救う会全国協議会

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北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会

あきらめない 飯塚繁雄さんお別れ会1(2022/03/14)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.03.14)

 令和4年3月12日、東京・砂防会館別館で、家族会、救う会、拉致議連主催
の「あきらめない 飯塚繁雄さんお別れ会」が開催された。
 概要以下の通り。

西岡力(救う会会長)
 皆さん、こんにちは。家族会、救う会、拉致議連主催、「あきらめない 飯塚
繁雄さんお別れ会」を始めます。

 あきらめない」と看板に書かせていただきました。実は、飯塚さんがこの同じ
場所で、去年の11月13日の国民大集会で挨拶をされました。それが飯塚さん
の公の場での最後の訴えでした。その1週間くらい後に入院されて、そのまま家
に帰ることもなく12月18日に逝去されました。

 その1か月前の国民大集会では、最後までここにいらっしゃることができない
で、挨拶をされた後お帰りになった。しかし、この挨拶は「したい」ということ
で、私たちに残してくださった言葉がありました。挨拶の中で3回、「あきらめ
ない」という言葉がありました。

 その挨拶をビデオに撮ってありますので、もう一度みんなで見たいと思います。

<11/13国民大集会での挨拶>

 飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)

 皆さま、こんにちは。しばらくでございます。このところのコロナの感染騒ぎ
で、我々の活動も途絶えてしまった期間が長かったですね。なんとかしようとい
う気持ちが、こういうことにさえぎられてできなくなった。

 しかし、北朝鮮を取り巻く環境はさらに厳しくなってきていると感じます。拉
致問題は今となってはあきらめるわけにはいかないのです。何としてもこの問題
を解決しなければならないと。これは我々家族だけの思いではなくて、ここに来
ていらっしゃる皆様を初め、国民全体の思いであろうと思います。

 新しく総理になられた岸田総理は、この問題について、「自分自身がこの問題
ときちんと向き合う覚悟ができている」とおっしゃいました。総理大臣や拉致問
題担当大臣が目まぐるしく変わり、その度に我々はお願いをしてきました。

 しかしながら、結果は出ません。我々としては厳しい立場になりつつあります
が、この問題は絶対にあきらめられないという思いを皆様方が背負っていただい
て、何が何でも解決するんだという意気込みを頂きたいと思います。

 今回特に、その思いをブルーリボンバッジに込めて、みんなで解決するぞとい
うような意気込みでいきたいと思います。そして、今度こそは解決するぞという
意気込みを持っていきたいと思います。

 北朝鮮情勢については西岡力会長が話されましたが、我々があきらめないこと
こそ解決につながると感じます。今回選挙もありましたが、拉致問題は変わらな
い。我々の思いも変わらない。このことを是非くみ取っていただき、今日の集会
からさらに一致団結して解決に向けて進めていきたいと思います。

 それぞれ立場もあると思いますが、何とか答えが出せるように。私はよく、
「日程表を作って、それに基づいて進めて、それなりの答えを出してほしい」と
言いますが、計画を作り、そしてどうなったかの答えを出してほしいと思います。

 難しい面もあると思いますが、この問題は解決という答えがでなければなにも
ならないと思います。是非とも皆様のお力を頂き、今後も進めていきたいと考え
ていますので、是非とも宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍
手)。

西岡 この3月で家族会、救う会ができて25年になります。横田滋さんが約1
1年間、最初の厳しい時期を含めてですが、代表を務めてくださいましたが、そ
の後14年間飯塚繁雄さんが代表を務めてくださいました。

 私たちは、飯塚さんはいつもいるものだと、お願いすればなんでもしてくださ
ると思ってきました。拉致に関してこういうことをしますと言うと、「分かった」
と言っていつでも時間を作ってくださって、身体がつらい中でも来てくださいま
した。

 14年間アメリカにも韓国にもジュネーブにも行っていただきましたし、日本
全国に行っていただいて、またチャリティーコンサートがあるというと家族会を
代表して行ってくださり、感謝の言葉を5分述べるためにも電車に長く乗って行っ
てくださいました。

 本当に、人柄で黙々と家族会・救う会の運動の中心で私たちを支えてください
ました。そして最後の言葉が、「あきらめない」でした。我々があきらめないこ
とこそ解決につながる、と。そういう言葉を残されて倒れてしまい、病床で後任
もちゃんと決められて、そして天国に旅立たれてしまいました。

 しかし本当にあきらめきれない気持ちで、私たちに後を託してくださったのだ
と思っています。だからこそ、私たちはあきらめることが絶対にできない。全拉
致被害者を早く取り戻さなければならないという決意を、飯塚さんに今日みんな
で捧げたいと思って今日の会を準備させていただきました。

◆代表献花

 代表献花を致します。

 まず飯塚家の皆さん、お願いいたします。

 主催者の横田拓也家族会代表、お願いいたします。

 主催者の古屋圭司拉致議連会長、お願いいたします。
 岸田文雄内閣総理大臣、お願いいたします。

 松野博一拉致問題担当大臣、内閣官房長官、お願いいたします。

 大野元裕埼玉県知事、知事の会を代表してお願いいたします。

 松田良昭拉致問題地方議会全国協議会会長、お願いいたします。

■挨拶

 続きましてご挨拶をいただきます。まず、横田拓也家族会代表、お願いいたし
ます。

◆家族会はあきらめない

 飯塚繁雄さん、最初に感謝の気持ちをお伝えします。

 1997年に家族会が結成された際、私の父滋が初代の代表に就き、11年間
最前線で声を上げ続け、全国を駆け回りました。その後、飯塚繁雄さんに代表職
をお引き受け頂き、国内外に拉致問題解決の重要性を訴え続けて頂きました。ま
た常に冷静に、そして穏やかな姿勢で家族会を纏め、14年もの長い間私達を牽
引して下さいました。誠に有難うございます。

 飯塚繁雄さん、私達はあなたが田口八重子さんを北朝鮮から取り戻し、日本の
地で再会する事をどれだけ強い信念で願っていたかという事を痛いほど承知して
います。また、その気持ち以上に飯塚耕一郎さんに母八重子さんとの再会を果た
し、再び家族の絆を取り戻したいと願っていた事を承知しています。身を粉にし
て最前線で戦い、日本政府に救出するための工程表を策定するよう強く求めてこ
られました。それにも関わらず、「会いたい」「会わせたい」という当たり前の
願いは叶えられることなくご逝去され、共に戦って来た一人として、無念でなり
ません。心より哀悼の意を表します。

 昨年12月18日に突然の訃報を聞いた際、私は動揺を隠す事が出来ませんで
した。どうしてこの様な悲しい目に遭わなくてはならないのかと自問自答しまし
た。何故、北朝鮮に拉致された全ての被害者を日本政府は救出する事が出来ない
のか、何故これだけ長い年月が経過していながら5人の拉致被害者の方々以外の
多くの私達の家族を北朝鮮に人質として拘束されていながら、加害者である北朝
鮮の先軍政治に目を瞑り、人権侵害を放置しているのかと。深い悲しみと共に、
静かな怒りを抱きました。

 何度も自問自答しました。苦しく、悲しい気持ちをどの様に抑えるのか悩みま
した。そんな時、飯塚繁雄さんが常に上を向いて歩を進め、「諦めない」と言う
強い言葉で私達に語って下さっていた事を思い出しました。残された私達が下を
向いていてはいけない、泣いている場合ではない。もし私の目の前に飯塚繁雄さ
んが今もいらっしゃれば、きっと「前へ!」とおっしゃっていた事と思います。

 家族会は諦めません。絶対にこの北朝鮮との戦いに負ける訳にはいきません。
「正義」と「邪悪」との戦いに必ず終止符を打ち、拉致された全ての被害者を日
本に取り戻すべく、言葉を武器にして戦い続けます。そっと空から見守っていて
下さい。

 本日、このお別れの会に岸田総理にお越し頂いています。

 北朝鮮は金正恩委員長以外の誰一人、決裁権を有していません。日本人拉致問
題を解決させるには、金正恩委員長と直接向き合い、全面解決を図るしかありま
せん。

 私達家族会・救う会の揺るぎない活動方針を改めてこの場で申し上げます。段
階的・部分的解決は一切望んでいません。拉致被害者の安否が分からないとする
欺瞞の前提に立った「調査委員会」や「連絡事務所」の立ち上げも求めていませ
ん。「全拉致被害者の即時一括帰国」のみを求めています。

 拉致問題を解決出来れば、日本は幸せを再び取り戻す事が出来ます。同時に、
この長くかかった人権侵害問題を金正恩委員長の英断で解決させられれば、北朝
鮮にとっても明るい未来が訪れる事を、強く総理ご自身の言葉でメッセージとし
て発して欲しいと思います。

 残された親世代の拉致被害者家族はとても高齢です。正に時間が残されていな
いのです。皆が元気な内に、解決を図って下さい。

 飯塚繁雄さん、これまで大変な心労の中で代表職をお務め頂きました。八重子
さんとの再会が出来なかった事は誠に残念ですが、苦しいストレスから少しだけ
解放され今はゆっくりした時間の中で私達の姿を見守って下さっている事と思い
ます。

 私は三代目の家族会の代表として精一杯声を上げて参ります。日本政府に早期
の救出を求め続けます。金正恩委員長に双方が平和な答えを得られるよう粘り強
く求めて参ります。いつも私の心の中の勇気と共にいて下さい。

 本当にこれまで有難うございました。

 令和4年3月12日
 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会 代表 横田拓也

◆飯塚さんの言葉、「あきらめない」を胸に刻み

古屋圭司(北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
会長、衆議院議員)

 飯塚繁雄さん!田口八重子さんと再会を果たす前に他界してしまいました。無
念の気持ちでしょう。昨年秋に、国民大集会を開催した時に、飯塚さんはすぐれ
ない体調の中で、声を絞り出して「あきらめない」という言葉を発しました。先
ほど私たちはそのビデオを改めて見ました。だからこそ今日のこのお別れ会は、
「あきらめない」というタイトルになっています。

 十数年間会長をお努めになる中で、時には政府や私たち拉致議連に苦言を呈し
たいことが多々あったと思います。しかし、その時はぐっと腹に抑えて、謙虚な
対応をされました。本当に心から頭が下がる思いです。

 何度も、飯塚代表を初め家族会の皆様、拉致議連の同志のメンバーと共にワシ
ントンを訪問しましたね。その目的はまず、この拉致問題をしっかり認識しても
らう。そして解決のための連携と協力をお願いすることでした。

 そのために上下両院議員や政府高官、NPOの研究機関を訪問しました。その
成果はトランプ前大統領による交連総会での演説で、「あの13歳の少女」と言っ
てめぐみさんのことも言及しながら、「北朝鮮の拉致は絶対許せない」という言
葉につながりました。

 またアメリカ人で拉致された疑いが強いデイヴィッド・スネドンさんの上下両
院による決議も実現することができました。足を棒にしてワシントン界隈を歩き
続けました。夜には日本食の居酒屋でお酒を口にしながら、「絶対にあきらめな
いよ」と。この言葉、私は今でもはっきりとこの胸の中に刻まれています。

 しかしまだ解決していません。これからは決して平たんな道ではありません。
だからこそ、我々拉致議員連盟は、そして政府は、飯塚さんの言葉、「あきらめ
ない」、そして「無念の1年」、この言葉をしっかり心に刻んで、時に政府のや
り方が生ぬるければ徹底的に厳しく背中を押していく、そしてあらゆる手段を尽
くして私たちは拉致被害者を日本に取り戻して、再び祖国の地を踏めるように頑
張って行きたいと思います。是非お見守りください。

 北朝鮮の金正恩委員長はおそらく風化を狙っているんでしょう。でも、そんな
ことは絶対に許しません。飯塚さんの後を受けて、横田拓也さん、あるいは飯塚
耕一郎さんが使命を受けて家族会を引っ張っていく。地獄の底まで解決のために
徹底的に追及する。

 そして金正恩委員長にも、この拉致問題を解決することが北朝鮮の将来につな
がることをしっかり認識させることです。これは今日出席の岸田総理と政府、そ
して拉致議連が一体となって、あらゆる手段を尽くして頑張っていきたいと思い
ます。

 是非天上界からお見守り下さい。私たちは全力を尽くすことをお約束致します。

 飯塚さん!さようなら。合掌。

◆あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組む

岸田文雄(内閣総理大臣)

 飯塚繁雄さんお別れ会に際して、一言御挨拶を申し上げます。まず、改めて飯
塚繁雄さんに心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申
し上げます。

 繁雄さんが御存命の間に、田口八重子さんとの再会を果たすことができなかっ
たことは、正に痛恨の極みであり政府として、また一政治家として誠に申し訳な
く思っております。

 八重子さんが北朝鮮に拉致されてから40年以上が経過いたしました。繁雄さ
んは長年にわたり八重子さんの救出を訴えてこられ、特に横田滋さんから家族会
の代表を引き継がれてからは14年もの長きにわたって拉致被害者御家族の先頭
に立ち、拉致問題の解決のため正に最期まで御尽力されてきました。その活動は
国内にとどまらず、国際社会に対しても拉致問題の実態と早期解決を訴えてこら
れました。

 これらの活動は多くの人の心を動かし、政府に届けられた拉致問題解決を願う
署名の数は1,500万筆を超え、また拉致問題の即時解決を求める国際社会の
声の高まりを生み出しました。このように大きく広がった国民の皆様の声、国際
社会の声は必ずや北朝鮮を動かすことにつながると考えます。

 昨年11月に開催された国民大集会でお目にかかったのが繁雄さんとお会いす
る最後の機会となってしまいました。先ほど、我々は映像を通してその際の繁雄
さんの声を聞かせていただきましたが、絶対に諦められない、こうおっしゃって
いたことが強く印象に残っています。

 繁雄さんの御遺志を心に刻み、私の手で何としても拉致問題を解決したいと考
えております。拉致問題は岸田内閣の最重要課題です。総理大臣として自ら先頭
に立ち、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべくあらゆるチャンスを逃
すことなく全力で取り組みます。繁雄さんの御霊(みたま)を前に改めてこの強
い決意を申し上げ、私の御挨拶とさせていただきます。

 令和4年3月12日
 内閣総理大臣 岸田文雄


(2につづく)





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