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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望1(2022/01/31)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.01.31)

 昨年12月18日、飯塚繁雄前代表がご逝去さた。私たちは、「全拉致被害者
の即時一括帰国」という目標に向かって「あきらめず」、これからも頑張ります。
今回は、「飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望」というタイトルで西岡会長が
解説し、また家族会から横田哲也事務局次長が参加、福岡県行橋市議会議員の小
坪慎也氏も参加した。

■飯塚前代表追悼?拉致問題新年の展望1

◆最後の国民大集会で「あきらめない」と3回も

西岡力(救う会会長)

 皆さん、こんばんは。寒い中、また疫病の嵐の中集まっていただき、ありがと
うございます。

 司会からも話がありましたように、昨年12月18日、家族会の飯塚繁雄前代
表がご逝去されました。

 実は今年3月で家族会、救う会ができて25年になります。初代の横田滋代表
は、10年8か月代表を務められました。2代目の飯塚繁雄代表は14年務めら
れました。飯塚代表の方が長いのですが、横田代表の最初の5年間は金正日が拉
致を認める前の一番苦しい時期、世の中に「拉致などない」といわれた時期の代
表ですから、それなりの大変さがありました。

 飯塚代表は14年間、誠実に代表としての役割を果たしてくださって、あのお
人柄があったから、ずっと国民の支持を受け続けてきたのではないかと思ってい
ます。飯塚さんに甘えすぎてしまった部分もあるのかなと思ったりもしています。

 配布資料に、「飯塚繁雄さん逝去に思う」という一文にも書きましたが、飯塚
さんが最後に公式の場でお話しされたのは、11月13日の国民大集会です。そ
こで6分間挨拶されたのですが、その中で3回、「あきらめない」と言っていま
す。

 それが私たちに対する最後の訴えだったのかなあと今も思っています。この挨
拶は、6分だけ抜き出して救う会のホームページに掲載しています。

 この日は官房長官との面会があったので、飯塚さんがお昼に来てくださったの
ですが、体調があまりすぐれなくて、「あきらめない」という挨拶をされた後、
すぐ途中で帰られました。

 このところずっと、そういうことが続いていました。トランプ大統領と2回面
会しましたが、最初の面会の時も、迎賓館で待っている間、椅子を並べて横になっ
ていたと後で聞きました。政府が大変配慮してくださって、飯塚さんが出てこら
れるときは医療関係の人も付けてくださるようなことがずっとあったのです。

 しかし、代表としてどうしても来ていただかなければならない時は、無理をし
ていただいていました。何回か、「辞めたい」とおっしゃったこともあったので
すが、私たちは、「いや飯塚さんしかいないんです」と言って引き止めたのです
が、今から思うと、どうだったのかなと思ったりします。

 ここ(配布資料)にも書きましたが、飯塚さんは、「拉致問題は今となっては
諦めるわけにはいかないのです」、「我々としては厳しい立場になりつつありま
すが、この問題は絶対に諦められないという思いを皆様が背負っていただいて、
何が何でも解決するんだという意気込みを頂きたいと思います」、「我々が諦め
ないことこそ解決につながるんだと感じます」とおっしゃっています。

 私はその後、確か三日か四日あとに電話をしました。12月に北朝鮮人権週間
があり、そこで家族会、救う会、拉致議連3団体主催のセミナーを毎年やってい
まして、その企画を相談し、一昨年もそうだったのですが、体調のことがあるの
で、「欠席でいいですよ」と言いましたら、「体調がいいんだ」、「いけるかも
しれない」と言っていたのです。

 それで安心をしていたら、数日後突然家で倒れられて、肺の病気になられたよ
うでしたが、入院されたという話を聞きました。そのまま一度も退院されること
なく病室におられて、そして後のことも考えられて、治ったとしても活動は無理
じゃないかと判断されて、連絡があって、「代表を若い人に譲りたい」というこ
とでした。

 最後の記者会見の時に耕一郎さんが言っていましたが、「代表 横田拓也」と
書いたメモが見つかったそうです。飯塚さんの口癖の一つは、「(救出の)工程
表を作ってほしい」と言っていましたが、自分は入院していながらも次のことを
考えて、代表を誰にするかも考えていたんだなあと思いました。

◆あのお人柄でずっと国民の支持を受け続けた

 我々のセミナーの翌日、12月11日、政府のシンポジウムがあり、家族会の
人たちが集まって臨時総会をやり、新しい代表を決めて、ちょうどその1週間後
に帰らぬ人となってしまいました。

 その時は新しい代表がコメントを出すことができて、代表空席は1日も起きな
かったのです。色々のことを考えてしてくださったのだなあと思います。本当に、
「配慮の人」だったのだなあと思います。

 人の悪口を一度も聞いたことがないですね。みんな色々思うことがあり、長く
かかってうまくいっていないわけですが、誰かに怒りをぶつけるとか、そういう
ことがなく、いつも自分たちはお願いする立場だと、丁寧な言葉を使い、しかい
言うべきことは言うということをしてくださっていました。

 ここでも書きましたが、「飯塚さんがいたからこそ、救出運動は多くの人に支
持され、ここまでやってくることができた」と本当に思っています。

 そしてこれは横田滋さんや有本嘉代子さんがご逝去された時も感じましたが、
25年間一緒に活動をしてきましたので、こういう例えはよくないかもしれませ
んがそういう実感なので言いますと、「隣にいた人が倒れてしまって担架に乗せ
られていなくなった。それでも我々は戦場を離れられない」というような感覚を
持ちました。

 今までも増元さんのお父さんとか、家族の方たちに色々なことがありましたが、
特に横田滋さんと有本嘉代子さんは最初からずっと運動の一線で一緒にやってき
て、何回も海外に行ったりしていましたからそう思ったのですが、飯塚さんは1
4年間も代表としてずっとお世話になってきたので、つくづくそう思います。八
重子さんに会わせることができなかったので、本当に悔しいと思っています。

 では、横田哲也さんが来てくださいましたので、飯塚さんのこと、また最近思っ
ておられることをお願いしたいと思います。

◆一言で言えば、温厚でやさしい人

横田哲也(横田めぐみさん弟、家族会事務局次長)

 皆さま、こんばんは。今、西岡先生からもお話しがありましたが、飯塚前代表
のことについてお話ししたいと思います。

 飯塚さんがどういう人かを一言で言えば、温厚でやさしい人です。家族会の総
会で色々な議論がある時に、みんな日本人拉致被害者を救出したいという思いは
同じでも、そのための道のり、つまり意見が違うことはありました。しかし、飯
塚代表だったからこそ、それらを一つにまとめる力があったと思います。

 大きく喧嘩して分かれることもなかった。そういう意味では、重要な人材、ポ
ジションだったなと思っています。

 私の父も外ではにこにこしている人でした。家の中でもそうでしたが、個人の
感情としては怒りたくなることもあったかもしれませんが、飯塚代表も怒ること
は全くなく、丸く収めてこられました。

 飯塚前代表のお通夜に、私と母と拓也と行かせていただいたことについては、
先日の記者会見でもお話をしましたが、眠られているお顔を見る時、つらいもの
がありました。

 私の母は気丈な人だと思っていますが、その母もお顔を見て涙ぐんでいました。

 西岡先生がお話しされたように、戦場で同志を失ったような思いだったのでは
ないかと思っています。

 飯塚代表から兄の拓也に代表を託されたわけですが、毅然とした人間だし、政
府には「こうすべき」と強く訴えるだろうと思いますが、家族会は国民の皆様の
心を集めることで動くことはできても、被害者を交渉で取り戻す立場ではないの
で、我々の言葉を受け止めて政府が結果を出してほしいと思います。

◆一刻の猶予もない

 我々も日本にいて運動をしながら辛いことがいっぱいありますが、もっと辛い
のは北朝鮮で拘束されている被害者です。最近寒くなってきていますが、北朝鮮
はもっと日本より寒くマイナス10度、15度ということですので、それも被害
者にとってつらいことです。

 さらに日本と違って燃料があまりないので、一般市民が暖を取る機会が少ない
と思います。しかも食糧が底をついている。幹部は別として、市民は草や虫を食
べて生きながらえているのかもしれないと思うと、またその中に日本人拉致被害
者もいるかもしれないと考えると、居ても立っても居られないですね。

 半年くらい前にテレビで見た一瞬ですが、金正恩が、国民が窮状にあえいでい
ることは申し訳ないと詫びるような形で涙ぐんでいるシーンがありましたが、嘘
じゃないかと思いました。自分の保身のために泣いているのではないか、と。本
当に国民のことを思っていれば、どういう選択が国民のためになるのか、どうし
たら北朝鮮が明るい未来を築けるのかが分かるはずです。

 これまでの悪業をすべて認めて、世界に対して門戸を開くと、自分自身が崩壊
するのではないかと懸念していると思われます。しかし、国民なくして国家は成
立しないのだから賢い選択をしてほしいと思います。

 国連の制裁で、色々な国から制裁をくらって貧困の極みにあるわけです。また
彼ら自身がコロナウイルスの流入を防ぐために中朝国境を封鎖しましたが、皆さ
まご承知の通り数日前に中国から物資の輸入がありました。それも最低限の人道
的対応なのかもしれませんが、わずかな量でも北朝鮮には助かることなのかもし
れません。

 しかしこれが北朝鮮の一般国民に回ることはなく、すべてが幹部またはロイヤ
ルファミリーに回るのではないかと思います。そうなると、北朝鮮の一般国民や
それ以下の日本人拉致被害者に、それれが回る可能性はないだろうと思うと、色
々な所で言われているように、「一刻の猶予もない」ことで、何とか助け出さな
ければならないことだと思います。

 年明けからミサイル発射が続いており、今日も2発ありました。膨大なお金が
ミサイル開発にかかる中で、それだけ発射できるならお金に困っていないのです
か、困っていないならもっと制裁をかけますよと、世界各国が思っているのでは
ないでしょうか。

◆政府はできる限りのことを今の内からやってほしい

 日本政府は、「今の所被害は確認されていない」とコメントしていますが、も
し被害が出ていたらどうするのだろうと思います。また今の所ミサイルは海に向
かって発射されていますが、日本本土に着弾したらどうするのですかと思います。

 ミサイル問題に限らず、日本政府の常套句は、「遺憾である」とよく言います
が、「遺憾」とは残念ということですね。もし本土に着弾して何百万人も死んで
も、「遺憾」と言っているようでは主権国家ではないですよ。「大使館に抗議し
た」とは聞いていますが、そういうことではなく、もしものことが起こった時、
安全保障体制がしっかり準備できているんですかということを常日頃考えます。

 もし戦時になった時に、自衛隊が北朝鮮に救出に行けるのかどうか。戦闘機は
燃料の限度から北朝鮮には行けても帰っては来られません。当然、空母を出す必
要がありますが、そういうシミュレーションができているのでしょうか。韓国に
立ち寄ってから行くのでしょうか。しかし、韓国は自衛隊が旭日旗を掲げている
ことを理由にしてだめだと言っていますので、ではどうするのかと思うわけです。

 そうするとアメリカの協力を仰ぐことになるのかもしれません。今日米豪で軍
事シミュレーションをやっているようですが、そういうところまで細かいことも
やっているのでしょうか。そういうことまで家族会の一人として思ってしまいま
す。

 政府の方を交えた会合で聞いてもいますが、そうなった時に「準備していませ
んでした」とか、「これから国会で議論します」ということにならないように。
その結果、助かる命が助からなかったことにならないように、政府はできる限り
のことを今の内からやっておくようお願いしたいと思っています。

 私は政府を信じていますし、水面下で色々動いてくださっていると思っていま
す。北朝鮮がコロナ等の理由で日本との接触を認めていないので、なかなか話は
進んでいないのではないかと思っているのですが、それでも色々手段はあると思っ
ていますので、あらゆる手段を尽くして北朝鮮にアプローチして、一日も早く結
果を出してほしいですし、それも何人かが帰ってくるのではなく、全員の一括帰
国でなければなりません。

 北朝鮮がこれからも色々な変化球や工作活動をしてきても、私たち家族会はいっ
さいぶれることはないですし、救う会の皆様と協力して最善の道を歩んでいきま
す。また掲げたテーマを政府に投げるつもりでいます。北朝鮮側は我々がぶれる
可能性があると思っているかもしれませんが、それは一切ないので甘く見ないで
ほしいと思います。これからも私たちができることをやっていきたいと思います
(拍手)。

(2につづく)


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