救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

岸田総理との面会後の記者会見概要(2021/10/20)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2021.10.20)

 家族会は10月18日、17時から岸田新総理と面会しました。面会後の会見
の概要は以下の通りです。

■岸田総理との面会後の記者会見概要

司会(平田隆太郎事務局長) 冒頭、横田拓也さんに本日の概要についてご説明
をお願いします。

◆岸田総理と1時間面会

横田哲也 お世話になります。家族会の事務局長を務めております横田拓也と申
します。お待たせしてしまって申し訳ございませんでした。本日は17時からの
予定でしたが、大幅に予定時間を延長する形で、17時58分まで約1時間の時
間を頂く形で、岸田総理と面会させて頂きました。家族会からは9家族15人が
参加しました。面会終了後何名かは帰りましたが、このメンバーで今日、岸田総
理に会った感想などを述べさせていただきたいと思っています。

 あらかじめ申し上げておきますが、我々が話したことについてはお話しできま
すが、岸田総理ほか相手方がお話したことについては我々から公表することはで
きないので、そのような形でのご質問はお控えいただければと思っています。よ
ろしくお願いします。

司会 先に家族会の飯塚代表と横田早紀江さんにお話しいただいて、その上で順
にマイクを回したいと思います。では、飯塚代表、お願いいたします。

◆皆さんと思いを共有しながら政府の具体的な動きを注視したい

飯塚繁雄 今日、岸田総理大臣が家族会と面会していただいたというのは、総理
就任後選挙もあり忙しい中で、大変早かったと思います。そういう意味では、拉
致問題を重要視しているという意志の表れだと思っています。

 私たち家族会のメンバーからは、これだけ長い間待たされていることの背景、
何とかしてほしいという思いがそれぞれの人から話されました。

 雰囲気としては、拉致問題は国の重要課題であるという政府の態度については
変わりありませんという雰囲気でした。岸田総理も、毎回総理大臣がおっしゃっ
ていることを、どっちかというとそのまま言及しているという感じでした。

 私たちが言ったのは、具体的に進めてくださいということ。「やります、やっ
てます」じゃなくて、「いつやるの、どこまでやるの」と。

 そういうことを踏まえながら、外の国に対しても支援、応援をより具体的にす
る。「日本の態度が分かりました、協力します」というだけでは何ら進歩もあり
ませんので、何を、どうしてほしいのかということを日本政府から各国の担当あ
るいはトップにお願いしてほしい。それをいつまでにやるということを含めて。

 特に私の願いですけども。そういうふうに、「やりますよ」という言葉だけで
はだめだと。「いつまでに何をどうして行くんだというような具体的な計画のも
とに進めてほしい」と。これは毎回言っているんですけれども、残念ながら結局
は何も動きがなかったということになってしまいました。

 そういう点では、チェックというのは変ですけれども、こうやって、やってく
れているんだな、もう少し経てばこうなるんだな、というようなことを見極めな
がら、皆さんと思いを共通しながら注視していくということができればと思いま
す。

 ですから、進めていくための強い意志と、強い覚悟をぜひ持っていただいて、
総理も「一所懸命やりますよ、全身全霊をもってやります」と言いますので、そ
れとともに一緒になって見ていきたい、注視していきたいというふうに私は思い
ます。

 そうは言っても、私も体がいうことを聞かなくて、どうしようもないんです。
そういうことで、そういった状況も踏まえて、皆さんと一緒に、もう一回、諦め
るわけにいかないこの問題について戦っていきたいと考えています。よろしくお
願いします。有難うございました。

司会 次に横田早紀江さんお願いします。

◆希望を持って待ちたい

横田早紀江(横田めぐみさん母)

 皆さん、こんばんは。お忙しい中、拉致問題に大きな関心を持っていただき、
応援していただいて、本当にありがとうございます。あまりにも長い年月が経ち、
何も分からない、何がどう動いているのかも分からない状態なので、具体的なこ
とを教えてほしいとお願いしました。

 変なことを言っている人もいますが、拉致は大変なことなのです。希望を持っ
て待てるようお願いしました。

司会 では斎藤さんから順にお願いします。

◆家族に会いたい

斉藤文代(松木薫さん姉)

 私たちは家族に会いたいのです。また私も歳ですし、どこまで待てるか分かり
ませんので、家族に会って、自分が満足して、またお父さん、お母さんにも報告
ができるということを願っていますので総理に頑張っていただきたいと思ってい
ます。宜しくお願いいたします。

◆覚悟を持ってやってほしい

増元照明(増元るみ子さん弟)

 まず総理に申し上げたのは、総理が先日の会見で、「アメリカの出方を見なが
らその中で日本がどうするか考えたい」とおっしゃったことについて、それは他
人事でしょうと言いました。

 被害国の総理が、「他国の出方を見極めながら」というのは、家族と政府、政
治家の方々との思いの乖離が大きいと思っています。

 生方議員の発言ですが、「自民党の議員も被害者が生きているとは思っていな
い」とおっしゃった。私もそう思います。そういう感覚を持っていた。そうでな
ければ(5人が帰ってから)19年も放置するわけがないんです。わが国は残念
ながら、19年間何もしていないような、そんな国なんです。

 総理が「覚悟」という言葉を使われましたので、「覚悟を持ってやってほしい」
と申し上げました。

◆兄弟も亡くなると、帰ってきた時にどんなに悲しむか

市川健一(市川修一さん兄)

 鹿児島から来ました市川です。よろしくお願いいたします。19年前の200
2年、5人の被害者が帰国してから、その後だれも帰国を果たしていません。私
たち家族も高齢になっています。本当に時間がないんです。

 政府はあらゆる手立てを講じて被害者を取り戻し、家族と再会させていただき
たいとお願いしました。

 私たちは親も亡くし、兄弟だけになりました。その兄弟も亡くなってしまえば、
帰ってきた時にどんなに悲しむかと思うと、一刻も早く救出していただき、私た
ちが健在な内に会わせていただきたいと強く願っています。

◆連絡事務所や調査委員会のような甘い誘いに乗ってほしくない

横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会事務局長)

 本日、岸田総理はお忙しい時間の中で、私たちに1時間の時間を与えてくださっ
て、感謝したいと思います。

 私が総理に申し上げたのは、私の姉めぐみが拉致されたのは13歳で、今年1
0月5日で57歳の誕生日を迎え、既に44年が経過している、すごく長い時間
を過ごしているということです。

 家族会が結成されたのは1997年ですが、それから24年が経過しています。
また、2002年9月の日朝首脳会談から19年が経過しています。この間家族
会・救う会は11人の総理と面会して、「被害者を取り戻してください」と訴え
続けてもまだできていません。

 今後あらゆる交渉をしていく中で、1つお願いしました。それは家族会、救う
会、拉致議連の基本方針でもありますが、こうした膠着状態の中で、北朝鮮側や
日本国内から聞こえのいい話が聞こえてくることです。日朝双方に連絡事務所を
設置するとか、調査委員会を立ち上げてはどうか、それによって何か手掛かりが
見つかるのではないかという話です。こういう提案には絶対に乗ってほしくない
ということです。家族会は反対しているとお伝えしました。

 北朝鮮当局は24時間、拉致被害者がいつ、どこで、何をしているかが分かっ
ているわけで、あたかも分かっていないかのような調査委員会の立ち上げなどは
時間稼ぎにしかならないわかです。そういう甘い誘いに乗ってほしくないと申し
上げました。

 またこの問題は首脳同士でないと解決できないので、(拉致被害者を返せば)
日朝双方に平和な未来が描けるのだということを是非岸田総理方お伝えしていた
だきたいとお伝えしました。

◆「解決済み」をどう突き崩すか

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 本日岸田総理は、「拉致問題は岸田内閣の最重要課題である」とおっしゃいま
したので、「それで安心しました」と申し上げました。

 一方北朝鮮は相変わらず「解決済み」と言っていますので、そこをどう突き崩
すのかが大事だと思います。しかし、この問題が解決しなければ主権国家とはい
えないので、政治力、外交力を駆使して解決してほしいと申し上げました。

 日本と国連の制裁が効いていて、外貨や物資が少なくなってかなり追い詰めら
れていると思いますが、一方でミサイルを発射する資金はどこかの国やどこかの
人が流入させているということでしょうから、今以上に国際連携を強めて「瀬取
り」等を防いで、北朝鮮を追い詰めてほしいと申し上げました。

◆日本は無防備な国

松本孟(松本京子さん兄)

 今日岸田総理に申し上げたことではないのですが、私は日本海側に住んでいて
田舎です。小学校の終わりから中学校に入るくらいの頃、海岸に鉄板でできたよ
うな大きな船が通っていて、今思えばその船は北朝鮮の工作船だったのだろうな
と思いました。

 波が静かな時は、沖の方からでも人の声が聞こえるのですが、後でよく知って
いる人に聞いたら、「その言葉は日本語ではなかった」とおっしゃっていました。
その頃から工作船が日本海に入ってきていたわけで、日本というのは外国に狙わ
れやすい国だったのだなと思いました。そういう中で妹が連れていかれたのかは
分かりませんが、日本は無防備な国だなと思いますし、日本人が外国に連れてい
かれても政府は全然手が出せない。こんなことでいいのかなと思います。

 そういうことを最近思うようになり、もっと警備ができた国だったら、何十人、
何百人という人が外国に連れていかれるようなことはなかったのではないかと思
います。人の命は大事なものです。飛行機を飛ばして連れ帰ることができるよう
な国であってほしいと思います。

◆44年も何もできないのは恥ずかしいこと

浜本七郎 (浜本富貴恵さん兄、家族会副会長)

 皆さん、こんばんは。私は帰国組の家族ですが、1978年に妹富貴恵が拉致
されました。77年にめぐみさん、78年に新潟、福井、鹿児島で拉致がありま
した。2002年に妹が帰国でき、すごく感動しましたが、5人だけです。

 そして年々家族が高齢化しています。44年も放置しておいて、何もできない
というのは、諸外国に対して恥ずかしいことですが、恥ずかしいと思わないので
しょうか。そういう自覚をしていただいて、覚悟して、岸田総理に拉致問題に取
り組んでもらいたいとお願いしました。

◆全員一括帰国こそ

飯塚耕一郎(田口八重子さん長男、家族会事務局次長)

 2002年以降19年が経ち、とても時間がかかっています。安倍政権、菅政
権でも、「最重要課題」としながらもまだ解決していません。努力には感謝して
いますが、結果は出ていませんので、一日も早く解決してほしいと申し上げまし
た。

 また、合同調査委員会とか連絡事務所の設置では従来の時間稼ぎに利用される
ことで、我々家族は求めておらず、我々は全員一括帰国を求めていると申し上げ
ました。

 以下は政府拉致問題対策本部のホームページから引用した当日の岸田総理の発
言です。

◆岸田総理発言から

 10月18日(月)、岸田総理大臣は、総理官邸にて、「北朝鮮による拉致被
害者家族連絡会」(家族会)の御家族と面会しました。

 冒頭、岸田総理大臣から「私の内閣においても変わりなく、拉致問題は最重要
課題」、「被害者の御帰国を待ち望んでいる御家族の皆様の思いを、これからも
しっかりと胸に刻み、私自身先頭に立って取り組んでいかなくてはならないとい
う強い覚悟」、「全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、私自身、条
件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意」、「関係国との連携の中で、あ
らゆるチャンスをつかんで、被害者の帰国を実現しなければならない」旨の挨拶
がありました。

 これを受け、家族会の飯塚繁雄代表から、「岸田総理には、さっそく拉致問題
を意識してもらい、面会を実現していただいたことは心強い」、「諸外国の力も
借りながら、工程表を組んで、いつまでに何をするのか、目で見てわかるように
してほしい」旨の発言がありました。

 これに続いて横田早紀江さんから、「1対1の、岸田総理と金正恩委員長との
間の、人間と人間との対話の中で、日本の強い姿勢をはっきりと表し、解決に向
けて頑張っていただきたい」、「私たちも、どこまで行けるか分からない状態な
ので、元気な間に喜びをいただければ嬉しく思う」旨の発言がありました。

以上


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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿

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