山根参議院議員の質問(2001/11/05)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2001.11.05)
■山根参議院議員の質問
前にお知らせした山根隆治参議院議員の質問が参議院のホームページに掲載されま
した。
アドレスは
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0101/main.html
です。
なお、長くなりますが、山根質問とその答弁のうち確定稿で拉致に関連する部分を
掲載します。前に送ったもので日にち(10月30日を11月30日と誤記)するなどいくつ
かのミスがありました。お詫びもうしあげます。
10月30日 内閣委員会質問
○山根隆治君(途中略)
それで、テロ新法、関係三法、ああいう形で成立をいたしたわけでございます。し
かし、国際的にテロの定義というものがまだはっきりと確定をされているわけではあ
りません。今回の法律を見ましても、日本としてのテロへの定義というものがどうい
うものであるかというのは明らかになっているわけではございませんが、例えば、ア
メリカの国務省であるとかイスラエルのジャフィ戦略研究所などの国際研究機関等が
発表しているテロに対する定義というものがありますけれども、それには幾つかの共
通したものがあります。
それをまとめてみますと、一つテロリズムの定義でこういうことが言えるかと思い
ますが、具体的には、テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、団
体などがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対して
もその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標に対して計画的に行った
不法な暴力の行使を言うということでございますが、こうした定義について長官は妥
当なものだというふうにお思いでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 妥当かどうか、先生がおっしゃるんだからそうだと思い
ますけれどもね。
今回のこの事件でもってテロリズムとは何ぞやと、こういうふうな議論が随分いろ
いろございますので、いろんな考え方があるのかもしれません。しかし、戦争とも言
えない、しかし、決して無視できない大きな犯罪であるというように私は思っており
ます。
○山根隆治君 そこでお伺いいたしたいのは、そうした国際的な定義、確定はいたし
ておりませんけれども、おおむね妥当だというふうに御理解をいただいたんだと思う
んです、今の御答弁の中で。
そこでお伺いしたいのは、そうしたら、北朝鮮による、思われる、容疑という言葉
を最近警察庁は使っていますけれども、拉致の問題、これはテロというふうに御認識
をお持ちでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これは重大問題であります。国民の生命にもかかわる問
題であるということでございますから、先ほど私は重大問題だ、それはテロだと、こ
う言ったけれども、そういうことではなくて、これはちょっとやはり認識は異にして
おります。
今回の同時多発テロ、それは社会に恐怖心を与える、社会に与える、また国家にい
ろいろと強要をするといったような、そういうことを伴う殺傷行為というように考え
ますので、これはちょっと性格が違うのではないかなと思っております。
○山根隆治君 非常に残念な御答弁ですね。
ただ、柳井駐米大使、佐藤国連大使は、以前、拉致というのは、御家族の方がいろ
いろと要望、陳情に行かれたわけです、救出についての要請をされた、そのときのお
話の中では、拉致というのは現在進行中のテロだということを言っておられる、断言
しておられるわけですね。これは三月のことでございます。
私は、今、テロとは違うというふうなお話ありましたけれども、今の官房長官の、
こうした拉致事件というのはテロと違うという認識を持つ先進諸国というか世界的な
政治指導者は恐らくおられないんじゃないかというふうに思います。韓国でも五百何
十人の方、五百人ほどの方が北朝鮮によって拉致されているということをこれは金大
中大統領自身が認められていたところでもあります。
私は、これは重大な国家への主権の侵害であり、テロだというふうな認識を持つべ
きであろうというふうに思いますけれども、もう一度御答弁を、御見解を求めます。
○国務大臣(福田康夫君) テロの定義みたいな話になっちゃうので、私は余りテロ
の定義について議論は正直言ってしたくはないのでありますけれども、テロというの
とちょっとニュアンスが違うんじゃないかなと、こんなふうに思います。
○山根隆治君 どうも勢い込んでお話しして、質問しているんですけれども、大臣の
人柄で何かのみ込まれてしまうような、どうも危うさを感じちゃうので弱ってやりに
くいんですけれども。それでは、その議論は少し外します。
私は、テロの、こうした拉致事件については、日本の外務省の姿勢というのは非常
に後ろ向きというか、弱い、そういうことが今までかなり見受けられたというふうに
思います。どなたとは言いませんけれども、歴代のアジア局長の方、いろんなことを
言っておられますね。
一つは、ある方は、韓国に亡命した北朝鮮工作員の証言などは信憑性がないという
ことを言われたわけです。その後、北朝鮮の方では労働新聞の中で、日本の外務省の
高官までもが拉致疑惑の信憑性に大きな疑問を表しているということを新聞に書かれ
てしまった。そういうことがあって慌ててそれを取り消されたということがあります。
あるいはまた、世論が許さないから拉致棚上げの国交正常化はできないというような
物の言い方を御家族が行ったときにされたりしているわけですね。そういうことから
しても、非常に外務省の消極的な姿勢が目立ってしようがない。
河野外務大臣のときも、歴代の何人かの外務大臣が北朝鮮にお米を、直接国交がな
いからできませんけれども、国際機関を通じて米の支援をするということをやってき
た。なぜするかというと、拉致の問題もこれによって光明が見えてくるだろう、打開
できるんだというふうなことでございましたけれども、それが一向に効果は出ていな
い。つまり、米を送ってもらえれば交渉のテーブルには着きますと、しかし、またの
ど元過ぎればそれを無視してくると。こういうことの繰り返しで私は来ているように
実は思えてならないんですね。
資料をいただきましたけれども、平成七年の食糧支援、二国間で三十万トン、一回
目。二回目が二十万トン。平成九年には六・七万トン、平成十二年には一回目が十万
トン、それから五十万トンということで支援をしてきているわけでございますが、一
向に私はらちが明かないということになっていることについて、非常に焦りと怒りと
いうものを感じるわけですね。
アメリカの大統領自身が言っていることでは、つい六月までは北朝鮮は、非常に厳
しい、に対してならず者の国だとかというふうな発言を大統領がしていたり、あるい
はテロの支援国家だということの認定がアメリカからもされていたということがある
わけですね。ですから、幾ら人がよくて、お米を援助すれば何とかなると、そういう
問題じゃないだろうと思うんですね。
それはもう国際政治、歴史を見てもいろいろな例があります。例えばクウェートも、
非常にいろんな環境が厳しいということでイラクにいろんな支援を、経済的な支援や
何かしていた。しかし、いざとなったらそれが侵略をされて、略奪されて、そして婦
女子が非常に暴行を受ける、こういうことが今の時代でも起きているわけですね。
ですから、やはりここのところはしっかりと毅然とした態度で、その救出というこ
とについては私は立ち向かっていかなくてはいけないというふうな思いがするわけで
ございます。
これは官房長官にお話ししても、きょうは外務大臣おられませんから。外務大臣も
きょう記者会見で、テレビを見たらかなり頑張っておられましたけれども、外務省の
姿勢については非常に私は問題があると思うんですけれども、外務省の弁明を聞かせ
てください。
○副大臣(植竹繁雄君) 私、副大臣の植竹でございます。
今、山根委員のお話でございますが、外務省の姿勢が今までいろいろあった、見解
がいろいろあるということでございますが、そのときに答弁された方はそのときのい
ろいろな思いを持ってお答えされたと思いますが、私といたしましては、過去北朝鮮
に百数十万トン出したという米の問題と、またこの日朝国交正常化の問題というのは
全く別じゃないかと。しかし、長い目で見まして、鬼の目にも涙ということがござい
ますので、人が誠意を持ってやっていけば、やはりその誠意というものは必ずやこれ
はわかってもらえるんじゃないかと思っております。
したがいまして、この拉致問題とは直接ではないにしましても、日本の誠意という
ものをわからせる。しかし、拉致問題は拉致問題として、これはまさに日本と北朝鮮
の重要な問題でありますから、これは言うべきときは言い、そして、これら拉致の解
消に向けて、あるいは赤十字を通じ、あるいは国交正常化交渉におきましても、その
調査あるいはその後の状況については強硬に言っているということでございます。
私としましても、この問題は何としても、それこそらちを明けるように努力してい
きたいと思います。努力なくしてこういう問題の解決はございませんから、私は、こ
れは機会があればその都度拉致解消に向けて強硬に主張していく所存でございます。
○山根隆治君 見解は私とはかなり違っているわけですが、日本の外務省の基本的な
姿勢というのは、いつも弁明を聞いていると、対中国、東南アジアの問題、いろいろ
な問題が起きてきました。それから領土問題、領海問題、ロシア、台湾、韓国、アメ
リカとのいろいろな関係の中でいつも出てくるのは、もっと骨太の内閣だというふう
に私は思いたいんですけれども、骨太であれば外交もしっかりと骨太でやっていかな
くちゃいけないということが私はあると思うんです。何かというと刺激しないように
刺激しないように、そういう国の外交方針というのは世界じゅうないですね。
今もう世界が、例えば自由主義か共産主義か、そういう時代じゃなくなってきた。
イデオロギーの時代、これにも決着しています。今、これから世界を動かしていく論
理というのはやはり国益であると思うんですね。ですから、永遠の敵国もなければ永
遠の友好国もないという有名な言葉がありますけれども、そういう認識の中で日本の
国益というものをどうやって守っていくかというのはやっぱり外務省がしっかりしな
いと大変なことになるだろうと思う。今はいろんなことを国会の答弁で、私が質問を
してもいろんなお話あってそれで済むかもしれないけれども、何十年たったとき、三
十年、五十年、百年たったとき、あのときの外務省は何だったんだというふうなこと
を私は指摘されるような気がしてならないんですね。その辺のところはぜひしっかり
してもらいたい。
例えば、もうちょっとお話しさせてもらいますけれども、一九八七年に、小さな国
と言っては失礼ですが、人口とか経済規模という意味ですけれども、レバノンでやは
り北朝鮮によって四人の方が実は拉致された、誘拐された。二人は途中で逃げおおせ
たわけですけれども、二人はどうしても捕まってしまったということで、レバノンは
いろいろな外交的な手段や強硬なメッセージを送り続けて、一年四カ月後にその二人
を帰国させるということに成功したということが実はあるわけですね。
ですから、私は姿勢だと思うんです。今、北朝鮮の人たちが、指導部が恐らく考え
ていることは、日本はアメリカの言うがままだから、アメリカさえ押さえておけば大
丈夫だと、こういう感覚が非常にあると思うんです、拉致問題だけじゃなくて。最大
の友好国であるアメリカとでさえも、時にはいろいろと意見が異なって外交も展開す
るということもないと、そういう姿勢を示さないと、私は何でもアメリカに唯々諾々
としている外交姿勢というのは世界からも侮りを受けるという気がしてならないわけ
ですね。
そこで、実はまだ記憶にあるかと思いますが、ちょっと調べ切れませんでしたけれ
ども、パスポートを偽造したということで、金正日総書記の息子さんと思われる金正
男氏が偽造パスポートということで日本で拘束されたということがありました。これ
は正式には政府は本人だということは認めていませんけれども、写真も映像も出てい
ますし、まずあれが金正男さんじゃないというふうに思う識者というのは私は余りい
ないだろうというふうに思っております。
私はなぜ早く帰してしまったのかよくわかりませんけれども、やはり外交を預かる
立場からは、この問題もはっきりと、やはり違法行為であったわけですから、しっか
りと拘束して取り調べるなりなんなりという、そういう姿勢を私はそのときは示すべ
きであっただろうというふうに思うわけですね。この点についてはどのような御見解
をお持ちでしょうか。
○副大臣(植竹繁雄君) 山根委員まさに御指摘のとおり、日本は外交上もっと強く
なれと、日本の国益に従って強くなれと、まことにおっしゃるとおり、私も大変御注
意をいただきましてありがたいと思っております。しかし、やはり日本における立場
というのはその都度どうやっていったらいいか、どれがベストであるかということを
考えていかなくてはならないかと思います。
例えば北朝鮮の問題ででも、超党派で行って交渉しているわけです。しかし、民主
国といいますか、開かれたそういう国ですと、それがいろんな多角的な交渉もできま
す。しかし、閉鎖的な国というものはその辺が非常に難しい。レバノンと北朝鮮のお
話もございましたけれども、レバノンと北朝鮮の関係は日本と北朝鮮の関係以上によ
り近い関係かと私は考えるわけでございます。しかし、外交というのはやはり日本の
ため、日本国民のために強くやっていくというその姿勢は全く私も同感でありますし、
私もその点はまた改めて外務省職員に対しましてもよく委員のお話のとおり伝えてま
いりたいと思います。
また、ただいまの北朝鮮の首相の御子息、金正日さんの御子息らしいと認定される
問題については、外交交渉の場合ははっきりそれがいたしませんとなかなか外交上の
問題もありますし、むしろそれは法務省の入管ではっきりとそれを仕分けるというこ
とが必要かと思います。そういう点につきましては、なおこれは法務省ともさらなる
その辺のあり方については考えていくべきかと思っております。
いずれにいたしましても、強い外務省に脱皮しつつ、方向でいかねばならないこと
は委員のおっしゃるとおりだと思って、肝に銘じましてやってまいります。
○山根隆治君 私は、よく国会での答弁、政府、総理あるいは官房長官からも御答弁
ございましたけれども、国家が国にすることというのは国民の生命と財産だと言われ
ますけれども、しかし憲法十三条にはもう一つ概念としてやっぱり自由があるわけで
すね。その自由を拘束される、奪われるということ、これは国家としてやっぱり外国
からそういうことがあったらば許しがたい行為だろうと思うんです。
交渉事というのは、これは私も外交には直接かかわったことはもちろんありません
けれども、お願いに行くのでは、例えば超党派の議員団で行くにも、お願いに行って
ごあいさつに行くんじゃあしらわれますよね、軽く。やはり相手に対して一つ上の立
場を持つかどうか、つまりカードを持っているかどうか、あるいは最低でも五分五分
の力というものを持たないと、本当の交渉というのは私はできないんだろうと思いま
す、どれだけ知恵をめぐらしても。
日本にそれじゃカードがないかということになると、そんなことはないですね。経
済的な支援の問題があります、それから行き来の問題がありますから、再入国を禁止
するということがあるし、あるいは入港を禁止する、阻止する、そういうようなこと
というのは十分できるわけですね。私は、そうした姿勢というものを示すことによっ
て初めて北朝鮮が本気になって変わってくるんだろうというふうに思うんですね。
北朝鮮の亡命した高官の人たちからのいろんな話も伝わってきますけれども、やは
り相手は足元を完全に見ていますね、日本の。やはりしっかりとした姿勢というもの
を持たないと、私は侮りを受けるということになるというふうな思いが非常にいたす
わけでございますけれども、この点については、もう時間もどんどんなくなってくる
ので、これ以上余り抽象的な論議で終わらせたくないので質問を少し変えさせていた
だきたいと思います。
拉致されている中で今、日本政府が認めているのは七件十人ということでございま
すけれども、第一次日朝交渉あるいは第二次日朝交渉の中で、政府は有本恵子さんの
ことについて言及を日本からされているわけですね。この七件十人の中には有本さん
が今まで入っていないわけですけれども、なぜ有本さんをこの中にカウントしないの
かということをお尋ねを一点しておきたいと思います。
○政府参考人(漆間巌君) 御指摘の女性につきましては、北朝鮮による拉致の疑い
も含めましてあらゆる可能性を想定して関係各機関と情報交換を行うなど、現在のと
ころ所要の調べを進めているところでありますが、現在までのところ、北朝鮮による
拉致の疑いがあると判断するまでには至っていませんのは、本件は、警察として北朝
鮮による拉致の疑いがあると判断している七件十名の事案と異なりまして、日本国内
から直接行方不明になったものではないことから、失踪時の状況が具体的に判明して
おりません。そのため、事案の解明には引き続きより慎重な調べが必要であると考え
ているからであります。
○山根隆治君 慎重な調べというふうに言われますけれども、最終的な確認というの
は本人、向こうに行って確認するわけにいきませんね。そうすると、いろんな状況が
あるわけですよ。よど号の乗っ取った人たちの奥さんがこっちに帰ってきたり、そう
いうところからの情報もある。あるいは韓国に亡命していた人たちがある。そういう
ところからのいろんな証言があるわけですね。それで、ある程度の確信を持ったから
こそ、あれだけ北朝鮮を相手にする交渉の場で、普通だったら日本の今までの外務省
の姿勢等からはちょっと考えられないですね、二回も言われているわけですから。相
当外務省自身には自信があっての話だろうと思うんですよ。
ですから、それをわざわざ外交交渉の中で出しておいて、国内においてそれを認め
ないというのは明らかな矛盾じゃないんですか。
○政府参考人(漆間巌君) この拉致といいますのは、本人の意思に反して連れてい
かれるということになります。先生おっしゃったとおり、本人に、意思に反したかど
うかというのはまさにその本人そのものに当たれないものですからわからないわけで
して、そこを情況証拠で埋めることができるかどうかというのがポイントだと思いま
す。
私どもが七件十名として拉致の疑いがあるとしているものについては、これは実は
いろいろ関係者の証言とかいうものからその本人が意思に反して連れていかれた疑い
があるということを裏づけるものを得たわけであります。
ところが、この先生御指摘の女性の場合については今のところまだその証言を得る
に至っていませんので、したがって、しばらく慎重に捜査を続けたいと言っていると
ころであります。
○山根隆治君 それじゃ質問の仕方を変えますけれども、その日朝交渉のときに有本
さんのお話をされた。しかし実際には、北海道出身のIさんであるとか熊本県出身の
Mさん、名前は伏せますけれども、についても同様のやはりその場で指摘をすべきだっ
たと思いますが、これについてはなぜ交渉の中で提案をされなかったんでしょうか。
○副大臣(植竹繁雄君) 今、先生お尋ねのその三人の問題は、これは五十八年のこ
ろから起きた問題でございますが、ただその三人の、有本さんも入れた三人のうちの
一人から、ポーランドの消印で日本に、平壌にいるというような手紙があったという
ことに基づいてこれやっております。その後、北朝鮮との赤十字の交渉、第一回、第
二回、先ほどもおっしゃられましたとおり、その交渉で調査を強く言っていることは、
外務省として処置はとっておるわけでございます。
なお、ついでに申し上げますが、これ昨年の八月以降、第二回の交渉におきまして
も強く言っておりますが、いまだに北朝鮮の方から回答は来ておりませんが、こうい
う機会があればさらにこれを追及を、調査の結果を要求してまいりたいと思っており
ます。
○山根隆治君 ちょっと時間がないのでなかなか深追いできないのが残念ですけれど
も、それでは角度を変えますと、週刊誌等で、赤木志郎氏の妻の金子恵美子さんが帰
国して逮捕をされている、そこでいろいろな供述をされているという報道が週刊誌等
でされているんですが、これについては警察庁の方ではどのような、お話しできると
ころで結構ですけれども、状況になっているのか、御見解等をそうした報道について
承りたいと思います。
○政府参考人(漆間巌君) 週刊誌等でもいろいろな報道が出ていることも承知して
おります。また、よど号ハイジャック犯人の妻の赤木恵美子につきましては、九月十
八日に帰国したところを警視庁が旅券法違反で逮捕し、さらに十月十六日に大阪府警
察が有印私文書偽造、同行使で再逮捕しているところであります。
この辺につきましては、週刊誌に出ていることも含めまして、議員のお尋ねの点の、
いろいろな拉致のときの状況、拉致というかその実際に失踪するときの状況とか、そ
ういうところについても私ども十分重大な関心を持って所要の捜査を行っているとこ
ろであります。
ただ、今現実に具体的な捜査が進んでいるところでございますので、具体的内容に
ついては答弁を控えさせていただきます。
○山根隆治君 北朝鮮との交渉のやり方、いろいろとあると思うんです、いろんなチャ
ンネルはあると思いますけれども、ぜひ、やはり一番大事なことは、骨太の交渉をし
てもらいたいということです。副大臣ぜひ、外務大臣も骨太なんだか骨太じゃないん
だかよくわかりませんが、ああしたエネルギーをぜひ外交に集中してもらって、突破
していただきたいというふうに思っております。家族の皆さんも非常にもうこのこと
を熱望、何十年も、二十数年もしているのだから、これについてはお願いということ
でとめたいと思います。
(以下略)
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救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会
TEL 03-3946-5780/FAX 03-3944-5692 http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark
〒112-0015 東京都文京区目白台3-25-13
担当:荒木和博(事務局長 k-araki@mac.email.ne.jp)
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恐縮ですが送信を希望されない方は荒木のID宛メールをお送り下さい。
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■山根参議院議員の質問
前にお知らせした山根隆治参議院議員の質問が参議院のホームページに掲載されま
した。
アドレスは
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0101/main.html
です。
なお、長くなりますが、山根質問とその答弁のうち確定稿で拉致に関連する部分を
掲載します。前に送ったもので日にち(10月30日を11月30日と誤記)するなどいくつ
かのミスがありました。お詫びもうしあげます。
10月30日 内閣委員会質問
○山根隆治君(途中略)
それで、テロ新法、関係三法、ああいう形で成立をいたしたわけでございます。し
かし、国際的にテロの定義というものがまだはっきりと確定をされているわけではあ
りません。今回の法律を見ましても、日本としてのテロへの定義というものがどうい
うものであるかというのは明らかになっているわけではございませんが、例えば、ア
メリカの国務省であるとかイスラエルのジャフィ戦略研究所などの国際研究機関等が
発表しているテロに対する定義というものがありますけれども、それには幾つかの共
通したものがあります。
それをまとめてみますと、一つテロリズムの定義でこういうことが言えるかと思い
ますが、具体的には、テロリズムとは、国家の秘密工作員または国家以外の結社、団
体などがその政治目的の遂行上、当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対して
もその影響力を及ぼすべく非戦闘員またはこれに準ずる目標に対して計画的に行った
不法な暴力の行使を言うということでございますが、こうした定義について長官は妥
当なものだというふうにお思いでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 妥当かどうか、先生がおっしゃるんだからそうだと思い
ますけれどもね。
今回のこの事件でもってテロリズムとは何ぞやと、こういうふうな議論が随分いろ
いろございますので、いろんな考え方があるのかもしれません。しかし、戦争とも言
えない、しかし、決して無視できない大きな犯罪であるというように私は思っており
ます。
○山根隆治君 そこでお伺いいたしたいのは、そうした国際的な定義、確定はいたし
ておりませんけれども、おおむね妥当だというふうに御理解をいただいたんだと思う
んです、今の御答弁の中で。
そこでお伺いしたいのは、そうしたら、北朝鮮による、思われる、容疑という言葉
を最近警察庁は使っていますけれども、拉致の問題、これはテロというふうに御認識
をお持ちでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) これは重大問題であります。国民の生命にもかかわる問
題であるということでございますから、先ほど私は重大問題だ、それはテロだと、こ
う言ったけれども、そういうことではなくて、これはちょっとやはり認識は異にして
おります。
今回の同時多発テロ、それは社会に恐怖心を与える、社会に与える、また国家にい
ろいろと強要をするといったような、そういうことを伴う殺傷行為というように考え
ますので、これはちょっと性格が違うのではないかなと思っております。
○山根隆治君 非常に残念な御答弁ですね。
ただ、柳井駐米大使、佐藤国連大使は、以前、拉致というのは、御家族の方がいろ
いろと要望、陳情に行かれたわけです、救出についての要請をされた、そのときのお
話の中では、拉致というのは現在進行中のテロだということを言っておられる、断言
しておられるわけですね。これは三月のことでございます。
私は、今、テロとは違うというふうなお話ありましたけれども、今の官房長官の、
こうした拉致事件というのはテロと違うという認識を持つ先進諸国というか世界的な
政治指導者は恐らくおられないんじゃないかというふうに思います。韓国でも五百何
十人の方、五百人ほどの方が北朝鮮によって拉致されているということをこれは金大
中大統領自身が認められていたところでもあります。
私は、これは重大な国家への主権の侵害であり、テロだというふうな認識を持つべ
きであろうというふうに思いますけれども、もう一度御答弁を、御見解を求めます。
○国務大臣(福田康夫君) テロの定義みたいな話になっちゃうので、私は余りテロ
の定義について議論は正直言ってしたくはないのでありますけれども、テロというの
とちょっとニュアンスが違うんじゃないかなと、こんなふうに思います。
○山根隆治君 どうも勢い込んでお話しして、質問しているんですけれども、大臣の
人柄で何かのみ込まれてしまうような、どうも危うさを感じちゃうので弱ってやりに
くいんですけれども。それでは、その議論は少し外します。
私は、テロの、こうした拉致事件については、日本の外務省の姿勢というのは非常
に後ろ向きというか、弱い、そういうことが今までかなり見受けられたというふうに
思います。どなたとは言いませんけれども、歴代のアジア局長の方、いろんなことを
言っておられますね。
一つは、ある方は、韓国に亡命した北朝鮮工作員の証言などは信憑性がないという
ことを言われたわけです。その後、北朝鮮の方では労働新聞の中で、日本の外務省の
高官までもが拉致疑惑の信憑性に大きな疑問を表しているということを新聞に書かれ
てしまった。そういうことがあって慌ててそれを取り消されたということがあります。
あるいはまた、世論が許さないから拉致棚上げの国交正常化はできないというような
物の言い方を御家族が行ったときにされたりしているわけですね。そういうことから
しても、非常に外務省の消極的な姿勢が目立ってしようがない。
河野外務大臣のときも、歴代の何人かの外務大臣が北朝鮮にお米を、直接国交がな
いからできませんけれども、国際機関を通じて米の支援をするということをやってき
た。なぜするかというと、拉致の問題もこれによって光明が見えてくるだろう、打開
できるんだというふうなことでございましたけれども、それが一向に効果は出ていな
い。つまり、米を送ってもらえれば交渉のテーブルには着きますと、しかし、またの
ど元過ぎればそれを無視してくると。こういうことの繰り返しで私は来ているように
実は思えてならないんですね。
資料をいただきましたけれども、平成七年の食糧支援、二国間で三十万トン、一回
目。二回目が二十万トン。平成九年には六・七万トン、平成十二年には一回目が十万
トン、それから五十万トンということで支援をしてきているわけでございますが、一
向に私はらちが明かないということになっていることについて、非常に焦りと怒りと
いうものを感じるわけですね。
アメリカの大統領自身が言っていることでは、つい六月までは北朝鮮は、非常に厳
しい、に対してならず者の国だとかというふうな発言を大統領がしていたり、あるい
はテロの支援国家だということの認定がアメリカからもされていたということがある
わけですね。ですから、幾ら人がよくて、お米を援助すれば何とかなると、そういう
問題じゃないだろうと思うんですね。
それはもう国際政治、歴史を見てもいろいろな例があります。例えばクウェートも、
非常にいろんな環境が厳しいということでイラクにいろんな支援を、経済的な支援や
何かしていた。しかし、いざとなったらそれが侵略をされて、略奪されて、そして婦
女子が非常に暴行を受ける、こういうことが今の時代でも起きているわけですね。
ですから、やはりここのところはしっかりと毅然とした態度で、その救出というこ
とについては私は立ち向かっていかなくてはいけないというふうな思いがするわけで
ございます。
これは官房長官にお話ししても、きょうは外務大臣おられませんから。外務大臣も
きょう記者会見で、テレビを見たらかなり頑張っておられましたけれども、外務省の
姿勢については非常に私は問題があると思うんですけれども、外務省の弁明を聞かせ
てください。
○副大臣(植竹繁雄君) 私、副大臣の植竹でございます。
今、山根委員のお話でございますが、外務省の姿勢が今までいろいろあった、見解
がいろいろあるということでございますが、そのときに答弁された方はそのときのい
ろいろな思いを持ってお答えされたと思いますが、私といたしましては、過去北朝鮮
に百数十万トン出したという米の問題と、またこの日朝国交正常化の問題というのは
全く別じゃないかと。しかし、長い目で見まして、鬼の目にも涙ということがござい
ますので、人が誠意を持ってやっていけば、やはりその誠意というものは必ずやこれ
はわかってもらえるんじゃないかと思っております。
したがいまして、この拉致問題とは直接ではないにしましても、日本の誠意という
ものをわからせる。しかし、拉致問題は拉致問題として、これはまさに日本と北朝鮮
の重要な問題でありますから、これは言うべきときは言い、そして、これら拉致の解
消に向けて、あるいは赤十字を通じ、あるいは国交正常化交渉におきましても、その
調査あるいはその後の状況については強硬に言っているということでございます。
私としましても、この問題は何としても、それこそらちを明けるように努力してい
きたいと思います。努力なくしてこういう問題の解決はございませんから、私は、こ
れは機会があればその都度拉致解消に向けて強硬に主張していく所存でございます。
○山根隆治君 見解は私とはかなり違っているわけですが、日本の外務省の基本的な
姿勢というのは、いつも弁明を聞いていると、対中国、東南アジアの問題、いろいろ
な問題が起きてきました。それから領土問題、領海問題、ロシア、台湾、韓国、アメ
リカとのいろいろな関係の中でいつも出てくるのは、もっと骨太の内閣だというふう
に私は思いたいんですけれども、骨太であれば外交もしっかりと骨太でやっていかな
くちゃいけないということが私はあると思うんです。何かというと刺激しないように
刺激しないように、そういう国の外交方針というのは世界じゅうないですね。
今もう世界が、例えば自由主義か共産主義か、そういう時代じゃなくなってきた。
イデオロギーの時代、これにも決着しています。今、これから世界を動かしていく論
理というのはやはり国益であると思うんですね。ですから、永遠の敵国もなければ永
遠の友好国もないという有名な言葉がありますけれども、そういう認識の中で日本の
国益というものをどうやって守っていくかというのはやっぱり外務省がしっかりしな
いと大変なことになるだろうと思う。今はいろんなことを国会の答弁で、私が質問を
してもいろんなお話あってそれで済むかもしれないけれども、何十年たったとき、三
十年、五十年、百年たったとき、あのときの外務省は何だったんだというふうなこと
を私は指摘されるような気がしてならないんですね。その辺のところはぜひしっかり
してもらいたい。
例えば、もうちょっとお話しさせてもらいますけれども、一九八七年に、小さな国
と言っては失礼ですが、人口とか経済規模という意味ですけれども、レバノンでやは
り北朝鮮によって四人の方が実は拉致された、誘拐された。二人は途中で逃げおおせ
たわけですけれども、二人はどうしても捕まってしまったということで、レバノンは
いろいろな外交的な手段や強硬なメッセージを送り続けて、一年四カ月後にその二人
を帰国させるということに成功したということが実はあるわけですね。
ですから、私は姿勢だと思うんです。今、北朝鮮の人たちが、指導部が恐らく考え
ていることは、日本はアメリカの言うがままだから、アメリカさえ押さえておけば大
丈夫だと、こういう感覚が非常にあると思うんです、拉致問題だけじゃなくて。最大
の友好国であるアメリカとでさえも、時にはいろいろと意見が異なって外交も展開す
るということもないと、そういう姿勢を示さないと、私は何でもアメリカに唯々諾々
としている外交姿勢というのは世界からも侮りを受けるという気がしてならないわけ
ですね。
そこで、実はまだ記憶にあるかと思いますが、ちょっと調べ切れませんでしたけれ
ども、パスポートを偽造したということで、金正日総書記の息子さんと思われる金正
男氏が偽造パスポートということで日本で拘束されたということがありました。これ
は正式には政府は本人だということは認めていませんけれども、写真も映像も出てい
ますし、まずあれが金正男さんじゃないというふうに思う識者というのは私は余りい
ないだろうというふうに思っております。
私はなぜ早く帰してしまったのかよくわかりませんけれども、やはり外交を預かる
立場からは、この問題もはっきりと、やはり違法行為であったわけですから、しっか
りと拘束して取り調べるなりなんなりという、そういう姿勢を私はそのときは示すべ
きであっただろうというふうに思うわけですね。この点についてはどのような御見解
をお持ちでしょうか。
○副大臣(植竹繁雄君) 山根委員まさに御指摘のとおり、日本は外交上もっと強く
なれと、日本の国益に従って強くなれと、まことにおっしゃるとおり、私も大変御注
意をいただきましてありがたいと思っております。しかし、やはり日本における立場
というのはその都度どうやっていったらいいか、どれがベストであるかということを
考えていかなくてはならないかと思います。
例えば北朝鮮の問題ででも、超党派で行って交渉しているわけです。しかし、民主
国といいますか、開かれたそういう国ですと、それがいろんな多角的な交渉もできま
す。しかし、閉鎖的な国というものはその辺が非常に難しい。レバノンと北朝鮮のお
話もございましたけれども、レバノンと北朝鮮の関係は日本と北朝鮮の関係以上によ
り近い関係かと私は考えるわけでございます。しかし、外交というのはやはり日本の
ため、日本国民のために強くやっていくというその姿勢は全く私も同感でありますし、
私もその点はまた改めて外務省職員に対しましてもよく委員のお話のとおり伝えてま
いりたいと思います。
また、ただいまの北朝鮮の首相の御子息、金正日さんの御子息らしいと認定される
問題については、外交交渉の場合ははっきりそれがいたしませんとなかなか外交上の
問題もありますし、むしろそれは法務省の入管ではっきりとそれを仕分けるというこ
とが必要かと思います。そういう点につきましては、なおこれは法務省ともさらなる
その辺のあり方については考えていくべきかと思っております。
いずれにいたしましても、強い外務省に脱皮しつつ、方向でいかねばならないこと
は委員のおっしゃるとおりだと思って、肝に銘じましてやってまいります。
○山根隆治君 私は、よく国会での答弁、政府、総理あるいは官房長官からも御答弁
ございましたけれども、国家が国にすることというのは国民の生命と財産だと言われ
ますけれども、しかし憲法十三条にはもう一つ概念としてやっぱり自由があるわけで
すね。その自由を拘束される、奪われるということ、これは国家としてやっぱり外国
からそういうことがあったらば許しがたい行為だろうと思うんです。
交渉事というのは、これは私も外交には直接かかわったことはもちろんありません
けれども、お願いに行くのでは、例えば超党派の議員団で行くにも、お願いに行って
ごあいさつに行くんじゃあしらわれますよね、軽く。やはり相手に対して一つ上の立
場を持つかどうか、つまりカードを持っているかどうか、あるいは最低でも五分五分
の力というものを持たないと、本当の交渉というのは私はできないんだろうと思いま
す、どれだけ知恵をめぐらしても。
日本にそれじゃカードがないかということになると、そんなことはないですね。経
済的な支援の問題があります、それから行き来の問題がありますから、再入国を禁止
するということがあるし、あるいは入港を禁止する、阻止する、そういうようなこと
というのは十分できるわけですね。私は、そうした姿勢というものを示すことによっ
て初めて北朝鮮が本気になって変わってくるんだろうというふうに思うんですね。
北朝鮮の亡命した高官の人たちからのいろんな話も伝わってきますけれども、やは
り相手は足元を完全に見ていますね、日本の。やはりしっかりとした姿勢というもの
を持たないと、私は侮りを受けるということになるというふうな思いが非常にいたす
わけでございますけれども、この点については、もう時間もどんどんなくなってくる
ので、これ以上余り抽象的な論議で終わらせたくないので質問を少し変えさせていた
だきたいと思います。
拉致されている中で今、日本政府が認めているのは七件十人ということでございま
すけれども、第一次日朝交渉あるいは第二次日朝交渉の中で、政府は有本恵子さんの
ことについて言及を日本からされているわけですね。この七件十人の中には有本さん
が今まで入っていないわけですけれども、なぜ有本さんをこの中にカウントしないの
かということをお尋ねを一点しておきたいと思います。
○政府参考人(漆間巌君) 御指摘の女性につきましては、北朝鮮による拉致の疑い
も含めましてあらゆる可能性を想定して関係各機関と情報交換を行うなど、現在のと
ころ所要の調べを進めているところでありますが、現在までのところ、北朝鮮による
拉致の疑いがあると判断するまでには至っていませんのは、本件は、警察として北朝
鮮による拉致の疑いがあると判断している七件十名の事案と異なりまして、日本国内
から直接行方不明になったものではないことから、失踪時の状況が具体的に判明して
おりません。そのため、事案の解明には引き続きより慎重な調べが必要であると考え
ているからであります。
○山根隆治君 慎重な調べというふうに言われますけれども、最終的な確認というの
は本人、向こうに行って確認するわけにいきませんね。そうすると、いろんな状況が
あるわけですよ。よど号の乗っ取った人たちの奥さんがこっちに帰ってきたり、そう
いうところからの情報もある。あるいは韓国に亡命していた人たちがある。そういう
ところからのいろんな証言があるわけですね。それで、ある程度の確信を持ったから
こそ、あれだけ北朝鮮を相手にする交渉の場で、普通だったら日本の今までの外務省
の姿勢等からはちょっと考えられないですね、二回も言われているわけですから。相
当外務省自身には自信があっての話だろうと思うんですよ。
ですから、それをわざわざ外交交渉の中で出しておいて、国内においてそれを認め
ないというのは明らかな矛盾じゃないんですか。
○政府参考人(漆間巌君) この拉致といいますのは、本人の意思に反して連れてい
かれるということになります。先生おっしゃったとおり、本人に、意思に反したかど
うかというのはまさにその本人そのものに当たれないものですからわからないわけで
して、そこを情況証拠で埋めることができるかどうかというのがポイントだと思いま
す。
私どもが七件十名として拉致の疑いがあるとしているものについては、これは実は
いろいろ関係者の証言とかいうものからその本人が意思に反して連れていかれた疑い
があるということを裏づけるものを得たわけであります。
ところが、この先生御指摘の女性の場合については今のところまだその証言を得る
に至っていませんので、したがって、しばらく慎重に捜査を続けたいと言っていると
ころであります。
○山根隆治君 それじゃ質問の仕方を変えますけれども、その日朝交渉のときに有本
さんのお話をされた。しかし実際には、北海道出身のIさんであるとか熊本県出身の
Mさん、名前は伏せますけれども、についても同様のやはりその場で指摘をすべきだっ
たと思いますが、これについてはなぜ交渉の中で提案をされなかったんでしょうか。
○副大臣(植竹繁雄君) 今、先生お尋ねのその三人の問題は、これは五十八年のこ
ろから起きた問題でございますが、ただその三人の、有本さんも入れた三人のうちの
一人から、ポーランドの消印で日本に、平壌にいるというような手紙があったという
ことに基づいてこれやっております。その後、北朝鮮との赤十字の交渉、第一回、第
二回、先ほどもおっしゃられましたとおり、その交渉で調査を強く言っていることは、
外務省として処置はとっておるわけでございます。
なお、ついでに申し上げますが、これ昨年の八月以降、第二回の交渉におきまして
も強く言っておりますが、いまだに北朝鮮の方から回答は来ておりませんが、こうい
う機会があればさらにこれを追及を、調査の結果を要求してまいりたいと思っており
ます。
○山根隆治君 ちょっと時間がないのでなかなか深追いできないのが残念ですけれど
も、それでは角度を変えますと、週刊誌等で、赤木志郎氏の妻の金子恵美子さんが帰
国して逮捕をされている、そこでいろいろな供述をされているという報道が週刊誌等
でされているんですが、これについては警察庁の方ではどのような、お話しできると
ころで結構ですけれども、状況になっているのか、御見解等をそうした報道について
承りたいと思います。
○政府参考人(漆間巌君) 週刊誌等でもいろいろな報道が出ていることも承知して
おります。また、よど号ハイジャック犯人の妻の赤木恵美子につきましては、九月十
八日に帰国したところを警視庁が旅券法違反で逮捕し、さらに十月十六日に大阪府警
察が有印私文書偽造、同行使で再逮捕しているところであります。
この辺につきましては、週刊誌に出ていることも含めまして、議員のお尋ねの点の、
いろいろな拉致のときの状況、拉致というかその実際に失踪するときの状況とか、そ
ういうところについても私ども十分重大な関心を持って所要の捜査を行っているとこ
ろであります。
ただ、今現実に具体的な捜査が進んでいるところでございますので、具体的内容に
ついては答弁を控えさせていただきます。
○山根隆治君 北朝鮮との交渉のやり方、いろいろとあると思うんです、いろんなチャ
ンネルはあると思いますけれども、ぜひ、やはり一番大事なことは、骨太の交渉をし
てもらいたいということです。副大臣ぜひ、外務大臣も骨太なんだか骨太じゃないん
だかよくわかりませんが、ああしたエネルギーをぜひ外交に集中してもらって、突破
していただきたいというふうに思っております。家族の皆さんも非常にもうこのこと
を熱望、何十年も、二十数年もしているのだから、これについてはお願いということ
でとめたいと思います。
(以下略)
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救う会全国協議会ニュース
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