韓国新政権と拉致被害者救出?東京連続集会3(2022/07/08)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2022.07.08)
■韓国新政権と拉致被害者救出?東京連続集会3
◆文在寅の右腕が文在寅に危機感を持って大統領に
では尹錫悦政権が韓国で問われていることは何か。この人がなぜ大統領になれ
たのか。原点を顧みると、この人は朴槿惠政権を倒すために一役買った人です。
朴槿惠を弾劾する検事として、朴槿惠について色々なことを調べるチーム長をやっ
ていた。そういう傾向を文在寅に認められて検事総長に抜擢されています。
その後彼は、「文在寅大統領が、生きている権力を容赦なく裁けた」と言った。
大統領がその言葉をそのまま受け止めて、文在寅の右腕になった。そういう出自
があります。
尹さんが大統領になれた最大の理由は、その後文在寅政権に危機感を持ったこ
とです。「これでは大韓民国の軸がさらに左に寄って、さらに北朝鮮に寄って、
文在寅という人は言ったこととやったことが全然違って、自分たちは権力の中心
に入った途端、さまざまな利権を独り占めにして、規制の形を変えるような法律
をどんどん作っていった。
そのことに危機感を持った人たちが、「文在寅さんのやったことをきちんと調
べてくれ。あなたは検事総長として文在寅と正面衝突してくれ」と言われ、討ち
死にするような形で辞任した人ですから、「その捜査にたけた情熱で文在寅政権
を裁いてくれ」という保守の声があったから大統領になれたのです。
なの日本の朝鮮半島ウォッチャーはみんなすごく注目しているのですけど、で
は尹錫悦大統領は文在寅を起訴するのかどうか、処罰するかどうかを見ています。
今俎上に上がっているのは、本当に黒に近いような疑惑の事件がたくさんありま
すが、一番可能性が高いのは、蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件です。
蔚山というのは現代重工業のある釜山より少し南の港町で、そこは鬱陵(ウル
ルン)島という竹島の横の島ですが、そこの市長選が2018年6月にあったの
ですが、文在寅さんが「兄貴」と呼ぶような親しい人を市長にするために、大統
領府の色々な部署の人が選挙戦に介入したのですが、現職を破って当選させるた
めにスキャンダルをでっち上げて警察に捜査もさせました。
これを検事総長だった尹錫悦さんはさかんに調べた。しかし、この事件に介入
してほしくない文在寅は、法務大臣の指揮権を3回も発動させて止めようとして
正面衝突した事件です。
でも政権が代わりましたから、これはできるのではないかとみんな思ったので
す。青瓦台の核心部分の人たちを調べて分かっているのですが、実際に問題とな
るのは文在寅大統領が指示したかどうかです。それを証明できるかどうかです。
ただ、「文在寅保護法」と呼ばれている法律を政権の最後に通していて、検察
当局の捜査権をかなり失効させていて、それが施行されるのが今年の9月なので、
3か月の猶予があるとは言え、早くやらないと検察の捜査権が剥奪されてしまう
法律が成立しているという、大変難しい状況があります。
◆文在寅政権の疑惑を調べてほしくて国民は尹錫悦を選んだ
2つ目は原発に関することで、文在寅さんが「脱原発」を掲げた。そして、現
在稼働している中で、「月城(ウォルソン)原発の経済評価指標がだめで、早く
廃炉にしなければならない」と書き換えさせたという疑惑があります。
これも文在寅さんが一声かけなければこんな改ざんは起きていないはずで、大
統領の介入が非常に疑われている事件です。
ほかにもいくつかあります。国情院がちゃんと捜査をすれば、一番私が知りた
いのは、2018年の板門店での首脳会談の時に、文在寅は金正恩にUSBを渡し
た。二人で対談している時に。
後で韓国当局なのかアメリカに頼んだのか分かりませんが、その時に話してい
た口を解析した所、「原発」と言っていたことが分かったのです。なのでUSBの
中に国家機密の原発技術が入っていたのではないかという疑惑があります。
文在寅が手渡ししたことが証明できれば、国家反逆罪ですよね。こういういく
つかの文在寅政権の疑惑があり、国民はこれを調べてほしいから尹錫悦を選んだ
わけです。それをどうするか。
まだ政権がスタートして2か月ですからそこまでは行っていないけれども、着
々と進んでいる感じはあります。それはなぜかと言えば、法務大臣に韓国の検察
の中で「カミソリのような一番」と言われている人で、尹さんの直属の部下だっ
た人を、49歳の若さだったけれど法務大臣に抜擢したからです。
なのでやる気はある。大統領が命令してやるのではなく、検察に捜査をさせて
文在寅の恥部を暴いて逮捕に結びつける可能性はある。
◆北朝鮮が海上警察官を焼き殺したのに事件を隠匿
今韓国で一番の話題になっているのは、やはり文在寅の野望の裏返しの悲劇で
しょうか。「韓国公務員射殺事件」というのがあるのですが、海洋水産部の公務
員Aが、2020年9月に、仕事でNLL(北方限界線)付近で作業をしていた時に
海に落ちたらしく、行方不明になり、北の方に流されてしまった。
海軍や警察が捜索をしたのですが、結論から言うと、その人は北朝鮮の軍に射
殺され、放射砲で焼き殺されたという、韓国国民が虐殺されたという事件です。
ところが行方不明になったのは9月22日ですが、23日未明の午前1時くらい
に、文在寅さんが国連総会で演説をした。それは北朝鮮と終戦協定を結び和解し
ようという働きかけが必要だと国際社会に発信したという内容です。
前の日の夕方に公務員Aさんが行方不明になり、国連での演説があったからだ
と思われるのですが、この事件が隠匿されてしまった。二日間に渡って報道され
なかった。さらに、演説の3時間前に公務員Aさんは放射砲で殺されていた、と
いうことがどんどん分かってきたのですが、発表は遅れていた。
韓国側は海洋警察がどういう行動をしたかと言えば、「このAは北朝鮮に越北
しようとしていた。それを示す証拠がある」と発表したのです。「越北」という
のは我々には想像もつかないのですが、韓国人にとって南を裏切って北に行くと
いうのは、それだけでアウトなんです。それを理由にして、この事件はやむを得
なかったという位置づけに引き下げられてしまっていたのです。
しかし政権が代わったとたんに、会場警察は再調査を命じられていたのですが、
その結果を6月に発表しました。「越北の証拠はなかった」と。そして海上警察
庁長官を初めとする9人が辞職することになりました。つまり、青瓦台から圧力
がかかって、事件を隠匿、あるいは歪曲した張本人が海上警察だった。
自ら判断したのではなく、上からの指示があったに決まっているんですが、そ
のことが今取沙汰されている最中で、次々に新しいことが分かってきました。な
のでこういう事件も、尹錫悦政権が文在寅政権の本当の姿を暴露するのに使える
事件になるかもしれません。
◆尹錫悦さんはイデオロギーが疑問
安全保障はOK。イデオロギーでは疑問。弾劾に関してはこのような疑問がたく
さんあるけどまだスタートしたばかりで判断はつきません。やはりイデオロギー
が尹さんの弱点だということが段々分かってきました。彼は検事を40年近くやっ
てきた人です。
検事の世界に詳しい後輩に聞いたところ、検事には2種類の人間がいるそうで
す。公安事件を担当する検事と権力事件を担当する検事で、これを特捜と言いま
す。日本でも東京地検特捜部があり汚職や権力型の問題を担当します。
公安検事の方はイデオロギー担当で、北朝鮮とか、朝鮮総連、中国共産党等の
公安事件を扱います。これはイデオロギーが頭の中にある人たちがなる。しかし、
特捜検事は全く違う頭脳構造を持っているそうです。絵を描く。それに合わせて
材料を持ってくる。ゴールは見えている。この権力事件の証拠を固めて立件させ
ることに向かって走っていく。
従って、イデオロギー型の検事と、公安型の検事は頭の構造が違うそうです。
なので尹錫悦さんみたいに、特捜検事をずっとやってきた人は、権力の暗部を探
ることに自分の正義を最大限に燃やすのです。
普通だったらできないことですが、例えば朴槿惠さんを追い詰めるためにやっ
た人です。保守になって朴槿惠さんにごめんなさいと簡単に言えるものではない
と思うわけですが、この人の頭の構造では、あれは特捜の構図の中でこれが正義
だと思ってやっていたという意味で言うと、白か黒かイデオロギーが違えば全く
違う結末になると思っているタイプとは違う発想をする人かもしれません。
◆尹錫悦政権は徴用工、慰安婦問題で日韓合意には戻るが真の解決はできない
では日韓関係で尹錫悦政権はどう出るか。私はイデオロギーの弱点がそのまま
出てくると思います。今日韓で一番問題になっているのは徴用工の問題です。そ
して慰安婦の問題です。
我々が考える徴用工、慰安婦と韓国が主張している徴用工、慰安婦は違うわけ
です。慰安婦で言えば「性奴隷」という戦争犯罪でナチスと同等というのが彼ら
の言い分です。しかし、そうではないという証拠は山ほどあって、そして慰安婦
の人たちが嘘をついていたという証拠もたくさんあります。
本来であれば、本質論としての慰安婦とは何か、あの時何があったのか、そし
て軍は関与していなかったことをきちんとしなければ、この問題は解決しないは
ずなのです。
しかしそれは、今まで培われてきた韓国の歴史観をひっくり返すような、もの
すごい大仕事になるのです。この人にその能力と覚悟があるかと言えば、多分な
いと思われます。
つまり戦争犯罪だ、性奴隷だという価値観というのは、韓国の保守政党である
「国民の力」の有力議員であっても、「慰安婦が戦時の性犠牲者だったことは歴
史的事実だ」と平気で言うことが常識になっていますから、日本から言えば歪ん
だ「反日史観」というものに今の政権が取り組むのは非常に難しい。
そこで尹錫悦政権がどうしようとしているかというと、「日韓合意までさかの
ぼる」というのが限度だと思います。「日韓合意までさかのぼる」というのは、
10億円を慰安婦の方々に差し上げたけれど、残っているお金がある。これを後
続措置として日韓合意をもう一度立て直して、認めて、何かの施設を作るとか使
い道を作って、今も生きている元慰安婦の方々への癒しの作業を続けていくこと
は可能なわけです。
これはイデオロギーとは別のことで、日韓合意を守るというところまでは彼は
多分できると思います。しかし、問題の根本は解決しないまま残る。慰安婦に対
する日韓の相違点は埋まらないまま残ってしまう。
多分、徴用工についてもそうじゃないかと思います。「徴用工」というのは、
我々の立場としては、自由募集もあったし、官斡旋もあったし、徴用の部分もあっ
たけれど、それがすべて日韓交渉の中で不可逆的に解決したじゃないかというこ
とです。
尹錫悦政権ができるのは、1965年の日韓合意に戻ることは可能だと思いま
す。しかし、徴用工とはどういう人だったのか。今裁判で訴えている徴用工とは
一体何者なのかというところまで、自分たちを裸にするまでの活動はおそらくな
いと思います。
だから請求権協定まで戻る作業はするのではないか。それを目標にしてやって
いくのではないかという気がします。また慰安婦については安倍さんと朴槿惠さ
んの合意まで戻るのではないか。しかしそれは本当の解決ではないと思います。
◆左派に乗っ取られた民族史観
韓国の「保守」という政治集団にとって最大の弱点は対日観です。日本に対す
る歴史観です。具体的な問題で言うと、慰安婦や徴用工がシンボルになっていま
すが、日本が韓国併合によって何をしたかに関する認識を整理していないのです。
整理ができなかったことが彼らの最大の弱点なんです。
数年前韓国の研究者を含め、なぜ対日観で保守は左派と同じ反日になるのかを
取材したことがあります。「我々には真剣に歴史と向き合うことがなかった」と
いう言い方をした人がいたのですが、45年に解放され、48年に建国したので
すが、戦争があり、朴正熙の時代が始まって65年に日本と国交正常化した。
それから50年間、日本から続々と「朝鮮史観」が入ってきた。「朝鮮史観」
というのは日本の左派が作っている歴史観です。例えば強制労働とか朝鮮研究な
ど、日本がやったことは全部悪かったという歴史観が怒涛のように入ってきて、
それしかなかった。
つまり韓国は1945年より前は日本だったわけで、45年から65年まで混
乱の時代が続いて、その後日本から朝鮮史研究が入ってきた。その時に、191
0年からの35年間を冷静に分析しようという学者がいなかった。
80年代になると、今度は韓国が民主化してそこに「民族史観」というのが入っ
てきます。北朝鮮も「民族史観」なのですが、「韓国より北朝鮮の方が正統性が
ある」といったような「民族史観」が入ってくるわけです。
韓国の有名なジャーナリストで「月刊朝鮮」の編集長だった趙甲済(チョウ・
ガプチェ)さんという人がいて、その方にもインタビューしたのですが、「朝鮮
半島に李朝時代から日本に占領されるまで『民族』という言葉がなかった。日本
が併合して初めて『民族』という実感を持った。だけどその『民族』という言葉
を左派が乗っ取った、左派が盗んだ」ということでした。
「例えば民族解放とか民族主義、民族史観とか反民族とかいうのは、みんな左
派が乗っ取った『民族』なんだ」という言い方で民族主義を語った。本来であれ
ば民族史観を元に韓国併合時代はどういう時代だったかというと、客観的な研究
があってよかったはずなのに、それが民族史観によって反日にすり替えられた」
とおっしゃっていました。
そういう背景もあって、尹錫悦さんはイデオロギーには弱い人という気がしま
す。
◆拉致問題では日韓連携できる
では拉致問題に関してはどうなるか。私の希望的観測も入っているかもしれま
せんが、北朝鮮の認識という意味では、彼らは非常にリアリズムで捉えています。
なので、情報機関の立て直しが行われて北朝鮮との対峙をさらに先鋭化させてい
くわけですから、その意味では拉致問題での連携はできると思います。
先程西岡さんもおっしゃったように、キム・グクソンさんを初めとして色々な
情報を持っている人が韓国にたくさんいるわけです。そしてまだカミングアウト
(自分の情報を公開)していない人もたくさんいるし、韓国政府が日本に協力す
ると、北朝鮮に対して日米韓だと本気で考えてくれるのであれば、共有できるも
のがあるのではないかと思っています。
ありがとうございました(拍手)。
(4につづく)
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■韓国新政権と拉致被害者救出?東京連続集会3
◆文在寅の右腕が文在寅に危機感を持って大統領に
では尹錫悦政権が韓国で問われていることは何か。この人がなぜ大統領になれ
たのか。原点を顧みると、この人は朴槿惠政権を倒すために一役買った人です。
朴槿惠を弾劾する検事として、朴槿惠について色々なことを調べるチーム長をやっ
ていた。そういう傾向を文在寅に認められて検事総長に抜擢されています。
その後彼は、「文在寅大統領が、生きている権力を容赦なく裁けた」と言った。
大統領がその言葉をそのまま受け止めて、文在寅の右腕になった。そういう出自
があります。
尹さんが大統領になれた最大の理由は、その後文在寅政権に危機感を持ったこ
とです。「これでは大韓民国の軸がさらに左に寄って、さらに北朝鮮に寄って、
文在寅という人は言ったこととやったことが全然違って、自分たちは権力の中心
に入った途端、さまざまな利権を独り占めにして、規制の形を変えるような法律
をどんどん作っていった。
そのことに危機感を持った人たちが、「文在寅さんのやったことをきちんと調
べてくれ。あなたは検事総長として文在寅と正面衝突してくれ」と言われ、討ち
死にするような形で辞任した人ですから、「その捜査にたけた情熱で文在寅政権
を裁いてくれ」という保守の声があったから大統領になれたのです。
なの日本の朝鮮半島ウォッチャーはみんなすごく注目しているのですけど、で
は尹錫悦大統領は文在寅を起訴するのかどうか、処罰するかどうかを見ています。
今俎上に上がっているのは、本当に黒に近いような疑惑の事件がたくさんありま
すが、一番可能性が高いのは、蔚山(ウルサン)市長選挙介入事件です。
蔚山というのは現代重工業のある釜山より少し南の港町で、そこは鬱陵(ウル
ルン)島という竹島の横の島ですが、そこの市長選が2018年6月にあったの
ですが、文在寅さんが「兄貴」と呼ぶような親しい人を市長にするために、大統
領府の色々な部署の人が選挙戦に介入したのですが、現職を破って当選させるた
めにスキャンダルをでっち上げて警察に捜査もさせました。
これを検事総長だった尹錫悦さんはさかんに調べた。しかし、この事件に介入
してほしくない文在寅は、法務大臣の指揮権を3回も発動させて止めようとして
正面衝突した事件です。
でも政権が代わりましたから、これはできるのではないかとみんな思ったので
す。青瓦台の核心部分の人たちを調べて分かっているのですが、実際に問題とな
るのは文在寅大統領が指示したかどうかです。それを証明できるかどうかです。
ただ、「文在寅保護法」と呼ばれている法律を政権の最後に通していて、検察
当局の捜査権をかなり失効させていて、それが施行されるのが今年の9月なので、
3か月の猶予があるとは言え、早くやらないと検察の捜査権が剥奪されてしまう
法律が成立しているという、大変難しい状況があります。
◆文在寅政権の疑惑を調べてほしくて国民は尹錫悦を選んだ
2つ目は原発に関することで、文在寅さんが「脱原発」を掲げた。そして、現
在稼働している中で、「月城(ウォルソン)原発の経済評価指標がだめで、早く
廃炉にしなければならない」と書き換えさせたという疑惑があります。
これも文在寅さんが一声かけなければこんな改ざんは起きていないはずで、大
統領の介入が非常に疑われている事件です。
ほかにもいくつかあります。国情院がちゃんと捜査をすれば、一番私が知りた
いのは、2018年の板門店での首脳会談の時に、文在寅は金正恩にUSBを渡し
た。二人で対談している時に。
後で韓国当局なのかアメリカに頼んだのか分かりませんが、その時に話してい
た口を解析した所、「原発」と言っていたことが分かったのです。なのでUSBの
中に国家機密の原発技術が入っていたのではないかという疑惑があります。
文在寅が手渡ししたことが証明できれば、国家反逆罪ですよね。こういういく
つかの文在寅政権の疑惑があり、国民はこれを調べてほしいから尹錫悦を選んだ
わけです。それをどうするか。
まだ政権がスタートして2か月ですからそこまでは行っていないけれども、着
々と進んでいる感じはあります。それはなぜかと言えば、法務大臣に韓国の検察
の中で「カミソリのような一番」と言われている人で、尹さんの直属の部下だっ
た人を、49歳の若さだったけれど法務大臣に抜擢したからです。
なのでやる気はある。大統領が命令してやるのではなく、検察に捜査をさせて
文在寅の恥部を暴いて逮捕に結びつける可能性はある。
◆北朝鮮が海上警察官を焼き殺したのに事件を隠匿
今韓国で一番の話題になっているのは、やはり文在寅の野望の裏返しの悲劇で
しょうか。「韓国公務員射殺事件」というのがあるのですが、海洋水産部の公務
員Aが、2020年9月に、仕事でNLL(北方限界線)付近で作業をしていた時に
海に落ちたらしく、行方不明になり、北の方に流されてしまった。
海軍や警察が捜索をしたのですが、結論から言うと、その人は北朝鮮の軍に射
殺され、放射砲で焼き殺されたという、韓国国民が虐殺されたという事件です。
ところが行方不明になったのは9月22日ですが、23日未明の午前1時くらい
に、文在寅さんが国連総会で演説をした。それは北朝鮮と終戦協定を結び和解し
ようという働きかけが必要だと国際社会に発信したという内容です。
前の日の夕方に公務員Aさんが行方不明になり、国連での演説があったからだ
と思われるのですが、この事件が隠匿されてしまった。二日間に渡って報道され
なかった。さらに、演説の3時間前に公務員Aさんは放射砲で殺されていた、と
いうことがどんどん分かってきたのですが、発表は遅れていた。
韓国側は海洋警察がどういう行動をしたかと言えば、「このAは北朝鮮に越北
しようとしていた。それを示す証拠がある」と発表したのです。「越北」という
のは我々には想像もつかないのですが、韓国人にとって南を裏切って北に行くと
いうのは、それだけでアウトなんです。それを理由にして、この事件はやむを得
なかったという位置づけに引き下げられてしまっていたのです。
しかし政権が代わったとたんに、会場警察は再調査を命じられていたのですが、
その結果を6月に発表しました。「越北の証拠はなかった」と。そして海上警察
庁長官を初めとする9人が辞職することになりました。つまり、青瓦台から圧力
がかかって、事件を隠匿、あるいは歪曲した張本人が海上警察だった。
自ら判断したのではなく、上からの指示があったに決まっているんですが、そ
のことが今取沙汰されている最中で、次々に新しいことが分かってきました。な
のでこういう事件も、尹錫悦政権が文在寅政権の本当の姿を暴露するのに使える
事件になるかもしれません。
◆尹錫悦さんはイデオロギーが疑問
安全保障はOK。イデオロギーでは疑問。弾劾に関してはこのような疑問がたく
さんあるけどまだスタートしたばかりで判断はつきません。やはりイデオロギー
が尹さんの弱点だということが段々分かってきました。彼は検事を40年近くやっ
てきた人です。
検事の世界に詳しい後輩に聞いたところ、検事には2種類の人間がいるそうで
す。公安事件を担当する検事と権力事件を担当する検事で、これを特捜と言いま
す。日本でも東京地検特捜部があり汚職や権力型の問題を担当します。
公安検事の方はイデオロギー担当で、北朝鮮とか、朝鮮総連、中国共産党等の
公安事件を扱います。これはイデオロギーが頭の中にある人たちがなる。しかし、
特捜検事は全く違う頭脳構造を持っているそうです。絵を描く。それに合わせて
材料を持ってくる。ゴールは見えている。この権力事件の証拠を固めて立件させ
ることに向かって走っていく。
従って、イデオロギー型の検事と、公安型の検事は頭の構造が違うそうです。
なので尹錫悦さんみたいに、特捜検事をずっとやってきた人は、権力の暗部を探
ることに自分の正義を最大限に燃やすのです。
普通だったらできないことですが、例えば朴槿惠さんを追い詰めるためにやっ
た人です。保守になって朴槿惠さんにごめんなさいと簡単に言えるものではない
と思うわけですが、この人の頭の構造では、あれは特捜の構図の中でこれが正義
だと思ってやっていたという意味で言うと、白か黒かイデオロギーが違えば全く
違う結末になると思っているタイプとは違う発想をする人かもしれません。
◆尹錫悦政権は徴用工、慰安婦問題で日韓合意には戻るが真の解決はできない
では日韓関係で尹錫悦政権はどう出るか。私はイデオロギーの弱点がそのまま
出てくると思います。今日韓で一番問題になっているのは徴用工の問題です。そ
して慰安婦の問題です。
我々が考える徴用工、慰安婦と韓国が主張している徴用工、慰安婦は違うわけ
です。慰安婦で言えば「性奴隷」という戦争犯罪でナチスと同等というのが彼ら
の言い分です。しかし、そうではないという証拠は山ほどあって、そして慰安婦
の人たちが嘘をついていたという証拠もたくさんあります。
本来であれば、本質論としての慰安婦とは何か、あの時何があったのか、そし
て軍は関与していなかったことをきちんとしなければ、この問題は解決しないは
ずなのです。
しかしそれは、今まで培われてきた韓国の歴史観をひっくり返すような、もの
すごい大仕事になるのです。この人にその能力と覚悟があるかと言えば、多分な
いと思われます。
つまり戦争犯罪だ、性奴隷だという価値観というのは、韓国の保守政党である
「国民の力」の有力議員であっても、「慰安婦が戦時の性犠牲者だったことは歴
史的事実だ」と平気で言うことが常識になっていますから、日本から言えば歪ん
だ「反日史観」というものに今の政権が取り組むのは非常に難しい。
そこで尹錫悦政権がどうしようとしているかというと、「日韓合意までさかの
ぼる」というのが限度だと思います。「日韓合意までさかのぼる」というのは、
10億円を慰安婦の方々に差し上げたけれど、残っているお金がある。これを後
続措置として日韓合意をもう一度立て直して、認めて、何かの施設を作るとか使
い道を作って、今も生きている元慰安婦の方々への癒しの作業を続けていくこと
は可能なわけです。
これはイデオロギーとは別のことで、日韓合意を守るというところまでは彼は
多分できると思います。しかし、問題の根本は解決しないまま残る。慰安婦に対
する日韓の相違点は埋まらないまま残ってしまう。
多分、徴用工についてもそうじゃないかと思います。「徴用工」というのは、
我々の立場としては、自由募集もあったし、官斡旋もあったし、徴用の部分もあっ
たけれど、それがすべて日韓交渉の中で不可逆的に解決したじゃないかというこ
とです。
尹錫悦政権ができるのは、1965年の日韓合意に戻ることは可能だと思いま
す。しかし、徴用工とはどういう人だったのか。今裁判で訴えている徴用工とは
一体何者なのかというところまで、自分たちを裸にするまでの活動はおそらくな
いと思います。
だから請求権協定まで戻る作業はするのではないか。それを目標にしてやって
いくのではないかという気がします。また慰安婦については安倍さんと朴槿惠さ
んの合意まで戻るのではないか。しかしそれは本当の解決ではないと思います。
◆左派に乗っ取られた民族史観
韓国の「保守」という政治集団にとって最大の弱点は対日観です。日本に対す
る歴史観です。具体的な問題で言うと、慰安婦や徴用工がシンボルになっていま
すが、日本が韓国併合によって何をしたかに関する認識を整理していないのです。
整理ができなかったことが彼らの最大の弱点なんです。
数年前韓国の研究者を含め、なぜ対日観で保守は左派と同じ反日になるのかを
取材したことがあります。「我々には真剣に歴史と向き合うことがなかった」と
いう言い方をした人がいたのですが、45年に解放され、48年に建国したので
すが、戦争があり、朴正熙の時代が始まって65年に日本と国交正常化した。
それから50年間、日本から続々と「朝鮮史観」が入ってきた。「朝鮮史観」
というのは日本の左派が作っている歴史観です。例えば強制労働とか朝鮮研究な
ど、日本がやったことは全部悪かったという歴史観が怒涛のように入ってきて、
それしかなかった。
つまり韓国は1945年より前は日本だったわけで、45年から65年まで混
乱の時代が続いて、その後日本から朝鮮史研究が入ってきた。その時に、191
0年からの35年間を冷静に分析しようという学者がいなかった。
80年代になると、今度は韓国が民主化してそこに「民族史観」というのが入っ
てきます。北朝鮮も「民族史観」なのですが、「韓国より北朝鮮の方が正統性が
ある」といったような「民族史観」が入ってくるわけです。
韓国の有名なジャーナリストで「月刊朝鮮」の編集長だった趙甲済(チョウ・
ガプチェ)さんという人がいて、その方にもインタビューしたのですが、「朝鮮
半島に李朝時代から日本に占領されるまで『民族』という言葉がなかった。日本
が併合して初めて『民族』という実感を持った。だけどその『民族』という言葉
を左派が乗っ取った、左派が盗んだ」ということでした。
「例えば民族解放とか民族主義、民族史観とか反民族とかいうのは、みんな左
派が乗っ取った『民族』なんだ」という言い方で民族主義を語った。本来であれ
ば民族史観を元に韓国併合時代はどういう時代だったかというと、客観的な研究
があってよかったはずなのに、それが民族史観によって反日にすり替えられた」
とおっしゃっていました。
そういう背景もあって、尹錫悦さんはイデオロギーには弱い人という気がしま
す。
◆拉致問題では日韓連携できる
では拉致問題に関してはどうなるか。私の希望的観測も入っているかもしれま
せんが、北朝鮮の認識という意味では、彼らは非常にリアリズムで捉えています。
なので、情報機関の立て直しが行われて北朝鮮との対峙をさらに先鋭化させてい
くわけですから、その意味では拉致問題での連携はできると思います。
先程西岡さんもおっしゃったように、キム・グクソンさんを初めとして色々な
情報を持っている人が韓国にたくさんいるわけです。そしてまだカミングアウト
(自分の情報を公開)していない人もたくさんいるし、韓国政府が日本に協力す
ると、北朝鮮に対して日米韓だと本気で考えてくれるのであれば、共有できるも
のがあるのではないかと思っています。
ありがとうございました(拍手)。
(4につづく)
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