国民大集会報告1(2023/05/29)
★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2023.05.29)
私たちは、5月27日午後、都内で「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民
大集会」を開催しました。総合司会は櫻井よしこさん(ジャーナリスト)。
政府から、岸田文雄総理大臣、松野博一拉致担当大臣兼官房長官らが参加し、
各党代表として山谷えり子(自民)、松原仁(立民)、三浦信祐(公明)、藤田
文武(維新)、川合孝典(国民)の各氏が、主催した5団体からは以下の人々が
参加しました。
家族会から、横田拓也代表等が参加。拉致議連から古屋圭司会長、北村経夫事
務局長、笠浩史連事務局長代理等が、知事の会から黒岩祐治会長(神奈川県知事)
等が、地方議員の会から松田良昭会長(神奈川県議)等が、特定失踪者家族会か
ら今井英輝会長(今井裕さん兄)、吉見美保副会長(秋田美輪さん姉)等が、救
う会から、西岡力会長等が参加しました。大集会の概要は以下の通り。
■国民大集会報告1
櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)
ただいまより、「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を開催い
たします。どうぞ宜しくお願い致します(拍手)。
では主催者を代表して家族会の横田拓也代表にご挨拶をお願いいたします(拍
手)。
◆岸田首相の強いリーダーシップに私たちは賭けている
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
皆様こんにちは。本日もお忙しい中、北朝鮮による日本人拉致事件解決のため
に心を一つにしてお集まり頂きまして誠に有難うございます。
最初に、5月2日?7日に掛けて家族会・救う会・拉致議連の3団体で訪米致しま
したことをご報告させて頂きます。拉致議連の山谷先生、北村先生、塚田先生に
は力強いご支援を頂きまして誠にありがとうございました。また拉致対策本部、
外務省並びに在米日本大使館の皆様の多大なるご支援に対しまして心から感謝申
し上げます。
前回の国民大集会は10月23日に開催されました。岸田総理から一歩踏み込んだ
力強いメッセージが発せられたことを同じ壇上で聞いておりました。「日朝平壌
宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過
去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指しますが、とりわけ、拉致被害者御
家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人権問題です。全ての拉
致被害者の方の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでまいり
ます」と話されました。
家族会・救う会はこのご発言を受けて、今年度の新しい運動方針を2月に作成
しました。「親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現する
なら、わが国が人道支援を行うことに反対しない」という新しい提案です。つま
り、人道問題である拉致問題を他の諸懸案、つまり核・ミサイル問題から切り離
して優先的に解決するよう求めているのです。
主権国家から無実の少女を「一方的な力による現状変更」で拉致した加害者北
朝鮮を許す事は絶対にできません。譲歩する気もありません。制裁を緩めること
も考えていません。一方、拉致された私たちの愛する子どもや兄弟を待つ親世代
の高齢化は厳しい現実下にあり、再会を果たせず他界されるケースが相次いでい
ます。残されている時間が無いのです。
どうしても日本の地で再会させたい。大切な我が子や家族と抱き合わせてあげ
たい。その強い思いから、人道問題である拉致問題の解決を前進させるために、
全拉致被害者即時一括帰国が約束されるのであれば日本政府が北朝鮮へ人道支援
する事に私たちは反対しないと言う方針を作りました。
この運動方針の考え方、背景にある私たちの心の内の苦しみを今回の訪米活動
において政府高官及び上下両院議員、そして有識者の方々に伝えて参りました。
一人の方からもこの私たちの運動方針や考え方に反対や異論の声は上がりません
でした。この点において、訪米活動は実りある成果を得られたと考えています。
金正恩委員長に再度伝えます。拉致被害者が晴れて日本に帰国した際に、私た
ちは拉致被害者本人が見聞きした内容を聞き出し、日朝国交正常化交渉の妨げを
することはしないことを改めて伝えます。怖がらずに勇気ある英断をして下さい。
私たちは拉致された被害者をただ帰してほしいだけなのです。
金正恩委員長、あなたの横に座るあなたの娘さんの映像を私たちが目にする時、
あなたも親として愛する子どもが大切であるとの気持ちを持っていることを私た
ちは感じ取っています。その同じ気持ちを私たち拉致被害者家族の親世代の方々
も持っていることを忘れないでほしい。
人権・人道問題である拉致問題を解決、つまり全拉致被害者の即時一括帰国を
約束するのであれば、日朝両国に明るい未来があることを理解してほしい。それ
はあなたの娘さんの未来も明るくする親の責務でもあると思います。今のまま、
人々を苦しめ続け、他国から無実の少女を拉致したまま人質外交を続ける先には
明るい未来は待っていません。国際社会からも信用されることはありません。あ
なたの娘さんがそうした行為を続ける一国のリーダーの姿をどのように見ている
か、冷静に考えてほしいと思います。
暴力や恐怖からは何一つ生み出されるものはありません。家族の絆を引き裂い
たままの現状を変えるべきです。日朝両国が平和に向かって歩み出せるよう、現
実を直視して下さい。
最後に、日本政府は一刻も早く北朝鮮による日本人拉致事件を解決させるため
に、日朝首脳会談を実現させて下さい。北朝鮮から拉致された私たちの大切な家
族や兄弟を速やかに取り戻して下さい。岸田首相の強いリーダーシップに私たち
は賭けています。
国民の皆様、どうかこの問題が完全解決されるまで私たちのそばで一緒に戦っ
て下さい。この問題が忘れられることが無いよう、特に若年世代の方々に大人の
責任として伝え続けて下さい。
引き続きのご支援を賜りますようどうぞ宜しくお願い致します。ありがとうご
ざいます(拍手)。
◆拉致被害者家族紹介
櫻井 横田拓也さんありがとうございました。この運動が始まって26年目なん
ですね。四半世紀を過ぎてしまって、この間に多くのご家族の方々が無くなられ
ていきました。今日こちらに参加されているご家族の皆様方をご紹介したいと思
います。7家族11人です。
まず今ご挨拶をいただきました横田拓也です(拍手、以下略)、横田哲也さん、
お母様の横田早紀江さん、飯塚耕一郎さん、本間勝さん、有本明弘さん(車椅子
から立ち上がる)、市川健一さん、斉藤文代さん、松木信宏さん、松本孟さん、
そして寺越昭男さんです。
有本のお父さんも頑張っておられますが、足が弱くなっておられます。本当に
一日も早い解決を国として、また私たち国民が一致団結してやっていきたいと思
います。
ここで、ご家族の方々を代表して横田早紀江さんにお話を伺えたらと思います
(拍手)。
◆全部親の元に取り戻してあげたい
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様、こんにちは。本当に長い戦いになり、私たちも高齢化し色々と身体に故
障がでてきます。私も2か月程前から調子がよくなくて、病院に治療に行ってい
ます。
この問題のために国民の心が一つになってほしいと思います。自分たちは、あ
んなことが起きているのにこれまで何をしてきたのだろうかと思いながら、たく
さんの方が支えになって運動が続いてまいりました。
こんなにかかるとは思っていませんでしたが、一人、二人、三人と何人もの人
が今日も辛い思いをしているのかなと思うのですが、あちらの国のことは想像が
つかないんですね。
日本の平和な日々の中で、力が抜けていくような思いをしました。必ずその国
から全部親の元に取り戻してあげたい。それだけを念じて、祈って、今日までま
いりました。
多くの皆様のご支援を頂いて、今日また、ふらふらしながら壇上からお話しさ
せていただく機会をいただいて嬉しく思います。
どうしたらいいのかということは難しいことですが、総理があの方と対面し、
目を見て話す日が早くきたらいいなと思います。どうしたらそういう日が来るの
かと、いつも願っています。
大変なお仕事だと思いますが、どうか国のためにこのことがなおざりにされて
はいけませんので、必ず助け出すよう頑張っていただきたいと思っています。ど
うか皆様、これからもよろしくお願いします。ありがとうございます(拍手)。
櫻井 ありがとうございます。次に、主催者として拉致議連会長の古屋圭司さん
におねがいします。元拉致問題担当大臣でいらっしゃいます。
◆いよいよ拉致問題を解決するチャンスが来る
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
今拓也さんからお話があったように、昨年10月23日、この場で大集会が開催さ
れました。あの時私は、「今年もこうやって集会をしなければならないのは忸怩
たる思いだ」と申し上げましたが、また今年も開会せざるをえませんでした。
私たち拉致議連は、解決のために全力で取組んでいる国会議員として申し訳な
い気持ちでいっぱいです。
しかし、振り返ってみると、第2次安倍政権以降は、世界の首脳に必ずこの拉
致問題に言及した。そして共通の価値観を持つ国々は、みんな等しく認識するよ
うになった。
すなわち、北朝鮮による拉致問題は究極の人権侵害だ、そして国家によるテロ
でもある。こういう認識をみんな持つようになりました。岸田政権に代わっても
この考えかたに変わりはありません。
先のG7でも拉致問題が共同声明に盛り込まれました。おそらく岸田総理からも
言及があると思います。20年余り前に一部の拉致被害者が戻ってから後、具体的
な進展はありません。これが苦しい現実でもあります。
私たち拉致議連は超党派で拉致被害者を取り戻すという目的に向かって取り組
んでいます。最近でも、国連の人権問題担当者と頻繁に会って強く訴えています
し、今年から再開したワシントン訪問、これは山谷先生から詳しく報告があると
思います。
金正恩委員長はただひたすら核とミサイルの開発に突き進んでいます。なぜか。
それはこの核・ミサイルをしっかり実用化すれば、国の大小を問わずアメリカと
堂々とわたりあえると思い込んでいるからです。
だから今の時点で、おそらく金正恩委員長の心に拉致問題は残念ながらほとん
どないのでしょう。しかし北朝鮮は、この半年だけを見ても大変経済状況が悪く
なっています。食糧もとんでもない状況になっている。これが現実です。独裁者
というのは人民のことはほとんど気にしません。人権や人の命よりも自分の面子
がすべてに優先しています。
しかし、ロシアがウクライナに侵略する前は、ロシアは北朝鮮のことをあまり
相手にしていなかったと思います。しかし、今ロシアは日に日に厳しい局面に追
いやられて、背に腹は代えられない状況です。そして北朝鮮から労働力をもらっ
ています。旧型の砲弾も供給を受けています。
しかしG7もそうですが、世界がロシア包囲網を作っている。そう長続きする筈
がありません。金正恩もその辺は分かるでしょう。そうなると北朝鮮は中国に泣
きついてくるでしょう。でも中国は核開発をしている。マフィアの親父とドラ息
子のような関係ですから、思い切り親子喧嘩はします。だけども「生かさず殺さ
ず」の状況でいる。だから中国が支援の手を差し伸べるというのは、水面下では
色々やっていても、ありえないと思います。
そういう時こそ、いよいよ拉致問題を解決するチャンスが来るんです。私はそ
う遠くない将来に必ず来ると確信しています。
だからこそ岸田総理も、金正恩委員長とは、「条件をつけずに向き合う用意が
ある」とはっきり宣言をしているわけです。
私たちはこの動きをしっかりフォローする。拉致議員連盟としても政府をしっ
かりバックアップする。動き方が鈍かったら叱咤激励を含めて背中を押していく
ことが、超党派の拉致議員連盟の役割です。
それから今日、会場の皆さんに一つお願いがあります。絶対にこの問題を風化
させてはいけないんです。金正恩委員長は風化を狙っているんです。そうは問屋
が卸さないわけで、署名とか、めぐみのビデオとかアニメ、そして小中学校への
啓発活動に協力していただきたいと思います。
残念ながら横田滋さん、飯塚繁雄さん、有本嘉代子等お亡くなりになりました
が、しかし世代を越えて拓也さんや耕一郎さんたちが地獄の底まで金正恩を追い
詰めるぞとの覚悟で今家族会は頑張っています。
私たちも、そういう家族会の気持ち、そして捕らわれの身の被害者の心をしっ
かり受け止めて、この拉致問題の解決のために議員連盟としても全力を尽くして
いきたいと思っています。
皆さん、世論の啓発はすごく大事です。引き続き徹底していただきたいと、改
めてお願いを申しあげて、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございまし
た(拍手)。
櫻井 内閣総理大臣岸田文雄さんのご挨拶をいただけたらと思います。総理は政
府の拉致問題対策本部の本部長を兼ねておられます。
◆トップ同士の関係を構築、直轄のハイレベルで協議を行いたい
岸田文雄(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)
みなさん、こんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。本日、国民大集会の開
催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
今年3月、家族会・救う会の新たな運動方針を直接受け取らせていただきまし
た。2002年以来、一人の拉致被害者の方の帰国も実現していないということは、
痛恨の極みであり、政府として改めて重く受け止めております。
北朝鮮については、日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づき、拉致、核、ミサイ
ルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の
実現を目指しますが、とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的
制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人権問題です。
全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んで
まいります。
今月開催されたG7広島サミットでは、私から、拉致問題の即時解決に向けた引
き続きましての御理解と、そして御協力を求め、各首脳から、改めて全面的な支
持を得ました。
また、首脳コミュニケにおいて北朝鮮に対し、拉致問題を即時に解決するよう
求めることが、改めて確認されました。
こうした国際社会への働き掛けと同時に、我が国が主体的に行動することが重
要です。
日朝間の実りある関係を樹立することは、日朝双方の利益に合致するとともに、
地域の平和と安定に大きく寄与いたします。しかしながら、現在の状況が長引け
ば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしても、その実現は困難なものになっ
てしまいかねません。一瞬たりとも無駄にせず、今こそ大胆に現状を変えていか
なければなりません。
そのためには、私自身、我が国自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築
していくことが極めて重要であると考えております。
私自身、条件を付けずにいつでも金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接向
き合う決意であると申し上げているゆえんでありますし、全力で行動してまいり
ます。
日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点か
らの私の決意を、あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首
脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考え
ております。
私は、大局観に基づき、あらゆる障害を乗り越え、地域や国際社会の平和と安
定、日朝双方のため、自ら決断してまいります。
本日、この集会を通じて、日本国民の一致団結した強い思いが示されることは、
拉致問題の解決に向けた力強い後押しとなります。その声こそが、国際社会を動
かし、北朝鮮を動かすことに繋(つな)がっていくと信じております。
こうした多くの皆様方の力強い後押しに心から感謝を申し上げ、皆様と心を一
つに、総理大臣として自らが先頭に立ち、政府を挙げて、全力で取り組んでまい
ります。このことを、本日の国民大集会に当たって、今一度お誓い申し上げ、私
の御挨拶とさせていただきます(拍手)。
櫻井 総理ありがとうございました。昨年、拉致被害者の一日も早い帰国につい
て「時間的制約がある」という言葉で、今年は拉致被害者の方の問題を、「ひと
ときもゆるがせにしてはならない。現状を大胆に変える必要がある、トップ同士
の関係が重要であり私は行動する、首脳会談を早期に実現したい」との強い決意
をご表明いただいたと思います。本当にありがとうございます。
(2につづく)
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■岸田首相にメール・葉書を
首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
下記をクリックして、ご意見を送ってください。
https://www.kantei.go.jp/jp/iken.html
葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 岸田文雄殿
■救う会全国協議会ニュース
発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
私たちは、5月27日午後、都内で「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民
大集会」を開催しました。総合司会は櫻井よしこさん(ジャーナリスト)。
政府から、岸田文雄総理大臣、松野博一拉致担当大臣兼官房長官らが参加し、
各党代表として山谷えり子(自民)、松原仁(立民)、三浦信祐(公明)、藤田
文武(維新)、川合孝典(国民)の各氏が、主催した5団体からは以下の人々が
参加しました。
家族会から、横田拓也代表等が参加。拉致議連から古屋圭司会長、北村経夫事
務局長、笠浩史連事務局長代理等が、知事の会から黒岩祐治会長(神奈川県知事)
等が、地方議員の会から松田良昭会長(神奈川県議)等が、特定失踪者家族会か
ら今井英輝会長(今井裕さん兄)、吉見美保副会長(秋田美輪さん姉)等が、救
う会から、西岡力会長等が参加しました。大集会の概要は以下の通り。
■国民大集会報告1
櫻井よしこ(総合司会、ジャーナリスト)
ただいまより、「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」を開催い
たします。どうぞ宜しくお願い致します(拍手)。
では主催者を代表して家族会の横田拓也代表にご挨拶をお願いいたします(拍
手)。
◆岸田首相の強いリーダーシップに私たちは賭けている
横田拓也(横田めぐみさん弟、家族会代表)
皆様こんにちは。本日もお忙しい中、北朝鮮による日本人拉致事件解決のため
に心を一つにしてお集まり頂きまして誠に有難うございます。
最初に、5月2日?7日に掛けて家族会・救う会・拉致議連の3団体で訪米致しま
したことをご報告させて頂きます。拉致議連の山谷先生、北村先生、塚田先生に
は力強いご支援を頂きまして誠にありがとうございました。また拉致対策本部、
外務省並びに在米日本大使館の皆様の多大なるご支援に対しまして心から感謝申
し上げます。
前回の国民大集会は10月23日に開催されました。岸田総理から一歩踏み込んだ
力強いメッセージが発せられたことを同じ壇上で聞いておりました。「日朝平壌
宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過
去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指しますが、とりわけ、拉致被害者御
家族も御高齢となる中で、拉致問題は時間的制約のある人権問題です。全ての拉
致被害者の方の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでまいり
ます」と話されました。
家族会・救う会はこのご発言を受けて、今年度の新しい運動方針を2月に作成
しました。「親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現する
なら、わが国が人道支援を行うことに反対しない」という新しい提案です。つま
り、人道問題である拉致問題を他の諸懸案、つまり核・ミサイル問題から切り離
して優先的に解決するよう求めているのです。
主権国家から無実の少女を「一方的な力による現状変更」で拉致した加害者北
朝鮮を許す事は絶対にできません。譲歩する気もありません。制裁を緩めること
も考えていません。一方、拉致された私たちの愛する子どもや兄弟を待つ親世代
の高齢化は厳しい現実下にあり、再会を果たせず他界されるケースが相次いでい
ます。残されている時間が無いのです。
どうしても日本の地で再会させたい。大切な我が子や家族と抱き合わせてあげ
たい。その強い思いから、人道問題である拉致問題の解決を前進させるために、
全拉致被害者即時一括帰国が約束されるのであれば日本政府が北朝鮮へ人道支援
する事に私たちは反対しないと言う方針を作りました。
この運動方針の考え方、背景にある私たちの心の内の苦しみを今回の訪米活動
において政府高官及び上下両院議員、そして有識者の方々に伝えて参りました。
一人の方からもこの私たちの運動方針や考え方に反対や異論の声は上がりません
でした。この点において、訪米活動は実りある成果を得られたと考えています。
金正恩委員長に再度伝えます。拉致被害者が晴れて日本に帰国した際に、私た
ちは拉致被害者本人が見聞きした内容を聞き出し、日朝国交正常化交渉の妨げを
することはしないことを改めて伝えます。怖がらずに勇気ある英断をして下さい。
私たちは拉致された被害者をただ帰してほしいだけなのです。
金正恩委員長、あなたの横に座るあなたの娘さんの映像を私たちが目にする時、
あなたも親として愛する子どもが大切であるとの気持ちを持っていることを私た
ちは感じ取っています。その同じ気持ちを私たち拉致被害者家族の親世代の方々
も持っていることを忘れないでほしい。
人権・人道問題である拉致問題を解決、つまり全拉致被害者の即時一括帰国を
約束するのであれば、日朝両国に明るい未来があることを理解してほしい。それ
はあなたの娘さんの未来も明るくする親の責務でもあると思います。今のまま、
人々を苦しめ続け、他国から無実の少女を拉致したまま人質外交を続ける先には
明るい未来は待っていません。国際社会からも信用されることはありません。あ
なたの娘さんがそうした行為を続ける一国のリーダーの姿をどのように見ている
か、冷静に考えてほしいと思います。
暴力や恐怖からは何一つ生み出されるものはありません。家族の絆を引き裂い
たままの現状を変えるべきです。日朝両国が平和に向かって歩み出せるよう、現
実を直視して下さい。
最後に、日本政府は一刻も早く北朝鮮による日本人拉致事件を解決させるため
に、日朝首脳会談を実現させて下さい。北朝鮮から拉致された私たちの大切な家
族や兄弟を速やかに取り戻して下さい。岸田首相の強いリーダーシップに私たち
は賭けています。
国民の皆様、どうかこの問題が完全解決されるまで私たちのそばで一緒に戦っ
て下さい。この問題が忘れられることが無いよう、特に若年世代の方々に大人の
責任として伝え続けて下さい。
引き続きのご支援を賜りますようどうぞ宜しくお願い致します。ありがとうご
ざいます(拍手)。
◆拉致被害者家族紹介
櫻井 横田拓也さんありがとうございました。この運動が始まって26年目なん
ですね。四半世紀を過ぎてしまって、この間に多くのご家族の方々が無くなられ
ていきました。今日こちらに参加されているご家族の皆様方をご紹介したいと思
います。7家族11人です。
まず今ご挨拶をいただきました横田拓也です(拍手、以下略)、横田哲也さん、
お母様の横田早紀江さん、飯塚耕一郎さん、本間勝さん、有本明弘さん(車椅子
から立ち上がる)、市川健一さん、斉藤文代さん、松木信宏さん、松本孟さん、
そして寺越昭男さんです。
有本のお父さんも頑張っておられますが、足が弱くなっておられます。本当に
一日も早い解決を国として、また私たち国民が一致団結してやっていきたいと思
います。
ここで、ご家族の方々を代表して横田早紀江さんにお話を伺えたらと思います
(拍手)。
◆全部親の元に取り戻してあげたい
横田早紀江(横田めぐみさん母)
皆様、こんにちは。本当に長い戦いになり、私たちも高齢化し色々と身体に故
障がでてきます。私も2か月程前から調子がよくなくて、病院に治療に行ってい
ます。
この問題のために国民の心が一つになってほしいと思います。自分たちは、あ
んなことが起きているのにこれまで何をしてきたのだろうかと思いながら、たく
さんの方が支えになって運動が続いてまいりました。
こんなにかかるとは思っていませんでしたが、一人、二人、三人と何人もの人
が今日も辛い思いをしているのかなと思うのですが、あちらの国のことは想像が
つかないんですね。
日本の平和な日々の中で、力が抜けていくような思いをしました。必ずその国
から全部親の元に取り戻してあげたい。それだけを念じて、祈って、今日までま
いりました。
多くの皆様のご支援を頂いて、今日また、ふらふらしながら壇上からお話しさ
せていただく機会をいただいて嬉しく思います。
どうしたらいいのかということは難しいことですが、総理があの方と対面し、
目を見て話す日が早くきたらいいなと思います。どうしたらそういう日が来るの
かと、いつも願っています。
大変なお仕事だと思いますが、どうか国のためにこのことがなおざりにされて
はいけませんので、必ず助け出すよう頑張っていただきたいと思っています。ど
うか皆様、これからもよろしくお願いします。ありがとうございます(拍手)。
櫻井 ありがとうございます。次に、主催者として拉致議連会長の古屋圭司さん
におねがいします。元拉致問題担当大臣でいらっしゃいます。
◆いよいよ拉致問題を解決するチャンスが来る
古屋圭司(拉致議連会長、元拉致問題担当大臣、衆議院議員)
今拓也さんからお話があったように、昨年10月23日、この場で大集会が開催さ
れました。あの時私は、「今年もこうやって集会をしなければならないのは忸怩
たる思いだ」と申し上げましたが、また今年も開会せざるをえませんでした。
私たち拉致議連は、解決のために全力で取組んでいる国会議員として申し訳な
い気持ちでいっぱいです。
しかし、振り返ってみると、第2次安倍政権以降は、世界の首脳に必ずこの拉
致問題に言及した。そして共通の価値観を持つ国々は、みんな等しく認識するよ
うになった。
すなわち、北朝鮮による拉致問題は究極の人権侵害だ、そして国家によるテロ
でもある。こういう認識をみんな持つようになりました。岸田政権に代わっても
この考えかたに変わりはありません。
先のG7でも拉致問題が共同声明に盛り込まれました。おそらく岸田総理からも
言及があると思います。20年余り前に一部の拉致被害者が戻ってから後、具体的
な進展はありません。これが苦しい現実でもあります。
私たち拉致議連は超党派で拉致被害者を取り戻すという目的に向かって取り組
んでいます。最近でも、国連の人権問題担当者と頻繁に会って強く訴えています
し、今年から再開したワシントン訪問、これは山谷先生から詳しく報告があると
思います。
金正恩委員長はただひたすら核とミサイルの開発に突き進んでいます。なぜか。
それはこの核・ミサイルをしっかり実用化すれば、国の大小を問わずアメリカと
堂々とわたりあえると思い込んでいるからです。
だから今の時点で、おそらく金正恩委員長の心に拉致問題は残念ながらほとん
どないのでしょう。しかし北朝鮮は、この半年だけを見ても大変経済状況が悪く
なっています。食糧もとんでもない状況になっている。これが現実です。独裁者
というのは人民のことはほとんど気にしません。人権や人の命よりも自分の面子
がすべてに優先しています。
しかし、ロシアがウクライナに侵略する前は、ロシアは北朝鮮のことをあまり
相手にしていなかったと思います。しかし、今ロシアは日に日に厳しい局面に追
いやられて、背に腹は代えられない状況です。そして北朝鮮から労働力をもらっ
ています。旧型の砲弾も供給を受けています。
しかしG7もそうですが、世界がロシア包囲網を作っている。そう長続きする筈
がありません。金正恩もその辺は分かるでしょう。そうなると北朝鮮は中国に泣
きついてくるでしょう。でも中国は核開発をしている。マフィアの親父とドラ息
子のような関係ですから、思い切り親子喧嘩はします。だけども「生かさず殺さ
ず」の状況でいる。だから中国が支援の手を差し伸べるというのは、水面下では
色々やっていても、ありえないと思います。
そういう時こそ、いよいよ拉致問題を解決するチャンスが来るんです。私はそ
う遠くない将来に必ず来ると確信しています。
だからこそ岸田総理も、金正恩委員長とは、「条件をつけずに向き合う用意が
ある」とはっきり宣言をしているわけです。
私たちはこの動きをしっかりフォローする。拉致議員連盟としても政府をしっ
かりバックアップする。動き方が鈍かったら叱咤激励を含めて背中を押していく
ことが、超党派の拉致議員連盟の役割です。
それから今日、会場の皆さんに一つお願いがあります。絶対にこの問題を風化
させてはいけないんです。金正恩委員長は風化を狙っているんです。そうは問屋
が卸さないわけで、署名とか、めぐみのビデオとかアニメ、そして小中学校への
啓発活動に協力していただきたいと思います。
残念ながら横田滋さん、飯塚繁雄さん、有本嘉代子等お亡くなりになりました
が、しかし世代を越えて拓也さんや耕一郎さんたちが地獄の底まで金正恩を追い
詰めるぞとの覚悟で今家族会は頑張っています。
私たちも、そういう家族会の気持ち、そして捕らわれの身の被害者の心をしっ
かり受け止めて、この拉致問題の解決のために議員連盟としても全力を尽くして
いきたいと思っています。
皆さん、世論の啓発はすごく大事です。引き続き徹底していただきたいと、改
めてお願いを申しあげて、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございまし
た(拍手)。
櫻井 内閣総理大臣岸田文雄さんのご挨拶をいただけたらと思います。総理は政
府の拉致問題対策本部の本部長を兼ねておられます。
◆トップ同士の関係を構築、直轄のハイレベルで協議を行いたい
岸田文雄(内閣総理大臣、政府拉致問題対策本部長)
みなさん、こんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。本日、国民大集会の開
催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
今年3月、家族会・救う会の新たな運動方針を直接受け取らせていただきまし
た。2002年以来、一人の拉致被害者の方の帰国も実現していないということは、
痛恨の極みであり、政府として改めて重く受け止めております。
北朝鮮については、日朝平壌(ピョンヤン)宣言に基づき、拉致、核、ミサイ
ルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の
実現を目指しますが、とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的
制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人権問題です。
全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んで
まいります。
今月開催されたG7広島サミットでは、私から、拉致問題の即時解決に向けた引
き続きましての御理解と、そして御協力を求め、各首脳から、改めて全面的な支
持を得ました。
また、首脳コミュニケにおいて北朝鮮に対し、拉致問題を即時に解決するよう
求めることが、改めて確認されました。
こうした国際社会への働き掛けと同時に、我が国が主体的に行動することが重
要です。
日朝間の実りある関係を樹立することは、日朝双方の利益に合致するとともに、
地域の平和と安定に大きく寄与いたします。しかしながら、現在の状況が長引け
ば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしても、その実現は困難なものになっ
てしまいかねません。一瞬たりとも無駄にせず、今こそ大胆に現状を変えていか
なければなりません。
そのためには、私自身、我が国自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築
していくことが極めて重要であると考えております。
私自身、条件を付けずにいつでも金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接向
き合う決意であると申し上げているゆえんでありますし、全力で行動してまいり
ます。
日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点か
らの私の決意を、あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首
脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考え
ております。
私は、大局観に基づき、あらゆる障害を乗り越え、地域や国際社会の平和と安
定、日朝双方のため、自ら決断してまいります。
本日、この集会を通じて、日本国民の一致団結した強い思いが示されることは、
拉致問題の解決に向けた力強い後押しとなります。その声こそが、国際社会を動
かし、北朝鮮を動かすことに繋(つな)がっていくと信じております。
こうした多くの皆様方の力強い後押しに心から感謝を申し上げ、皆様と心を一
つに、総理大臣として自らが先頭に立ち、政府を挙げて、全力で取り組んでまい
ります。このことを、本日の国民大集会に当たって、今一度お誓い申し上げ、私
の御挨拶とさせていただきます(拍手)。
櫻井 総理ありがとうございました。昨年、拉致被害者の一日も早い帰国につい
て「時間的制約がある」という言葉で、今年は拉致被害者の方の問題を、「ひと
ときもゆるがせにしてはならない。現状を大胆に変える必要がある、トップ同士
の関係が重要であり私は行動する、首脳会談を早期に実現したい」との強い決意
をご表明いただいたと思います。本当にありがとうございます。
(2につづく)
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発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
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担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
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