の生活の中でも起きています。拉
致問題が早く解決することを願っています。
◆新総理にお伝えしたいこと
また西岡先生が話されましたが、自民党の総裁選挙があり、また新しく菅さん
から岸田総理に代わられたことがニュースになっています。ここで我々が改めて
言いたいのは、今後総理にお会いする機会が来ることを願っているのですが、そ
の場でお伝えしたいことは、家族会・救う会が求めている水準は、部分的な解決
とか段階的解決では決してないんだということです。
このことを改めて、強くお伝えしたいと思っており、「全拉致被害者の即時一
括帰国」という水準は絶対に下げないということです。また安易な解決や妥協は
絶対にしてはならないことをお伝えしたいと思っています。
なぜそれを改めて言いたいかというと、一昨日のBSテレビの中で、あるコメン
テーターが、「『行動対行動』の原則に則って、この問題を解決するために北朝
鮮に調査委員会を作ってもらい、調査を始め、それに呼応する形で日本が制裁を
緩和したらどうか」と言ったからです。また、「何も解決していないのに、滋さ
んが亡くなったということは、やり方を変えるべきだ」と。
私は、こういう考え方には断固として反対です。これも岸田総理にお伝えした
いと思っているのですが、これは北朝鮮の時間稼ぎにつきあうだけですから。
北朝鮮は拉致被害者が、どこで何をしているか、24時間厳重な管理の下で把
握していますので、今更調査などしなくても分かっているんです。そういう中で
調査委員会を立ち上げるというのは、論外です。そういう聞こえのいい話には絶
対に乗らないで、毅然とした態度で北朝鮮と外交交渉してほしいとお伝えしたい
と思っています。
◆核・ミサイル開発は人権無視と表裏一体
また9月中旬からミサイルを何発も発射しています。1発4億円から8億円か
かると言われています。その費用を2,500万人の北朝鮮の人々や拉致被害者
の食生活や医療費に充てれば、人間らしい生活をすることができると思います。
40数年も拉致したあげく、人間扱いされることもなく苦しい毎日を過ごして
いる姉を初めとする被害者のことを考えれば、やはり核開発や弾道ミサイル発射
は人権無視と表裏一体であることを私たちは強く認識して、そういうことなんだ
と私たちから声を発信して、一人でも多くの方々に伝え続けていくことが大事だ
と思っています。
また、今日ここにいらっしゃる皆様やこの番組を見ておられる方々は別かもし
れませんが、日本人拉致問題を、横田さんのところの悲しい事件だととらえるの
はやはりどうかと思います。
日本の主権が侵され、了解を侵犯され、国内から中学生が拉致されているとい
うのは重大な国際犯罪だと思います。人権侵害も横田家だけで起きた問題ではな
いということ、我が事としてとらえていただけるよう、私たちは発言していきた
いと思いますし、皆様からも、意識の持ち方を変えていこうということを発信し
ていただければ幸いです。
私たちは辛くてもあきらめることはできないので、声を発していきますので、
是非引き続き皆様のご理解を頂きたいと思います。ありがとうございました(拍
手)。
◆北朝鮮が接触しようとしない中でも結果を出してほしい
横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)
皆様、こんにちは。弟の哲也です。先日自民党の総裁選があり、また菅総理か
ら岸田総理に代わられました。最初に思ったことは、安倍さん、菅さんでだめだっ
たかと落胆したのも事実です。新しい総理と官房長官となりましたが、日本政府
が100%の力を出して頑張っても、北朝鮮が120%の力で前を走ると追いつ
けない、ということです。
北朝鮮は国内でコロナが蔓延していないと公言しています。ワクチンを分配す
る国際枠組みで、「コバックス(COVAX)」というのがありますが、北朝鮮はそ
れも受け付けない。物と人の流入で罹患させたくないと思っているのでしょうが、
とにかく接点が見いだせない。
日本政府も水面下で色々やっているということを信じたいのですが、やっても
向こうが北朝鮮の中に日本人を入れないとなると、やはり交渉にはならないと思
います。しかしそこを何とかしようという意思で総理はやってほしいと思います。
また、官房長官(拉致担当大臣)になられた方にも頑張ってほしいと思います
が、ネット上では「地味」とか書かれています。しかし、「派手」な人ならやっ
てくれるというものでもないし、新内閣の中枢があの手この手を考えて、結果を
出してほしいと思います。
◆やられてばかりでいいのか
ちょうど政権交代の時に、北朝鮮がミサイルを発射し、それがEEZ(排他的経
済水域)内に落ちたと言われています。それに対し日本政府は、「厳重に抗議し
た」とか、「遺憾」と言っており、それでいいのだろうかと思うわけです。国と
しての当たり前の行動ができるための法改正等をやらないと、長年の挑発は終わ
らないだろうと思います。
来月は姉の誕生月ということもあって、新潟県民集会があり、私もそこに出ま
す。被害者の方たちがもっと苦しんでいることを考えると、新潟から発信するこ
とも力になると思っています。一人でも多くの方に、「拉致問題は今どうなって
いるのか」と関心をもってもらえたらと思います。ありがとうございました(拍
手)。
◆菅総理に面会、その1週間後に辞任
西岡 久しぶりに皆さんに会えてとても嬉しいです。私も、菅総理が総裁選に出
ないと聞いて大変ショックでした。もう少しやってほしいと思っていたし、そう
いう情報を私もつかんでいたので、2、3日、どうしたらいいのかなと茫然自失
でした。
菅総理が、総裁選に出ないと発表された1週間前に、8月28日に呼ばれてお
り、私は公邸でお会いしました。そこで、「制裁は効いていて、本当に北朝鮮は
苦しい状況で、様々な情報を総合すると日本のメッセージが権力中枢に届いてい
る」というようなお話をしました。
「但し北朝鮮は、大規模な経済支援を日本から取りたいと思っているので、安定
政権を相手にしたいと思っている。だから総理が9月の総裁選と首班指名の政局
で頑張ってくだされば、道が開けるかもしれません。総理、頑張ってください」
と申し上げたんです。
そしたら総理が、「分かりました。私が耐えなければならないんですね」とおっ
しゃったんです。「頑張らなきゃならないんですね」とはおっしゃらなかったん
です。
その時は何の意味か分からなかったのです。でもその1週間後に退陣されたと
いうことで、政治の世界の様々なことがあったのだなと思いました。
私は7月にも呼ばれているので、私を呼んだのは、もう一度自分を奮い立たせ
る。厳しい状況ではあるけれど、拉致があるのだからここで放り投げてはいけな
いんじゃないか、と思ったのかなあとも思いました。
◆自分で解決したいと
私は7月にも同じことをお話ししています。呼ばれた時は基本的に私が話すの
です。総理は今やっていることをおっしゃらないのです。当たり前のことで、色
々な人の話を聞かれるわけです。今日は拉致問題対策本部の室長も来てくださっ
ていますが、「石川事務局長も2週間に1回くらい呼んで話を聞いています」と。
当然外務省からも話を聞いていますし、警察や内閣情報室等色々なところから話
を聞いた上で、民間の話も聞いてみようと。菅さんはそういうタイプの人ですか
ら。
そしてストンと納得したら、仕事人ですからその方向で、誰が何を言おうとや
るという方です。それまではアンテナを張って、様々な人の話を聞くということ
で、私の話も一つの意見としてお聞きになっていました。
でも7月にも聞いているわけですからそんなに情勢は変わっていないわけです。
今だから思うのですが、自分で解決したいという強い意志を持っていらしたのは
間違いないので、もう1回そう思われたのかな、と。それが、「耐えなければな
らない」という言葉に表れたのかなと、何か胸が締め付けられる思いがします。
しかし、現実の政治と言うのは厳しいですから、新しいことが動いていったわけ
です。
◆岸田総理は最初の記者会見で拉致に言及
総裁選では4人の候補者が出ましたが、その内2人は総裁選の間、ずっとブルー
リボンバッジを付けて選挙戦を戦われた。そしてその内の一人が当選されたこと
は大変喜んでいます。
そして総理就任の最初の記者会見で、質問を受けてではなく、自分から、「拉
致問題は私の政府の最重要課題です」と冒頭発言でおっしゃったので、日本にとっ
ての重要課題だといおうことをよく理解されているのだなと思いました。
拓也さんがおっしゃいましたが、「横田家の可哀そうなできごと」ではなく、
主権侵害であり国民の人権侵害が40年以上続いていることの重大性を分かって
おられる。もちろん外務大臣の時にこの問題に関わっておられましたし、安倍さ
んの側で、安倍さんが拉致問題を一生懸命やっていたことを分かっていたと思い
ますが、質問に答える形ではなく、自分から話をしてくださったことも、よかっ
たなと思いました。
◆拉致議連、党拉致対も政府を後押し
拉致担当大臣になられた松野(博一)先生には、私は面識がありません。就任
された後電話をいただきましたので、ご挨拶はさせていただきました。すぐ拉致
議連の幹部の先生の所に会って、どんな人か聞きましたし、昨日拉致議連の古屋
圭司会長・元拉致問題担当大臣と、自民党拉致問題対策本部の山谷えり子本部長
・拉致問題担当大臣にもお会いしてどういう人か聞きました。
ところがお二人とも松野先生が就任後すぐ会っておられて、これまでのいきさ
つを全部話されたそうです。「松野先生は我々の国民運動の近くにはいなかった
けれども、白紙みたいな方で、我々がやってきたことを全部話しました」、また
「自分たちが党で支える」とおっしゃっていました。
山谷先生は大臣を止められた後、自民党の拉致対の本部長なんですね。党の中
の責任者なんです。「それを代わらないでください」と言ったら、「これは総裁
人事だから」ということでした。そして超党派の拉致議連の会長が古谷先生です。
両方とも大臣経験者で大変心強いことですので、今の体制でやってほしいと思っ
ています。
最後は総理が金正恩委員長と向き合うしかないわけですが、岸田新総理も、記
者会見の中で、「私が金正恩委員長と向き合う」ということをおっしゃっていま
した。
調査委員会をもう一度立ち上げるとか、報告書を受け取るというような話をし
たら困るなと思っていたんですが、そうではなく、ストックホルム合意があった
けどうまくいかなくなって、その後トランプ大統領が金正恩に二度会って、三回
も日本の安倍総理のメッセージ、つまり「拉致問題を本当に解決したい。あなた
と私で会いましょう」ということが金正恩に伝わって、その後安倍総理が、「条
件なしに首脳会談をする」と言って、さらに菅総理も「無条件で首脳会談をする」
と言っていたその延長線上のことを、岸田総理も最初から言ってくださったので、
私は一定程度安心しました。
(2につづく)
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
コロナ禍で半年ぶりの東京連続集会となりました。
岸田文雄新政権が発足しました。一方、北朝鮮は制裁の効果などにより、内部
矛盾が極限まで高まっています。岸田政権が、最高度の圧力を背景に日朝首脳会
談で、「全被害者の即時一括帰国」を迫るという基本方針を堅持すれば、必ず勝
負の時がきます。拉致問題最新情勢について西岡会長が解説しました。また家族
会から横田拓也さん、横田哲也さんも参加し、近況を報告しました。
■拉致問題の最新情勢と新総理に望むこと
西岡力(救う会会長)
皆さん、こんばんは。自民党の総裁選で岸田さんが総裁に選ばれ、そして首相
になり、新しい拉致担当大臣(官房長官)も決まりました。私たちは総理、大臣
に面会をお願いしていますが、家族会のお二人に今の状況の中で何を考えておら
れるかまずお話をしていただきます。
◆コロナ禍で拉致救出運動が制約されてきた
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)
皆様、こんばんは。横田拓也です。双子の兄の方です。今はまだコロナ禍で、
緊急事態宣言が解除されたと言っても行動の制約が続いています。そういう中に
も関わらずお越しいただき、感謝したいと思います。ありがとうございます。
昨年6月に、父の滋が亡くなりもう1年半近くが経過しました。時間が過ぎる
のは早いなと感じます。
その一方で、拉致問題解決に向けた世界的動向とか、国内の政治の状況は、私
の実感としては何一つ変わっていない、国会の議論でも何も進んでいない、深まっ
ていないというのが実感で、それは大変残念なことです。
また私たち家族会・救う会の全国各地での講演や集会が、この1年半はずいぶ
ん制約を受けて、中止または延期になり、私たちが発言する機会がとても狭まっ
てしまい、報道に取り上げられることもものすごく減ってしまったことで、拉致
問題のニュースが埋没し、遠い所に行ってしまったことが残念です。
しかし、緊急事態宣言が解除されましたので、できるだけ行けるところには足
を運んで、改めて仕切り直しをして、私たちの生の声をお伝えしていきたいと考
えています。
◆時間がない
この前の土曜日の「川崎市民の集い」で、私と母が一緒に出掛けて話をしてき
ましたが、母も85歳ということで、まだ元気にやってはいるんですが、隣で見
ていて年々老いを感じています。
昨日の夜も、「ころんでしまった」と連絡がありました。何も問題はないので
すが、顔の一部にけがをしました。病院に行くほどではないようですが、3回目
の転倒だそうです。
1回目と2回目は、子猫を見て、「かわいいね」とかがんだところでころんで
しまったそうです。昨日も似たような状況で、「足がきかなくなってしまった」
と笑いながら言っていました。
笑い話ですめばいいのですが、母が限られた時間の中で、「時間がないんだ」
とお伝えしていますが、まさにそのことが日常の生活の中でも起きています。拉
致問題が早く解決することを願っています。
◆新総理にお伝えしたいこと
また西岡先生が話されましたが、自民党の総裁選挙があり、また新しく菅さん
から岸田総理に代わられたことがニュースになっています。ここで我々が改めて
言いたいのは、今後総理にお会いする機会が来ることを願っているのですが、そ
の場でお伝えしたいことは、家族会・救う会が求めている水準は、部分的な解決
とか段階的解決では決してないんだということです。
このことを改めて、強くお伝えしたいと思っており、「全拉致被害者の即時一
括帰国」という水準は絶対に下げないということです。また安易な解決や妥協は
絶対にしてはならないことをお伝えしたいと思っています。
なぜそれを改めて言いたいかというと、一昨日のBSテレビの中で、あるコメン
テーターが、「『行動対行動』の原則に則って、この問題を解決するために北朝
鮮に調査委員会を作ってもらい、調査を始め、それに呼応する形で日本が制裁を
緩和したらどうか」と言ったからです。また、「何も解決していないのに、滋さ
んが亡くなったということは、やり方を変えるべきだ」と。
私は、こういう考え方には断固として反対です。これも岸田総理にお伝えした
いと思っているのですが、これは北朝鮮の時間稼ぎにつきあうだけですから。
北朝鮮は拉致被害者が、どこで何をしているか、24時間厳重な管理の下で把
握していますので、今更調査などしなくても分かっているんです。そういう中で
調査委員会を立ち上げるというのは、論外です。そういう聞こえのいい話には絶
対に乗らないで、毅然とした態度で北朝鮮と外交交渉してほしいとお伝えしたい
と思っています。
◆核・ミサイル開発は人権無視と表裏一体
また9月中旬からミサイルを何発も発射しています。1発4億円から8億円か
かると言われています。その費用を2,500万人の北朝鮮の人々や拉致被害者
の食生活や医療費に充てれば、人間らしい生活をすることができると思います。
40数年も拉致したあげく、人間扱いされることもなく苦しい毎日を過ごして
いる姉を初めとする被害者のことを考えれば、やはり核開発や弾道ミサイル発射
は人権無視と表裏一体であることを私たちは強く認識して、そういうことなんだ
と私たちから声を発信して、一人でも多くの方々に伝え続けていくことが大事だ
と思っています。
また、今日ここにいらっしゃる皆様やこの番組を見ておられる方々は別かもし
れませんが、日本人拉致問題を、横田さんのところの悲しい事件だととらえるの
はやはりどうかと思います。
日本の主権が侵され、了解を侵犯され、国内から中学生が拉致されているとい
うのは重大な国際犯罪だと思います。人権侵害も横田家だけで起きた問題ではな
いということ、我が事としてとらえていただけるよう、私たちは発言していきた
いと思いますし、皆様からも、意識の持ち方を変えていこうということを発信し
ていただければ幸いです。
私たちは辛くてもあきらめることはできないので、声を発していきますので、
是非引き続き皆様のご理解を頂きたいと思います。ありがとうございました(拍
手)。
◆北朝鮮が接触しようとしない中でも結果を出してほしい
横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)
皆様、こんにちは。弟の哲也です。先日自民党の総裁選があり、また菅総理か
ら岸田総理に代わられました。最初に思ったことは、安倍さん、菅さんでだめだっ
たかと落胆したのも事実です。新しい総理と官房長官となりましたが、日本政府
が100%の力を出して頑張っても、北朝鮮が120%の力で前を走ると追いつ
けない、ということです。
北朝鮮は国内でコロナが蔓延していないと公言しています。ワクチンを分配す
る国際枠組みで、「コバックス(COVAX)」というのがありますが、北朝鮮はそ
れも受け付けない。物と人の流入で罹患させたくないと思っているのでしょうが、
とにかく接点が見いだせない。
日本政府も水面下で色々やっているということを信じたいのですが、やっても
向こうが北朝鮮の中に日本人を入れないとなると、やはり交渉にはならないと思
います。しかしそこを何とかしようという意思で総理はやってほしいと思います。
また、官房長官(拉致担当大臣)になられた方にも頑張ってほしいと思います
が、ネット上では「地味」とか書かれています。しかし、「派手」な人ならやっ
てくれるというものでもないし、新内閣の中枢があの手この手を考えて、結果を
出してほしいと思います。
◆やられてばかりでいいのか
ちょうど政権交代の時に、北朝鮮がミサイルを発射し、それがEEZ(排他的経
済水域)内に落ちたと言われています。それに対し日本政府は、「厳重に抗議し
た」とか、「遺憾」と言っており、それでいいのだろうかと思うわけです。国と
しての当たり前の行動ができるための法改正等をやらないと、長年の挑発は終わ
らないだろうと思います。
来月は姉の誕生月ということもあって、新潟県民集会があり、私もそこに出ま
す。被害者の方たちがもっと苦しんでいることを考えると、新潟から発信するこ
とも力になると思っています。一人でも多くの方に、「拉致問題は今どうなって
いるのか」と関心をもってもらえたらと思います。ありがとうございました(拍
手)。
◆菅総理に面会、その1週間後に辞任
西岡 久しぶりに皆さんに会えてとても嬉しいです。私も、菅総理が総裁選に出
ないと聞いて大変ショックでした。もう少しやってほしいと思っていたし、そう
いう情報を私もつかんでいたので、2、3日、どうしたらいいのかなと茫然自失
でした。
菅総理が、総裁選に出ないと発表された1週間前に、8月28日に呼ばれてお
り、私は公邸でお会いしました。そこで、「制裁は効いていて、本当に北朝鮮は
苦しい状況で、様々な情報を総合すると日本のメッセージが権力中枢に届いてい
る」というようなお話をしました。
「但し北朝鮮は、大規模な経済支援を日本から取りたいと思っているので、安定
政権を相手にしたいと思っている。だから総理が9月の総裁選と首班指名の政局
で頑張ってくだされば、道が開けるかもしれません。総理、頑張ってください」
と申し上げたんです。
そしたら総理が、「分かりました。私が耐えなければならないんですね」とおっ
しゃったんです。「頑張らなきゃならないんですね」とはおっしゃらなかったん
です。
その時は何の意味か分からなかったのです。でもその1週間後に退陣されたと
いうことで、政治の世界の様々なことがあったのだなと思いました。
私は7月にも呼ばれているので、私を呼んだのは、もう一度自分を奮い立たせ
る。厳しい状況ではあるけれど、拉致があるのだからここで放り投げてはいけな
いんじゃないか、と思ったのかなあとも思いました。
◆自分で解決したいと
私は7月にも同じことをお話ししています。呼ばれた時は基本的に私が話すの
です。総理は今やっていることをおっしゃらないのです。当たり前のことで、色
々な人の話を聞かれるわけです。今日は拉致問題対策本部の室長も来てくださっ
ていますが、「石川事務局長も2週間に1回くらい呼んで話を聞いています」と。
当然外務省からも話を聞いていますし、警察や内閣情報室等色々なところから話
を聞いた上で、民間の話も聞いてみようと。菅さんはそういうタイプの人ですか
ら。
そしてストンと納得したら、仕事人ですからその方向で、誰が何を言おうとや
るという方です。それまではアンテナを張って、様々な人の話を聞くということ
で、私の話も一つの意見としてお聞きになっていました。
でも7月にも聞いているわけですからそんなに情勢は変わっていないわけです。
今だから思うのですが、自分で解決したいという強い意志を持っていらしたのは
間違いないので、もう1回そう思われたのかな、と。それが、「耐えなければな
らない」という言葉に表れたのかなと、何か胸が締め付けられる思いがします。
しかし、現実の政治と言うのは厳しいですから、新しいことが動いていったわけ
です。
◆岸田総理は最初の記者会見で拉致に言及
総裁選では4人の候補者が出ましたが、その内2人は総裁選の間、ずっとブルー
リボンバッジを付けて選挙戦を戦われた。そしてその内の一人が当選されたこと
は大変喜んでいます。
そして総理就任の最初の記者会見で、質問を受けてではなく、自分から、「拉
致問題は私の政府の最重要課題です」と冒頭発言でおっしゃったので、日本にとっ
ての重要課題だといおうことをよく理解されているのだなと思いました。
拓也さんがおっしゃいましたが、「横田家の可哀そうなできごと」ではなく、
主権侵害であり国民の人権侵害が40年以上続いていることの重大性を分かって
おられる。もちろん外務大臣の時にこの問題に関わっておられましたし、安倍さ
んの側で、安倍さんが拉致問題を一生懸命やっていたことを分かっていたと思い
ますが、質問に答える形ではなく、自分から話をしてくださったことも、よかっ
たなと思いました。
◆拉致議連、党拉致対も政府を後押し
拉致担当大臣になられた松野(博一)先生には、私は面識がありません。就任
された後電話をいただきましたので、ご挨拶はさせていただきました。すぐ拉致
議連の幹部の先生の所に会って、どんな人か聞きましたし、昨日拉致議連の古屋
圭司会長・元拉致問題担当大臣と、自民党拉致問題対策本部の山谷えり子本部長
・拉致問題担当大臣にもお会いしてどういう人か聞きました。
ところがお二人とも松野先生が就任後すぐ会っておられて、これまでのいきさ
つを全部話されたそうです。「松野先生は我々の国民運動の近くにはいなかった
けれども、白紙みたいな方で、我々がやってきたことを全部話しました」、また
「自分たちが党で支える」とおっしゃっていました。
山谷先生は大臣を止められた後、自民党の拉致対の本部長なんですね。党の中
の責任者なんです。「それを代わらないでください」と言ったら、「これは総裁
人事だから」ということでした。そして超党派の拉致議連の会長が古谷先生です。
両方とも大臣経験者で大変心強いことですので、今の体制でやってほしいと思っ
ています。
最後は総理が金正恩委員長と向き合うしかないわけですが、岸田新総理も、記
者会見の中で、「私が金正恩委員長と向き合う」ということをおっしゃっていま
した。
調査委員会をもう一度立ち上げるとか、報告書を受け取るというような話をし
たら困るなと思っていたんですが、そうではなく、ストックホルム合意があった
けどうまくいかなくなって、その後トランプ大統領が金正恩に二度会って、三回
も日本の安倍総理のメッセージ、つまり「拉致問題を本当に解決したい。あなた
と私で会いましょう」ということが金正恩に伝わって、その後安倍総理が、「条
件なしに首脳会談をする」と言って、さらに菅総理も「無条件で首脳会談をする」
と言っていたその延長線上のことを、岸田総理も最初から言ってくださったので、
私は一定程度安心しました。
(2につづく)
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■菅首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
[PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
[携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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